著者
山本 宏義
出版者
関東学院大学文学部人文学会
雑誌
関東学院大学文学部紀要 (ISSN:02861216)
巻号頁・発行日
no.128, pp.43-53, 2013

公の施設に対して指定管理者制度が創設されて10年になる。公立図書館においても約10%の図書館が導入している。この制度の功罪についてはいろいろ言われてきたが、それはほとんど制度設計に起因するものである。しかしそれ以外に運営上の課題があるかどうかを探るために、人権上問題があるとされた図書の扱いについてアンケート調査を行い、全国的な動向をつかむこととした。結論を端的に言えば、指定管理者が適切な運営ができるかどうかは、しかるべき経験と知識をもった図書館長を配置できるかどうかにかかっているといえよう。
著者
山本 宏樹 Hiroki YAMAMOTO 一橋大学大学院 Graduate School Hitotsubashi University
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 = The journal of educational sociology (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.83, pp.129-148, 2008-12-15

Researchers seem to agree unanimously on the unreliability of official statistics on futoko children (school refusers), making it difficult to uncover the social factors behind the phenomenon. Though many researchers have questioned whether the official statistics can explain the reality of futoko, there has been no verification of the reliability and validity of the statistics. The aim of this study is to examine this issue and formulate an alternative plan for statistics. To achieve this aim, the author used the "School Basic Survey" from 1966 to 2006 and examined futoko rates within the "Long absentee" data from 47 prefectures, which is divided into subclasses by the following reasons: "Illness," "Economic reason," "Futoko" and "Others." The actual differences between areas were then analyzed using a five-number summary. As a result, the two following facts were clarified. Firstly, it is impossible to compare the data on "Futoko," "Illness" and "Others" between prefectures because of differences in the investigation methods. From the beginning, the classification standards differ from prefecture to prefecture, and this leads to local differences. Secondly, the method for sorting data was changed in 1998, comparisons across time periods invalid. In conclusion, the author recommends using data on "Long absentees" as a measure for the futoko phenomenon because the official statistics on futoko have already lost validity. Statistics on long absentees are much better than those on futoko to show the reality of the phenomenon. Finally, the author discusses both the advantages and disadvantages of using data on "Long absentees," confirms the existence of differences among regions at the prefectural level for long absentees, and considers future prospects and tasks.
著者
山本 宏茂 市橋 則明 吉田 正樹
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.270-273, 1997-07-31 (Released:2018-09-25)
参考文献数
13
被引用文献数
2

本研究の目的は,大腿筋膜張筋において最大の筋活動が得られる股関節の角度を探り,また,訓練で用いられる動作の筋活動を調べることである。被験者は男性6名,女性4名とした。各股関節角度における股関節外転時の最大等尺性収縮及び4つの動作(椅子からの立ち座り,フルスクワット,膝屈曲60度での片脚起立,両足および片足のブリッジ)を行なったときの整流平滑筋電図を求めた。最大等尺性収縮においては,仰臥位および側臥位において,股関節屈曲0度・45度と股関節外転0度・15度のそれぞれにおいて調べた。その結果,同じ肢位,股関節外転角度において股関節屈曲45度よりも0度の方の筋活動が有意に大きかった。一方,動作の中でもっとも大きな筋活動を示したのは,片足ブリッジ(79%)であった。
著者
山本 宏 下里 功 岡田 正紀
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.26-32, 1998-03-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
5
被引用文献数
3

我々は, 官能評価, 毛髪表在脂肪酸分析, 頭のヘッドスペース分析結果より, 通常生活者の頭のニオイ原因物質は, 皮膚常在菌が産生する脂質分解酵素リパーゼにより皮脂中のトリグリセライドが分解されて生じる主に低級から高級にいたる脂肪酸類であると考える。我々は, 微生物及び試薬リパーゼによるトリグリセライド分解による脂肪酸生成モデルを開発, このモデルを評価法として用い, 種々の香料について, 脂肪酸生成に与える影響を調べた。その結果, 脂肪酸生成を抑制する数多くの香料を見いだし, それらの香料を賦香したシャンプー及びリンスの実際使用における頭のニオイ抑制効果を確認した。また, 微生物やリパーゼの作用により, いくつかの香料が脂肪酸と反応してエステルを生成することを見いだした。
著者
山本 宏子 武鑓 夏美
出版者
岡山大学大学院教育学研究科
雑誌
研究集録 (ISSN:18832423)
巻号頁・発行日
no.161, pp.95-104, 2016

ジェンベdjembe は,ギニア共和国とその隣国のマリ共和国,コートジボワール共和国,セネガル共和国などの西アフリカ諸国で伝承されている打楽器である。ジェンベ音楽は,ジェンベと他の打楽器によるリズムアンサンブルであり,舞踊と共に演奏される。 ジェンベ音楽と舞踊には深い関わりがあることが指摘されているが,その具体例は明示されていない。本稿ではギニアの農村部であるハマナ地方で伝承されているドゥンドゥンバ様式の楽曲「ドゥヌンベdunungbe」を例に,ジェンベ音楽の中で演奏者と踊り手が互いにどのように働きかけ,音楽と舞踊が一体となったパフォーマンスを作り上げているかを明らかにする。
著者
佐々木 眞敬 佐野 光一 角 明美 本山 径子 矢野 讓次 松本 一彦 山本 宏
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.2412-2421, 1989-11-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
10

Miporamicin (MPM) 並びにその微量成分, 分解物及び代謝物のマウス, ラットにおける急性毒性試験を行った。1. MPMの経口投与によるマウス, ラットにおけるLD50値は最高用量においても死亡が認められなかったことから, それぞれ2,500mg/kg及び2,000mg/kg以上と推定された路。投与経によるLD50値は静脈内く皮下く経口投与の順に高くなり, 性差は認められなかった。2. MPMを経口投与されたマウス, ラットの一般症状に異常は認められなかった。皮下投与では, 投与部位の腫脹, 皮下充出血, 脱毛, 痂皮形成等の炎症性反応が認められた。静脈内投与では, 投与直後に運動抑制及び呼吸抑制又は停止, 振戦, 痙攣等が観察された。3. MPM投与による死因は呼吸抑制, チアノーゼ, 更に, 呼吸停止の後, 心拍の停止がみられることから, 呼吸機能麻痺によると推定された。4. MPMの微量成分, 代謝物及び分解物の急性毒性試験ではMPMとほぼ等しい毒性発現を示した。
著者
磯部 宏 西村 正治 稲葉 秀一 山本 宏司 神島 薫 川上 義和
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.535-538, 1987-05-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
19

症例は28歳女性で, 咳嗽, 喘鳴を主訴に当科に入院した. 約5年前より上記症状を繰り返し, 気管支喘息として通院加療を受けていたが, コントロールは不十分であった. ペットとして猫を飼育している. アロテック吸入による1秒量の改善率は24.4%であり, 皮内テストでは猫毛, 犬毛, ハウスダストが陽性, IgE-RAST score は猫毛4, 犬毛3, ハウスダスト3であった. 猫毛抗原による吸入誘発試験を施行したところ二相性喘息反応を呈した. 以上より猫毛による気管支喘息と診断し, 猫を遠ざけた生活を指導し良好なコントロールが得られている. 我々の知る限りでは, 我が国での猫毛, 猫毛皮屑による気管支喘息の報告は少なく, また二相性喘息反応を呈した報告例は認めない. 猫毛による気管支喘息の臨床像とともに, 特に二相性喘息反応での臨床的, 肺生理学的変化について報告した.
著者
相田 哲夫 山本 宏貴 後藤 守史
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
石炭科学会議発表論文集 第46回石炭科学会議 (ISSN:24238295)
巻号頁・発行日
pp.16-17, 2009-11-26 (Released:2017-03-22)

It has been developed a reliable methodology to be able to elucidate such thermal behaviors as a plasticity, and carbonization of coal based on the electric property. In particular, the temperature dependency of electric conductivity observed in the heating range from 400℃ to 700℃ was satisfactory demonstrated a leaner relationship on the Arrhenius's equation suggesting that it could provide the kinetic parameters such as activation energy which are able to elucidate the mechanism of the electric conductivity induced in the macromolecular network structure of coal during a pyrolysis.
著者
田本 晃生 作 誠太郎 山本 宏治
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.658-668, 2006
参考文献数
43
被引用文献数
10

Objective: This study examined the characteristics of flowable composite-resins containing improved S-PRG filler. Materials and Methods: The tested materials were Beautifil High flow F10 (BF10-resin) and Beautifil Low Flow F02 (BF02-resin), both of them containing improved S-PRG filler, and the control materials were Unifil Flow (Un-resin) and Metafil Flo (Me-resin). Resin blocks were prepared using a metal mold followed by their bonding on both upper first molars. The blocks were debonded at 8, 12 and 24 hrs, respectively and antiplaque test was carried out including SEM observation and energy dispersive X-ray micro analysis. Furthermore, observation of saliva proteins on each resin surface and albumin adsorption probe was performed. Concerning the cavity wall adaptability test, cavities were prepared in two different manners: by Er: YAG laser and diamond burr mounted in a high-speed hand-piece. Then the preparations were filled with the corresponding material according to each manufacturer's recommendation and the cavity wall adaptability was analyzed. Results: One of the most important findings was that BF10 and BF02-resing exhibited almost no bacterial adhesion. The energy dispersive X-ray micro analysis revealed the presence of elements such as Al, Si, and Sr of the improved S-PRG filler. Also, only in BF10 and BF02-resins the film layer was observed on their surfaces soaked in albumin solution. The albumin adsorption was higher in BF10 and BF02-resins than control materials. Overall, the cavity wall adaptation was suitable for all materials, unless BF02-resin showed a creck when the cavity was prepared by Er: YAG laser. Conclusions: BF10 and BF02-resins presented appropriate characteristics and were useful for the treatment of caries; moreover they offered an anti-plaque property suggestion that the application of these materials is suitable as a minimal intervention approach.
著者
山本 宏子 徳丸 吉彦 鈴木 正崇 垣内 幸夫 細井 尚子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、日本および周辺アジア地域の太鼓文化を対象に、そのリズムパターンを収集し、それぞれの伝統的伝承システムである口唱歌(口太鼓)に基づく記録方法でデータバンクを構築することを通して、アジアの太鼓文化の相互関係を明らかにし、また、各地域の口唱歌システムを比較分析することによって、日本人のもつ音楽性を浮き彫りにすることを目的とするものである。さらにはアジアの伝統的太鼓文化の保存と発展に資する資料を提示し、理論的・方法論的に問題提起をすることをも、その目的としている。中国・ベトナム・インドネシア・インド・日本で調査をおこない、資料を収集した。1、実際のコンテクストの中でおこなわれた祭・儀礼・芸能を参与観察し、関係者の許可が得られたものは、写真やVTRで記録作成をおこなうことができた。2、芸能の芸態つまりテクストそのものの分析に資する資料として、上演を依頼し、舞踊劇や人形劇・舞踊などを収録した。3、太鼓をそれぞれの伝承者から習い、口唱歌と伝承方法についてのインタビューでデータを集積した。これらの調査から、口唱歌には、「インド系単音オノマトペ型」と「中国系重音オノマトペ型」の2つの化圏があることが分かってきた。また、単に太鼓の音を真似て歌う「単純口唱歌」と、それを体系化した「システム口唱歌」の2つのレベルの文化圏があることも分かってきた。両要素は必ずしも連動してなくて、それらの重なり具合は複雑な様相を呈している。さらに、それらを比較すると、「聞き做し」のオノマトペが、発展し体系化し、伝承システムとして構築されるには、太鼓というテクストだけではなく、太鼓を取り囲むさまざまなコンテクストが影響を及ぼしていることが明らかになった。
著者
山本 宏義
出版者
関東学院大学[文学部]人文学会
雑誌
関東学院大学文学部紀要 (ISSN:02861216)
巻号頁・発行日
no.122, pp.161-171, 2011

公の施設の管理に関して指定管理者制度が始まって8年になるが、この間、指定管理者が管理する図書館において、どのような運営上の課題があるかを明らかにしたい。制度設計に起因するものについてはあちこちで語られてきたが、運営上の問題についてはあまり論議されていない。そこで、人権上問題があるとされた「老いの超え方」という図書の取扱いについてアンケートを行い、それによって運営上の課題を探ろうとしたものである。しかしながら、震災のこともあり、本格的な調査を行うことができなかったので、これを予備調査として、本格的な調査は後日に譲る。指定管理者側の問題もさることながら、指定管理者から報告を受けた設置者側がそれを良しとするかしないか、良しとしなかったときはどのような対応になるか、といったところに問題が潜んでいそうである。いずれにしても本格調査によって明らかにしたい。
著者
山本 宏義
出版者
関東学院大学[文学部]人文学会
雑誌
関東学院大学文学部紀要 (ISSN:02861216)
巻号頁・発行日
no.122, pp.161-171, 2011

公の施設の管理に関して指定管理者制度が始まって8年になるが、この間、指定管理者が管理する図書館において、どのような運営上の課題があるかを明らかにしたい。制度設計に起因するものについてはあちこちで語られてきたが、運営上の問題についてはあまり論議されていない。そこで、人権上問題があるとされた「老いの超え方」という図書の取扱いについてアンケートを行い、それによって運営上の課題を探ろうとしたものである。しかしながら、震災のこともあり、本格的な調査を行うことができなかったので、これを予備調査として、本格的な調査は後日に譲る。指定管理者側の問題もさることながら、指定管理者から報告を受けた設置者側がそれを良しとするかしないか、良しとしなかったときはどのような対応になるか、といったところに問題が潜んでいそうである。いずれにしても本格調査によって明らかにしたい。
著者
須藤 研太郎 山口 武人 中村 和貴 原 太郎 瀬座 勝志 廣中 秀一 傳田 忠道 三梨 桂子 鈴木 拓人 相馬 寧 中村 奈海 北川 善康 喜多 絵美里 稲垣 千晶 貝沼 修 趙 明浩 山本 宏 幡野 和男 宇野 隆 多田 素久 三方 林太郎 石原 武 横須賀 收
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.656-662, 2012 (Released:2012-11-28)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

近年,化学療法および化学放射線療法の進歩により局所進行膵癌の治療成績は向上している.切除不能症例を対象とした臨床試験で生存期間中央値15ヶ月を超えるものも報告される.また,非切除治療が奏効し根治切除可能となった局所進行例も報告され,conversion therapyとしての役割も注目される.一方,局所進行膵癌に対する治療はエビデンスの乏しい領域であり,化学放射線療法の意義についても未だcontroversialである.今回,われわれは化学放射線療法82例(S-1併用56例,その他26例)の成績を供覧し,非切除治療の現状と意義について考察を行う.全82例の生存期間中央値15.4ヶ月,3年生存率17.5%,5年生存率6.7%と化学放射線療法のみでの長期生存例も経験された.さらなる成績向上のためには外科切除との連携に期待されるが,本稿ではわれわれの経験を供覧し,今後の展望について考察を行う.