著者
大久保 達真 大木 直人 寺本 邦夫 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.75-76, 1996-03-06
被引用文献数
1

近年の情報機器の高性能化や低価格化,WWW(World Wide Web)の普及により,一般ユーザでも簡単にマルチメディア情報を創作できる制作環境の実現が期待されている.一方,現在のマルチメディア情報制作は,複雑で時間のかかる退屈な作業であると報告されている.この問題を解決し,一般ユーザでも,簡単にマルチメディア情報を制作できる環境として,1)扱いやすい検索キー,2)ユーザの感性を考慮した検索,という特徴をもつ必要がある.以上の要求を満たす制作環境を実現するため,画像や音声を部品ごとに管理し,ユーザのイメージを入力することにより,イメージにあった部品を検索し合成する技術を提案する.本論文では,とくに風景描写文から風景画像と音風景を作り出すシステムについての実装と実行結果について述べる.これにより,一般ユーザでも,すぐに,簡単に,マルチメディア情報を創り出すことができる.
著者
梶田 健史 山守 一徳 長谷川 純一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.337-338, 1993-09-27
被引用文献数
1

スペースの限られたパンフレットや広告では,デフォルメ(変形)された道案内地図がよく使われる。しかし,これらのデフォルメ地図は,単に物理的制約を満たすためというより,むしろ表現の簡潔さや美しさにその価値を求めて作成されることが多い。また,デフォルメ地図はスケッチを利用したマンマシンインターフェースの観点からも大変興味深い。しかし,位置関係に矛盾が生じない範囲で道路などを変形させる一般的手法がないこと,地図の見やすさや美しさの基準は人間の主観によるところが大きいことなどのため,実際のデフォルメ地図はすべて手作業で作成されているのが現状である。そこで我々は,デフォルメ地図を自動生成するシステムの開発に着手した。今回我々が対象とするのは,道路地図のデフォルメである。ベクトルデータで構成された道路地図の線構造に注目し,交差点間の位相関係に矛盾が生じない程度に変形を加えることで,デフォルメ道路地図を作成するシステムの開発が今回の目標である。本稿では,実際のデフォルメ地図に対する調査と分析の結果と道路のデフォルメのための手法(水平垂直化,平坦化)について説明し,最後に実際のデータを用いた予備的な実験の結果を報告する。
著者
津本 周作 田中 博
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.191-192, 1996-09-04

1980年代後半より、医療データベースからの知識獲得のため、種々な機械学習のシステムが開発されてきた。しかしながら、これらのシステムは与えられたデータベースから一括して、ルールを静的に導出するものであり、動的な学習のためには、再度データベースを与えて、プログラムを再起動しなおす方法しか適用できなかった。今回、我々はラフ集合理論に基づいて、時系列的に症例が与えられた場合に、漸増学習を進め、ルールを改訂していくシステムを開発した。本論文では、このシステムにおける手法、また前システムPRIMEROSEとの動作の比較、及びこの手法の問題点について論ずる。
著者
松岡 彰彦 池田 宏 長田 弘康 桐村 勝也 市川 篤司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.389-390, 1993-09-27

我々は、これまでに鉄道におけるトンネル、コンクリート構造物等の変状原因を推定するための検査・診断システムの開発を手掛けて来た。これらは人間に例えると病気の原因を究明するための病気診断システムであった。しかし、人間の健康維持管理には、この他にも定期的に行う健康診断が重要な役割を果たしている。本システムは言わば、鋼鉄道橋(以下、橋梁)の塗装に関する総合的な健康診断システムを目指すものである。
著者
巖寺 俊哲 石崎 雅人 森元 逞
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.97-98, 1995-09-20
被引用文献数
1

機械翻訳システムあるいは対話システムにおいてある発話を処理する場合、より適切な翻訳/処理結果などを得るためには、その発話が先行するどの発話と関係しているかを考慮することが必要となる。たとえば、ある応答発話「はいそうです」を英語に翻訳する場合、これに対応する先行発話であるyes-no疑問文を発見し、その発話に応じてその呼応関係を考慮して「Yes, I am.」、「Yes, it is.」あるいは「No, you can't.」といった結果を生成する必要がある。従来から対話構造(談話構造あるいは談話セグメント等とよばれている)に関する研究が行なわれている(たとえば[1])。また、このような構造に関して、対話コーパス中の対話について被験者によりセグメントを行ない、この結果を用いた定量的な研究が行なわれている。例えば、Litman & Passonneau[2]は、対話中の談話セグメント境界を発見するための性質とアルゴリズムについて研究している。また、Hirschberg, Nakatani & Grosz[3]は、談話セグメントと韻律情報の関係について研究している。我々は、対話中の発話間の関係(対話構造)を認識する方法を提案している。Litman & Passonneau[2]のアルゴリズムは、セグメント間の境界を発見するのに対して、我々の提案する方法では、対話構造を3階層からなる構造で認識するため構造間の関係を含めて捉えること可能となる。現在、この方法の正当性、有効性あるいは問題点を調査するために、対話コーパスを用いた定量的な評価を行なっている。本稿では、この対話構造に関する定量的評価のための予備調査の結果と照応・省略と対話構造の定量的な関係について報告する。
著者
飯島 正 関 洋平 柳原 正秀 木下 知貴 原田 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.65-66, 1995-09-20

範疇文法(Categorial Grammar)[1]と単一化文法(Unification Grammar)[2]は,いずれも計算的な文法記述として極めて興味深い枠組みである.計算的側面から眺めた場合,互いに相補的な役割を果たしていながら,共通して項書き換え(term rewriting)に基づく計算モデルを持っており並列化の可能性も高いといった特徴を有している.そこでそうした関係を踏まえ,両文法記述を融合する試みが従来よりなされている.本報告では,そのためのアプローチとして,CUG[3]で与えられているような複合範疇に対応する素性構造を(高階)関数の定義とみなして,それを直接計算する素朴なモデルを提案する.範疇文法は,構文的な構造規則を範疇と呼ばれる単語単位の要素(ほぼ,いわゆる品詞に対応)に分解し,辞書中の各語彙記述に埋め込むものである.このとき,範疇として,原子的な基本範疇だけでなく,(型付き)関数定義に似た表記をつかって基本範疇から組み合わせてつくる複合範疇の表記法を与えることにより,構造的な表現を部分的に与えることを可能にしている.それにより,範疇文法では,ボトムアップに範疇の列の項書換えを行っていくことで文の構文的な解析ができる.一方,単一化文法形式は,構文規則を論理式として表現する論理文法の枠組みに,単一化操作を定義したレコード表現(「属性名ラベル+属性値」対のリスト)である素性構造を取り入れたものである.その素性構造をつかって各単語のもつ性質を,同じ構文規則に現れる他の語の性質と制約として結び付けることにより,構文解析と同時に制約に基づく意味解析を行うことができる.ここでも,構文解析は,構文規則の項書換えとして行うことができる.この両者を融合する研究アプローチの一つにCUG(Categorial Unification Grammar)[3]がある.CUGにおける両者の融合は,単一化文法の枠組みの中に範疇文法をコーディングして埋め込むことで行われている.例えば,関数子を用いて基本範疇から作られる複合範疇は,その関数に対応する素性構造に変換されて,単一化文法の枠組に取り入れられる.しかし,この対応づけだけでは,単一化操作によって,意味制約を伴った構文構造を作り上げることはできても,範疇文法の特徴的な関数的な項書換えの動作を規定してはいない.本報告では,範疇文法と単一化文法を融合するという共通の目的のもとで,むしろ逆に範疇文法の枠組の中に素性構造とその単一化操作を埋め込むことを試みる.そこで原子的な基本範疇に素性構造を割り当てておき,それに加えて素性構造を対象とした単一化に基づく関数結合演算を与えることで,複合範疇のための素性構造を組み立てていく方法を与える.同演算には複合範疇に固有の素性を追加的に与えることができる.これによって,従来よりもより範疇文法の考え方に適した形で,単一化文法形式(意味情報の制約記述)を取り入れることができる.以下では,2章で範疇文法を概説し,3章で単一化文法の紹介とCUGにおける両文法記述の融合方法について解説した後,4章で本報告のアプローチを簡潔に紹介する.
著者
新上 和正 下川 信祐 倉持 裕
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.289-290, 1999-03-09

デザインの理論的枠組みの構築を目指して、コミュニケーションツール(たまごっち、プリントクラブ、ポケットベル、PHS、放課後クラブ、携帯電話、電子メール)の利用イメージ、継続・非継続利用行動について、若年層女子を中心にしている。アンケート調査を行って分析し得られた結果を報告する。
著者
小村 昌弘 伊藤 貴康
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.287-288, 1994-03-07

公理的意味論や表示的意味論が様々な言語に対して与えちれているが、言語処理系の作成者にとって分り易く実用的な形式的意味論が求められている. そこで言語の操作的概念を直接表現し、英語で表記することで分り易さを実現したアクションセマンティクスがP.Mossesによって提案されている. 本稿ではアクションセマンティクスを用いてSchemeの形式的意味を与え、伝統的な表示的意味論と比較する. また、アクションセマンティクスによる記述が正しく動作することを確認するためにASI(Action Semantics Interpreter)を試作した.
著者
藤石 知夏 宮崎 正弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.51-52, 1994-09-20

日本語において複合語は数多く出現するため、特に単語数の多い複合語に高い精度で正しいアクセントを付与することは、自然な日本文音声を出力する上で重要な課題となっている。本稿では、アクセント核を複数保有する複合語を適切なアクセント句に分割するため、複合語構造解析の結果得られた複合語の木構造を基に、単語間の意味的、文法的結合力を考慮した、複合語のアクセント句自動抽出法を提案する。
著者
唐澤 秀武 佐藤 秀樹 伊藤 暢浩 林 達也
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.171-172, 1995-09-20

グループウェアはグループによる協調活動を支援する為のコンピュータシステムである。われわれが日常的に行なっている共同作業の一つに、文書の共同執筆があるが、現在この種の作業は依然として紙ベースで行なわれている場合が多く、共同執筆全体の一貫した電子的サポートには至っていない。エディタによる初稿の作成、手書きによる文書へのコメント、電話による詳細の打合せ等、共同執筆作業は様々なツール(エディタ、プリンタ、FAX、電話など)を用いて行われる。共同執筆作業においてはこれら多様なツールと作業形態が不連続につながっており、この不連続性が共同執筆作業の効率を下げる要因となっている。本研究では、このような作業の不連続性を解消し、文書作成/レビューの作業全体を一貫してサポートするシステムについて考察し、その実装を行った。
著者
山口 学 岡本 芳久 森 正己 元田 敏浩 飯田 三郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1227-1228, 1990-03-14

D.A.Turnerは,関数型言語のオブジェクト・プログラムとしてコンビネータ式の有用性を示した.コンビネータにより表現されたプログラムは,変数の束縛がない,遅延評価の実現が容易である,並列処理に向いている,などの特徴を持つ.しかし従来の計算機によるエミュレーションではデータ転送能力が不十分で,実用化に十分な速度を得ることは難しい.本稿ではコンビネータ式を直接評価するコンビネータマシンの開発について述べる.
著者
颯々野 学 難波 功
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.75-76, 1996-03-06
被引用文献数
3

さまざまな自然言語処理の応用を考える上で、日本語の形態素解析の技術は最も基本的なものである。しかし、従来の形態素解析システムでは、特定のアプリケーションに依存し過ぎていることや、処理速度が遅いことが問題になり、形態素解析の応用を広げる障害になっていた。そこで、筆者らはこれらの障害を乗り越えるために以下の特徴を持つ形態素解析システムを開発した。・辞書や文法の定義、評価関数のパラメータ、出力形式などを利用者が調節したりカスタマイズできる。・トライを用いた辞書アクセスルーチンを使って、非常に高速に処理を行なう。本稿では、この形態素解析システムの概要と解析速度の実験結果について述べる。
著者
渡部 瑞枝 松本 勝昭 安保 進
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.389-390, 1996-03-06

ハードウェアの保守を効率的に行う為には、障害の発生傾向から故障を事前に察知することが望まれる.本稿ではハードウェア予防保全への適用を狙いとして, HARTSシステムにおいてOSが検出するハードウェア障害データを分析する方式について述べる.
著者
比留間 正樹 奈良 雅雄 田村 直良
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.53-54, 1997-09-24

本研究では, 比較的長い論説文を対象とした, 文章解析の重要な要素であるセグメンテーションの手法について論じる。計算機ネットワークの発達に伴い, 電子化された大量の文書が入手可能となっている今, それらを効率よく利用するために, 文書理解, 自動抄録などの文書処理技術が求められている。文章の構造化はそれらの処理の前提となる過程であるが, 非常に知的な処理である。しかし, 大量の文書を高速に処理するためには, なるべく深い意味解析に立ち入らずに表層的な処理を行なうことが求められる。また, 対象となる文章が長ければ長いほど, 構造化を行なうことは困難であると同時に正確性に欠ける。そこで, 本研究では構造化の困難な長い文章に対して, 構造化の重要な要素であるセグメンテーションの手法について検討する。セグメンテーションを行なう手法としては, 語彙的結束性や手がかり語の情報など複数の知識を用いた手法などが提案されている。この手法は統計的にトップダウン的処理で, セグメンテーションを行なっている。しかし, そのような手法では, 局所的な連接関係, つまり接続表現や文末表現からセグメントの境界としてふさわしくない位置に対しても, 評価閲数の値のみからセグメンテーションを行なってしまう可能性がある。本研究では, 田村らが提案したトップダウン的, ボトムアップ的アルゴリズムを再帰的に行なうことで, トップダウン的アプローチの欠点をボトムアップ的アプローチで補いながらセグメンテーションを行なうものである。
著者
竹島 卓 野呂 正行 須永 知之 塚本 有子 井深 克憲
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第39回, no.情報理論及び基礎技術, pp.118, 1989-10-16

このたび第五世代コンピュータの逐次型推論機械PSI IIで動作する数式処理システムを開発したので報告する。本システムSAMは、論理型言語による本格的な数式処理システムとしては、世界で初めてのシステムである。
著者
中山 明則 對馬 雄次 荻野 友隆 金 喜都 森 眞一郎 中島 浩 富田 眞治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第50回, no.ハードウェア, pp.51-52, 1995-03-15

3次元のボリューム空間を直接2次元ピクセルに射影するボリュームレンダリングは、様々な科学技術分野における計測やシミュレーションの結果を理解するために有効な手段である。しかし、計算量が非常に多いため画像生成に長い時間を要する。そこで我々は、(1)半透明ボリュームの取り扱い、(2)遠近法を用いた描画、が可能な高速ボリュームレンダリング専用並列計算機ReVolver/C40を試作している。本稿ではReVolver/C40のプロトタイプの構成について述べる。
著者
実近 憲昭
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第33回, no.パターン処理および人工知能, pp.1325-1326, 1986-10-01

碁はその巨大な問題空間の為、従来チェッカやオセロ等の中規模のゲームでは成功した平板な探索指向型のアプローチは通用しない。探索型に代わるものとして、人間の思考形態或は知覚形態を直接模倣する立場をとるプログラムが現れた。現在開発中の碁プログラムGO.1もこの立場をとっている。ここでは探索指向型に対比して知識指向型という用語を用いる。碁プログラムが知識指向型となることは必然とは言え、探索部分を完全に除いてしまうことは出来ない。なぜなら碁に関する知識は完全には組織化されてはいないし、また微細なレベルまで知識を網羅することも殆ど不可能だからである。むしろ、状況に応じて、組合せ的爆発が生じない範囲で局所的に探索を行い、知識の代用とした方が効率が上がる。以下、探索を局所的に限定し、モジュール化する上での問題点について述べる。
著者
西島 恵介 神山 文子 藤田 米春
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第55回, no.人工知能と認知科学, pp.57-58, 1997-09-24

推理小説を理解する場合には, 話のあらすじとなる論理的構造と, それを補完する様々な事実や登場人物の性格, 感情などが読者の知識体系と整合的に取り入れられたモデルを構築できることが必要となる。本報告では, 文献[1]の短編推理小説を事例とし, その論理構造を抽出し, 分析を行なった。また, 登場人物の感情が論理構造に影響を与え, 推理がなされている事に関して考察を行なった。