著者
関 文恭 吉山 尚裕 三隅 二不二 吉田 道雄 三角 恵美子 〓 惠晶
出版者
九州大学
雑誌
九州大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:02862484)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.25-32, 1997-03

本研究では, 看護専門学校におけるクラス担当教員のリーダーシップPM行動測定尺度を作成し, その妥当性を検討した。調査の回答者となった看護学生数は2277人。リーダーシップ行動項目に関して抽出された4つの因子, 「学習・生活面での厳格性」「社会性育成」「学生に対する配慮」「学習への配慮と工夫」から, P, M各10項目ずつのPMリーダーシップ行動尺度を作成。外的基準変数としての看護学生のモラール(クラスヘの帰属意識, クラスの運営満足, 学校満足, 授業満足, 学習への内発的意欲, 学生生活における規律遵守, 学校生活におけるストレスの因子)との関係を検討した。その結果, PM4類型の効果性順位については, ストレスを除く6つの要因についてPM>M>P>pmの順となり, 本研究で作成した看護教員のリーダーシップ尺度は一定の妥当性を有するものと考察された。
著者
松尾 哲也
出版者
九州大学
巻号頁・発行日
1975

博士論文
著者
谷村 禎一
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

生物の行動は、プログラムされた本能的側面と、経験や環境により適応的に変化できる可塑的な側面から成り立っている。これまでの昆虫の行動の研究は、固定化された反射、本能行動が中心であり、行動の可塑性はあまり注目されてこなかった。生物は自己の維持、成長、増殖のために外界から栄養を取り込む必要がある。生物が栄養となる食物を識別する上で味覚感覚は重要であるが、生物は食物の栄養価をどのように感知しているのであろうか。ショウジョウバエの成虫の雌は生涯に個体当たり3000個もの卵を生むが、そのために多量のアミノ酸の摂取が必要とされる。産卵時に糖だけを含む培地では雌の産卵数が低下することがわかった。ショウジョウバエがアミノ酸をどのように感知しているかを調べるために、食用色素を利用したtwo-choice preference test、CAFE assay、吻伸展反射、唇弁感覚子からの電気生理学的記録によって、ショウジョウバエはアミノ酸溶液を識別して摂食し、さらにアミノ酸欠乏状態に置かれた交尾後の雌は、アミノ酸の摂食量が増加することがわかった。交尾後に雄から雌に渡されるsex peptideの受容体の機能がアミノ酸に対する嗜好度の上昇にかかわっているのか調べた。またアミノ酸受容体遺伝子の検索を行った。
著者
松永 典子 徳永 光展 施 光恒 伊藤 泰信 祝 利 緒方 尚美 余 銅基
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究課題では、総合型日本語人材養成プログラム開発という目的のため、理論研究と実践研究を行った。まず、理論研究では、日本型「知の技法」の有する自文化を相対化する視点と他文化に対する積極的受容姿勢とが相互文化学習の手法として有効であるという理論化を行った。次に、その理論を日本語教育・留学生教育に還元するための教材開発及び教育実践研究を行った。実践研究の結果、本実践における日本人学生と留学生が協働でひとつの課題解決に取り組むという方法論が学習者に課題解決に向けた意識を促す可能性があることが示唆された。
著者
大村 浩久 岡田 秀臣 坂井 美鈴 松井 三郎
出版者
九州大学
雑誌
九州大學農學部學藝雜誌 (ISSN:03686264)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.21-28, 1975

"Manju (a steam bean-jum bun)" is one of the popular confectioneries pervading all over Japan. It is commonly produced by appropriate steaming a dough of wheat-flour wrapping "an (bean-jum)." On the other hand, "Umegae-mochi" is the special product in Fukuoka. It is produced by baking a dough of glutinous rice flour wrapping "an" in a mold of shape of plum-flower. Regarding respective 5 brands, sensory test and chemical analysis were carried out in order to give some useful guidances for consumers' daily life. Well-known 5 brands of "Manju" in Fukuoka is divided into 2 types of "Dorayaki" and "Kasutera-manju." The former has the following constituents: moisture 27.9~34.0; protein 5.4~5.8; fat 1.0~2.2; starch 58.0~62.9; fiber 0.9~1.0; ash 0.4~0.6; calorie 267~298 Cal. The latter is composed of moisture 21.6~23.5; protein 6.4~6.7; fat 1.3~2.9; starch 66.2~68.7; fiber 0.6~1.2; ash 0.5; calorie 313~318 Cal. On the other hand, chemical analysis of 5 brands of "Umegae-mochi" indicates the following composition: moisture 31.8~39.5; protein 5.1~5.8; fat 0.1; starch 27.0~34.3; sugar 22.0~33.7; fiber 0.6~0.9; ash 0.4; calorie 241~272 Cal. No artificial sweetnesses and preservatives were detected at all. However, artificial pigment, yellow No. 4, was qualitatively detected in 1 brand of "Manju" and that, red No. 2, in 2 brands of "Umegae-mochi." Since standard deviation over F005 was estimated among panels of 7 common house-wives and 3 skillful clerks in the department stores, reliable results of sensory test could obtained for neither "Manju" nor "Umegae-mochi."福岡県内産の代表的銘柄のマンジュウおよび梅ヶ枝餅それぞれ5銘柄を任意に購入L,官能テストおよび理化学テストを行なつた.マンジュウはドラ焼キとカステラマンジュウとの両タイプに分けられたが,その一般成分は前者において,水分31.0%,蛋白質5.6%,脂質1.6%,澱粉60.5%,繊維0.95%,灰分0.5%,熱量285カロリー,後者において,水分22.7%,蛋白質6.5%,脂質1.9%,澱粉67.6%,繊維0.9%,灰分0.5%,熱量315カロリーであつて,いずれも対照(成分表)にくらべ水分含量は低く炭水化物およびカロリー値は高い傾向がある.人工甘味料および保存料は検出されなかつたが,着色料は黄色4号が1銘柄に使用されていた.一方梅ヶ枝餅の成分は水分35.2%,蛋白質5.5%,脂質0.1%,澱粉29.6%,糖分28.5%,繊維0.8%,灰分0.4%,熱量258カロリーであつた.これにも人工甘味料および保存料は検:出されなかつたが,赤色2号の使用が2銘柄に認められた.マンジュウ,梅ヶ枝餅ともに官能テストのすべての項目においてパネル間に有意差があり,正確な嗜好の傾向は求められなかつた.
著者
徳永 幹雄 橋本 公雄
出版者
九州大学
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.73-84, 1988-02-20
被引用文献数
1

昭和61年度国民体育大会福岡県選手男子168名, 女子68名を対象にして, スポーツ選手の心理的競技能力の診断法の開発を試みた。おもな結果は, つぎのとおりである。1) 心理的競技能力を表現すると思われる68項目からなる調査票を作成し, 調査を実施した。信頼性係数, 項目分析の結果から3項目を削除し, 65項目について因子分析を行った。その結果, 5因子と6つの下位因子を抽出した。2) 心理的競技能力の因子は, 競技意欲を高める能力(忍耐力, 闘争心, チャレンジ精神, 勝利志向性の下位因子), 精神を安定・集中させる能力(集中力, リラクセーションの下位因子), 自信をもつ能力, 作戦を予測・判断する能力, 協調件の能力と命名された。3) 抽出された各因子は国体選手の講特性と顕著な関係がみられ, 心理的競技能力テストとしての妥当性が推測された。4) 抽出された各因子を代表する簡単な質問又から, 試合中の心理可犬態を評価する方法を作成した。5) 今後, 適切な項目や因子の追加・修正を行い, 中学生から一般社会人に使用できる誇断法を作成しなければならない。
著者
森 茂太郎
出版者
九州大学
雑誌
言語文化論究 (ISSN:13410032)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.65-80, 1998
著者
銭谷 武平
出版者
九州大学
雑誌
九州大學農學部學藝雜誌 (ISSN:03686264)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.383-390, 1952-09

The physiological characteristics of true yeasts found in various "Shiokara"(23 strains isolated from 15 samples) were determined. The results were as follows; 1)film-forming test was carried out by Stelling-Dekker's method, and the tested yeasts were divided into three groups: (a)film-forming group, Debaryomyces species twelve strains, Zygosaccharomyces, Hansenula and Torulaspora species each one strain, (b) ring-forming group, Debarymyuces species three strains.(c)non-firm-forming group, Zygosaccharomyces species six strains and Debaryomyces species one strain(Table 1). 2) The results of sugar fermentation-, acid production- and nitrogen assimilation-tests are described in Table 2. Since the fermentation tests of Debaryomyces were invalid for the classification systems, the author's classification by the ability of acid production (not yet published) was employed. The results of assimilation test of ethyl alcohol are shown in Table 3. 3)Optimum-oH and ?temperature of growth and the thermal death point were determined. Most Debaryomyces species have optimum temperature at 25~30℃,while, most Zygosaccharomyces at 30~35℃.The thermal death point of Zygosaccharomyces is generally higher than that of Debaryomyces, and all strains die at 60℃within ten minutes(Table 4). 4)"Shiokara" ?yeasts are osmophile and are able to grow in the bouillon containing 20~25 per cent sodium chloride(Table 5).著者は先にZygosaccharomyces属並にDebaryomyces属菌が塩辛中に普遍的に存在し酵母菌相が他の農産?酵食品と異る事を明らかにした.従来これ等両属の酵母菌の内前者は醤油,糠味噌,ソース並に辛味噌等に,後者は腸詰,ハム,ベイコン等の肉類製品や各種のPickle等に屡々見出される.製品により有用菌として,時には叉有害菌として食品管理上に重要な影響を齊らしている.例えばZ.Soja, Z.majorの如く醤油酵母として有用視されるものもあれば醤油,ソース叉は濃厚果汁等の変敗菌として有害視されるものもありDebaryomyces属の如きは腸詰類のネトの原体として有害視されるものや他の肉類製品に於いても其発育はあまり好ましくないものもある.一般に製品の性状と酵母の生理作用が相互に関連し合つて製品独特の菌相を形成するものと考えられ,本邦における食品中でも醤油酵母,味噌酵母の如きはその生理学的性質が極めて詳細に研究せられそれぞれの特性が明らかにされている.著者は塩辛酵母に就いて分類学的所属を確かめるに必要な生理学的性質一般を知るためと,製品の保蔵,変敗に関係する菌類の各州の発育条件を知る目的から此の研究を行つた.本報ではこれらの目的で行つた生理学的性質の研究結果を記載し塩辛酵母の性質を他の酵母菌の夫れと比較し若干の考察を試みる.
著者
若菜 章 尾崎 行生 酒井 かおり
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

自家不和合性カンキツに蕾自家受粉を行って遺伝子型がホモである8種類の実生群(S1S1, S2S2,-, S11S11)を作出し,これらの花粉を多数のカンキツに授粉して, S1からS11までの不和合性対立遺伝子を持つ品種群を明らかにした.ハッサク(S4S5)やウンシュウミカン(SfS4)がS4対立遺伝子を持つクネンボの雑種であることが分かった.交配後1年で幼樹開花した実生の不和合性と和合性を基に, S遺伝子と連鎖するDNAマーカーを決定したが, S遺伝子のクローニングはできなかった.