著者
久保谷 政義 田辺 亮
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.11-24, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
16
被引用文献数
2

2017~2018年に大学に入学した者たちは,スマートフォンとSNSの普及というICT環境の変化の中で思春期を送り,「スマホネイティブ」とも呼ばれる世代である.本稿では,彼らのICT活用能力とスマートフォンの利用状況について,大学入学直後に実施したアンケート調査を用いて分析を加える.分析の結果,ICT活用能力のうち,特に情報倫理とメールに関連する知識・スキルは他の知識・スキルとの相関が弱いこと,スマートフォンについては,多様な機能を使うほど,とりわけ,四大SNS(LINE, Facebook, Twitter, Instagram)の使用数が多いほどその使用時間が長くなること,スマートフォンの使用時間の長さは必ずしもICT活用能力の向上に結びつくとは言えないことが明らかになった
著者
及川 浩和 加藤 直樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.31-37, 2009-09-15 (Released:2017-03-31)
参考文献数
6

日本語を学ぶために別科に入学した中国人留学生を対象として,コンピュータの漢字変換機能に着目し,正確な読みの指導を中心とした読解・聴解能力を育てるための5つの学習活動を取り入れた日本語学習指導法を提案する.第I報では,コンピュータに対する不安度,読みの誤り,文字を手がかりにした意味の理解度について実態調査を行い,学習が成立するための基礎資料とし,学習プロセスモデルを構築するまでの過程を述べた.本稿では構築した学習プロセスモデルにおける学習状況を明らかにするため,これまでに授業実践した結果と評価について述べる.授業実践の結果,漢字変換機能を活用した学習には成果が見られ,学習者にとってこの学習活動は肯定的に受け止められた.
著者
宮地 功 岸 誠一
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.15-22, 1997-09-30 (Released:2017-05-27)
参考文献数
13

教師が音楽のテープ, CDなどを聞かせるという受け身的な従来の音楽の鑑賞教育を改善するために, シンセサイザーを用いて音色の特徴を感じ取り, 感性を育てることにした. 6種類の楽器の音色が「白鳥」の曲に適合する度合を判断させることをAHPによる感性測定アンケートによって試みた. 楽器の音色の適合度を音楽に対する感性と考える. 音色の適合度と音楽能力について, 多変量解析した. 平均整合度によって, 児童を2グループに分けると, 音楽能力によってこの2グループがよく判別できることが判明した. 音楽能力において, 関心度は歌唱力と演奏力に関係があり, 歌唱力は演奏力に関係があることが分かった. 音の良さを適切に判断する能力の指標である整合度は, 関心度と演奏力に関係があることが分かった. 児童が感じた楽器の音色の適合度を非類似度として, クラスター分析した結果, 感じ方がおよそ4グループに分けられることが分かった. 児童が感じた6種類の楽器の音色の適合度と音楽能力とをそれぞれレーダーチャートに表して, 各児童の感性と音楽能力が視覚的に把握できるようにして指導しやすくした.
著者
沖 裕貴 林 徳治
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.27-34, 1999-03-31 (Released:2017-05-27)
参考文献数
9

「たまごっち(1)」などの携帯型動物飼育ゲームに強い興味・関心を持つ小学生が,生命や動物飼育に関してどのような意識を抱いているかを,質間紙法によって調査した.その結果,低学年の4割近く,6年生においても約2割の児童が,ゲームの中の動物を「生きている」と認識していることが判明した.また,それらの意識とゲームに対する興味・関心との間には,有意な正の関連性のあることが浮かび上がった.しかし,ゲームに対する興味・関心は,実際の動物飼育に対する興味・関心とも有意な正の関連性があり,実体験への橋渡しになる可能性を示唆している.
著者
澤山 郁夫 森山 潤
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.41-52, 2022-11-30 (Released:2023-03-20)
参考文献数
14

本研究では,データサイエンス等に関する知識・技能を全ての国民が育むことが求められる背景の下,現職の小学校教員は,小学校教員がこれらのスキルを身につけておくことをどの程度有用と考えているのかについて,データサイエンティストの考えとの比較を通じて検討した.結果,小学校教員は,データサイエンティストよりも,小学校教員がこれらのスキルを身につけておくことについて「有用ではない」と評価しており,それはとくにデータエンジニアリング力に関するスキルにおいて顕著であった.また,データサイエンティストにおいては,日本の小学校教育の現状に対する危機意識が高い人ほどデータサイエンス力の有用性認知が高いのに対して,小学校教員はその逆で,危機意識が高い人ほど,データサイエンス力の有用性認知は低い傾向であった.今後,これらの認識の実態を踏まえた学習機会の提供や研修プログラムの在り方について検討を進める必要がある.
著者
金沢 みどり 丸山 有紀子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.3-18, 2014-07-31 (Released:2017-03-03)
参考文献数
21
被引用文献数
1

生涯学習を支援するために,近年の公共図書館は,利用者の情報活用能力の育成を支援するという新しい役割を果たそうとしている.特に,公共図書館のヤングアダルトサービスは,中学生や高校生を対象として,読書習慣を発展させるための読書支援,リテラシーや情報活用能力を更に向上させるための支援など,ヤングアダルトの生涯学習の基礎を固める上で重要な役割を果たすことが期待されている.本研究では,日本の公共図書館WebサイトのヤングアダルトWebページを対象として,情報活用能力の育成支援の観点などから,ヤングアダルトのコンテンツについて,現状調査を実施した.調査結果から,ヤングアダルトWebページのコンテンツに関する全体的な傾向を明らかにするとともに,ヤングアダルトWebページのコンテンツ・モデルを提案した.
著者
井上 史子 林 徳治
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.3-14, 2004-03-20 (Released:2017-05-24)
参考文献数
19
被引用文献数
1

先行研究より,これからの子どもたちには情報を批判的に読み解き活用する力が必要であり,その力を育成することにより,主体的に学ぶ態度の変容も期待できると考えた.本論文では,小学校におけるメディアリテラシーを育成する授業での児童の主体的学習態度に着目し,児童による自己評価と教師による観察を基に,学習者の主体的学習態度の変容をめざした授業のあり方について,量的,質的な分析を行った.その結果,主体性は関係的であり,学習内容や使用する教材,学習者の心身の状態や学習環境に影響されやすいものであること,主体性を発揮するには自己表現力の向上が欠かせないこと,主体性を生かす授業形態として個別学習が有効であることなどが示唆された.
著者
神田 光啓
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.7-15, 1994-09-30 (Released:2017-06-01)
参考文献数
67

80年代に教育・学校問題から自殺・殺人を含む深刻な社会問題となった今日の学校におけるいじめの問題について,どのような研究が進められてきたのかを教育研究情報検索によって得られた学会誌,大学紀要掲載論文等63編を検討してみた.心理学,社会学,体育学,精神医学,教育学研究論文である.85年に森田が提起した,いじめの定義,いじめの4層構造,いじめの4形態などが80年代後半の各分野でのいじめ研究に影響を与えたきたのが分かった.しかし,いじめの実態把握,いじめの性格を解明するには森田の提起は役割は果たしているが,いじめの実践的解決,いじめが生み出す病理の実際的解決への論理においては,必ずしも十分ではない.臨床心理学の立場からの高石の「少年期それ自身の独自の人格修復機能」等に注目しつつ,教育学,精神医学,臨床心理学等の学問の実践性が問われる諸分野でいじめを実践的に解決していく鍵概念の提起が待たれているといえよう.
著者
佐原 恒一郎
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.29-38, 2014 (Released:2017-03-08)
参考文献数
6
被引用文献数
1

重度知的障害児2名に対して行ったタブレット端末による学習の様子を,学級担任経験教員および事例児と異なる他の特別支援学校教員が評価した.この結果,「注意集中を長時間持続できた」「弁別や認知を促す学習を可能にすることができた」「これらの変化は従来のコンピュータでは同様の結果を期待できない」という評価がされた.重度知的障害児のICT利用教育について,タブレット端末を利用することは「通常のコンピュータに比べ学習の有効性が高い」「注意集中の長期的な持続が期待できる」「因果関係の理解など認知・弁別学習の促進が期待できる」「教科的な学習にとどまることなく,自立を促す教材としてタブレット端末を利用することが望ましい」の4つの方向性を見いだした.
著者
北澤 武 永井 正洋 加藤 浩 赤堀 侃司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.35-42, 2008
被引用文献数
1

本研究は,小学校理科教育を対象として運用しているeラーニングサイト「理科ネット」の電子掲示板「質問コーナー」に,用語間の関係の強さに着目した検索支援システム「PRIUM (Portfolio Retrieval for Investigating Useful Material)」を構築し,それを運用した効果について検証した.その結果,児童は電子掲示板に理科に関する質問を投稿する前に,自分が質問したい内容と同じ質問があるかどうか,PRIUMを使って調べるという情報探索行動を示すことが分かった.さらに,PRIUMを構築する前よりも,構築後の方が過去に投稿された質問と同じ質問をする割合が減少し,「質問コーナー」の利用頻度や質問の投稿数が増加するなどの効果があることが示唆された.
著者
田島 祥 坂元 章
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.3-13, 2013

本研究では,教育番組の中で推奨される価値観の特徴を探ることを目的に,親や教員に対する調査(研究1)と教育番組の内容分析(研究2)を行った.価値尺度として,The Rokeach Value Survey(Rokeach,1973)の手段価値を用いた.研究1より,親や教員は,正直さ・責任感の強さ・礼儀正しさ等の価値観が子どもにとって必要だと考えていることが明らかになった.また教員は,自己制御していることも重視していた.研究2において69の教育番組を分析した結果,全体的にみると,知的なことや陽気なことが多く推奨されていた.また,番組の対象年齢が異なると推奨される価値観も異なるという特徴が見いだされた.さらに,研究1で親や教員が重視していた価値観は,いずれの年齢向けの番組においてもほとんど推奨されていないことも明らかになった.
著者
五十嵐 敏晴
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.99-109, 1988

今回の試みは、入学前に基礎的な実力をつけることと一斉授業でCAIソフトを使う場合の利用方法の研究をその目的として実施した。その際、学習者こ対してアンケートをとり、その結果を次のようにまとめた。なお、今回便用したソフトは本校開発の「簿記入門編」と「簿記3級編」(第2巻4号48頁参照)である。
著者
須藤 崇夫 藤井 春彦
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.15-26, 2012

本研究では教科「情報」における教員研修の改善のため,協調的な学習の一つの技法であるジグソー法を導入した参加型の教員研修のカリキュラムを開発,実践し,研修受講者への質問紙の回答結果と授業実践者へのインタビューを通してその有効性と課題を明らかにすることを試みた.その結果,参加型の研修の有効性が示唆されるとともに,ジグソー法の指導方法を習得や授業に利用したいという意欲を意識化させ,また,教員研修を踏まえてジグソー法による学習指導を授業で実践できたことが明らかになった.また,教科「情報」のいくつかの学習分野や問題解決の学習において,協調的な学習方法は,有効な学習方法である可能性が指摘された.一方,研修時間の確保等について課題が残った.
著者
矢野 陽子 新地 辰朗 荒木 賢二 河南 洋
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.3-13, 2008-01-21 (Released:2017-04-18)
参考文献数
21

本研究では,ユビキタス社会の授業を想定して,インターネットと校内LANを用いて学生と教師がそれぞれのPC (=Personal Computer)を双方向に使用する教室での授業を試みたものである.ユビキタス社会ではメディアはシンプル化し,形状も縮小化してくる.学生の学習と教授方法には主にネットワークが用いられる事が予測される.そうした社会により近い環境を設定し,ペーパーレスで授業の完全ICT (=Information and Communication Technology)化の検証を大学の情報教育の授業で行った.本検証によりユビキタス社会の授業での問題点と効果及び課題について研究した.また,ユビキタス社会へ向けて授業のICT化が効果的に実施されるためには,学生側より教師側のメディアリテラシーの習得環境を整備する必要性が示唆された.
著者
大隅 紀和 乾 和雄 林 和志
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.14-22, 1988-07-11 (Released:2017-06-16)
参考文献数
4

筆者らは、暫定的に市販されているポータブルワープロを使って、小学生と中学生を対象に基本操作練習に取り組んでいる。その結果、ワープロの基本操作に必要な時間が明らかになった。、また、基本操作練習に続いて、中学校での理科実験での活用事例を報告する。あわせて、この種の新情報技術(EIT)を活用する情報教育(インフォマット)の実践の一つの提案をする。
著者
芦葉 浪久
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.3-16, 1996-07-30 (Released:2017-05-31)
参考文献数
12

第1部では, 筆者が国立教育研究所在職中, 科学研究費補助金を受けて行った種々の研究領域とテーマを示し, それらの研究において用いた方法を紹介した. 研究に用いる方法論については, これらの研究の過程で恩師から特別の指導を受けたため, 第2部に方法論の重要事項をとりまとめた. その方法論の主なものは, 問題の明確な認識の方法, 問題の全体像の把握方法(問題の論理構造の分析), 事実の把握の方法, 仮設設定の方法, 仮設検証法(科学的方法, 実験的方法, 数量的方法, 質的方法, 実験法), 科学的推論(帰納法, 演繹法, 類推法, 因果律法)問題解決の非合理的要素(経験, 想像力, 直観力)である.
著者
宮地 功 岸 誠一 小孫 康平
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.33-44, 1994-01-31 (Released:2017-06-06)
参考文献数
7

人間関係を育成する上で,ソシオメトリーは貴重な資料を提供できる.この技法を有効に機能させ,テストの信頼性と妥当性を高めるために,構成員全員を対象にした間隔尺度データに基づくソシオメトリックテスト法を提案する.この方式によって得られる指標を提案する.このテスト法によって得られるデータを処理加工し,分析結果を図表化するシステムを開発した.従来得られていた図表に重みを含めて,選択と排斥データ表,選択と排斥関係表,被選択児童とその理由リスト,被選択の理由と度数,被排斥児童とその理由リスト,被排斥の理由と度数,相互選択児童とその理由リスト,相互排斥児童とその理由リスト,矛盾選択関係の児童とその理由リストが得られる.また,提案した方法の特徴である重みを考慮した重み付き選択と排斥関係表,個人の友達関係図,選好度表,学級の友達関係図,友達関係伝播図のような従来得られなかった情報が得られる.この間隔尺度法を実際に活用した結果,利用した教師からかなり有効でわかりやすい加工情報が提供されるという良好な評価が得られた.
著者
井上 史子 沖 裕貴 林 徳治
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.13-20, 2006-02-28 (Released:2017-05-19)
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究は,自主性をはじめとする教師の主観に頼りがちな情意的教育目標の達成度を客観的に測定することにより,それらを育成するための有効な方法論を確立することをめざした実証研究の第一弾である.中学校教育現場においては,教育目標としてしばしば主体性や自主性という言葉が用いられる.主体性とは,学校教育の中で,子どもたちが何ものにもとらわれずに自らの言動の主体として自己決定する態度や,自ら課題を選択・判断する力を意味する.しかし,これまでの先行研究[1]において,これらの力を学校教育の中で育成することは極めて困難であることが明らかにされてきた(井上・林,2003).学校社会で子どもたちに求められるのは,教師があらかじめ設定した課題や役割に対して積極的に取り組む姿勢や態度である.それはむしろ主体性と言うより,自主性と呼ぶ方が適切であると考えられる.本論文では,中学校において,生徒の自主性を測定するため,20の質問項目からなる100点満点の尺度を構成した手続きと,今後の研究の方向性について述べた.
著者
荻布 優子 川崎 聡大
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.41-46, 2016 (Released:2017-05-01)
参考文献数
11

学力と基礎的学習スキル(読み書き困難リスク)の関係について,学年,学力低下の有無といった観点から検討を加えるとともに,学力向上に向けたICT有効活用のための基礎的データを得ることを目的とした.対象は小学校2年~6年生297名である.結果,低学年では国語で読み流暢性,算数で書き正確性が学力に対する独立変数として有効であり,学力維持群・低下群の間に顕著な差は認められなかった.高学年では低学年に比して書き正確性の影響がやや強く,特に学力維持群に比して学力低下群で特に音読流暢性が学力に及ぼす影響が強いことが明らかとなった.学力低下群ではいわゆる基礎的学習スキルの課題が学力向上の妨げとなっていること,学力維持群では学年上昇に伴って読み書きスキルが学習の手段=「書いて覚える」へ移行していくことから,ICT活用によって学力向上を図るには学力や基礎的学習スキルの状況に応じたコンサルテーションが重要である.