著者
紫加田 知幸
出版者
独立行政法人水産総合研究センター
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-09-05)

有害赤潮鞭毛藻類シャットネラ・アンティカの日周鉛直移動リズムに及ぼす光環境の影響を調べた。その結果,暗期における微弱なUV-A~青色光(>0.01umol m^<-2>s^<-1>,360~480 nm)の照射により,その後の日周鉛直移動リズムが変化することが判明した。さらに,暗期に回収したシャットネラ細胞について,全mRNAシーケンスを実施したところ,クリプトクロームやオーレオクロームといった青色光受容体の類似配列が検出された。今後,これらの光受容体と日周鉛直移動リズムの光位相変化の関係を解析していく予定である。
著者
榎本 千賀子
出版者
新潟大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30 (Released:2013-09-12)

新潟県南魚沼市六日町の今成家の写真実践の事例分析を中心としながら、日本における明治初頭の写真受容を、歌舞伎や浮世絵、黄表紙などの庶民文化との関連性と、写真以外への領域への社会・文化的影響に注目しつつ分析した。今成家の事例から、先行する西洋由来の視覚装置への受容を引き継いで生まれた「心を写す写真」や、「声・動きを写す写真」という写真をめぐる定型的イメージを発見し、それらが明治初頭の日本における遊戯的な文化領域に広く共有されていたことを示した。また、「心を写す写真」が文学の近代化に与えた影響と、「声・動きを写す写真」が蓄音機や活動写真などの後続メディアの受容に与えた影響を指摘した。
著者
小林 海
出版者
目白大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-27)

競技レベルの高い短距離選手は競技レベルの低い選手よりも全力疾走中における接地時と離地時の骨盤前傾角度が大きく,接地期の脚のスイング速度も有意に大きかった.また,接地時の骨盤前傾角度,回旋角度と接地期の脚のスイング速度の平均値との間にはそれぞれ有意な相関関係が認められた.これらのことから,接地時に骨盤を前傾および後方回旋させることが,接地期の高い脚のスイング速度での疾走を可能にする一因となっていることが明らかになった.
著者
中川 敦
出版者
島根県立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-09-05)

これまで遠距離介護に関する社会学的研究の多くは、その当事者に調査の対象を限定した研究が中心であった。本研究は当事者に対する調査分析を深めつつ、その対象を遠距離介護の宛先である高齢者本人および彼ら彼女らを支える支援者にその対象を広げ、調査分析を行った。その結果、遠距離介護者はそばにいられないやましさを抱えていること、高齢者は死をも見据えた形で現状を受け入れていること、支援者は居住形態よりも関わりの内実から遠距離介護者を評価していることなどが明らかになった。
著者
小助川 博之
出版者
東北大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30 (Released:2013-09-12)

樹脂と炭素繊維で構成される炭素繊維強化複合材料は、優れた比強度と比剛性のために鉄鋼やアルミ合金に代わる構造材料として期待されているが、その非破壊欠陥診断の方法は未だ確立されていない。本研究では、電気化学的手法を用いることで構造体自身が欠陥の発生を自己検出するスマートな炭素繊維強化複合材料の開発に成功した。このような複合材料は、構造体内部にセンサを埋め込む必要がなく内部欠陥の発生を誘発することがないため、構造物としての高い信頼性を示すことができる。
著者
村山 綾
出版者
関西学院大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-09-05)

実際の裁判員裁判に類似したシナリオを用いて、裁判員役の大学生3名と裁判官役の実験協力者1名の4名からなる評議体(合計93名、31評議体)が被告の有罪・無罪について話し合う評議実験と、有罪・無罪判断と批判的思考態度との関連を検討する調査研究(144名が参加)を行った。実験の結果、裁判官役と同一判断に意見を変容させる参加者が多かった。また、有罪・無罪判断と批判的思考態度との関連が見られ、妥当な判断を行った参加者は批判的思考態度が高い傾向にあった。
著者
木村 隆志
出版者
北海道大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-09-05)

本研究の目的は、回折限界集光を実現可能な変形精度を有する硬X線用形状可変ミラーを開発することである。フィゾー型干渉計を用いた印加電圧フィードバックシステムを構築することにより、形状可変ミラーを数nmの精度で非球面形状へ変形させることに成功した。SPring-8において集光性能評価を行い、形状可変ミラーを深さの異なる非球面形状に変形させることによって、回折限界条件下で様々なサイズの集光X線ビームを形成可能であることを確認した。
著者
青木 恵子
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

安全で安心な食品の流通のために必要な情報公開の方法を検証するため、一般的な人々の嘘に対する意識を金銭的インセンティブがある実験環境で検証した。実験の結果は、嘘をつく割合は全体で約40%であった。匿名性で貰える金額が多く、対象者が若い人の場合が一番嘘をつく割合が多かった(約50%)。相手の顔が見える場合は、匿名性の場合に比べて、嘘をついたことを自白する人が多い傾向が観察された。嘘をつかれて、その通りの行動をした(騙された)人の割合は、嘘をつかれた人達の中で約68%であった。騙された人は、実験の種類や個人属性に大きな差がなかったが、相手を信じる傾向が観察された。
著者
木村 元洋 武田 裕司 大平 英樹 ERICH Schroger
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-09-05)

我々の脳は, 視覚的なオブジェクトの時間的文脈 (動きや変化のパターン)からルールを抽出し,そのオブジェクトが次にどのように変化するかを意図に関わらず自動的に予測している:"非意図的な時間文脈ベースの予測" 。本研究は,この非意図的な予測の脳内情報処理メカニズムを解明することを主目的とした。脳波の一種である事象関連脳電位を用いた実験を通し,この予測を反映する二種類の脳活動の同定に成功した:(1)予測された事象と実際の事象が不一致の際に生起する,視覚皮質-前頭前野に発生源をもつ視覚ミスマッチ陰性電位,および(2)予測された事象と実際の事象が一致した際に生じる,視覚皮質に発生源をもつ視覚誘発電位の増強および抑制。これらの結果は,この非意図的な予測が視覚皮質-前頭前野間の双方向性のネットワークにより達成されている可能性を示唆している。
著者
五野井 郁夫
出版者
立教大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-27)

本研究の成果は、グローバル・ジャスティス運動が世界政治に与えている影響を明らかしたことである。本研究は、グローバル市民社会からなるグローバル・ジャスティス運動による国際規範形成の影響力と性質を明らかにすべく、NGO、宗教組織、類縁集団ベースの市民運動から分析し、それらが国際規範形成に与えている影響について「社会運動のクラウド化」という概念を提示することで、今日のグローバル・ジャスティス運動研究で最先端の知見を見出した。
著者
大西 利幸
出版者
静岡大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究ではイリドイド化合物の一つであるオレウロペインを化学防御物質前駆体と考え、環境ストレスに対する樹木の化学防御機構の解明を目的として防御活性化酵素の機能解析を行った。その結果、オリーブ実からオレウロペイン糖加水分解酵素(β-グルコシダーゼ)の精製し、そのペプチド配列から設計したジェネレートプライマーを用いて、オリーブから全長cDNA配列の取得に成功した。
著者
佐々田 槙子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-09-05)

ランダムなノイズのある一次元調和振動子鎖に対する平衡揺動の研究を行い、時空間変数に対する拡散型のスケール極限としてマクロなエネルギー揺動の従う確率微分方程式を導出した。また、様々な確率モデルに対するSpectral gapの詳細な評価の新しい手法を得た。
著者
長谷川 正午
出版者
筑波大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30 (Released:2013-09-12)

本研究では,転移性・非転移性口腔癌細胞株を用いてmicro RNAマイクロアレイによる発現プロファイルを作成し,転移に関連するmRNA発現プロファイルを組み合わせて解析(ペアリング解析)を行った。転移性細胞株においてmiR-205の有意な発現低下が認められた。転移に関与するmRNAとmiR-205のペアリング解析を行ったところ,interferon regulatory factor 1 (IRF-1)がターゲット遺伝子として検出され,転移性口腔癌細胞株においてもIRF-1発現亢進を示した。miR-205を口腔癌細胞株に導入し,IRF-1の変化についても検討したが,有意な差は認められなかった。
著者
波多野 想
出版者
琉球大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-09-05)

日本統治期の台湾で開発された鉱山に関しては、従来、台湾内を中心に、地理学・地質学・建築史学など多方面から研究が行われてきた。特に、本課題の研究対象である金瓜石鉱山は、地形的・地質的特質や鉱山施設の建設過程など、鉱山の物質的側面を中心に研究成果が蓄積されてきた。しかし、これまで、植民者と被植民者が限られた空間に併存する植民地特有の現象を含め、植民地鉱山の空間的形成過程に焦点をあてた研究はみられない。そこで本研究は、植民地の社会政治的状況と地理空間の関係に着目し、差別や不平等を伴いつつ編成されたと推測される金瓜石鉱山の土地の利用と所有、および鉱山施設の建築的実態を考察し、植民地における鉱山景観の特質を明らかにすることを目的とする。特に本研究では、日本統治期に作成された地籍図や土地登記簿によって当時の土地利用と所有の状態を復原する一方で、図面類、文献資料、古写真などを用い、金瓜石鉱山に建設された鉱山施設の配置を考察する。
著者
原田 晶子
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-09-05)

中世ドイツ都市史研究では、長い間、法的特権を持つ聖職者は都市の中の異分子と考えられ、対立の構図で描かれてきた。しかし近年、中世後期の都市を「聖なる共同体(注:市参事会は市民の宗教生活にも責任を負っているという意)」とみなす概念が受け入れられつつあり、都市と聖職者の関係も再考を迫られている。このような研究動向を考量して、本研究では都市と聖職者の関係を、従来あまり注目されてこなかった教会組織の末端に位置する教区主任司祭の活動に着目し、「共生」という観点から考察し直した。
著者
西川 知亨
出版者
大谷大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-27)

主に日本の「貧困」/貧困層とその支援に関する全国の活動の調査を進めるなかで、貧困に対抗する活動が社会的レジリエンスに及ぼす影響についての検討をおこなった。同時に、これらの調査を理論的・方法論的に裏付ける初期シカゴ学派の「総合的社会認識」の社会学の検討を進め、活用した。その結果、「柔軟な役割関係は、社会的レジリエンスを高める可能性を有する」など、社会的レジリエンスに関する命題をいくつか得た。
著者
山崎 のぞみ
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30 (Released:2013-09-12)

本研究は、口語英語コーパスを利用して会話の相互行為的言語現象(話順交替を含む発話の即興的やりとりに関わる語彙や文法)、特に、並列的に使われるbecause節の談話機能や、別の話者による統語単位(副詞節)の拡張について調査し、それらの使用が、話者同士の即興的な話順交替や協同的談話構築に深く関わっていること示した。さらに、会話の相互行為的な側面に対する学習者の意識を高める教材として話し言葉コーパスが持つ可能性を探り、コーパスの会話を、現実の言語使用の実態に意識を向けさせる観察材料として利用する方法を提案した。
著者
池田 雅則
出版者
兵庫県立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-09-05)

これまで明らかにされてこなかった、19世紀後半日本における地域エリートの学習歴とその変容過程について、史料調査を通した一次史料の収集と分析によって検証することができた。農村エリートの青少年期の日記や文官普通試験にかかわる公文書を史料として分析を進めた。そして、19世紀後半の地域エリートは、国家的制度による正規の学校体系に収まらない不定型で複雑な学習歴を歩んでいたことが明らかとなった。本研究の成果の一部は学術図書として平成25年度中に刊行されることになった。
著者
中村 純一
出版者
一橋大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31 (Released:2012-11-27)

本研究は、1990年代以降の日本経済の長期低迷の原因とも指摘された、いわゆる「ゾンビ企業(金融支援を受けて存続している企業)」の発生・復活の実態とその影響について実証的に分析・考察した。その結果、(1)ゾンビ企業の多くは2000年代前半に復活したが、リストラに依存した縮小均衡であったこと、(2)その傍ら「優良企業」の側の投資行動には、ゾンビ企業の復活後も企業統治要因と関連した過小投資・過大投資の共存など固有の歪みがあったことを示し、それぞれがマクロ経済の本格回復の妨げとなった可能性を指摘した。
著者
松嶋 藻乃
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30 (Released:2013-09-12)

ヒトはたかだか4つの物体の情報にしか、一度に注意を向けたり、記憶したりすることが出来ない。さらに記憶や注意の容量は、視覚刺激が左右両視野に呈示されたとき(Across条件)、どちらか一方に呈示された場合(Within条件)にくらべ増大することが知られている。その神経基盤を探るため、サルに2つの認知課題ー複数記憶誘導性サッカード課題および複数物体追跡課題ーを訓練した。課題遂行中の前頭前野ニューロン活動を記録したところ、Across条件のとき、Within条件に比べ増大することを見出した。このことは、対側と同側視野の視覚情報が、解剖学的に分離されて処理されていることを反映していると考えられる。