著者
須永 修通 小野寺 宏子 熊倉 永子 荻野 司
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.83-94, 2019

現在,集合住宅はわが国の都市居住形態の中心をなす存在となっているが,その室内温熱環境に関する研究例は戸建住宅に比べて少なく,さらに,蒸暑地域(気候区分7,8地域)における調査例はごく僅かである。一方,筆者等の研究で東京多摩地域の集合住宅において熱中症の危険度が高いことが明らかになり,東京以西の集合住宅における危険性が危惧された。本研究では,高知,沖縄の集合住宅を対象として調査を行い,夏季冬季の室内温熱環境の実態データ(室内温湿度や居住者の意識・温熱感覚など)を得,既往研究のデータも合わせてその特徴や熱中症の危険性について明らかにした。また,各地域の気候に適した改善手法について検討・提案した。
著者
谷 直樹 中嶋 節子 植松 清志
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.131-142, 2002

本研究は,近世大坂における蔵屋敷の住居史的な解明を目的としたものである。すわなわち,その建築構成,施設の機能空間構成の特質等を明らかにし,さらに都市大坂との関わりを蔵屋敷の年中行事を通して考察した。大坂蔵屋敷関係の資料は各所に分散しているので,まず資料の所在確認を行い,約16藩の蔵屋敷関係の資料を収集する事ができた。主に指図を分析した結果,東国と西国,大藩と小藩等で施設の構成等に差異がある事を明らかにした。また蔵屋敷内には本国の代表的な社が勧請されており,その祭礼は「蔵屋敷祭礼」として大坂の年中行事に掲げられている。蔵屋敷は経済的な機能だけでなく,大阪の都市文化を考える上でも重要な施設であった事を指摘した。
著者
鈴木 真歩 早川 静 関村 啓太 薬袋 奈美子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.25-36, 2021

本研究は,日本女子大学に現存する戦前の鉄筋コンクリート造の学生寮「明桂寮」(東京都豊島区,佐藤功一設計,清水組施工,1927 年)の保存に向けた研究である。まず文献調査により平面計画と意匠の由来を明らかにし,独自性と重要性を示す。また文献にてらしながら構造形式の特徴を明らかにし,加えて建物の目視観察やコンクリートコアの採取によって施工の実態を推定する。さらにその含水状態と鉄筋の腐食の関係を分析し,コンクリートの経年劣化の研究にも資することを目指す。耐震診断も行い,建物の価値をふまえつつ今後の利活用策についても提示していくものである。
著者
水沼 淑子 加藤 仁美 小沢 朝江
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.147-158, 2001 (Released:2018-05-01)

本研究は,御用邸・離宮など皇族別荘を研究対象とし,近代における海浜別荘の成立・変容過程とその建築や使い方の特質を明らかにすることを目的とする。戦前に設けられた離宮・御用邸25件,宮家の別邸49件を見ると,宮家の別邸は震災前は御用邸が設けられた海浜別荘地に多いが震災後山間部の新興別荘地に拡がること,本邸の多くが洋館を備えるのに対し別邸は大部分和館のみであること,などの傾向を指摘できる。御用邸においては,和館であっても床に絨毯敷が導入され,椅子座が広く導入されている一方,宮家では,数寄屋の伝統を継ぐ田舎家風の意匠への嗜好が強く見られる。また,天皇家は一施設もしくは一段舎の利用者を特定し,複数施設・複数殿舎を使い分けていた。
著者
田中 直人 岩田 三千子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.177-186, 1998

長寿社会の到来とともに,福祉のまちづくりとして,住宅をとりまく地域環境のあり方が問われ,阪神大震災では住民の構造的な課題とともに,地域でのコミュニティの重要性が認識された。本研究では,被災地である神戸市において,小学校区を計画単位として地域福祉の観点から,これまで設けられた「地域福祉センター」を中心に,既存のコミュニティ活動団体の連合体としての「ふれあいのまちづくり協議会」の活動状況や関係者の意識を調査し,(1)地域とのかかわりとしての付き合いの状況は,どの地区も比較的密であるが,震災による地域のまとまり具合の変化は非被災地区の方が大きく意識されている。(2)ふれあいのまちづくり協議会の活動については,よく認知されているが実際の活動への参加は条件しだいであるという住民が多い。(3)活動拠点としての地域福祉センターの規模については,おおむね満足しているがやや大きい規模を望む傾向がある。設備的には新しい施設機能としての風呂・サウナや花壇・菜園・車いす用トイレなどのほか全般的に手すり・スロープ等のバリアフリーヘの配慮が求められている。(4)地域の活動拠点としての地域福祉センターは,よく利用されているが施設利用のきっかけづくりや交通等の利便性の向上,地域内の他の施設の有効利用が今後さらに必要である。(5)事例調査からは,集会施設だけでなく既存の福祉施設や他の施設を行政による計画だけでなく,住民の自発的活動を支援するようなプログラムづくりが有効である。等が明らかになった。今回の調査では,農村地区やニュータウン等の新興住宅地区での差異が明らかになったが,今後は既成市街地における地域特性と地域コミュニティの関連について,さらに詳細な検計が必要と思われる。今後は本研究を,地域環境を形成する社会資源の評価とそれらを有機的に地域福祉につなげる方法論の構築へむけて,さらに発展させたいと考えている。
著者
竹下 輝和 益田 信也 前田 隆 桑原 俊隆
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅建築研究所報 (ISSN:02865947)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.129-138, 1988

個室化は近代住居においてさけられない現象であるが,問題は,個室とその対置的関係にある居間との適切な使い分けの行動様式を住生活において確立することにあると考えられる。そこで,本研究は,わが国における「居間」の空間概念を歴史的に考察するとともに,現在の「居間」がだんらんの空間としてどのように機能しているか,また,家族成員のそれぞれに「居間」がどのような性格を持つ空間として意識されているのか,さらに,「居間」での行為に住み手の家族関係,特に,親‐子関係がどのように反映されているかを明らかにして,今後の「居間」の在り方と問題点を住文化論的に考察したものである。「居間」の呼称の史的分析,46世帯を対象とした立体的住生活詳細調査(内8世帯でビデオ撮影)の結果,以下のことを明らかにした。①「居間」の空間慨念を,明治以降現在まで出版された国語辞典を手掛かりにして分析した結果,主体系=夫・妻の居室としての居間,総括行為系=家族のだんらんの空間としての「居間」に分かれること。次に,住宅関係の書籍にて,こうした居間の空間概念の変化を歴史的に分析した結果,夫人の居室としての居間がだんらんの空間としての「居間」に変化したこと。②現在の「居間」における住生活時間量と住生活行為種の持ち込みを分析した結果,親の比重が大きいこと。こうした傾向は主寝室の空間的な確立条件とは関係なく,「居間」が特に父親の居場所として機能していること。つまり,「居間」が家族のだんらんの空間として機能しながらも,空間概念的には親の主体系の性格を強く残していること。③この結果,子どもの住生活の中心が子ども部屋につくられることになり,この傾向が顕著になると家族コミユニティー上問題をつくること。「居間が総括行為系として機能するには主寝室を親の主体系の空間として機能させるような行動様式を確立するとともに,家族の人間関係における子ども中心主義の成立が求められること。
著者
長沼 さやか 塚田 誠之 浅川 滋男 張 漢賢 山形 真理子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.65-76, 2008

The purpose of this study is to identify the land settlement process and the changing of dwelling system of boat people in the river basin and the coast of Guangdong,Guangxi provinces of China and Northern Vietnam. Like "Danmin"in China, there are still a lot of people dwelling on the water in Southeast Asian countries. However, in Southern China, boat people have already moved on the land under the state policies. Some cases of land settlement have been progressed by the boat people themselves independently but it can be read that most of it occurred under the rapid and compulsorily enforcement of state power.
著者
宮田 裕章 大久保 豪 望月 美栄子 蓑輪 裕子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.213-223, 2010

精神障害者グループホームの現状と開設・運営の困難とそれに対する取り組みを明らかにするため,インタビュー調査の結果を踏まえて,全国の運営法人に対する質問紙調査(N=453)を行った。全グループホームの87%が1人部屋である一方,77%が玄関を共有するタイプであった。グループホームの継続運営や新規開設に,大きな影響を与えていたのは,開設・運営資金の確保,入居者の確保,及び地域との友好的な関係作りであった。これらの課題に対して自治体の補助金を活用や,入居者募集の広報,地区の行事への参加など様々な取り組みが行われていた。今後は取り組みの有効性を確認するとともに,ノウハウを広く共有することが有用である。
著者
竹内 孝治 小川 英明 小田 達郎 今村 太朗
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.177-188, 2010

本研究は,戦時期日本において活躍した建築家内田祥文の「國民主宅」構想を対象として,設計提案および,思想内容の読解を通して歴史的意義を明らかにするものである。まず,内田の経歴および建築活動を概観し,内田が建築競技設計において提案した「國民住宅」案の内容を整理した。次に,「國民住宅」案に関連して発表された諸論考の内容読解により,科学性・合理性と日本精神の称揚が併存した内田の思想内容を明らかにした。また,計画案の図面内容の検討およびCADによる3次元復元により,内田の「國民住宅」提案にみられる,モダニズムの手法と日本文化の融合がもたらした歴史的意義を明らかにした。
著者
山田 信博 藤田 忍
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.133-143, 2015 (Released:2017-08-10)

本研究は,公営住宅の「住戸」を使用した地域支援活動拠点を対象としている。実態把握により住戸使用の基礎的知見を得て,利用者・団地住民・地域住民の評価から,問題点や有効性を明らかにした。障害者の居住支援,高齢者の生活・見守り支援,地域住民支援など,地域福祉の推進により,今後地域内に求められる支援活動の場として,公営住宅の住戸使用は可能であり,活動に支障はみられない。また,住民コミュニティの活性化など団地再生の効果もみられた。他にも,新設に比べ拠点の設置費や運営費が低く,NPOや社会福祉法人等の団体が活動を開始しやすい。使用戸数の増加に向けて,公営住宅管理主体の積極的な姿勢が求められる。
著者
白濱 謙一 菅原 義則 土田 久幸 川崎 圭子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.71-81, 1991

バルカン半島の中部からトルコにかけて,特異な様式の伝統的住居がある。石造りの下階に木構造の上階が載った,いわば混構造の建築である。この型の住居の歴史はおそらくビザンチンにまで遡ると思われる。また,わずかずつ違いを見せながらもその分布する地域は,アルバニア,ギリシア,ユーゴスラビア,ブルガリア,ルーマニアそしてトルコにまたがっており,周知のようにこれらの国々は先ごろまで複雑な国際関係にあった。これまで伝統的住居について,自国の文化の範囲で研究されてはいたが,全地域にまたがる包括的な研究は少ない。当研究室では,かねてから住文化における異文化の移入とその後の変容について興味をもっており,この視点から上記の特異な型の住居文化の動向を探りたいと考えた。研究の内容と方法(a)マケドニア(ユーゴ領)の伝統的住居の現地集落調査(1989年8~9月)(b)スコピエ大学建築学科の資料分析 (C)ギリシア北部とトルコに分布する同型の住居と比較以上より,マケドニアの伝統的住居の類型とその分布を把握し,その特徴を周辺地域と比較してこの地域における住文化の交流の様相を解明することが目的である。研究の結果 次のことがわかった。(1)マケドニア住居は,"chardak"(チャルダック)と称する家具の無いホールを持つ。(2)チャルダックはOH型(Outer hall type)とIH型(Inner hall type)がある。(3)他の地域と比較するとマケドニア住居の規模は小さい。それはキリスト教の1家族型であるためである。(4)NH型(No hall type)とCH型(Center hall type)を含めて4つの型の広域分布図を作成した。(5)OH型は非常に古い型と考えるが,現在でも広く存在しているのは素朴な機能主義を持っていたからであろう。
著者
河邊 聰 内藤 郁子 野村 正樹 畑 正一郎 大森 靖子 平家 直美 林 茂 吉田 光一 木村 忠紀 堀 榮二 遠藤 康雄 志村 公夫 冨家 裕久
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.433-443, 2008

京都の都心部には,平成12年の調査で3万戸の伝統町家があることが分かっていた。その後年々数は減少しているといわれる。町家では日々の生活が営まれ,その上で都市的・文化的価値の高さが語られる。(財)京都市景観・まちづくりセンターは,京町家居住者からの様々な相談に応じる町家相談会「京町家なんでも相談」を平成13年度に立ち上げた。本稿は,この相談会に寄せられた町家居住者からの相談内容をヒアリング形式で間接的に学習し,それを参考資料とした。資料から居住にかかわる不満・不安を抽出・分析し,問題点の把握と理解をした上で,今後居住不安解消の具体案を策定し,居住者への居住支援方策を提示したいと考える。このことから京町家の保全・継承の環境づくりに寄与したいと考えるものである。
著者
延藤 安弘 宮西 悠司 乾 亨 森永 良丙 森 詳子 大森 靖子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.311-322, 2000

本研究の目的は,創造的まちづくりを通して,高齢者の安心・自立居住の場をもたらす地域力を明らかにすることと,コレクティブタウンのモデルを提起することにある。神戸市真野地区における地域力は,たくさんのチャンス(給食サービスや友愛訪問や多様な地域行事等),ボランティアによるコミュニケーション的行為や公的地域組織や個々の住民たちの多層の人的ネットワーク,たくさんの居場所(公園,銭湯,喫茶店,路地等)からなる。それは,これら3側面の相互連関性に特徴がある。真野ふれあい住宅という公営コレクティブハウスは,居住者のいろいろな相互関係を成立させており,それは,つづきバルコニーのような空間面の特徴と住み手間の対面状況で話されるコミュニケーションが緊密に結び合わさっている。
著者
竹内 孝治 小川 英明 小田 達郎 今村 太朗
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.177-188, 2010 (Released:2018-01-31)

本研究は,戦時期日本において活躍した建築家内田祥文の「國民主宅」構想を対象として,設計提案および,思想内容の読解を通して歴史的意義を明らかにするものである。まず,内田の経歴および建築活動を概観し,内田が建築競技設計において提案した「國民住宅」案の内容を整理した。次に,「國民住宅」案に関連して発表された諸論考の内容読解により,科学性・合理性と日本精神の称揚が併存した内田の思想内容を明らかにした。また,計画案の図面内容の検討およびCADによる3次元復元により,内田の「國民住宅」提案にみられる,モダニズムの手法と日本文化の融合がもたらした歴史的意義を明らかにした。
著者
萩原 拓也 田中 暁子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.85-96, 2018

本研究は,リアス式海岸集落における災害対応を想定する枠組みの提示,地域の災害強度を高める復興計画や日常的環境整備に関する示唆を得ることを目的とする。研究方法は,まず,インタビュー調査・文献調査から東日本大震災以前の過去の津波災害時における災害対応を把握した。次に,インタビュー調査・文献調査から東日本大震災以前の地区内の物的環境・社会的環境を把握した。更に,地区住民に実施した東日本大震災時の避難行動実態調査を基に,地区内の物的環境や社会的環境が災害対応に寄与または阻害したかを分析した。 以上を通し,リアス式海岸集落における災害リスクの把握手法の提示,災害対応に寄与する環境整備の提示を行った。
著者
堀 裕典 田中 暁子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.83-94, 2014

本研究は,日本やアメリカと同じゾーニング制を取り,イギリスやフランスの影響を受けているカナダ諸都市における裁量的デザインレビュー制度の運用実態を明らかにすることを目的とした。研究の方法として,人口50万人以上の都市を対象に,特徴的なケーススタディ都市を選定し,制度の詳細分析と運用実態及び周辺状況との調和について調査を行った。その結果,バンクーバーを除く主要都市で,制度導入の際にトライアル期間を設けていたことや,分権の度合いにより大きな課題がある都市も存在したが,多くの場合,デザインレビュー制度が存在することで,周辺環境へのインパクトを軽減し,事業計画の改善が図られていたということが分かった。
著者
佐伯 亮太 藤田 武彦 笹倉 みなみ 中村 義弘
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.203-212, 2018

「団地の空室活用によるコミュニティづくりと団地再生の実践」1970 年代に建設された民間所有の5階建て階段室型団地(農住団地)の空室をシェアスペースに転用(DIY リノベーション)し活用することで,地域コミュニティづくり,団地住人の居住環境の改善,団地の入居率改善をねらった実践である。実践にあたっては,建物所有者,住人,外部協力者でのチームを立ち上げた。2017年10月現在,シェアスペースでは日常的に地域住民,団地住人が参加できるイベントが開催され,また団地の入居率も改善されるなど,一定の成果を見せている。本実践活動は,今後,急増することが予想される同様の建物の活用方法を模索するためのケーススタディである。