著者
野沢 健人 中岡 義貴 山本 修平 佐藤 哲司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.204, pp.41-46, 2014-09-03

近年,レシピ投稿検索サイトに大量の料理レシピが投稿されている.これらのレシピの中には,一部の食材を入れ替えた類似レシピが数多くある.本研究では,大量のレシピデータの中から,特定の食材に対する代替可能な食材を発見する手法を提案する.調理手順中に記述された食材と調理法を特徴に,ニューラルネットワークに基づく言語モデルとして知られるword2vecを用いて,特定の食材に対して他の食材の類似度を算出することにより,代替可能な食材を発見する.数十万件のレシピデータを用いて評価した結果,提案法の有効性を確認したので報告する.
著者
白木 善尚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.97, pp.63-68, 2000-05-19
被引用文献数
2

単位円内|z|<1の複素数値解析関数(正則関数)は線型時不変系の伝達関数H(z)として良く使われる。例えば、音声波の線型予測分析(LPC)は一変数の有理関数を用いる。この際、鼻音を除く音声の多くの特徴は有理関数の極に現れる。合成の際には、極の情報を与えて有理関数を作り、声道のフィルターとして用いる。「音声の特徴と極とのうまい対応」が正当化される一変数複素解析の側面からの根拠は、正則関数の極が孤立点であること、による。これらのことから、2人の話者の音声を分析する場合、二変数の有理関数を用いることが考えられる。しかし、多変数の場合、極は孤立点とは限らない。解析接続の状況が一変数の場合とは異なるためである。したがって、極の情報を与えて正則関数を作れるか、どのような条件のときにそれが可能なのか、それ自体が難しい問題となる。この問題はクザン(Cousin)の問題と呼ばれ、Hartogsの逆問題などともに、岡潔が解決した。岡による一連の解決の核心は『上空移行の原理』にある:考えている空間の次元を適当に上げることによって問題の困難さがときとして緩和される。本稿では、『上空移行の原理』に習った音声特徴の多重構造の調べ方について報告する。音声特徴の多重性は、種々の「複雑な領域」に現れる。「複雑な領域」における音声の多重性の問題を『上空移行の原理』を用いて、「簡明な凸性」の組み合わせ問題へと帰着させる。L^2空間との関連も述べる。
著者
加納 唯 駱 美玲 北越 愛菜 石川 郁弥 前山 利幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.135, pp.149-153, 2010-07-14
参考文献数
4
被引用文献数
2

電界方式の人体通信における伝搬は,周辺環境の影響を受けると考えられる.周辺環境とは、人体通信で通信を行っている人の着衣や周囲にある什器等を示している.本研究では,周辺環境の影響を受けない電波暗室での測定を基本伝搬特性とし,今回はファントム,人体,金属等の伝送特性を取得した.この時,人体通信に利用する周波数として,20MHz,30MHz,60MHz,90MHzに着目した.特に,この周波数を利用した人体通信は,近傍界での伝搬となる.本報告は基本電伝搬特性の測定結果から,人体通信における周辺環境の影響について考察を試みる.
著者
大谷 卓史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.443, pp.121-126, 2014-02-20

本発表は、子どもにどのようにSNS(Social Networking Services)を使わせるべきか考察する。子どものSNS利用は、SNS利用にともなうネットいじめや評判のリスク、SNSへの依存の可能性から慎重に許可すべきである。ただし、子どもが行為選択能力を育て、ネット上の人間関係構築能力を育てられるよう、子どものネット利用の問答無用の禁止や監視は避けなければならない。
著者
大谷 卓史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.443, pp.121-126, 2014-02-27

本発表は、子どもにどのようにSNS(Social Networking Services)を使わせるべきか考察する。子どものSNS利用は、SNS利用にともなうネットいじめや評判のリスク、SNSへの依存の可能性から慎重に許可すべきである。ただし、子どもが行為選択能力を育て、ネット上の人間関係構築能力を育てられるよう、子どものネット利用の問答無用の禁止や監視は避けなければならない。
著者
玉木 徹 牛山 幸彦 八坂 剛史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.415, pp.13-18, 2005-11-11
参考文献数
29
被引用文献数
6

本報告では、スポーツ選手の技能を向上を目的とする動画像処理システムについて報告する。画像認識技術で得られる情報は、レベル判定などの自動化を目的としていて、高度に抽象化されたものが多い。しかし、スポーツの教育や指導の現場で求められているものは、それを使って指導者が選手にフィードバックするために有用である情報である。そのような動画像処理システムを実現するために、本発表では開発した三つの画像処理システム(卓球のスピン計測、バレーボールの球速測定、スキーの滑走指導)について報告し、その有用性を検証する。
著者
小松 一貴 野村 国彦 浅井 義之 佐古田 三郎 野村 泰伸 野村 泰伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.460, pp.37-42, 2010-03-02
被引用文献数
1

本研究の目的は,ヒト静止立位姿勢の制御メカニズムに関する仮説である,PD制御モデルおよび間欠制御モデルの妥当性を検証することである.そのために,静止立位状態の健常被験者の足裏に対して左右足圧分布の変化に応じた微小な機械的刺激を与え,それに対する重心動揺応答を計測した.計測により得られた重心動揺を,両モデルのシミュレーションと比較した結果,足裏皮膚感覚に姿勢変化に関する情報を有する刺激を加えた場合の重心動揺の性質の変化は,PD制御モデルよりもむしろ間欠制御モデルによってより良く再現され,適切な刺激により,足裏皮膚感覚から得られる姿勢の傾きに関するフィードバック入力が増強されることがあることが示された.
著者
池田 尚隆 市川 武宜 金子 敏信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.733, pp.37-41, 2005-03-10

2002年に角尾らは, CPUのキャッシュの処理時間差を用いたキャッシュ攻撃を提案した.キャッシュ攻撃は, 非線形変換テーブルを有する暗号アルゴリズムに汎用的に適用できる.オリジナルのキャッシュ攻撃では平文のバイト間の差分を用いて攻撃方程式を導いた.2004年に筆者は複数の平文の対応するバイトの間の差分を用いたキャッシュ攻撃を提案し, Camelliaに対する攻撃計算量を削減した.本研究では, その着想を算術加算を含むラウンド関数に適用できるように改良し, これまでキャッシュ攻撃の結果が報告されていないSEEDに対して適用しその結果について報告する.
著者
前田 青広 福永 雅喜 中越 明日香 山本 洋紀 山本 謙一郎 田中 忠蔵 恵飛須 俊彦 梅田 雅宏 江島 義道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.39, pp.13-18, 2003-05-02

Kanizsa型輪郭錯視では、パックマン型誘導刺激のエッジ間を補完するように主観的輪郭線が形成される.本研究では、Kanizsa型輪郭錯視図形を観察している被験者の脳活動をfMRIを用いて測定した。実験は、パックマン開口部の同期を制御し、局所的な輝度変調のないブロックデザインで行った。主観的輪郭線に対する脳活動は、実輪郭線に対する脳活動と高い類似性を示した。また、脳活動は従来示されてきた線条外皮質だけでなく、線条皮質においてもロバストに観察された。さらに、錯視輪郭を形成しない誘導図形を用いた場合でも、同様の傾向が見られた。上記の結果を、レチノトピー、輪郭形成過程、形態形成過程の観点から考察した。
著者
金田 茂 廣森 聡仁 品川 準輝 滝田 亘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.311, pp.63-68, 2007-11-08
参考文献数
9

移動通信ネットワークでは,花火大会などのイベント時に局所的にユーザが集中することによって,ネットワークの処理能力を超える膨大な接続要求が発生し,輻輳が生じることが多い.このような状況に対処すべく,我々は,ユーザとネットワークとが協調してトラフィック制御をすることで,呼損率の低減やシステムのリソース利用効率を上げることを目指したユーザ協調型トラフィック制御方式を提案している.本論では,提案方式をより実世界に近い環境で定量的に評価することを試みた.そのために,通信サービスの利用者であるユーザの行動を模擬すると共に,実際の地理的環境を考慮できるシミュレーション評価環境を構築した.さらに,構築した評価環境を利用し,提案するトラフィック制御方式の性能評価を行うことで,提案方式の効果や適用範囲を明らかにする.
著者
長坂 哲 酒井 正彦 坂部 俊樹 草刈 圭一朗 西田 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.227, pp.55-60, 2010-10-07
被引用文献数
2

Malbolgeは最も難解なプログラミング言語として知られている.本研究では,飯澤らが提案したプログラミング手法に基づいて,Malbolgeが弱チューリング完全性を持つこと示す.そのために,チューリング完全性を持つ正規形のNプログラムをMalbolgeコードに変換できることを示す.ここで,本稿で示す性質が弱チューリング完全性であるのは,Malbolgeが固定されたメモリ空間およびレジスタ長の仮想機械により意味が定められているためである.
著者
石垣 司 竹中 毅 本村 陽一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.461, pp.425-430, 2010-03-02
被引用文献数
2

小売サービス業では顧客のライフスタイルやパーソナリティを考慮した生活者視点での商品分類が必要となってきている.そこで本報告では,大規模ID-POSデータと顧客アンケートデータを統合的に利用することで,顧客のパーソナリティやライフスタイルを考慮した顧客と商品の同時カテゴリ分類法について述べる.流通量販店の1年間のID-POSデータに対し確率的潜在意味解析(PLSI))により顧客と商品を同時にクラスタリングする.また4000人規模の顧客アンケートデータから顧客の消費・生活因子を抽出し,PLSIの結果と統合することで,顧客パーソナリティやライフスタイルを考慮した顧客と商品の同時カテゴリ分類を実行する.
著者
大谷 真 岩谷 幸雄 鈴木 陽一 伊東 一典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.239, pp.103-108, 2010-10-14
参考文献数
20

音像定位において頭部伝達関数(HRTF : head-related transfer function)は大きな役割を果たしている。HRTFを用いた音響信号処理により,受聴音に対して仮想的に音像を呈示する聴覚ディスプレイ(VAD : virtual auditory display)の研究開発が行われている。しかし,頭部および耳介形状の個人差に起因してHRTFは強い個人性を持つため,理想的には,3次元聴覚空間の合成には受聴音本人のHRTF測定/計算が必要とされ,HRTFを用いたVADの汎用性の低下を招いている。この問題を解決するためには,耳介形状がHRTFの振幅周波数特性上の山(ピーク)や谷(ノッチ)を生みだす物理的メカニズムを明らかにする必要がある。このために,多くの研究者がHRTFと耳介形状の関連について実頭/擬似頭や耳介レプリカを用いた測定により検討を行ってきた。それに対し,本研究では,耳介表面の音圧とHRTFを境界要素法(BEM : boundary element method)を用いて算出し,耳介形状がHRTFに与える影響について検討を行う。BEMにおける各境界要素上の音圧はその部位からの反射音の強さに相当するため,耳介表面音圧を算出することで,HRTFに対する耳介形状の影響を直接的に観察することが可能である。結果から,耳介の各部位がHRTFに現れるピークやノッチ生成に与える影響の一部が示唆された。さらに,音源仰角に対してその周波数が連続的に変化するノッチであっても,音源仰角に依存してその耳介表面音圧には様々な分布パターンが存在し,その生成メカニズムが多様であることが分かった。
著者
澤口 裕太 福永 優 高橋 範行 木村 主幸 三澤 顕次 有澤 準二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.596, pp.5-8, 2003-01-17
参考文献数
11

我々はこれまでに金魚を対象に極低周波数磁場の生体影響について検討し,50 Hz磁場を曝露すると体色変化や尿排泄量の増加など,様々な生体反応が生じることを確認してきた。本報では,尿排泄量の増加が誘導電流に起因しているかどうかを確認するために,50 Hz 62 mT磁場で発生する誘導電流と同等の交流電流を金魚に通電し,尿排泄量の変化を観察した。その結果,磁場曝露と同様に金魚の尿排泄量が増加した。さらに,誘導電流は磁場の周波数と比例関係にあることから,周波数に対する尿排泄量の変化について観察し,50Hz磁場では尿排泄量が増加し,逆に10 Hz磁場では尿排泄量が減少する傾向を確認した。これらのことから,金魚の尿排泄量の変化が誘導電流に起因すること見出した。
著者
川口 嘉奈子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.74, pp.71-75, 2009-05-29
被引用文献数
1

2007年,Google社は「Google Street View」(以下,GSV)のサービスを開始した,日本でもGSVが導入され,あらゆる地点の周辺風景が地図情報と併せて公開されている.しかしながら現状では,とくに住宅地での撮影がプライバシーの侵害,住居侵入の手助けになる,肖像権の侵害などを引き起こすとして問題視されている.本稿ではまず,GSVが引き起こしている諸問題を整理する.次に,GSV導入によって引き起こされると言われるプライバシー問題を整理する.そして,今後,セカイカメラ等の類似の問題を孕んだアプリケーションが導入された場合に,撮影される側のプライバシーはどこまで,またどのように守られるべきかを考察する.
著者
西本 卓也 光部 杏里 渡辺 隆行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.57, pp.27-32, 2006-05-12

ラジオ放送におけるスポーツ実況中継では,音声のみを用いて聞き手に視覚的なイメージを与えるための配慮がなされている.このような配慮は視覚障害者支援技術にも役立つことが期待される.そこで,競馬,野球,サッカーなどの実況中継におけるテレビおよびラジオのアナウンサーの発話内容を比較・分析した.競馬においては,レースの序盤,中盤,終盤,といった状況ごとに注目される対象の遷移が見られた.野球においては,テレビでは常時画面に表示されている得点やボールカウントなどの試合状況は,ラジオ中継では頻繁に音声で伝えられており,重要な情報ほど高頻度で発話されていた.またサッカーにおいては,連続的なゲームの展開を,間投詞を用いてシーンに分割して伝えていた.今後は,これらの知見を踏まえて,音声対話において空間的な状況の大局的な理解や説明を行うための具体的な方法について検討する予定である.
著者
石崎 一明 川人 基弘 今野 和浩 安江 俊明 竹内 幹雄 小笠原 武史 菅沼 俊夫 小野寺 民也 小松 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.252, pp.17-24, 1999-08-05
被引用文献数
1

Javaはプログラムの安全性のために、例外チェックやポインタを排除したオブジェクトへのアクセスなど、他の言語より大きなオーバヘッドを持つ。またプログラムの柔軟性を提供するために、型検査、動的なクラスリンク、オブジェクトを伴ったインスタンスメソッド呼び出し、を提供している。これらの特徴を失うことなくプログラムの性能を改善するためには、実行時にバイトコードからネイティブコードへコンパイルを行うJust-In-Time (JIT)コンパイラが必須である。本稿では、JITコンパイラへ実装した以下の最適化、定数伝搬、不要コードの除去、例外チェックの除去、共通部分式の除去、型検査の単純化、メソッド呼び出しのインライン展開、メソッド呼び出しの一意決定、について述べる。さらに、9つのプログラムの実行結果より、これらの最適化が効果的であることを示す。
著者
飯田 拓也 梶山 朋子 大内 紀知 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.45, pp.199-204, 2012-05-15
被引用文献数
3

書籍の表紙は直観的に本のイメージを与えるだけでなく,書籍購入前の検索や購入後の本棚散策では大きな指標となっている.本研究では,読者の印象を反映させた書籍表紙画像を自動生成するための第一段階として,内面的な性質や状態を表す形容詞と色の関係性に着目したデータベースを構築し,書籍本文と感想文から表紙色の抽出を試みた.被験者20人に感想文と表紙画像を描画するタスクを与え実験を行った結果,本手法は文章量に依存せず,小説において読者の描いた表紙画像色との一致率が高く,実際に出版されている書籍の表紙よりも読者の印象を反映できることを確認した.
著者
藤井 孝治 中西 衛 重松 智志 森村 浩季 羽田野 孝裕 池田 奈美子 島村 俊重 岡崎 幸夫 久良木 億
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.234, pp.29-34, 2002-07-18
参考文献数
4

指紋認証処理の全てを1つのシリコンチップ上で実行可能とするセルラーロジックプロセッシング回路について論ずる.アレイ状に配置した本回路により,指紋画像の取得から,画像の強調処理,照合処理にいたるまでオンチップで行うことができる.認証のための演算機能として4つのモルフォロジ演算をプロセッシング回路上に実現した.指紋パタンに適した500dpiのアレイ解像度を達成するため,プロセッシング回路の小型最適化を,データパスと論理ゲートの双方について行い,センサ回路とともに50μm角のピクセル回路内に集積した.本回路を用いて試作したワンチップ型の指紋認証LSIでは,他人排斥率0.1%の時の本人排斥率6.5%を達成した.