著者
近藤 誓
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.102_3-102_3, 2016

<p> 近年、プロ野球選手が野球賭博に関与していたり、バドミントン選手が違法カジノに出入りしていたりして、スポーツと賭博に関わる出来事が社会問題となっている。しかし、同じ賭博行為でも、競馬、競艇などの4種目は「公営ギャンブル」と呼ばれ、特殊法人や地方公共団体による施行が許可されている。その中でも競馬については、戦前から行われていた実績や欧米を中心に国際的にも広く行われていることもあり、日常生活の中に溶け込むとともに現在も大きな人気を有している。競馬については、これまで公営ギャンブル(賭博)の賭け容認過程やギャンブル(賭博)の社会的影響、さらにはスポーツのルールとギャンブル(賭博)の関係などについての研究がなされてきた。こうした研究の成果を捉えつつも、しかし、いわば社会に飼いならされ「飛び地」として合法化された「賭博」は、なぜ競馬という対象の中に成立し、またそれは、例えばニュース番組などでは決まって「スポーツコーナー」で取り上げられるように、どうして「スポーツ」との関係を強く示唆されるものとなっているのだろうか。競馬、スポーツ、賭博の関係を、現代社会が写る鏡の一つとして本研究では明確にしたい。</p>
著者
千葉 直樹
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.98_1, 2016

<p> 本研究では、2012年の「体罰」事件以降の時期に焦点を絞り、高校のバスケットボール指導者の暴力行為の実態を明らかにすることを目的にする。2015年の高等学校総合選手権大会でベスト32以上に進出した19都道府県の指導者を対象に、2016年3月に郵送調査を行った。回答者の40.1%は、選手時代に指導者からの暴力行為を受けていた。22.1%の指導者が「体罰」事件以前に暴力行為を選手に行ったことがあると回答した。一方で、2013年1月以降の時期では、5.8%の指導者が暴力行為を行っていた。この結果から、「体罰」事件以降に、暴力行為を行うバスケットボール指導者の数が少なくなったと考えられる。しかし、暴力行為の範囲を「ボールを投げつける」、罰走、暴言という項目まで拡大すると、28.8%まで暴力行為を行った指導者の比率は高くなった。以上の結果から、「拳で殴る」や「平手打ち」等の暴力行為は少なくなった一方で、暴言や身体的な苦痛を伴う懲戒などは依然として一部の高校バスケ部で行われていることが示唆された。さらに、先行研究の指摘通りに、暴力指導を受けた指導者ほど、選手に暴力行為を行う傾向が確認された。</p>
著者
橋爪 和夫 山地 啓司
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.297_1, 2019

<p> 【目的】本研究は、体育科で学習される運動技術の確かな定着が児童の運動有能感を育むという仮説を検証することである。【方法】2016年度から3年間富山県K小学校に在籍する全児童を調査し3年間の縦断的データを解析した。新体力テストの合計点と岡澤らによる運動有能感の合計点が3年間学年の平均値以下で、かつ、「逆上がりができる・練習すればできる、練習してもできない」という調査に「練習してもできない」と回答し続けた児童を抽出した。小学校教員を志望している大学4年生を1人、抽出した3年生の児童5人と5年生の児童4人の正課体育学習支援者として学校長の許可を得て体育科の授業に参加させた。【結果】体育学習支援者は、抽出児童を専属的に支援するのではなくて、児童全員に対する学習支援者として授業に参画した。そのために抽出児童に対しては、十分な技能獲得の成果をあげるまでには至らなかった。【考察】調査対象者の観察と学習支援の記録から、体力と運動有能感に継続的な悪化傾向を示す児童には、運動学習支援者が必要であることが示唆された。また、体力の向上に関する支援は困難であるが運動有能感を向上させるための支援の可能性が示唆された。</p>
著者
福田 将史
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.106_2-106_2, 2017

<p> 現在、全日本大学野球連盟に所属する26連盟の公式戦においては春季リーグ戦、秋季リーグ戦ともに勝ち点制を採用している連盟がほとんどである。勝ち点制とは、同一カードで先に2勝した方が勝ち点1を獲得する方式である。筆者は、野球の試合において、先に得点したチームの勝率について、高校野球(2009)、学童野球(2012)、社会人野球(2014)で7割以上の勝率であることを報告した。大学野球における勝ち点制においても、先勝したチームが勝ち点を獲得するのに有利になるのではないかと考えた。</p><p> 本研究では、大学野球の勝ち点制で先勝した場合の勝率について分析した結果について報告する。対象は、全日本大学野球連盟に所属する18連盟で、2005年から2015年の10年間の春季リーグ戦と秋季リーグ戦について分析した。その結果、春季リーグ戦、秋季リーグ戦ともに7割以上の勝率であることが明らかになった。</p>
著者
長谷川 伸
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.154_2-154_2, 2017

<p> 本研究では投球速度の異なる野球投手の筋厚を比較し、高い投球速度を示す投手の形態的特徴を明らかにすることを目的とした。2016、2017年の春季オープン戦に登板した投手を対象に全投球の球速上位20%の平均値を算出し、140km/h以上を高速群(n=7)、130km/h未満を低速群(n=9)として抽出した。筋厚測定には超音波診断装置を使用した。撮像部位は両側の前腕部、上腕部(前・後部)、胸部、腹部、側腹部、肩甲棘部(上・下部)、肩甲骨内側部・肩甲下部、腰部、臀部(後・側部)、大腿部(前・後部)、下腿部(前・後部)であり、これらの17部位より29筋を測定の対象とした。部位別の比較において高速群では投球側の前腕部、腰部、臀部、大腿後部、下腿後部、非投球側の腹部、側腹部、大腿前部、臀部、大腿後部、下腿後部において低速群よりも高い筋厚を示した。また、筋別の比較において高速群は投球側の脊柱起立筋、大殿筋、大腿二頭筋、腓腹筋、非投球側の腹直筋、内腹斜筋、脊柱起立筋、大腿二頭筋において低速群よりも高い筋厚を示した。これら結果より投球速度の高速群では体幹、下肢筋群の発達が顕著であることが示唆された。</p>
著者
亀谷 真知子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.290_2, 2017

<p> 日本の舞踊文化は、その希有な歴史性と多彩性とで世界的にも注目されている。中でも、水田稲作農耕に根ざした地域の舞踊は人々の絆を強める機能を果たしてきた。演者は、一般体育に位置づけられた「民族舞踊」の種目で、日本の伝統舞踊をとおして文化を実践的に学ぶための指導を二十五年間続けている。多様な身体運動・身体表現を持ち、学生が身近に触れる機会のある盆踊りを取り上げ、踊りを実践しながら舞踊文化についての理解を深め、学生同士が協力して踊りを盛り上げられるようにカリキュラムや指導法を工夫した。その結果を検討しつつ報告する。</p>
著者
河野 隆志 清水 聖志人 島本 好平 久木留 毅 土屋 裕睦
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.242_1-242_1, 2016

<p> 日本レスリング協会では、「インテリジェントレスラーの育成」を理念にアスリートとしてのキャリアと人としてのキャリアの両立(Dual Career)の支援を目指した新たな発掘・育成システムの構築を推進している。本事業の一環にて、カデット世代(U-18)の国内育成プログラムに参加している最も優秀なタレントを選考し、海外育成プログラムへ派遣した。同プログラムにおいては、ライフスキル(以下、LS)の獲得を促すためGROWモデル(Goal・Reality・Options・Will)による個別ミーティングを複数回実施した。2015年度においては、男子フリースタイルのタレント3名をロシア(クラスノヤルスク)、男子グレコローマンスタイルのタレント3名を韓国(釜山)、女子のタレント4名をアメリカ(コロラドスプリングス)へそれぞれ派遣した。本研究ではLS評価尺度を用いて、海外育成プログラムの出発時点と帰国時点のLS獲得レベルを比較することで、GROWモデルを用いた海外育成プログラムがLS獲得に与える影響を検討した。分析の結果、特に「コミュニケーション」(t(9)=1.87、p<.10)と「礼儀・マナー」(t(9)=1.65、p=.13)において、他のLSに比べ平均値の大幅な上昇が見られた。</p>
著者
波照間 永子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.289_3, 2017

<p> 琉球芸能の世界で重要視される言葉に、「『かぎやで風』に始まり『かぎやで風』に終わる」がある。『かぎやで風』とは、琉球王国時代、国王や国賓の御前で上演した『御前風』五曲の一つで、今日では芸能公演や祝宴の座開きに踊られる。また、古典舞踊の教授過程においては、入門時に学ぶ演目でありながら、人間国宝級の演者がその技量を示すべく上演するものでもあり、古典の基本が凝縮されているとされる。『かぎやで風』の技法研究に関しては、振りの記録(儀保・西平、金城)や作品構成の研究(小橋川・花城)等を目的に研究がなされてきたが、「扇」の扱いに着目したものはない。</p><p> 本研究では、「扇」の操作性を指標に技法の動作を分析するとともに、その象徴性を抽出・考察することを目的とする。あわせて、本研究の分析指標を日本舞踊・韓国舞踊・中国舞踊等の東アジア地域の舞踊にも適用し比較する一助としたい。</p>