著者
宮入 照子 松本 仲子 小林 トミ
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.125-131, 1986-07-20

ババロアに洋酒, スパイスを使用したときの嗜好について官能検査を行ない検討した。1. 洋酒を加えたババロアで嗜好が高かった洋酒は, コアントロー, グランマニエ, マラスキノであり, 嗜好が低かったものは, 赤ワイン, ペパーミント, 白ワインであった。2. 洋酒入りババロアにスパイスを添加したとき, 一般に嗜好が高かったスパイスはバニラ, 嗜好が低かったのはクローブであった。また, シナモンは洋酒の種類によって嗜好が分かれ, 洋酒がオレンジキュラソ, 白ワイン, 赤ワインの場合は嗜好を高め, グランマニエ, チェリーブランデーでは逆に傾向を低めた。3. スパイスの添加効果については, 洋酒のみを加えたババロアで嗜好が低かった。赤ワイン, ペパーミント白ワインの各ババロアはその評価を向上させたが, 逆に洋酒のみを加えたババロアで嗜好が高かったコアントロー, グランマニエ, マラスキノ, モカの各ババロアではその評価を低下させる傾向が認められた。
著者
大家 千恵子 松本 エミ子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.110-118, 1986-07-20
被引用文献数
1

かるかんの材料配合, 調理手法, 米粉の粒度などが調理製品の性状に及ぼす影響を, 製品の官能検査, 物性測定, 顕微鏡観察によって調べた。1. かるかんの材料配合比は生山芋, 水, 砂糖, 米粉の比が1:1:2:1.3, 乾燥粉末山芋では1:4:2:1.3が好ましい。調理手法はすりばち-すりこぎ法で良い結果が得られた。2. かるかんは官能検査の結果から, 米粉粒度60メッシュを用いたものが好ましく, 粒度の小さいものはカステラ様の感触のものとなる。3. かるかんの顕微鏡観察で米粉粒度のちがいがみられ, また, 山芋の蓚酸カルシウム針状結晶がそのまま残存し, 完全に糊化していない山芋でんぷんも観察された。
著者
和田 淑子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.204-213, 1994-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
61
被引用文献数
1
著者
板橋 雅子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.229-231, 1982-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
5

すんきの栄養学的効果を知る日的で,すんき漬法による試料とこれに類似する数種の漬け方の試料の成分をそれぞれ分析して以下の結果を得た.1)すんき漬法では漬種の有無に拘らず,原料中の粗たんぱく質の損失が非常に少ない.2)すんき漬と同様の漬込操作でも,食塩を5%添加すると粗たんぱく質のほぼ半量が失なわれる.3)漬込過程中に,原料中の遊離アミノ酸および粗たんぱく質の分解によるアミノ酸は漬汁中に溶出するが,乳酸菌による乳酸濃度が大であると,粗たんぱく質の分解が少ない上に,アミノ酸の漬汁中への溶出が抑制されるものと考えられる.
著者
板橋 雅子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.226-228, 1982-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
4

The “Sunki”, a kind of Japanese pickles peculiar in Kiso district, Nagano pref. is pickled without salt under lower temperature (winter season), then dried and preserved throughout the year. And so, it is considered to be available for preserving green vegitables and for providing dietary fibers protecting so-called adult-disease.The auther studied the dietetic components of the Sunki and its pickling conditions concerning with sample A (produced in Ohtaki village, Kiso district) and sample B (prepared in our laboratory under strict temperature conditioning) obtaining following results.1. Appearance and taste of the pickles; sample A was inferior in comparison with sample B.2. The pH of the pickling liquid; Sample A increased acidity with passing time, otherhand sample B held neary nutral throughout period.3. Free amino acid in the pickles; sample B contained less than sample A.4. Crude protein remaining in the pickles; sample B contained more than sample A, and its quantity is almost equal to that in the raw greens.In conclusion, it was demonstrated that the strict temperature conditioning (about -5°C) is necessary for producing good Sunki.
著者
角野 猛 会田 久仁子 金子 憲太郎 柳 大河 黄 鎬観
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.233-237, 1991-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13
被引用文献数
3

Thirty samples of salted guts produced in Japan and forty six samples of salted guts in Korea were used in this experiment. The results obtained were as follows.1. The mean values of water activity, sodium chloride concentration and viable cell counts of three kinds of salted guts produced in Japan ranged 0.578-0.767,6.46-18.70% and2.985-4.884(log. /g), respectively, while six kinds of samples in Korea ranged 0.528-0.718,8.13-20.87% and 3.311-7.121(log. /g), respectively.2. The detection rate of coliform organisms in salted guts produced in Japan and Korea were 32.4% and 4.3%, respectively.3.Tolerance salt concentration of Bacillus subtilis and Coliform organisms isolated from Korea salted guts was 12-14% and 6-8%, respectively, at the concentration of sodium chloride.
著者
浜田 陽子 綾部 園子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.306-313, 1992-11-20
被引用文献数
1

温度および湿度を調整したフードストッカーおよび対照として室内暗所に14種の乾物を12か月間保存し,その品質を評価した。結果は以下の通りである。1.フードストッカーに保存した乾物は,全般的に対照に比べて低水分に保持されていた。2.フードストッカーに保存した乾物の晶質は,対照に比べて有意に劣化の少ないことが官能検査によって認められた。特に米,千ぴょう,切り干大根,かつおげずり節およびのりなどは効果的であった。3.客観的測定においても,乾物のもどし時間,軟化に要する加熱時間,小麦粉のグルテン採取量およびのりのパリパリした感じたとは,保存環境による有意差が認められた。4.12か月後にはフードストッカーに保存しても晶質は低下し,煮干し,乾椎茸およびローリエの感覚的評価における対照との差は小さくなった。又,加熱時の豆の軟化に要する時間や高野豆腐のもとし時間は遅延した。5.乾麺およびこしょうは保存条件による影響をほとんど受けなかった。
著者
宮本 悌次郎 山崎 匡美 松田 生恵 山本 由喜子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.274-278, 1988-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
12
被引用文献数
2

Growth inhibition of bacteria in chicken bone soup by four ground spices used commonly for the soup, namely clove, thyme, laurel and black pepper, was investigated. Bacterial growth was measured by the plate colony count method.1. Commercially available ground spices especially black pepper were contaminated with spore forming bacteria. Therefore black pepper and thyme suspended in the soup were autoclaved at 121°C for 20 min. and 10 min., respectively and the soup suspended clove and laurel was gently boiled for 5 min.2. Each spice was added into the soup at the same concentration. The soup with spices was distributed into sterile open bottles. These bottles were kept in the laboratory for 30 min., then capped and stored in a room at 23°C. Growth inhibition of bacteria in the soup was observed in the presence of 0.05% each of four spices, and complete prevention of the growth for 9 days was achieved by adding 0.125%, each.3. Escherichia coli IFO 3301 inoculated into the sterilized soup was little sensitive against 0.125% each spice. But the growth of Staphylococcus aureus IFO 3761 was inhibited by 0.05%each, and in the presence of 0.125% each, these spices exhibited bactericidal activity. In the soup adjusted to pH 5.0 with acetic acid, E. coli did not grow regardless of spices, however the growth of S. aureus was inhibited in proportion to the concentration of spices, yet the bacteria could grow a little up to 0.125% each.4. Comparisons of growth inhibition of S. aureus by some assortments of these spices indicated that any of these four spices contributed to the inhibition, but clove was most effective.5. The soup supplemented into bouillon medium suppressed the antibacterial activity of clove extract against S. aureus.

1 0 0 0 OA チーズと調理

著者
大沢 はま子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.135-143, 1973-09-10 (Released:2013-04-26)
参考文献数
8
被引用文献数
2
著者
生野 世方子 吉村 美紀 山内 直樹
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.299-303, 1993-11-20
被引用文献数
2

真空調理中の成分変化を明らかにするため、大根を用い、真空度(30、100Torr)と加熱温度(65、70、80、100℃)の成分に及ぼす影響について検討した。1)加熱温度による硬さの経時変化をみたところ、70℃、80℃、100℃と温度が高くなるほど早く軟化した。65℃加熱では軟化するが、70℃以上と同じ程度までは軟らかくならなかった。2)加熱後の外観は、100℃、80℃において、いずれの真空度でも良好であったが、70℃加熱の100Torr及び常圧試料では褐変が生じた。3)硬さについてみたところ、70℃、80℃では真空度による差がみられなかったが、100℃加熱では真空度が高いほど軟らかくなった。4)総アスコルビン酸含量についてみたところ、100℃では真空度による差はみられなかった。しかし、30Torrで袋詰め包装された大根は、80℃並びに70℃で加熱すると、Controlよりも総アスコルビン酸含量が高かった。酸化型アスコルビン酸含量は真空度が高いほど低い傾向にあった。5)大根の糖は大部分還元糖であり、袋詰め試料は真空度並びに加熱温度に関わらず、未加熱試料のレベルを維持していた。Controlはいずれの加熱温度でも糖が減少した。以上の結果から大根を真空調理する場合は80℃以上の温度で真空度は高い方がよいと考えられた。

1 0 0 0 OA オスロの朝食

著者
並木 正吉
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.173-176, 1983-10-23 (Released:2013-04-26)
参考文献数
9
著者
西 貞夫
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.24-32, 1982-04-20
著者
代谷 沢 井口 和代
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.179-182, 1969-09-20

青梅およびその加工品である梅干,梅酒の有機酸をシリカゲルクロマトグラフィーおよび,ぺ一パークロマトグラフィーで同定し,定量を行なった結果,梅干,青梅,梅酢には酪酸,酒石酸,リンゴ酸,クエン酸を認め,梅酒,梅酒の梅については酪酸,コハク酸,リンゴ酸,クエン酸の4種を同定し定量を行なった結果,酸の主成分はクエン酸,リンゴ酸であることを認め,また酸と同時に青酸を定量した結果,核が出来上る時が最大値を示し,果肉と核とが完全にとり除ける状態になった時では,青酸量も減少していた。梅は梅干,梅酒に加工しても微量ではあるが青酸の存在が認められた。
著者
江間 章子 貝沼 やす子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.89-95, 1991-05-20
被引用文献数
8

夏みかん果汁を直接炊き込む方法により古米の食味の改善を試みた。また,食酢を用いた炊飯も行い果汁の有効性を検討した。結果を以下に要約する。1)官能検査において,果汁添加飯および食酢添加飯は香り,粘り,かたさの点で古米の改善がみられ,総合的にも白飯に比べ好ましい飯となった。2)飯のテクスチャーは,果汁および食酢の添加により,かたさの低下と付着性の増加が測定され,官能検査と対応した古米の改善がみられた。3)飯のつやは古米の白飯は通常米の白飯に比べかなり低いが,果汁及び食酢の添加により高まり,通常米と同程度となった。4)顕微鏡観察において,果汁飯および酢飯の飯粒周辺部の変化と付着物が観察され,飯のテクスチャーやつやなどとの関係が示唆された。5)官能検査により果汁飯と酢飯の適塩量を検討したところ,果汁飯の方が酢飯より少ない食塩量で食味上好まれる結果となった。6)果汁飯と酢飯では飯粒中の食塩の分布状態が異なり,果汁飯の方が飯粒表層部に分布する食塩量が多いことが示唆された。以上,夏みかん果汁により古米の食味の改善を行うことの有効性が明らかになった。また,食塩の分布状態と味の感じ方の関係は興味深い結果であったので,今後さらに検討を進める予定である。