著者
鈴木 卓也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.95-97, 1981-02-15 (Released:2011-11-04)

すでに (昭和55年7月1日) 施行されている, ビールの表示についでウイスキーの表示についても昭和56年4月1日より実施されることになった。そこで, ビール・ウイスキーの表示に関する公正競争規約の設定にいたった経緯について解説していただいた。清酒とも比較して是非一読されたい。
著者
日高 修
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.9, pp.623-628, 1987-09-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
9

醤油醸造はそもそも大豆, 小麦および食塩を主原料としていたが, 大豆中に含まれる脂質は調味料製造に不要, 少なくとも重要な役割を演ずることはないとの判断で, 戦中の原料供給事情の厳しさの中では, 大豆油は直接食用とし, その抽出後の脱脂加工大豆を使用する方が合理的であった。そして, 戦後もずっと脱脂加工大豆が醤油の主要蛋白原料として使用されてきたが, 最近, レトローグルメー自然食品志向の線に浴って, 再び丸大豆使用の醸造技術が見直されるようになった。しかしながら, 丸大豆は, 形状, 組織, 化学成分などの面で脱脂加工大豆とは著しく異なリ, それが, 製造工程, 醸造期間, 製品収率, 製品品質への影響は無視しえぬことが判り, すでに部分的には問題点の改良がなされるようになった。今回は, それらの問題点の摘出と改良につき, 最新の微生物的, 酵素的ならびに化学的解析技術を駆使して取組んできた研究成果につき解説して頂いた。
著者
岩野 君夫 三上 重明 福田 清治 椎木 敏 島田 豊明
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.7, pp.490-494, 1986-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
32
被引用文献数
19 20

焼酎白麹の各種酵素の諸性質が清酒麹および泡盛麹と較べてどのような差異があるか調べたところ次の結果を得た。1. 焼酎白麹および泡盛麹のα-amylaseは焼酎醪のpH範囲であるpH3~4において相対活性が80%以上と高く, かつpH安定性もこのpH範囲において残存活性が90%以上と高いことが認められた。2. α-Amylaseの熱安定性は焼酎白麹が60℃, 泡盛麹が50QC, 清酒麹が40QCで, 最適反応温度は焼酎白麹が70℃, 泡盛麹が60℃, 清酒麹が50℃ で, 焼酎白麹のα-amylaseの耐熱性が最も高かった。3. 3種類の麹のglucoamylaseは焼酎醪のpH範囲3~4においては相対活性やpH安定性がほぼ同一で高い値を示した。4. Glucoamylaseの熱安定性は焼酌白麹は60℃, 泡盛麹と清酒麹が50℃ であり, 最適反応温度は焼酎白麹が70℃, 泡盛麹と清酒麹は60℃で, 焼酎白麹のGlucoamylaseの耐熱性が高いことが知られた。5. 蛋白分解酵素のacidprotease, acidcarboxypeptidaseは3種類は麹ともほとんど同一の諸性質を示した。6. 3種類の麹の諸酵素の最適反応pH, pH安定性および熱安定性の結果から, 実験方法に示した各種酵素活性の測定条件で, 3種類の麹の酵素活性が測定できることが裏づけられた。最後に臨み, 本研究の遂行に当り御指導を腸わりました当試験所中村欽一所長に深謝致します。

2 0 0 0 OA 陶淵明と酒

著者
茂田井 円 松井 康子
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.8, pp.587-590, 1991-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9

中国六朝時代の大詩人陶淵明の酒好きは広く知られている。彼の酒に対する考え方や酒に対する愛着, 常時接していた酒について, その造り方を彼の記述と住んでいた地域の地理的条件を加味し検討した。さらに, 彼が「緑酒」と表現した, 酒の復元の第一歩として草麹の再現を試み, 草麹が再現できるまでの不安と成功したときの喜び, できた麹から醸しだされるであろう酒の香味について想像を働かせ, 陶淵明が感じたであろう味および酒に対して抱いた神秘性について記していただいた。
著者
菊地 勇次郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.487-492, 1973-07-15 (Released:2011-11-04)

塩と米酢の味しかしらなかったわが国の古代人が, 中国大陸から伝えられた豆醤と肉醤を, どのように料理に生かしたか。味つけは, 各人が食繕で行なった平安時代の習慣が, 中世のうちに調理中に味つけしてしまう仕方にかわるとともに, 醤や鼓の姿がどのようにかわって江戸から現代まで伝えられてきたか。これは, われわれの先祖が味わい, 伝えてきた醤油や味噌の物語である。
著者
増田 正裕 小村 啓
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.29-33, 1993-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
44

近年著しい発展をとげている分析法や解析法によって, 複雑きわまりないウィスキーの香味もその内容が次第に明らかになりつつある。「香気成分とその由来」「香気成分分析手法の最近の話題」「官能評価と成分の寄与」の3回シリーズでウィスキーの味, 香りを著者の研究を含めて解説していただいた。

2 0 0 0 OA 酵母の増殖

著者
鈴木 昭紀
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.21-24, 1974-01-15 (Released:2011-11-04)

発酵槽の中で黙々と働き, そして死んでゆく物言わぬ酵母。これだけ厄介になりながら我々はその性質の一端をとらえて議論することはあっても酵母の本体について広い角度から眺めようという努力を怠りがちである。酵母の分類から応用上の特性にいたるまでの広範囲の情報を肩の凝らない形にまとめていただいた。素養を深めるための好個の読み物である。
著者
大嶋 俊二
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.3, pp.167-178, 2017 (Released:2022-06-22)
参考文献数
50

アルコールは酵母のもたらす最大の贈り物である。その甘美な贈り物も,飲み方によっては醜悪な贈り物と化してしまうため,アルコール代謝動態の研究は重要であるが,飲酒時の様々な条件が及ぼす影響については,エビデンスが少ない。そこで,飲酒時の種々の条件の中でも特に重要な飲酒時の食事摂取が,アルコール代謝動態に及ぼす影響,ならびにその役割について主にヒトでのデータを基に今回解説いただいた。
著者
玉城 武
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.74-77, 1982-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
13

沖縄県特産の泡盛はつい数年前まで家つき酵母によって醸造されていた。昭和47年の本土復帰以来, 沖縄国税事務所歴代の鑑定官の努力により優良泡盛酵母が分離され, その実用化によって泡盛の品質及び収量が一段と向上した。本研究の中心的役割を果してきた筆者に, この酵母について解説していただいた。

2 0 0 0 OA 酒母 (2)

著者
黒須 猛行
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.414-424, 1998-06-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
13
著者
包 啓安
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.9, pp.658-663, 2000-09-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9

中国の酒造りの歴史は大変古く, 日本の酒造りも当然その影響を受けている。現代中国では, 穀類を原料とする醸造酒を黄酒と称しているが, その中国黄酒の酒母について, 現代の製造方法と歴史的な製造方法について解説していただいた。最近の製造技術には, 日本の影響が見られることがわかる。

2 0 0 0 OA 薬酒と健康

著者
茅野 和雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.666-669, 1976-09-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
14

薬酒は薬効を期待して飲む医薬であるが, その形が酒であるところに特徴がある。また近代医学, 薬学から生まれたものでなく, 漢方医学を母体として生まれ, それ自身おびただしい数の飲用経験にさらされてきたものである。今回は薬酒の効能を, それの健康とのかかわりを漢方医学のなかで, また臨床医学的にわかりやすく解説していただいた。
著者
加藤 百一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.486-491, 1971-05-15 (Released:2011-11-04)

寛文9年以降, 和酒は従来の交易における物々交換の重要な物資としてのみでなく, アイヌに恩恵を施し, かつ制令を伝える儀式の執行にあっての立役者となリ, さらに介抱酒, 御手当酒として利用され, アイヌのあいだに広まっていった経過が記述されている。

2 0 0 0 OA 生酒について

著者
今安 聰
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.7, pp.446-453, 1986-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12

日本酒新時代の商品として吟醸酒, 純米酒とともに生酒が挙げられ, 各方面から注目されている。 本稿では生酒の製造法, 流通面そして将来性等について幾つかの問題点を提起しながら詳細に解説していただいた。一読をお薦めしたい。
著者
松尾 眞砂子
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.6, pp.426-431, 2008-06-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
24

かねて, 著者には, あらかじめオンチョム菌で発酵させた大豆とおからを利用した低塩米味噌の特性について詳細に解説して頂いた (本誌第99巻第科号) が, 今回は, 市販の代表的な味噌について, 調理温度や併用する香辛料が, 特に, 老化防止, 発癌予防効果を有する抗酸化作用, ラジカル消去力 (活性酸素捕捉力) など味噌の機能性に対する影響を検討された結果について詳しく解説頂いた。