著者
伊東 正博 小森 敦正
出版者
独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

チェルノブイリ組織パンクにはこの2年間で約300症例が登録され、計3,000症例の症例集積が進んでいる。被曝甲状腺癌には一つの決まった特徴はなく、被曝形式により形態学的にも分子生物学的にも多様な形態を呈していた。チェルノブイリ地域から発生した小児甲状腺乳頭癌において、被曝の有無により、組織像に差はみられなかった。しかし、ヨード摂取の高い国の症例とは有意に差が存在し、低ヨード摂取は小児甲状腺疵の発生頻度の上昇、潜伏期の短縮、形態形成、浸潤性に影響を及ぼしていることが推察された。
著者
和田 英敏 伊東 正英 本村 浩之
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
2019

<p>During an ichthyofaunal survey of southwestern Satsuma Peninsula, Kagoshima Prefecture, Japan, a single pompano specimen (748.0 mm standard length, 814.0 mm fork length) was collected by set net at a depth of 20 m on 24 November 2018. The specimen was subsequently identified as <i>Trachinotus anak</i> Ogilby, 1909, having the following combination of characters: dorsal-fin rays VI-I, 18; anal-fin rays II-I, 16; snout profile essentially straight immediately above upper lip; upper lip separated from snout by a continuous deep groove; a narrow band of villiform teeth on lower jaw; teeth on tongue absent; supraoccipital bone thin and blade-like; nasal and lacrimal bones hyperossified; first supraneural bone an inverted "L" shape; first to third ribs hyperossified; no distinct pattern (e.g., blotches or bands) on lateral body surface; and anal-fin lobe yellow, the anterior margin lacking brownish coloration. Because of the superficial similarity of <i>T. anak</i> to <i>T. mookalee</i> Cuvier, 1832, differentiation between the species sometimes requiring dissection, previous Japanese records of <i>T. mookalee</i> were re-examined. <i>Trachinotus mookalee</i> was confirmed as occurring in Japanese waters, but is known only from a single specimen from Miyazaki Prefecture, east coast of Kyushu, southern Japan. <i>Trachinotus anak</i> was previously known only from Taiwan, northern and eastern Australia, and New Caledonia, the present specimen from Kagoshima representing the first record from Japan and northernmost record for the species. The new standard Japanese name "Yokozunamarukoban" is herein proposed for the species.</p>
著者
伊東 正博 中島 正洋
出版者
独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター・臨床研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

チェルノブイリ組織バンクに研究期間の3年間に約1,000例の生体試料の登録がなされ、4,288例の組織登録が完了している。被曝甲状腺癌には一つの決まった特徴はなく、被曝形式により形態学的にも分子生物学的にも多様な形態を呈することを報告した。新規に低ヨード環境の影響、成人症例の検討、FOXE1(TTF2)の変異、53BP1核内フォーカスの解析、microRNA解析を継続的に進めている。
著者
伊東 正博 中島 正洋
出版者
独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究期間中、チェルノブイリ組織バンクに5021例の組織登録が完了した。ヨード環境の異なる本邦とチェルノブイリ周辺地域の被曝歴のない成人の甲状腺乳頭癌症例を用いて病理組織学的検討を行った。チェルノブイリ症例では小児、成人とも充実性成分を有する症例が多くみられ、ヨード環境や遺伝的背景の差が形態形成に差をもたらすこと、放射線感受性を考える上で環境因子が重要であることを報告した。また福島原発事故関連の若年症例では、大部分の症例が古典的乳頭癌形態を呈し、BRAF点突然変異が多く、ret/PTC変異を主とするチェルノブイリ症例とは腫瘍形態、遺伝子変異が大きく異なることを明らかにした。
著者
熊谷 敦史 大津留 晶 SERIK MEIRMANOV 伊東 正博 SAGADAT SAGANDIKOVA DANIYAL MUSSINOV MAIRA ESPENBETOVA
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.363-366, 2006-09

旧ソビエト連邦カザフスタン共和国のセミパラチンスク核実験場では1949年から1989年まで(1965年以前は地上核実験)計470回ともいわれる核実験が行われた。この地域では約160万人を超える人々が今なお生活を営んでいるとされ,健康影響の調査や支援が必要とされている。さらに1991年の旧ソビエト連邦崩壊による社会基盤の瓦解により一般的なこの地域への医療支援の必要性が高まっていた。1997年の国連総会における同地域への支援決議(169号)を皮切りに日本政府も支援に乗り出し,長崎大学も広島大学などと共に2001年からJICA(国際協力機構)の事業として旧ソ連カザフスタン共和国のセミパラチンスク核実験場周辺地域で癌検診をはじめとして細胞診・病理診断指導などの医療協力を行ってきた。甲状腺はその組織の特性から,放射性ヨウ素の取り込みによる内部被曝の危険が高く,放射線被害による発癌の危険性が高い臓器の一つとされている。実際に,甲状腺癌は日本人被爆者において増加を示し,1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故後には周辺地域で特に小児甲状腺癌が急増した。甲状腺乳頭癌(PTC)の成人例において,特異的かつ高頻度(3〜6割)の遺伝子異常として近年BRAF遺伝子点突然変異(BRAF T1799A)が報告され,遠隔転移や放射性ヨウ素内照射療法への抵抗性との相関性などから予後不良群の指標として注目されている。
著者
越智 靖文 伊東 正
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.37-42, 2012 (Released:2012-02-28)
参考文献数
20

果実内発芽と内生アブシジン酸含量の関係を明らかにするために,果実内発芽し難い系統と果実内発芽し易い系統の2供試材料を,硝酸態窒素濃度の異なる3種の培養液(6.5,13,および26 me・L−1)で栽培した.その結果,果実内発芽し易い系統において,果実内発芽は,最も高い窒素濃度(26 me・L−1)で栽培されたときに増加した.しかし,果実内発芽し難い系統では,すべての窒素濃度下で,果実内発芽が認められなかった.両系統において,窒素濃度が高くなるほど胎座部周辺の果汁中のABA含量が減少した.また,果実内発芽し易い系統よりも果実内発芽し難い系統の方が,胎座部周辺果汁中のABA含量が高かった.以上の結果から,硝酸態窒素施肥量の増加により,胎座部周辺果汁中のABA含量が減少し,その結果として果実内発芽が増加すると考えられた.また,果実内発芽し易い系統では,果汁中のABA含量が低いと推察された.
著者
伊東 正人
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.229-230, 2009
被引用文献数
1
著者
塚越 覚 丸尾 達 伊東 正 扶蘇 秀樹 岡部 勝美
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.1022-1026, 1999-09-15
被引用文献数
1 2

NFT毛管水耕システムを用いたホウレンソウ(Spinacia oleracea L.品種'ジョーカー'および'オリオン')栽培において, 収穫前にNO_3-Nのみの補給停止(実験1 : 夏作), または全肥料成分の補給停止(実験2 : 秋作)が, 生育, 可食部の硝酸含量, 廃液の無機成分濃度に及ぼす影響を検討した.実験1 : 収穫6日前からのNO_3-Nの補給停止で, 可食部の硝酸含量は2, 199 ppm, 廃液のNO_3-N濃度は1.0 me・liter^<-1>と, 食品・廃液の許容基準を満たすことができた.NO_3-N以外の成分は初期濃度と同じか, それ以上に廃液中に残存した.実験2 : 2&acd;6日前からの追肥停止で, 廃液のNO_3-N濃度は0.7 me・liter^<-1>以下, 可食部の硝酸含量は2, 870 ppm以下となり, 食品・廃液の許容基準を満たすことができた.さらに, 他の主要無機成分についても, 残存濃度を低減できた.しかし, 6日前からの追肥停止では, 地上部生体重が低下した.以上より, 夏作で収穫予定日の6日前, 秋作では2&acd;4日前から, 肥料成分を含まない水を補給する方法が, 可食部の硝酸濃度の低いホウレンソウの生産と, 廃液中の主要無機成分含量の低減に有効と考えられた.
著者
和泉 泰衛 矢野 聡 佐藤 早恵 西野 文子 大野 直義 荒木 利卓 矢嶌 弘之 中島 一彰 伊東 正博
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.122-124, 2016 (Released:2016-06-24)
参考文献数
8

症例は24歳男性. 主訴は感冒症状が先行する右頸部痛. 画像上, 右内頸静脈血栓を認め, Lemierre症候群と診断. 抗生剤と抗凝固療法にて症状改善した. 退院後に腰痛, 乾性咳嗽が出現し頸部-骨盤造影CTにて右総腸骨静脈, 左内腸骨静脈に新たな血栓, 右下葉の肺炎, 椎体の骨髄炎の所見を認めて再入院となった. 各種感染症検査を提出したが原因は特定できなかった. 抗生剤治療を継続したが, 両側胸水が増悪し, 椎体の溶骨性病変が多発, 増大した. 骨病変の生検を施行した所, 転移性腺癌の診断に至った. 内視鏡検査にて進行胃癌を認め, 多発骨転移, 癌性リンパ管症を合併した進行胃癌と診断された. 以上の経過より, 上気道炎から内頸静脈血栓を合併したのは, 進行胃癌に伴う過凝固状態が一因であったと推察した. つまり, 進行胃癌に伴うTrousseau症候群の一例と考えられた. 本症例のように血栓症を繰り返す症例では若年者でも悪性疾患合併を考える必要があると感じた症例であった.
著者
山下 俊一 FOFANOVA O ASTAKHOVA LN DIMETCHIK EP 柴田 義貞 星 正治 難波 裕幸 伊東 正博 KOTOVA AL ASHATAKNOVA エルエヌ DEMETCHIK EP ASHTAKNOVA L DEMETCHIK E.
出版者
長崎大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

旧ソ連邦の崩壊後、1994年から3年間ベラル-シを中心に学術共同研究「小児甲状腺がん特別調査」を行ってきた。すでに関係機関や保健省、ミンスク医科大学、ゴメリ医科大学、ゴメリ診断センターとは良好な協力関係を構築し、放射能高汚染地区の小児検診活動が軌道に乗っている。昨年出版したNagasaki Symposium; Radiation and Human Health(Elsevier,1996)ではベラル-シ以外ウクライナ、ロシア、カザフ等の旧ソ連邦の放射線被曝者の実態を明らかにしてきた。1994年〜1995年の一期目はベラル-シ、ゴメリ州を中心に小児甲状腺検診プログラムの疫学調査の基盤整備を行い、共通の診断基準、統一されたプロトコールを作成し甲状腺疾患の確定診断を行った。特にエコー下吸引針生検(FNAB)を現地に導入し、細胞診を確立することで最終診断の上手術の適応を判定可能となった。更にゴメリ州で発見された小児甲状腺がん患者がミンスク甲状腺がんセンターで手術されることから、連携をとり、組織診断の確認や患者の追跡調査を行った(Thyroid 5; 153-154,1995,Thyroid 5; 365-368,1995,Int.J.Cancer 65; 29-33,1996)。チェルノブイリ周辺では慢性ヨード不足のため地方性甲状腺腫の診断の為、尿中ヨードの測定装置を開発し、現地での測定に役立て一定の成果を得た。すなわちヨード不足と甲状腺腫大の関係を明らかにした(Clin Chem 414; 581-585,1995)。一方、ヒト甲状腺発癌の分子機構や病態生理の解明のためには種々の基礎実験を行い、甲状腺癌組織におけるPTHrPの異常発現と悪性憎悪の関連性を明らかにした(J Pathol 175; 227-236,1995)。特に放射線誘発甲状腺癌の研究では細胞内情報伝達系の特徴から、細胞周期停止とアポトーシスの解離現象を解析した(Cancer Res 55; 2075-2080,1995)。その他TSH受容体の遺伝子異常(J Endocrinol Invest 18; 283-296,1995)、RET遺伝子異常(Endocrine J 42; 245-250,1995)などについても解析を行った。1995年〜1996年の二期目はベラル-シの小児甲状腺癌の激増がチェルノブイリの原発事故によるとする各国際機関発表を基本に被曝線量の再評価を試みた。しかし、ベラル-シの多くのデータは当時のソ連邦特にモスクワ放射線生物研究所を中心に測定、管理されており、窓口交渉やデータの共有化等で未解決の問題を残している。更にチェルノブイリ原発事故の対応はセミパラチンスクにおける467回の核実験の対策マニュアルに基づいて行われたことが明らかとなり、カザフを訪問し健康被害の実態調査(1958-1990年)について検討を加えた。一方、甲状腺癌の基礎研究においてはいくつかの新知見が得られている。1996年-1997年の三年目は、チェルノブイリ原発事故後激増する小児甲状腺がんの細胞診活動を継続し、30,000人の小児検診のうち60名近いがんを発見した。同時にほかの甲状腺疾患の診断が可能であった(Acta Cytol in press 1997)。チェルノブイリ以外に旧ソ連邦では467回の核実験を行ったセミパラチンスクが注目されるが、更に全土で100回以上の平和利用目的の原爆資料が判明した。甲状腺癌細胞を用いた基礎実験ではp53遺伝子の機能解析を温度感受性変異p53ベクター導入株を用いて行った。その結果、放射線照射における細胞周期停止とアポトーシスの解離現象にp53以外の因子が関与することが判明した。更にDNA二重鎖切断の再修復にp53が重要な役割を担っていることが明らかにされret再配列との関連性等が示唆された(Oncogene in press 1997)。TSH受容体遺伝子や脱感作の研究も進展している。しかしながら、放射線誘発甲状腺含発症の分子機構は未だ十分解明されておらず更なる研究が必要である。貴重なチェルノブイリ原発事故周辺の小児甲状腺がん組織の散逸やデータの損失を未然に防ぐためにも国際協調の下、Chernobyl Thyroid Tissue BankやPatient Network Systemなどの体制づくりも必要である。
著者
大和田 国夫 田中 平三 伊東 正明 政田 喜代子
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.243-247, 1972-06-28 (Released:2009-02-17)
参考文献数
19
被引用文献数
10 5

This paper is concerned with studying the developmental changes which occur in sensitivity to the 4 primary taste qualities viz. sweet (sucrose), sour (citric acid), bitter (quinine sulfate) and salty (sodium chloride).Results are as follows:1. Taste threshold values and difference threshold values for the 4 taste qualities increased with age and showed a peak at the age of 60. These values slightly decreased at the age of 70.2. An increase of salty taste threshold values with aging were more marked than other taste threshold values.3. Either sex failed to reveal significant differences for taste sensitivity.4. Significant differences in taste threshold, especially bitter taste, were observed between smokers and non-smokers.5. False dentures (complete) appeared to influence slightly taste threshold values.
著者
钱 加荣 伊東 正一 穆 月英 磯田 宏
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.172-176, 2013-06-25 (Released:2014-03-14)
参考文献数
7

大規模な農業補助が農業生産コストの増やすことを刺激する,さらに農製品の市場価格を推進でいる.本論文では,時系列データを用い,共和分分析方法による中国の農業補助金政策が中国コメ市場価格に及ぼす影響を分析した.その結果としては,近年間実施している農業補助金は増加させると,コメ価格は上昇することになると指摘できる.さらに,推測結果から農業補助金によるコメ価格への影響は大きくないことであると分かった.また,長期的見れば,農業補助金が10%の増加により,コメ価格は0.41%の上昇をもたらすことが計測できた.
著者
岩井 保憲 野本 秀雄 佐々木 隆 筧 敦行 伊東 正雄 佐藤 岩太郎 Rodney J. ALLAM Jeremy E. FETVEDT
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.57, no.182, pp.274-279, 2015 (Released:2018-01-26)
参考文献数
13

Carbon dioxide (CO2) emissions from thermal power plants are one of the primary causes of global warming. As global demand for energy increases while environmental regulations tighten, novel power generation cycles are being developed to meet market needs while accommodating green requirements. To meet this demand in the global market, Toshiba has been engaged in the development of an environmentally conscious thermal power generation system applying a supercritical CO2 cycle (Allam cycle) developed by 8 Rivers in cooperation with U.S. companies: 8 Rivers Capital, NET Power, LLC; Chicago Bridge & Iron Company; and Exelon Corporation. The Allam cycle is an approach (with high pressure, low pressure ratios, oxy-fuel combustion and CO2 as a working fluid) that efficiently produces power in a compact plant, avoids NOx emissions, makes efficient use of clean-burning natural gas and can generate high-pressure carbon dioxide for enhanced oil and gas recovery in the field. We have been engaged in the development of a 25 MW-class pilot plant. In this project, Toshiba has been assigned the development of key equipment, including a high-temperature and high-pressure turbine and a combustor, for this thermal power generation system aimed at realizing a 295 MW-class commercial plant.
著者
越智 靖文 伊東 正
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.43-48, 2012-01-15

果実内発芽し難い1系統と果実内発芽し易い2系統を供試材料とし, 果実内発芽と内生アブシジン酸含量の関係を明らかにするために,カリウム濃度の異なる3種の培養液(2.4,4.2および6.0me・L-1)で栽培した. その結果,果実内発芽し易い系統では,カリウム濃度の低下により1果当たりの種子数が明らかに減少した. しかし, 果実内発芽し難い系統では,カリウム濃度は種子収量に影響を与えなかった. 葉柄ならびに胎座部周辺の果汁中のカリウムイオン濃度は,果実内発芽し易い系統より果実内発芽し難い系統で高かった. 果実内発芽はカリウム施肥量の減少に伴い,果実内発芽し易い系統で増加したが,果実内発芽し難い系統では,いずれのカリウム濃度でも果実内発芽は認められなかった. 胎座部周辺の果汁中のABA含量は,カリウム施肥量の減少に伴い減少した. ABA濃度が異なる水溶液を用い,種子の発芽試験を行ったところ,果実内発芽し難い系統ではABA濃度の増加に伴い種子の発芽が著しく抑制された. 以上の結果から,カリウム施肥量の減少により胎座部周辺の果汁中のABA含量が減少し,その結果として果実内発芽が増加すること,また,果実内発芽し難い系統は,低いABA濃度閾値で種子の発芽抑制があらわれるものと推察された.
著者
越智 靖文 伊東 正
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.43-48, 2012 (Released:2012-02-28)
参考文献数
13

果実内発芽し難い1系統と果実内発芽し易い2系統を供試材料とし,果実内発芽と内生アブシジン酸含量の関係を明らかにするために,カリウム濃度の異なる3種の培養液(2.4, 4.2および6.0 me・L−1)で栽培した.その結果,果実内発芽し易い系統では,カリウム濃度の低下により1果当たりの種子数が明らかに減少した.しかし,果実内発芽し難い系統では,カリウム濃度は種子収量に影響を与えなかった.葉柄ならびに胎座部周辺の果汁中のカリウムイオン濃度は,果実内発芽し易い系統より果実内発芽し難い系統で高かった.果実内発芽はカリウム施肥量の減少に伴い,果実内発芽し易い系統で増加したが,果実内発芽し難い系統では,いずれのカリウム濃度でも果実内発芽は認められなかった.胎座部周辺の果汁中のABA含量は,カリウム施肥量の減少に伴い減少した.ABA濃度が異なる水溶液を用い,種子の発芽試験を行ったところ,果実内発芽し難い系統ではABA濃度の増加に伴い種子の発芽が著しく抑制された.以上の結果から,カリウム施肥量の減少により胎座部周辺の果汁中のABA含量が減少し,その結果として果実内発芽が増加すること,また,果実内発芽し難い系統は,低いABA濃度閾値で種子の発芽抑制があらわれるものと推察された.
著者
伊東 正子
出版者
吉川弘文館
雑誌
日本歴史 (ISSN:03869164)
巻号頁・発行日
no.546, pp.p23-36, 1993-11
著者
伊東 正安 常田勝啓 美木 佐登志 山本 由記雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.51-58, 1981-01-15
被引用文献数
2

超音波による映像診断では生体中での超音波信号の減衰補償 および階調変換による組織の特徴表示のために信号処理が重要である.また診断に有効な画像処理が同時にできれば診断能率もよくなる.我々は診断部位や目的に応じて反射エコーの多様な信号処理ができ 内蔵したマイクロコンピュータにより簡易な画像処理および計測のできる装置を開発した.本論文はシステムの機能を中心にプログラムや得られた画像について報告するものである.本装置では 同一画面上で数種の信号処理結果が比較できるので 診断により適した信号処理が選択できる.またそれらはカセットテープに録画できるため手術前後の検討や組織変化の経時的観察に適する.ここでは診断データとして眼科での超音波探触子を扇形走査した断層像を使用した.診断像データは256×256画素 16階調として画像メモリに書き込まれる.プログラムには モニタテレピに正方形に表示される原画像を組織の走査面と相似な扇形に変換するプログラムをはじめ 拡大表示 種々のフィルタリングなどが含まれる.また診断像の組織の距離は モニタ画面上を移動できるマーカで2点を指定することにより自動的に表示・計測される.さらに複数枚の断層像を使用した体表示についても言及する.