著者
菊田 怜子 牟田 博光
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.177-185, 2001-12-20

国際化が急速に進む中,小学校においても,2002年度から外国語会話を教えることが可能になった.このことより,英会話活動を行う公立小学校が増加するものと予想される.そこで,本論文では,公立小学校での英会話活動の効果を高める要因を明らかにすることを目的とする.英会話活動に携わっている公立小学校の学級担任を対象として,郵送による質問紙調査を行い,共分散構造分析を行った.その結果,教師とALT(英語指導助手)の指導上の相互理解はALTの指導行動に影響を与え,児童にALTへの親近感を持たせる指導行動が,英会話活動の効果を高めることが示された.さらに,ALTが児童に英語を多く聞かせる指導行動は,児童の英会話活動への楽しさやコミュニケーション態度の育成を抑制することが明らかになった.
著者
堀井 俊洋 藤谷 哲 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.79-87, 1999-09-20
被引用文献数
2

本研究では,文章作成過程における文章産出を促すことを目的とした文章作成支援ツールCard Processorの開発と評価を行った.本ツールCard Processorでは,文章の構造を視覚的に配置しながら文章作成をおこなうことが可能であるユーザインタフェースを実装した.Card Processorとワードプロセッサ(Microsoft Word 97)で作文をする評価実験では, Card Processorで作成した文章は,テーマに関するトピック数を多く含むという傾向がみられた.また,入力作業と推敲作業に費やす時間において,両者に特徴的な違いがみられた.それらの結果から,Card Processorは,「草案の生成,草案の組織化,目標の組織化」といった文章作成作業を支援しており,ワープロは,「読み返し,修正する」といった文章作成作業を支援していることを明らかにした.
著者
野崎 浩成 横山 詔一 磯本 征雄 米田 純子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.141-149, 1996-12-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
22
被引用文献数
3

日本語教育で教材に使用される漢字の選定および提示順序は漢字頻度調査に基づいて決定されることが多い.そこで,本研究では効率的な漢字頻度調査を行う手法を確立するために,新聞記事フルテキストデータベース中に含まれる漢字の使用頻度を調査するシステムを開発した.このシステムを用いて,新聞朝夕刊1ヶ年分の約11万件の記事を対象に大規模な調査を実施し,漢字4,476字および平仮名83字,片仮名86字についての文字使用頻度表を作成した.その結果,1)漢字使用頻度上位1,000字が全使用率のおよそ95%を占めること,2)上位1,600字で全体のほぼ99%に達し,残りの約3,000字は1%程度を占めるに過ぎないこと,3)時代的変化に着目すると,漢字使用頻度は,'66年と'93年の新聞間で相関が著しく高いこと,が示された.以上の結果は新聞における漢字の使用実態を的確に反映するものであり,日本語教育のみならず,漢字教育や言語情報処理一般に役立つ有用な知見が得られた.
著者
魚崎 祐子 伊藤 秀子 野嶋 栄一郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.349-359, 2003-03-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1

テキストを読みながら学習者が自発的に下線をひく行為が文章理解に及ぼす影響について,文章の難易度と読解時間という2要因に着目し,テキストに予めつけておいた下線強調との比較という点から実験的に検討した.自分で下線をひくことのできるアンダーライン群,キーワードなどを下線で強調したテキストを与えられるプロンプト群,統制群の3群に被験者を分け,テキスト読解の後に自由記述形式の再生テストを行った.その結果,テキストの下線強調は文章の難易度や読解時間の長さに関わらず,強調部分の再生を高める効果を持つことが示された.一方,学習者の下線ひき行為が有効であるのは,難解なテキストの読解において十分な読解時間を与えられた時に限定された.また,テキストにつけられた下線,自分でひいた下線ともに下線部以外の再生は促進しないということ,下線の有無に関わらずテキスト中の重要な概念ほど再生されやすいということも明らかになった.
著者
山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.299-308, 2003-03-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
11

本論文では,電子ネットワークで結ばれた専門家と学校の実践共同体に学習者がどのように参画するかについて,グラウンデッドセオリー・アプローチを参考にした質的な研究方法を用いて明らかにする研究を行った.その結果,学習者は電子ネットワークヘの親和性や科学観・学習観の相違,重なり領域の実践の特殊性などの要因によって,実践共同体へ多様な参加軌道を描くことが明らかになり,学習目標と実践共同体との対応・重なり領域の実践への援助・学習者の状況の把握という学習環境デザインヘの示唆が導出された.
著者
吉岡 敦子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-10, 2002-06-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
9

本研究は,大学生を対象にYahooを使ったインターネット情報検索について検討した.実験1では,基本的検索技術の教示を与える群と与えない群の検索過程を比較した結果,両群に差は見られなかった.実験2では,メタ認知過程を意識化させる質問を与える群と与えない群を比較した結果,与えた群では不適切な行動が減少した.実験3では,メタ認知過程を意識化させる質問を全被験者に与え,正解・不正解によってグループ分けし検討した結果,訓練する機会を与えれば,自発的に意識化させて検索を行えることが示された.また,メタ認知過程を意識化させる効果は,1)検索時間と行動量を減少させる,2)モニタリングとプランニングをさせる,3)インターネット情報検索スキルを獲得させる,の3つであった.しかし,意識化を十分に行うことの難しさも明らかにされ,練習の機会を与えたり,他者の援助を介入する必要性が示された.
著者
吉田 道雄 佐藤 静一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.93-99, 1991-09-20
被引用文献数
4

教育実習の時期および性別の要因が教育実習生の「子ども」というものに対する認知に与える影響を分析した.具体的には,教育実習生に対する予備調査で得られたデータを分析し,「子どもの態度や行動・属性」に関して,六つの因子を見いだした.このうち,「自己中心性の因子」「創造性・積極性の因子」「反抗的・現実的態度の因子」は共通して,実習前に相対的に子どもをポジティブに(楽観的)評価し,実習2週間後には,ネガティブな(悲観的で厳しい)評価に変化し,最終的には再びポジティブな(再評価,再認識)評価をするという一貫した傾向が認められた.実習を通じてさまざまな心理的な「揺れ」を体験することが実習にとっては欠くことのできないポイントであることが指摘された.また,「公平さの要求」「事実を見通す力」の二つの因子については,性別による違いが認められた.いずれも男子の方が,子どもたちは,「不平等やえこひいきに敏感で」「ごまかしがきかない」と認知する傾向が見られた.実習生の性別によって子ども自身が反応の仕方を変えているのではないかと思われる.実習生の性別と子どもたちの関係のあり方についても,さらに分析を進めていくことの必要性が指摘された.
著者
石塚 丈晴 堀田 龍也 小川 雅弘 山田 智之
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.225-228, 2004-03-05
参考文献数
8
被引用文献数
3

本研究では,PDAの手書き文字認識機能を利用して書きとり練習を行なう漢字ドリル学習システムを開発した.本システムを搭載したPDAを1クラスの児童全員に各1台貸与し,PDA漢字ドリルと学習効果の関係について研究を行なった.その結果,PDA漢字ドリルの利用量が多いほど漢字能力も向上するという関係があることが,判明した.一方で,児童の学習記録を教師が把握し適切な指導を随時行なっていく必要も判明し,そのためのシステムを今後開発していく必要があることが分かった.
著者
苅宿 俊文
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.203-206, 2000-08-20
被引用文献数
11

本稿は, 実践を通して, 「プロセスの作品化」が, 外化を通しての自己理解を深める時に, 外化過程の支援をする方法の一つであることを明らかにしていく試みの報告である.「プロセスの作品化」の実践として, 本稿では, 描いたプロセスを再生することができる「再構成型描画ソフトウエア脳の鏡」で描いた後に, 自己の描いたプロセスを見直し, 他者に制作のプロセスについて語り, それを文字化し, 絵と併せて表現していくという「心の花」という実践である.「脳の鏡」は, 外化支援のツールとして位置づけている.
著者
吉崎 静夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.61-70, 1983
被引用文献数
13

本研究の主目的は,教師の経験や性別によって,授業のポイント場面での意思決定にどのような違いがあるのか検討することであった.そのさい,録画された授業のポイント場面でVTRを中断させ,そして教師に教授行動の意思決定を求めるといった「VTR中断法」が,教師の意思決定研究法として開発された.録画された授業は,中堅教師が実施した小学校6年の算数であった.主な結果は,次のとおりであった.(1)授業場面での教師の意思決定は,「もどる」,「とどまる」,「すすむ」といった三つのカテゴリーにまとめられた.(2)教職経験や題材経験の多い教師は,少ない教師よりも危険性の高い決定をしていた.(3)男性教師は,女性教師よりも危険性の高い決定をしていた.(4)経験の多い教師が授業目標に注目して意思決定していたのに対して,経験の少ない教師は児童に注目して意思決定していた.
著者
坂元 昂 池田 央 牟田 博光
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.125-136, 1977-12-30

放送大学で将来採用する可能性のある学習形態を想定し,放送その他各種の情報媒体を総合的に活用してどこまで学習効果を高められるかを3科目について検証した.科目の最終学力成績を決める大きな要因は,3科目とも,基本的には個人の能力であるが,能力差を除いて考えれば,放送のみよりは通信教育を加えたほうが,さらにスクーリングを加えたほうが成績がより向上する.その他の要因として,科目によって異なるが,番組内容に対する興味,関心,予備知識の大小,などが成績に寄与しているといえる.成績以外の学習効果として,学習継続意欲をみてみれば,科目によって説明力の大きい変量は異なるものの,内容の興味,関心,期待の充足度,疲労など,概して情意的,態度的要因が寄与している.
著者
清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-4, 1997-08-20
被引用文献数
3

論文の文章表現について調べ, 新聞記事における文章表現と比較した.そして, 1文あたりの文字数と最大文字数, 文節数, 文節あたりの文字数などを示した.また, 論文と新聞記事の文字数を比較した結果, 1%水準で学会誌の論文が有意に長文であることを示した.文字数と文節数との相関係数を求め, 文章の特徴を調べた.さらに, 長文となる理由について考察した.
著者
野崎 浩成 横山 詔一 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.59-62, 2001-08-20

本研究では, 2字熟語に使用される漢字の頻度特性を分析した.その結果, 「牲」は, 漢字2字熟語の第2文字目でのみ使用されること, その用例はすべて「犠牲」であったこと, 同様な特性を持つ漢字は, 「娠」, 「剖」, 「騨」, 「惧」, 「綻」であったこと, が示された.すなわち, ある特定の熟語にしか使用されない特別な漢字が存在することが明らかになった.このような結果を考慮して教材作成を行えば, 有用な日本語教材が得られると考える.
著者
松永 公廣 前迫 孝憲 菅井 勝雄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.161-165, 2001-08-20
被引用文献数
1

小学校における幾何教育にコンピュータシミュレーションを用いるためには, 学習者の状況を合わせた指導方法を明確にすることが必要であろう.そこで本研究ではDOS版で開発した立方体の展開図組立シミュレーションをWindowに移植し, そのシミュレーションと正方形の紙をセロテープで張り合わせて展開図を作成する「紙とセロテープ」による2つの授業方法を組み合わせた実践から, 以下のような結論を得た.(1)2つの授業方法による学習結果を比較すると, シミュレーションを利用した方が試行回数が多かった.学習者は頭に浮かんだ自分のアイデアを確認する方法としてシミュレーションを利用していることがうかがえる.(2)2つの学習方法を組み合わせた授業の場合は, 最初に「紙とセロテープ」を, 次に「展開図組立シミュレーション」を利用した方が成功数が多かった.(3)「展開図組立シミュレーション」を用いた授業では, 児童の興味が展開図以外の多様な図形を作ることにも向くことがあるため, 場合によっては展開図の学習に集中させる授業条件を設けることも必要であろう.(4)学習者は「展開図組立シミュレーション」を用いた授業を楽しいと回答していた.
著者
岡本 敏雄 松田 昇 降矢 俊彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.85-99, 1995-09-20
被引用文献数
2

情報に係わる教育内容が新指導要領の中でうたわれ,様々なカリキュラムや教材教具が開発されている.そういった動向の中で,本研究の目的は,中学校の生徒における情報処理の能力と既存の数学の成績との関連を分析することである.情報処理の能力を捉えるための因子構成項目として,(1)手続き的なプログラミング,(2)ファイル操作,(3)情報処理通性,(4)問題空間の認識と目標接近への問題解決過程,といった内容に関する課題を選定し,既存の数学の成績との関連の分析を試みた.その結果,数学の特定の分野(数と式における手続き的な問題解決)における成績と情報処理適性の一部(短期記憶,弁別能力)に相関が見られるなど,数学の成績と情報処理適性に若干の相関関係が見出されたが,本調査の対象となった分野における数学の成績と情報処理の能力との間の強い相関は抽出できなかった.
著者
永岡 慶三 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.199-206, 1997-03-20
被引用文献数
7

本報告は,過去10年間における教育工学研究における「教育評価」に関する研究動向をまとめたものである.教育評価はすべての研究分野にかかわるものであり,この意味において対象とする研究分野は幅広い.そこで,筆者らは,測定方法,評価手法,授業評価,映像・ソフトの評価などのいくつかのカテゴリーに分類して,その動向をまとめた.全体的な傾向として,コンピュータの普及による影響が大きいこと,初期のCAI,CMI等の評価研究から,実際の教育を目指したより使いやすく実用的な手法の開発などに移行していったことが挙げられる.また授業評価やメディア等の評価研究は,地道ではあるが継続して研究されてきた.さらに,今後の方向として,従来型の教育評価はある意味では下火の傾向にあるが,コミュニケーション端末としてのコンピュータ利用が本格化するにしたがって,質的評価法などの新しい評価法が注目されるであろう.現在は将来に向けての変革の途上にあるといえよう.
著者
渡辺 和志 吉崎 静夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.73-83, 1991-09-20
被引用文献数
2 1

本研究は,授業における児童の認知・情意過程を把握するために,小学校6年・理科の授業を題材にして,いくつかの再生刺激条件を検討し,手続き,時間,報告内容の観点からみて優れた再生刺激法を明らかにした.主な結果は次のとおりであった.(1)VTRによる再生刺激画面は,教室の後方より前方を写した画面が適当であった.(2)質問紙法とインタビュー法による報告内容の質と量について比較した結果,方法による差はほとんどみられなかった.(3)調査時間が短時間ですむ方法は,再生刺激場面を教師が決定し,質問紙法で児童に報告させる方法であった.(4)児童が授業を通して思ったり考えたりして,VTRを中断した場面の半数以上は共通していた.おもな場面は,教師の主発問,教材の提示,児童の実験であった.
著者
永野 和男 飯田 史男 奥村 英樹
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.69-84, 1993-11-20
被引用文献数
3 2

コンピュータゲーム的な環境による学習課題の実施が,年齢の低い児童や精神遅滞児の認知能力にどのような影響を与えるかを実験的に明らかにした.開発した学習用ゲームは,コンピュータとの対戦型の神経衰弱ゲームと,学習用に改良したテトリスである.約2ヵ月の実施の後,初期と後期のゲーム中の被験者の方略を分析した結果,ゲームとともに記憶方略についての学習や,図形を認知し,適切な場所へ移動する判断力がのびていることが確認された.また,事前,事後の知能テストにおいても,精神年齢の伸びが認められた,さらに,それぞれに関連する学習課題に対する達成率が未試行者に比較して伸びていることが確認された.
著者
後藤 聡
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.105-110, 1999-08-20

本研究の目的は, 2桁×1桁の整数かけ算問題について, 構成要素と難易を基準として問題を類型化, 系列化し, その結果を用いたデータバンキングシステムの開発を試みることであった.問題の構成要素として1)答の桁, 2)かけ算九九の繰り上がりの有無, 3)1桁たし算の繰り上がりの有無, 4)被乗数の中のゼロの有無, 5)答の中のゼロの有無, 数, 位置, 6)部分積の型を取り上げた.1)〜3)と6)を組み合わせて全問題を6基本型に分類した.更に, 4), 5)を含めて20の型に分類した.各6基本型について, 被乗数や答にゼロを含まない問題と含む問題を調査した.その結果から難易差を想定して問題を系列化し, 教授者が任意に利用できるシステムの開発を試みた.