著者
小川 和孝
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

本研究の目的は、企業という組織レベルの要因を1つの社会制度と見なし、それを労働市場における社会的地位の格差の生成メカニズムとみなした実証研究を行うことである。本研究では、以下の2点を明らかにした。(1)企業規模は、内部労働市場における技能形成の機会を通じて、収入の蓄積的な格差を生み出している。(2)企業規模は、人々の収入の平均だけではなく、ばらつきに影響し、大企業に従事する人々における安定性をもたらしている。
著者
菊池 直樹
出版者
日本体育大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

本研究の目的は、大規模アスリートコホートにおける競技パフォーマンス、トレーニング効果およびスポーツ傷害に関連する遺伝要因について検討することであった。初年度である26年度は運動パフォーマンス、トレーニング効果やスポーツ傷害などに関連する遺伝子多型に関するシステマティックレビューを行い、日本人において検出頻度が高い多型(マイナーアレル頻度が5%以上)を抽出した。その結果、ACTN3 R577X, ACE I/D, MCT1 A1470Tなど計20個ほどの遺伝子を選定した。現在、1,089名のアスリート(陸上、レスリング、体操、アメリカンフットボール、バスケットボールなど)のDNAを抽出を行い、多型を分析中である。今後、ターゲットとなる遺伝子多型を解析しまた、上記の本研究の対象者から199名のレスリング選手を対象としてMCT1遺伝子A1470T多型と競技実績との関連性を検討した。ケースコントロール研究を行った結果、MCT1遺伝子のAA型を有するレスリング選手の割合は、コントロールと比較して有意に高いことが明らかとなった(OR; 1.40, 95%CI;1.02-1.93, p=0.037)。さらに46名のレスリング選手を対象に無酸素性テスト時の血中乳酸濃度の測定を行ったところ、AA型を有する選手は血中乳酸濃度が低く推移することが示された。このことから、MCT1遺伝子多型はレスリング選手の競技パフォーマンスに関連する可能性が示唆された。今後は、その他の競技種目における競技実績、競技種目、体力要素および既往歴等の調査を行い、遺伝子多型との関連性を検討する。
著者
神田 真司
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

生殖を制御するという報告があるキスペプチン神経系が持つその他の機能を包括的に理解するため、受容体を発現する細胞をGFPで可視化し、RNAseqによって同定するという新しいアプローチを用い、キスペプチンによって制御される神経系を同定した。また、この方法によって同定したニューロンに対して電気生理学的な手法によってキスペプチンの作用を解析した。キスペプチンによって、摂食や恒常性維持に関連するペプチド神経系、行動への関与が示唆されるペプチドニューロンに対し、持続的な脱分極を引き起こすことが示唆された。また関与が示唆されたいくつかの神経ペプチドについて、TALEN法によるノックアウト個体の作出を行った。
著者
本田 信治
出版者
福井大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

私たちはモデル生物のアカパンカビを用いて、ヘテロクロマチン領域が異常に拡がるのを防ぐ複合体 (DMM-1/DMM-2)を同定し、この分子機構を発表した (Honda et al. Genes Dev. 2010)。今回、DMM-2と相互作用する候補蛋白質としてDMM-3を同定した。本研究では、この新規蛋白質DMM-3とヘテロクロマチン境界制御の関係を明らかにするために、当初の計画に沿った研究を行い、以下の成果を得た。1) アカパンカビKOプロジェクトでは、DMM-3の部分欠損株の作製しか遂行できなかった。そこで私たちは、ノックダウン法によりDMM-3遺伝子発現を抑制させた株、DMM-3が有し、種間で保存されたドメインに変異を入れた機能抑制株、更に独自にDMM-3の完全欠損株の作製を行い、これらすべてを成功させた。2) 上記で作製したDMM-3欠損株は極度の成長阻害を持つ。この欠損株にC末端にFLAGタグを付加したDMM-3遺伝子(DMM-3-FLAG)を導入すると、成長が元に戻った。この結果、成長阻害はDMM-3の欠損によって引き起こされること、そしてDMM-3-FLAGは正常な機能を持つことが明らかになった。3) DMM-3-FLAGを発現する株を用いて、DMM-3を精製し、Mass spec解析により相互作用する蛋白質を同定した。更に、この同定した蛋白質をFLAGタグ化した株を作製し、同様な方法で精製とMass spec解析を行った結果、DMM-3と相互作用することを確認した。この結果、DMM-3はこの新規蛋白質と安定的に相互作用することが分かった。以上から、次年度に計画しているDMM-3の分子機構から生理作用に結びつけるために必要な実験系の確立を本年度中に遂行することができた。
著者
中島 剛
出版者
杏林大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

疾病や外傷による脊髄障害後の運動機能回復は、適切かつ効果的なリハビリテーションを行うことが重要である。本研究は、障害後の脳から脊髄への運動系下行路システムの再構築を見据えた、神経リハビリ法の開発を目指す。特に、そのシステムの一部を構成し、脊髄障害後の代償機構の主役となる可能性を秘める「脊髄介在ニューロン」を含む神経ネットワークに焦点を絞り、この神経回路の活動励起とその可塑性を生じさせる方法論について検討することを目的とする。本年度は、その基礎研究として健常成人を対象に、ヒト脊髄介在ニューロンの活動を可視化するための最適刺激パラメータの検討を行った。まず、方法論として、上部頸髄に位置する脊髄介在ニューロンが1.運動野上肢領域から入力を受けること、さらには同じニューロンが、2.末梢性感覚入力を強く受けること、を利用し、組み合わせ刺激(1+2)で誘発筋電図の増強が起こり、これが介在ニューロンの活動を反映すると考えられている(空間的促通法)。そこで、今回は、運動野磁気刺激・末梢神経刺激の刺激間間隔を系統的に変え、誘発筋電図上(上腕二頭筋:BB)に得られる促通条件を検討した。その結果、尺骨神経(刺激強度:運動閾値の約1.0 倍)と運動野磁気刺激(運動閾値付近)の同時刺激による促通効果は、その刺激間間隔が7.5ミリ秒付近から観察され、10ミリ秒で最大となった。よって両刺激による神経伝導時間等を考慮すると、脊髄内、特に前運動ニューロンレベルにおいて空間的促通が生じている可能性が考えられる。また、この効果は、BBと手指筋の共収縮が重要であった。これらの結果は、ヒト間接的皮質脊髄路を効率よく賦活させるために重要な基礎データであり、今後これらのパラメータを用い、繰り返しの連発刺激によって当該神経機構に可塑的変化を引き起こす予定である。
著者
江玉 睦明
出版者
新潟医療福祉大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究は,①日本人遺体を用いて,アキレス腱の解剖学的構造を分析し腓腹筋内側頭の効果的・選択的ストレッチング方法を考案することと,②健常成人を対象に,考案した方法が妥当であるかを,超音波画像診断装置を用いて検討することを目的とした.(実験①)日本人遺体16体25側を対象に検討し,膝関節伸展・足関節背屈に,足関節内反を加える肢位を考案した.(実験②)対象は健常成人男性8名に3つの肢位で検討した.その結果,解剖学的,運動学的検証により,膝関節伸展・足関節背屈に足関節内反を加えた肢位が,内側頭の効果的・選択的ストレッチングとして有効であることが明らかにできた.
著者
竹内 和雄
出版者
兵庫県立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

中高生に対する携帯電話使用の実態調査から、スマートフォン使用者は、その他に比べて、就寝時刻が遅く、勉強に自信が持てず、ネット上で新たな出会いを多く経験していることがわかった。この結果を中高生自身や関係者に示し、議論する機会を設け、当事者自身による利用ガイドラインづくりを作ることができた。これらの活動は、啓発資料自作や年少者(小学生等)への啓発活動など、その後の中高生の自主的な活動に繋がった。この種の問題への、当事者自身の対策関与の有効性の大きさが示された。
著者
境 圭一
出版者
信州大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

球面の埋め込みのなす空間の位相幾何学的な性質についての研究を継続した.「はめ込みを法とした埋め込みのなす空間」と呼ばれる空間fEについて,fEが位相的Stiefel多様体の多重ループ空間であることを示した.応用として以下の結果を得た.(1) fEのホモロジー群にBV代数の構造を導入した.(2) 「スピニング」という埋め込みに対する操作が異なる次元の埋め込みの空間の低次ホモトピー群に同型を誘導する事実があるが,これを位相的Stiefel多様体の言葉で書き直して別証明を与えた.
著者
泉 直志
出版者
筑波大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

理科授業の中でアーギュメントを促すための教授方略を創出することを視野に入れ、日本の生徒の実態把握、及び、諸外国での理科授業におけるアーギュメントの取り扱いについて分析を行った。日本の生徒の実態については、論拠が明示されず実験事実のみを主な理由として主張が行われる傾向があることが明らかとなった。諸外国での理科授業におけるアーギュメントの取り扱いについては、最終学年までに期待されるアーギュメントの到達目標がフレームワーク中に明記されており、学年の進行に伴いアーギュメントの能力が複雑化することがNGSSから見いだされた。授業の具体的展開については今後の課題としたい。
著者
大塚 哲也
出版者
流通経済大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

本研究は、欧州の議論を参照しながら、契約締結過程での情報提供義務違反によって相手方に生じた信頼を契約内容へと取り込むという新たな解釈論を展開するための基礎的検討を行うものである。この研究においては、同様の解釈論が展開されているフランスの議論状況が注目に値するものであるが、これを分析することにより、フランスでは不法行為法が非常に柔軟に利用されており、これを通じて情報提供義務違反の被害者に対して柔軟な救済が認められていることを明らかにすることができた。このため、今後の研究では、この不法行為法の柔軟な活用が契約法の解釈論へとどのように結びついていくのかをさらに探求することが必要であると考えられる。
著者
柿沼 陽平
出版者
帝京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

申請者はこれまで、中国古代において貨幣(経済的流通手段)とそれを中心とする貨幣経済が具体的にいつどのように展開し、それが当時の社会にいかなる影響を与えたのか、また当時の人びとがそれにどう対処したのかについて検討してきた。本課題はその一環をなすもので、とくに前漢武帝~王莽期の貨幣経済史について検討した。検討の結果、前漢後半期~王莽期の貨幣経済の動態は、従来一般に想定されているほどに激変を伴ったものではなく、むしろ継続的側面が濃厚であると考えるに至った。またその反面、前漢貨幣経済は武帝期に大きく変化したようである。
著者
佐藤 朋子
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究は、精神分析の創始者フロイトによる生物学の知見の援用や生物学からの語の借用に注目し、彼独自の心理学的言説、なかでも情動の問題の錬成におけるそれらの意義を検討し、その一部を明らかにした。とくに痛み、喪、不安などの不快な情動について後期の彼が行った身体的次元の問いの提起がトラウマをめぐる思索の深化を伴っていることを明確にした。また二〇世紀ヨーロッパ思想史の観点から彼の情動概念の重要性を指摘した。
著者
寺田 麻佑
出版者
国際基督教大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

わが国における情報通信分野における規制機関と規制手法の在り方につき、わが国において情報通信法制度を巡る様々な法改正の動きを前提として、活発な法律上の議論が行われた状況を踏まえつつ、学問的な議論を米国法との比較法的に深めた。情報通信分野における規制機関に関する議論は、米国に強い影響を受けた委員会制度の導入とその後の廃止等にかかる議論と密接不可分な関係を有している。現在の制度のまま独立性を高めた情報通信分野における規制機関の再検討を行うには、透明性の確保の問題以外にも、独立規制機関の設置に係る憲法上の問題点も慎重に検討する必要がある。
著者
杉田 征彦
出版者
沖縄科学技術大学院大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

エボラウイルスゲノムの転写・複製制御機構の分子基盤を解明する目的で、クライオ電子顕微鏡を用いたエボラウイルスNP-RNA複合体 (NP helix) の構造解析を行った。NP helixのクライオ電子顕微鏡画像を大量撮影し、コンピュータークラスタを用いて画像解析した結果、近原子分解能で詳細な三次元構造モデルを構築した。NP helix上では、隣合うNPが密に結合していた。また、C末端のαヘリックスはジッパーのように特徴的に並ぶ構造を有することが判った。これらの構造は、NP helixの形態形成およびウイルス感染環における構造変化のメカニズムを説明するための重要な知見となると考えられる。
著者
佐藤 俊朗
出版者
慶應義塾大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011-08-24

炎症性腸疾患は原因不明の慢性炎症性腸疾患であり,免疫統御療法により治療される.しかし,難治性炎症性腸疾患では,その効果が乏しい.我々は,そのような難治症例では粘膜の再生障害が原因であると考え,粘膜再生治療の開発を目指している.粘膜再生治療実現のための,非臨床試験として,マウス大腸より培養大腸上皮オルガノイドを作成し,マウス腸炎モデルに対して経肛門的投与を行い,投与したオルガノイドの生着が確認できた.また,オルガノイド移植群は非移植群に比して腸炎に対する治療効果を認めた.長期間培養した組織幹細胞を移植し,生着させる技術は他の臓器を見ても例がなく,今回の成果は粘膜再生治療を実現させるため,重要な進展となった.次のステップとして,ヒト腸管上皮幹細胞培養技術の開発が求められる.我々は,既にマウス腸管上皮幹細胞培養を確立しているが,本培養方法ではヒト腸管上皮幹細胞の培養は困難であった.そこで,マウス大腸上皮細胞培養の条件に加え,Nicotinamide,A83-01(Alk inhibitor),SB203580(p38 inhibitor)を追加したところ,世界で初めてヒト腸管上皮幹細胞の長期培養に成功した.長期培養されたヒト腸管上皮細胞は染色体異常など,形質転換をすることはなく,正常な分化を保持していた.本成果は粘膜再生治療のみならず,ヒト上皮細胞疾患の研究に非常に有用な技術である.
著者
佐藤 彰彦
出版者
福島大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究では、原発被災地域における行政と住民、さらには、世論や国の政治ほかの外部作用等に焦点を当てつつ、原発被災地域ならびに被災者を取り巻く構造的な問題の解明を試みたものである。被災者の<生活/暮らし>、これらと政策との<媒介>や<接合>に注目した分析を行った。主に避難者の発話データ分析から、1)「あらゆる社会関係の喪失」という問題、2)その根底にある放射能に対する不安と疑念の存在、3)当事者ニーズと乖離した政策アジェンダ、4)その帰結としての政治・行政不信の継続などの問題が構造的に明らかとなった。
著者
吉本 佳世
出版者
大阪市立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

血圧は循環動態を観察する指標の1つであり,血圧変動のモニタリングは大きな意義を持つ.本研究では,体位変換中に連続的に血圧モニタリングが可能なシステムの開発を目的とし,2点の光電容積脈波信号から血圧のリアルタイム推定を行うことを目指している.今年度は,体位変換による影響を含めた血管系のモデル構築を目指し,実験システムの構築および健常者に対する実験および解析により,体位変換が脈波伝播時間と血圧の関係へ及ぼす影響について検討を行った.単純な腕の上げ下ろしによる脈波伝播時間の変化を検討するために,上腕部を対象部位として選択し,光電脈波センサの設置位置について検討を行った.候補としたいくつかの部位において光電脈波信号の強度および安定性について検討を行い,脈波信号を取得する部位として,人差し指及び手首を選定した.はじめに,安静状態で腕を上げ下ろししたときの脈波伝播速度について検討を行い,腕の上げ下ろしを行うだけでも脈波伝播速度が変化することを確認した.次に,各体位での脈波伝播速度と血圧の関係を検討するために,仰臥位及び45度背上げした状態で実験を行った.実験により,同一被験者であっても,仰臥位及び45度背上げした状態では市販の血圧計で計測した拡張期血圧と光電脈波センサより算出した脈波伝播速度の関係が異なることを確認した.また,別の被験者に対して同様の実験を行い,体位による脈波伝播速度と血圧の関係変化は同様の傾向を示すことを確認した.
著者
秋山 了太
出版者
筑波大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本テーマでは低消費電力で高速・大容量の情報処理・通信に向けたスピンデバイス開発を目指して、高いキュリー温度を示す磁性半導体におけるゲート電圧印加による磁性制御を目指した。まず磁化曲線の明確なカルコゲナイド強磁性薄膜Cr1-δTeにおいて、イオン液体を用いたゲート素子を作製しその磁性を制御することに成功した。その技術を応用し室温強磁性を示す(Zn,Ct)Teにおいて、保磁力の大きさをゲート電圧によって可逆的に変化させることに成功した。またこれによって、(Zn,Cr)Teの強磁性機構の手がかりを得ることができた。
著者
富田 大介
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

コンテンポラリーダンス(contemporary dance:現代舞踊)の実践と理論に深く関わってきた研究代表者は、このダンスの社会的機能を「教育」と「福祉」の観点から捉えることを目指した。申請時の前年に受理された学位論文において、このアートの技術(芸術)的特徴を示し得た研究代表者は、その成果をもとに、本研究において、その技術が活かされる社会的な現場を精査し、このアートの様々な機能を検証するよう努め-とりわけ近年増加の傾向にあった福祉分野での機能や、ダンスを必修化した学校体育における機能を考察することで-現代の文化資本に寄与するコンテンポラリーダンサーの活動とその意義の一旦を明るみに出した。
著者
廣瀬 雅代 Partha Lahiri
出版者
統計数理研究所
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

小地域推定の現場でよく用いられている経験的最良線形不偏予測量(EBLUP)に対する研究を行った.具体的には, 数値実験を用いて近年提案された複数のEBLUPの性能比較を行い, 先行研究より広いモデルのクラス下においてEBLUPを用いた非現実的な予測値発生回避法の理論的保証を与えた. さらに, EBLUPの予測精度指標に対する非現実的な推定値の発生回避法や信頼区間法の改良も行った.