著者
納富 一宏 石井 博章
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第55回, no.人工知能と認知科学, pp.95-96, 1997-09-24

専門用語などを多用した文書に見られる, 一般的でない複合名詞は, 文書校正支援シスデムにおいて未知語として扱われる。未知語が多く含まれる文書のチェックでは, 校正支援のパフォーマンスは低下する傾向がある。これに対応するため, 複合名詞が未知語であると判断された場合について, 複数の部分文字列への分割(展開)を行い, さらに, 適当な付属語要素を補うことで, 単文を生成する。生成された単文は, 統語構造を持つことから, 通常の文書チェック処理を施すことが可能である。本稿では, 複合名詞として表現された未知語の解析を実現する「展開・単文化」手法について述べる。また, 本手法を用いた評価実験について触れる。
著者
渡部 保日児 末永 康仁
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.921-922, 1989-10-16

マンマシンインタフェースの改善や知能画像通信(知的符号化)処理を目的として、人物頭部の3次元モデルを基にコンピュータグラフィックス(CG)により高精細な人物顔画像を表示する技術が検討されている。筆者等は、人物顔画像を表示する上で欠くことのできない髪の毛(頭髪のみならず、まゆ毛、まつ毛、ひげを含む)をCGによって生成する方法を検討している。この方法は、「三角柱と房のモデル」に基づき、既存のCGワークステーション上で非常に効率的に5から10万本の髪の毛を生成することができる。これにより、頭髪をもつ自然な人物顔画像を生成することができる。本報告は、上述のようにして生成する人物顔画像の髪の毛に動きを与えることを目的とし、従来の髪の毛の生成方法を基に簡単な手法で髪の毛を制御する方法を検討したものである。髪の毛の動きを与えるモデルおよびその結果を示している。
著者
根山 亮 後藤 真孝 村岡 洋一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.275-276, 1997-03-12
被引用文献数
2

近年, 計算機とのジャズセッションを実現するシステムに関する研究が多くなされてきた. しかし, これらのシステムは, ある特定の計算機環境でしか動作せず, またぞれぞれのシステムで用意された特定の計算機演奏者としかセッションを行なうことができなかった. 本稿では, ユーザが新しい計算機演奏者を容易に開発・カスタマイズしてWWW上に公開したり, 計算機演奏者をWWW上から自宅のパソコンのような身近な場所にダウンロードし, セッションを行なうことを可能とする枠組を提案する. 特にダウンロードした計算機演奏者がセッションをする際に必要となる通信を, 安全性を確保して行なうための方法, 新しい計算機演奏者の開発労力を削減する方法について述べる. 本システムはJavaで記述されており, Java対応のWWWブラウザ上で動作するので, 計算機環境に依存しない. 我々は演奏者の実装例として, ジャズのピアノトリオのべーシストとドラマーを実装した. ユーザはピアノを演奏することにより, 計算機演奏者と即興演奏を楽しむことができる. 実験の結果, 実際にHTTPサーバからダウンロードしたべーシストとドラマーをWWWプラウザ上で実行し, 人間のピアノの演奏にあわせてリアルタイムに演奏させることができた. また本システムが異なる複数の計算機環境で動作することも確認した.
著者
沼尾 雅之 清水 周一 木村 雅彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.195-196, 1995-09-20
被引用文献数
1

大福帳システム、データベースからの仮説検証など、データベースを積極的にマーケティング戦略に利用していこうとする動きが、流通業を中心として盛んになっている。その中でも、データマイニングは、データベース中から未知の規則を発見できる、仮説生成型アプリケーションとして注目されている。現在、データマイニングの手法として知られているものを大別すると、以下のようになる。(1)クラス分類型:パターン認識や学習といわれているもので、クラスのわかっているサンプルデータを訓練例として、クラスを分類するための式、ルール、決定木等を生成するものである。ニューラルネットもここに入れられる。応用としては、顧客の信用調査、不正検出、ポートフォリオマネージメント等があげられる。(2)クラスタ分割型:属性間の距離などを規準にして、似かよっている属性を持つデータをグループ化するものであり、統計的クラスタリングや整数プログラミングの手法などが知られている。応用としては、顧客のプロトタイピング、バスケットアナリシス等があげあれる。(3)演繹データベース検索型:データベースから新しいパターンを導出し、これを数えあげることによって、そのパターンの有効性を検証する。応用としては、関連購買分析があげられる。(4)視覚化型:データをわかり易く表示し、対話的にデータの絞り込みなどの操作することによって、データ中の変数間の関係を明確化するものであり、基本的にルールの発見は人に任されている。これらの手法の中でも、演繹データベース検索型は、扱えるデータのサイズ、柔軟なパターン、および、解の完全性などの点で優れており、大規模データベースに対してもスケーラブルなアルゴリズムが開発されている。この手法は、直接的には流通業において、どの商品とどの商品が一緒に買われたかという関連購買分析に有効であることが知られているが、本稿では、これを一般の要因分析に応用することを示す。POSデータ等の大量の購買履歴と、その時間、場所的な背景データを同時に処理することによって、購買の要因のみならず、要因間の因果関係なども抽出することができるようになる。
著者
堀内 優希 友田 政明 植村 俊亮
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.233-234, 1994-09-20
被引用文献数
1

映像情報には、それに付随する開始時間、終了時間などの2次的な情報がある。この情報を場面単位でデータベースに格納すれば、利用者が条件を指定することにより、特定の場面を表す部分映像を得ることができる。本稿では、映像情報を場面単位で検索するためのデータ構造について述べ、野球中継の映像情報を例として、ホームラン、三振などの特定の場面を検索できるデータ構造を示す。
著者
小屋岡 剛一 木梨 潤也 遠藤 勉 岡田 直之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.221-222, 1992-09-28

文章生成は非言語的な世界を言語記号の世界に対応付ける過程とみなされるが,この非言語的な世界をどのレベルで捉え,どのように表現するかということが問題になる.筆者らは,イソップ物語の「きつねとぶどう」を素材とし,物語・背景となっている主人公の認識・思考・行動過程を問題解決手法で捉え,それに沿って物語を生成しようと試みている.本研究の目的は,この主人公の複雑で多岐に渡る心の動きをどの様に表現し,その中から文章生成のための言語情報をいかにして抽出するかについて考察し,実際に文章生成システムを構成することにより機械処理の立場から心理的活動と自然言語の結びつきを明らかにしようとすることである.本稿では,研究の背景を概観するとともに,テキスト構造を考慮した物語情報の抽出法について述べる.
著者
青嶌恵倫香 颯佐達也 横塚慎太郎 横山正樹 紫合治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.715-717, 2012-03-06

冷蔵庫の食材の量や賞味期限をもとに,所有する食材を利用したレシピを検索するシステムについて報告する.近年,レシピ検索のアプリやサイトが増えている.種類は様々だが,それらは外出先でも手軽にレシピを調べることが出来るという利点がある.しかし,外出先でレシピ自体は検索できても,自宅にどんな食材があるかを自分自身が把握していなければいけないという欠点がある.本論文のシステムは,買ってきたものを登録し,管理することによって,所有する食材を使用するレシピを手軽に検索できるというものである.
著者
永田 圭司 岡 智明 伊藤 誠
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1-2, 1996-09-04

人体をコンピューターグラフィックスで表現する場合, 単に人体の表面の計測のみで表現するとでは腕や脚に力が入ってる状態や, 筋肉が緊張しているといった状態を表現しにくい. そこで, 人体の各部位の断面情報をもとに骨格や筋肉の輪郭線図をモデル化して3Dの表面データに加えることにより, 人体の状態をより精密にモデル化することを試みた.
著者
山下 貴典 横手 靖彦 岡村 英明 砂原 秀樹 尾家 祐二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.21-22, 1997-03-12

これからのコンピュータネットワークの形態として、携帯型端末、ゲーム機、NC、VOD System 等の計算資源の限られた組み込み型機が接続される事が予想される。このようなネットワーク上では・頻繁なシステム構成の変更・制限された計算資源での快適な実行・位置透過性、移動透過性の実現などに対応できる新しいソフトウェアアーキテクチャが必要となる。SONY CSL で開発中の OS Apertos は、オブジェクト指向基づいたアプローチによりこのような環境を実現しようとしているが、Apertos による分散環境への移行を促すには既存のユーザ環境の共存と開発環境の充実が欠かせない。本稿では分散環境実現のための手法としてのオプジェクト指向とそれに対する Apertos のアプローチについて紹介し、上述の課題を解決する手段の一つとしての Apertos Emulator とその実装法について述べる。
著者
小林潤平 関口隆 新堀英二 川嶋稔夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.37-39, 2013-03-06

読書中の眼球運動は,停留とサッカードの繰り返しであることが知られている。停留中には,中心視野において文字認識すると同時に,周辺視野において次の停留先の選定が行われるため,中心視野と周辺視野の両方の処理を向上させることが,読み効率の向上につながる。しかし,求心性視野狭窄など中心視野は見えるが周辺視野が見えなくなる症例では,周辺視野の処理が強く制限されるために,読み効率が著しく減少する。中心視野のみで読み進めることができる文書呈示手法としてはRapid Serial Visual Presentation(RSPV)が挙げられるが,RSVPは読み損ねた場合に再び戻って読み返す行為が非常に困難であるために読む際に極度の集中を要求し,快適な読書体験を実現することが難しい。そこで本研究では,中心視野のみに視野が制限された状態でも,読者への負担が少なくかつ効率よく読むことが可能な,文章を短く折り返す呈示とともにタッチパネルによるユーザ操作を取り込む読書インタフェースを提案し,その効果を検証する。
著者
並木 美太郎 高橋 延匡
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.31-32, 1989-03-15

当学科では、情報工学科の計算機初期教育として、世界最初のストアード型プログラミングの計算機EDSACを用い、過去10年にわたり成果をあげてきた。その教育システムは、(1)中型TSSシステム上に構築されたCAIシステムとソフトウェアシミュレータ (2)布線論理によるハードウェアシミュレータとマイクロプロセッサを用いたハードウェアシミュレータ (3)パーソナルコンピュータPC-9801上に構築されたCAIシステムとソフトウェアシミュレータが存在する。しかし、中型TSS上のシステムは8年、PC-9801上のものでさえ、5年が経過した。その間のハードウェアの進歩は目覚ましく、ビットマップウィンドウや日本語などユーザインターフェイスの質は格段に向上している。学生が個人の計算機を所有している例も少なくない。また、CAIの分野も人工知能の技法を取り入れた知的CAIが脚光をあびている。本報告では、これら情報工学の進歩を考慮したEDSAC教育システムの設計とともに、種々のシステムに移植可能なEDSACソフトウェアシミュレータ核の実現について述べる。
著者
畑田 稔
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.360-361, 1998-10-05
被引用文献数
1
著者
平野 弥寿雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.197-198, 1993-03-01

近年ソフトウェアは大規模、複雑化しており、ソフトウェア開発において、工程遅れ、原価オーバー、品質の悪化等によるプロジェクト崩れが後を絶たない.このプロジェクト崩れの予測、防止を行うことは、今日のソフトウェア業界にとっては最重要課題である.ソフトウェア開発を、設計段階、製作段階、試験段階と三段階に分けた場合、プロジェクト崩れが判明するのは試験段階であり、この試験期間中に品質予測を行うことにより、プロジェクト崩れを予測、防止することが可能である.そこで、試験段階における試験項目数、障害件数、作業日の関係を示すPCL(プログラム・チェックリスト)消化・バグ検出曲線図(以降PB曲線と略す)による分析および、試験期間の途中段階での品質予測手法について述べる.
著者
蛭田 健司 乾 伸雄 小谷 善行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.99-100, 1997-03-12

一般に詰め将棋のルーチンでは、王が詰んだ局面か、王手がかからなくなる局面まで先読みを進める。しかし、王手がかかっでいる局面において、王側が、適切な王手回避の着手を選ぶことによって次の王手がかからなくなるということを示すことができれば、その局面が不詰みであることがいえる。この場合そこで先読みを打ち切ることができるので、探索ノード数の減少が期待できる。本稿では、王手がかかっている局面において、次の一手によって王手がかからなくなるような着手 (一手逃れ) が存在するかどうかを、先読みをしないで判定する方法について考察する。
著者
城間政司 長田智和 玉城史朗 谷口祐治 名嘉村盛和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.461-463, 2011-03-02

近年無線LANサービスを提供する施設が増加している。<br />無償の無線LANサービスは、共通パスワードやパスワードなしで提供されており、<br />利用者を特定する方法がないため、悪用されたときに対処できないリスクがある。<br />一方、利用者を特定できる有償の無線LANサービスは事前に契約等が必要であり、<br />すべての施設利用者にサービスを提供するのは困難である。<br />本論文では、利用者の所属機関が発行するIDや施設利用情報をサービス利用認可の判断属性として使用し、<br />認可条件となる属性を認証する仕組みをOpenIDで実現する無線LANシステムを提案する。
著者
前泊 貴予 又吉 光邦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.51-52, 1995-09-20

遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:以下GA)は、生物進化の鍵である遺伝子の挙動にヒントを得た多点探索型の最適化アルゴリズムであり、様々な組み合わせ問題において比較的良好な(近似)解を短時間に見つけることで知られている。そこで、GAのもつ能力を用いて魔方陣を解くことを試みた。魔方陣は、複数の制約を持つ組み合わせ問題の一種であり、特に偶数次の魔方陣と呼ばれるものは一般的な解法がない。本稿では、偶数次の魔方陣についてエリート保存法とトーナメント法の2つのGA手法を用いて解き、その結果の報告と考察を行う。
著者
阪内 秀記
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1949-1950, 1988-09-12

配電系は、電力を輸送するシステムの末端に当たり、変電所と、個別需要家をまとめた配電区間からなるネットワークである。配電区間は、遠隔操作可能なスイッチにより他の区間と接続されている。通常、信頼性向上のため、1つの配電区間に対して、2つ以上の経路からの供給が可能な構造をもち、監視所からのスイッチ操作により、配電経路の変更が可能である。実際の事故が起こって停電した場合、事故原因のある区間を迅速に復旧することは困難である。しかし、スイッチ操作による事故区間切り離しと経路変更によって、事故区間以外を迅速に復旧することが可能な場合がある。この復旧は、一時的なものであるが、二重の事故に備えて、変電所内のフィーダの負荷を均一化した解を得ることが重要である。実際の問題におけるスイッチの数は、一ヶ所の監視所で数千のオーダに上るため、有効な計画支援システムが要求されている。本文では、配電系における障害時の対応復旧計画システムの基本方式を提案する。