- 著者
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笠原 賀代子
- 出版者
- 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
- 雑誌
- 栄養と食糧 (ISSN:18838863)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.2, pp.171-175, 1978-04-10 (Released:2010-03-01)
- 参考文献数
- 3
大徳寺納豆の全香気成分, カルボニル成分, 酸性成分および塩基性成分につきGC-MS, IR分析およびtRによる同定を行なった。カルボニル成分としてアセトアルデヒド, イソブチルアルデヒド, イソバレルアルデヒド, フルフラール, 5-メチルフルフラール, ベンズアルデヒド, フェニルアセトアルデヒドの7成分, アルコール成分としてフルフリルアルコールを, 酸性成分として酢酸, プロピオン酸, イソ酪酸, n-酪酸, イソバレリアン酸, イソカプロン酸, n-カプロン酸, フェニル酢酸の8成分の計16成分を同定した。さらにトリメチルピラジン, テトラメチルピラジン, テトラハイドロピリジン, ピリジンおよび2-フリルメチルケトンの5成分を推定した。以上のうち大徳寺納豆の主要ピーク成分はイソバレルアルデヒド, フェニルアセトアルデヒド (ヒヤシンスの香り), フルフラールおよびフルフリルアルコールであり, これらの4成分に加えて微小ピークではあるがベンズアルデヒド (梅の花の香気成分) が大徳寺納豆香気の重要因子とみなされる。