著者
北村 新三 浦 慶 田中 克己
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.92-93, 1989-03-15

観測データからシステムの内部状態を求める逆問題は第一種Fredholm積分方程式を解くことに帰着することが多い。しかし、第一種Fredholm積分方程式には解析解がないので、数値解法として差分近似の連立方程式を解くことで対処するかが普通である。1960年代に入り、Tikhonov、Phillips、Twomeyらによって、一種の近似解の解法が確立された。これらの解法では通常測定データに誤差が入ると解が振動するため、これを滑らかにすることを目的として、Lagrange未定常数を導入している。この常数の選び方あるいは最適値については、多くの研究がされているが、最もよい方法がないのが現状である。本研究ではニューラルネットワークを用いて第一種Fredholm積分方程式の新しい近似解法を提案する。本手法は積分方程式の性質を、実例を用いてニューラルネットワークに学習させ、ネットワークのニューロン間の結合係数に覚えさせ、そして、誤差を含んだ未学習の測定データ(ネットワークの入力)に対しても、安定な解(出力)を得るものである。
著者
下畑 光夫 宮崎 敏彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.391-392, 1994-09-20

多くの金融機関では自動取引機(ATM)が備えられている。ATMは通常定期的(一日一回等)に現金を補充して運転をしているが、補充額は経験的に決められている事が多い。ATMへの現金補充は、少ない場合には利用者に対し使用停止などといったサービスの低下を招き、多すぎる場合にはATM内に多量の現金を死蔵させることになり資金運用の効率を下げてしまう。本稿では、ATMへの適正な補充額(現金需要)を日と曜日の2つの要素により予測する方法と現金切れ確率を実現するようなマージンを算出する方法について報告する。
著者
山形 毅章
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.313-314, 1993-03-01

JR西日本は、新本社ビルヘの移転にあわせて、平成4年4月鉄道事業一元化データベースシステム「総合OAシステム(文献)」を本使用開始した。本稿では端末台数約4千、ユーザ数約3万2千名約10Mステップのシステムを円滑に開発し連用するため開発した全員参加指向のOA化アプローチ「新幹線型OA」の概念とその一手法であるシステム系と並び課題となる人間系練度向上のための練度測定手法の基本的な考え方についてご報告する。
著者
荒澤 洋亮 市村 哲
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.429-430, 2008-03-13
参考文献数
2
著者
伊藤 毅志 古郡 廷治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.406-407, 1997-09-24

通信技術やマルチメディア技術の発達に伴い, グループウエアの研究も盛んになってきている。それにつれて, 教育工学の分野では, 共同学習や協調学習がテーマとなり, 様々な研究が行われるようになっている。しかし, 共同学習の効果に関しては, 様々な報告がある上に, 共同学習場面における学習者の認知面での研究は立ち後れていると言わざるを得ない。一方, コンピュータチェスの分野では, ディープブルー(コンピュータチェス)が, ついにカスパロフ(チェスのグランドマスター)に勝利を収め, 将棋の分野でも日々コンピュータの棋力は向上している。しかし, それらのソフトは, 強さを求めるあまりに, それに勝てない人間からは「ただ自分より強いだけのマシン」となり, ユーザーインターフェースという観点からは, 面白くない対戦相手になっている。本研究では, 共同学習の例として「将棋の感想戦」に注目した。将棋の感想戦では, 「学習者は比較的高い学習意欲を持っていること」「学習効果があることが経験的に知られていること」から効果的な共同学習が起こっている好例であると考えた。この感想戦機能を, 将来, 強い将棋ソフトに備えることができれば, 多くの将棋の学習者に貢献できると考えている。また, 同様の知見を一般の教育システムへ応用することも考えられる。我々は, そのための基礎研究として, 実際に二人の被験者を使っておよそ2ヶ月半にわたって将棋を学習させ, 感想戦がどのように学習過程に影響を与えているのかを発話プロトコルデータを取って, その過程を認知科学的に分析して調査した。その結果をもとにして, 学習者の共同学習時の認知モデルの構築を目指していく。
著者
三ッ井 欽一 Javey Shahram 久世 和資
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.133-134, 1992-09-28
被引用文献数
1

C++のような高機能かつ複雑な言語におけるプログラミングを支援するツールとして、ソースコードブラウザ(以下ブラウザとよぶ)を開発している。ブラウザは、コンパイルの結果得られた情報を基に、これを様々なビューで表現し、プログラムの理解、デバッグ、保守を支援するツールである。C++は、多機能で複雑な言語である。例えば、関数名、オペレーターのオーバーロード、自動的な型変換、オブジェクトのコンストラクタ、デストラクタなど、いずれも効果的に使った場合は、高度なプログラミングが可能である。しかし、逆に、トリッキーなプログラミングも可能であるとも言え、特に他人が書いたプログラムを理解するのに非常に努力を要する場合がある。最近のC++の仕様では、テンプレートや例外処理が追加され、いっそう高機能化、複雑化の様相を呈している。その結果、ますますC++プログラミングを効果的にサポートするツールの必要性が高まっている。次節で述べるような、C++プログラミングを効果的に支援するための多様な機能は、必ずしも全て最初から組み込むことができるわけではなく、幾つかの機能は、本質的にアプリケーションごとに特化されるものと予想される。このような要求を満たすための最も重要な要素は、ブラウザが拡張性を持つことである。ユーザが、新しく有効なビューを発見した場合、それが容易に実現できることが重要である。もちろん、そのビューが、グラフィカルなユーザインタフェースを通して表示されることも必要であり、拡張性には、ユーザインタフェースの拡張も含まれる。本論文では、以上のようなブラウザの設計上考慮した点およびアプローチの仕方について述べる。実際の実現およびその評価については[4],[5]で述べている。
著者
ムハマド ロムジ 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.291-292, 1997-03-12

本研究では遺伝的アルゴリズムを多目的関数の最適化問題に対して適用した。今回、対象とする間題は多目的線形ナップザック及び多目的非線形ナップザック問題である。複合的な目的関数を持つ多目的最適化問題では、優劣がはっきりしなかったり、優劣関係に矛盾が起こったりして、優劣の順序付けが簡単ではなくなる。多目的最適化問題の本質は複数の目的関数間でのトレードオフのバランスをいかにとるかという問題である。そこで、われわれはファジイアウトランキング法と呼ばれるゆるい順序関係を導入し、大まかに比敷するやり方を用いた。この手法は遺伝的アルゴリズムによる探索の各段階で、個体評価における多目的性を直接取り扱うことが可能になると考えられる。
著者
島村 幸成 藤元 健太郎 佐藤 衞 岸本 重治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.626-627, 1990-03-14

ペーパーレスオフィスが考え出されてから本当に長い年月がたった。しかしながら我々の周りではコピーの「紙」の他に、新しくDTPによる「紙」が氾濫してきている。特に印刷部数の少ないDTPでは試し刷りが紙使用のほとんどを占めるので、捨ててしまう紙が多いのが問題である。コンピュータディスプレイでのプレビュー機能が一部利用されているが、紙に比べて画像品質がよくないので本当にプレビューにしか使えず、ペーパーレスにはならない。我々はディスプレイで文書を読むためのグレースケールTeXを試作検討中である。今回はプレビューア、特にグレースケールフォントを生成する方法について検討したので報告する。
著者
硴崎 賢一 上原 邦昭 豊田 順一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第33回, no.プログラミング言語およびソフトウェア工学, pp.497-498, 1986-10-01

人工知能の研究においてPROLOGが広く用いられている。PROLOGは基本的にインタプリタによって実行される言語であるが、大規模なシステムや実用的なシステムを構築するには、コンパイラによる処理の高速化が必須である。筆者らはPROLOGを高速に実行するためのコンパイラの実現手法に関する研究を行っており、実用的な処理系としてスーパーミニコンMV/8000 II上にC-Prologコンパイラを開発している。テールリカージョンの最適化等を行った結果、25K LIPSの処理性能を得ている。本稿では、C-Prologコンパイラで実現しているPROLOGの特性に適した使用方法と、性能評価について報告する。
著者
佐治 信之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.477-478, 1986-10-01

近年のLISPの応用範囲の拡大に伴って、LISPの使える環境の整備及び拡大が求められている。最近のマイクロプロセッサの発達によって、パーソナルユースにおいても32ビットのプロセッサが使われるようになることが予想され、より広い分野においてLISPの使用が今後本格化してゆくと思われる。当社では今年32ビットの汎用マイクロプロセッサとしてV60を発表した。V60は、広いセル空間と十分な実行速度のLISPを提供することが可能なプロセッサであり、V60上にLISPを実現することでLISP分野のニーズに効果的に対応することができると思われる。またV60は32本の汎用レジスタ、豊富なアドレッシングモードを備えており、効率的なリスト処理が可能なアーキテクチャでもある。そこでV60をターゲットとするLISP処理系を試作することにした。この試作ではLISPの関数を網羅することよりも、自己拡張が容易なカーネルを提供することを第一に考えた。本論文においては、このLISPシステムとその中核的存在であるコンパイラの構成法について考察する。
著者
上羽 葵 武田 哲也 岡田 至弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第48回, no.人工知能及び認知科学, pp.11-12, 1994-03-07

従来の情景画像からの文字領域抽出の手法では、画像中の領域境界線を抽出し、文字領域の抽出処理を行っている。ここでは、文字領域が平坦な均一色である背景情報の上にのみ存在するという拘束条件を前提としている。しかし、文字領域の背景情報は、均一色であるとは限らず、グラデーション的な色情報を持つなど、極めて複雑な色情報を含む場合も多い。そこで、本研究では背景情報に依存しない文字領域候補抽出を行う。本研究の文字領域候補抽出手法として、グラデーション構造の記述に有効な等色線を用いる。等色線は、色の変化を記述するための一手法である。等色線は線の現れる位置の情報だけでなく、色変化も情報として持つ。また、色変化が急激な部分を領域分割線とすることによって、等色線による領域分割も可能となる。
著者
鈴木 龍生 水谷 哲也 七澤 尚資 居福 修寛 安江 梓
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第70回, no.人工知能と認知科学, pp.489-490, 2008-03-13

人間の演奏する主旋律に対してそれと協調する伴奏を計算機が算出しMIDIアコースティツクピアノに演奏させる協調演奏システムを構築し、そのシステムの評価実験を行った。本システムではアコースティツクピアノの特性である0.5秒の遅延をいかに克服するかが問題であり、そのためにリハーサルを用いた。一方その評価手法に関しても検討した。
著者
岩高 剛 橋本 良太 小川 均
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.367-368, 1996-03-06

コンピュータ・グラフィックス(CG)による顔の動画の通信を想定する場合,画面に出力された顔の表情や口の動きなどが自然に表現できれば,あたかも実際に人間と会話をしているかのような臨場感が期待できる.そのためには,表情や口の動きの自然な画像合成が必要である本論では,口の動きに着目し,発話における自然な口の動きの動画処理について考察する.口は発話時に,様々な形や大きさの変化が見られる.そこで,移動方向,強さ(速度),移動距離の相互関係を調べ,自然に動作を行なう一般化した軌跡モデルを構築する.この軌跡モデルを使用して,個人特有の情報を使用せずに自然な動作を表現させることを目的とする.対象としたのは,日本語の五母音であり,閉口状態から各々の母音を発声するまでの変化量,またある母音から他の母音へ(例えば「あ」から「い」へ)の変化量を測定し,特徴量を検出する.また,軌跡モデルを用いてCGの再現を行う.
著者
堀井 統之 加藤 恒昭 大山 芳史
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.183-184, 1990-09-04

メッセージ、特に電報文を対象として、その効率的な蓄積方法について検討を行なっている。できるだけ少ない蓄積メッセージから多様なメッセージを生成するためには、蓄積されている複数のメッセージの各部分を組み合わせて新たなメッセージを合成できると都合がよい。これは、たとえば、(例1)新郎、新婦の誕生バンザイ。人生は七転八起。二人三脚で長い旅路のゴールを目指そう。(例2)ご結婚おめでとうございます。北の町の春は、お二人の愛から始まります。末長くお幸せに。という2つの電報文が蓄積されているときに、これらから、ご結婚おめでとうございます。人生は七転八起。二人三脚で長い旅路のゴールを目指そう。末長くお幸せに。を合成できるということである。このような処理を考えた場合、メッセージをそのまま蓄積するのではなく、新たなメッセージを合成する際の一部分となり得るような単位、すなわち「人生は七転八起。二人三脚で長い旅路のゴールを目指そう。」などのような、意味的につながりを持つまとまりに分割して蓄積する必要がある。我々はそのような単位のことをセグメントと呼んでいるが、本稿では、各文の言語行為に着目して、メッセージを自動的にセグメントごとに分割する手法について述べる。
著者
横田 誠 武子 政信 斉藤 浩徳
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.129-130, 1995-09-20

人間に近似した,情報的感性対応の人工的システムの構築にあたって,今回は,視覚的,特に抽象画的系に対応する系を考える。その対応システムの内部構造と機能は,外部に接続される,パタン系の構造と機能に依存する。パタン系の基礎系として,電流回路系の構造パタンと,その特性パタンの関連から画家モンドリアンに由来する,モンドリアンパタン系について,特に,平面的2次元系について,数理伝送工学の立場から研究を進めている。今回は,絵画パタン系の原系としての3次元像系の基礎系として,3次元モンドリアンパタン系を考えている。今回は,その外表面の部分的欠落系について,その表情的特性に結びつく事柄を考える。