著者
張 起灌 Kigwon CHANG
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学人文科学部論集 = Otemae journal of humanities (ISSN:13462105)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.A61-A76, 2006-03-31

17世紀以後の韓国社会、当時の朝鮮王朝は、都市の発達に伴って近代的な初期資本主義社会へと徐々に移行していく。朝鮮王朝において封建社会の基盤を成していた身分制度と地主制度を中心に、その崩壊の過程について考察する。また朝鮮時代後期の社会変動に伴い、伝統仮面劇「タルチュム」の世界にどのような変化が生じたかを分析する。厳格な身分制度のもと長い間抑圧されていた民衆意識は、封建社会の解体とともに目覚め、成長していく。その過程でタルチュムの世界においても、地域限定的・閉鎖的な構造を持つ農村型タルチュムから、演戯地域や参加者の面で開放的な構造を持つ都市型タルチュムへと変貌していくことになる。つまりタルチュムは農村の祭儀から民衆芸能へと変容し、現在のタルチュムとほぼ同一の形態を持つ「都市タルチュム」が成立するのである。
著者
柏木 隆雄
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-19, 2011

映画と小説と演劇の関係の考察からだけでも、黒澤明と文学という議論は示唆的である。映画は小説や演劇という旧来の二つの芸術に対してどのような特徴をもつだろうか。映画のリアリティは、演劇のそれよりはるかに劣るように思われ、観客にイメージを自由に膨らませることも小説のようには行かない。映画の特徴は、逆説的ながら、イメージを固定させることによって、観客のリアリティへの信頼を克ち得、映画が展開するイメージの連続に酔い、ストーリーに誘うことにある。しかし映画芸術は先行する二つのジャンルの深い影響、少なくともそれらの存在を意識しないでは成立し得なかった。黒澤映画をバルザックという小説家の方法と較べると、そのストーリー性や老人と青年の対立、融和、青年の自立といったテーマにおいて、極めて似るところが多い。さらにバルザックが創出した「人物再登場法」のシステムは、映画において、ある特定の主役、脇役を固定的に何度も使うことによって、『人間喜劇』のシステムが読者に醸し出す効果と、ほとんど同じような結果を得ていることにも気がつく。黒澤の映画がにわかに生彩を無くすのは、常連の俳優たちが姿を消したことによることも大きい。バルザックを読む目で黒澤映画を分析する試みが本論である。
著者
鈴木 基伸 Motonobu SUZUKI
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.017-039, 2018-07-31

本稿では、日本語の難易形式「〜やすい」「〜にくい」が、目的格名詞句を、ガ格をとる場合と、ヲ格をとる場合とで、どのような意味の違いが生じるのかについて考察を行う。コーパスから、同じ動詞句でありながら、ガ格とヲ格が使用されている例を抽出し、それらの意味について比較・検討を行ったところ次のようなことがわかった。まず、「〜やすい」においては、ヲ格を使用した場合、ガ格が使用された場合に比べ、「意志の希薄化」が見られる。「〜にくい」においては、ガ格が使用された場合、ヲ格が使用された場合と比べ、動詞によって表される行為の遂行に対して焦点が当てられるようになり、意志性がより強く読み取れるようになる。この結論の他、「〜やすい」「〜にくい」においてヲ格からガ格へ、ガ格からヲ格への交替をブロックする要因についても明らかにした。前者については動作の「非意志性」が、後者については「評価性」「主題化可能性」がそれぞれの格交替をブロックする要因である。
著者
鈴木 基伸 Motonobu SUZUKI
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.95-118, 2014

動作遂行・実現の困難さを表す「にくい」と「づらい」は、機能的に重複している部分が多く、両者の使い分けがどのようにされているのかが明らかであるとは言い難い。そこで本研究では、「にくい」と「づらい」のどちらを入れても成立するような例文を作成し、それらを用いて「にくい」「づらい」の使用に関するアンケート調査を大手前大学の学生に対して行った。アンケート結果の分析を通し、①外的要因によって動作実現の不可能性が高い場合「にくい」が選択されやすい、②不可能性が低くなるに従い「にくい」が選択される割合が減る、③内的要因(「身体的痛み」「心理的抵抗感(±恥ずかしさ)」)によって困難となっている場合「づらい」が選択されやすい、④「づらい」選択の割合は「にくい」ほど顕著ではない、⑤心理的抵抗感の程度の大きさに応じて「づらい」がより選択されやすくなる、⑥相手に対する「申し訳なさ」が困難の要因となっている場合「づらい」が選択されやすい、⑦「身体的痛み」の場合外的要因による「けが」であるほうが「づらい」がより選択されやすくなる、ということが明らかになった。
著者
松原 秀江 Hidee MATSUBARA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.87-109, 2011-03-31

堀辰雄の文学に大きな影響を与えた女性たちが、彼の前に常に親子がらみで現れることに注目して、その誕生及び幼少年期を見ながら、『聖家族』に至るまでの作品内容とそれらを比較し、親がらみと裏返しをキーワードに、『聖家族』の書名が「聖母子」ではなく、「聖家族」だったことの意味を考える。
著者
木下 りか Rika KISHITA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学人文科学部論集 = Otemae journal of humanities (ISSN:13462105)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.A49-A59, 2006-03-31

語基を同じくし意味的な対応を持つ名詞と形容詞は、その意味を大きく変えることなく互換可能である。形状を表す「丸のN」「丸いN」、「四角のN」「四角いN」もその例である。このような名詞と形容詞の使い分けを見ると、名詞「丸のN」「四角のN」は、「コンテクストに存在するほかの形状との対比の中で、Nの性質(形状)について述べる」場合に用いられると考えることができる。「コンテクストに存在する他の形状との対比の中で」ということは、「丸のN」や「四角のN」における「丸」や「四角」が、丸や四角のモノを指示する機能を持つことを示している。このように考えることで、「丸のN」や「四角のN」が制限的修飾として用いられるが非制限的修飾には馴染まないこと、また、非制限的修飾であっても一定の文脈が与えられれば、すなわち客観的定義機能を持つ場合であれば用いることができることなど、これらに特有のふるまいが説明可能となる。
著者
塩田 昌弘 Masahiro SHIOTA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.55-74, 2016-03-31

公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団は、二つの意義あるミュージアムを持っている。それは、日清食品の創業者、安藤百福の意思を具現化したものである。一つは、池田市にあるインスタントラーメン発明記念館であり、あと一つは、横浜市にある安藤百福発明記念館である。両者に共通するものは、人間の創造力を通して、発明・発見のヒントを来館者に提示して、来館者に発明・発見の萌芽を涵養させようとする点にある。この二つの体験型の食育ミュージアムは、「食足世平」(食足りて世は平らか)という安藤百福の語録の具現化したものである。安藤百福は、インスタントラーメン、カップヌードル、スペース・ラムを発明し、また食文化に革新をもたらした。さらに、人間の幸福とは何か、人類の平和とは何か、を食の分野から解明しようとした真のベンチャー・スピリットを持った起業家であった。本論考は、安藤百福の最初の発明であったインスタントラーメンを研究した池田市に建っている記念館に焦点をあて世界的起業家・日清食品創業者 安藤百福について論考するものである。
著者
塩田 昌弘 Masahiro SHIOTA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.157-185, 2008

芦屋市谷崎潤一郎記念館は、明治・大正・昭和の時代を通して文豪の名に相応しい文筆活動をした小説家、谷崎潤一郎(明治19年〜昭和40年)の原稿、書簡、書籍、美術工芸品、愛用の日用品などを展示して、世界の谷崎文学の普及を試みたもので、昭和63年、芦屋市に開館された。明治44年、小説『刺青』、『麒麟』を発表した谷崎は、永井荷風に絶賛され、文壇の第一線に登場した。大正12年、関東大震災の後、関西に移り住み、確実にその文学の才能を開花させていった。昭和8 年、代表作の『春琴抄』、『陰翳礼讃』を発表している。昭和9 年、兵庫県武庫郡精道村打出下宮塚16(現在の芦屋市宮塚町12富田砕花旧居)に住み、創作に精進している。昭和10年には、谷崎潤一郎のインスピレーションの源泉となった女性・根津松子と結婚した。昭和18年、58才の時、芦屋の風土と日本の文化の古典美に想をえた名作『細雪』を発表するにいたる。昭和24年、『細雪』により朝日文化賞を受け、同年、文化勲章を受章した。昭和40年、80才で死去。記念館は、谷崎好みの数寄屋風に設計、庭園は京都市左京区下鴨の旧居、潺湲亭(せいかんてい)の庭を模して作られている。関西、谷崎が好んだ芦屋という風土、そこから生まれた文学作品、文豪の創作を助けたたたずまい、これらの要素をこの記念館は総合的に理解できる様に設計されている。風土と文学と建築美について論考しようと考えている。
著者
塩田 昌弘 Masahiro SHIOTA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.101-125, 2012

明治・大正・昭和を通して、実業界で活躍し、阪急電鉄、阪急百貨店、東宝映画、宝塚歌劇、阪急ブレーブス、コマ・スタジアム、逸翁美術館、マグノリアホール、池田文庫、小林一三記念館等の創設の基礎にその才能・才覚を発揮した不世出の実業家・小林一三(1873〜1957)について紹介する。 特にこの小論では、小林一三の成した事業のうち、文化・美術方向を中心に逸翁美術館に焦点をあて論考しようと思う。本来、事業はそれを成した人の人格の反映と考えられる。後年、今大閤と言われた小林一三であるが、幼年期は、愛情の薄い家庭に育った。だが、その小林一三がどの様にして、その才能を開花させていったのか。小林一三の志とは何か、逸翁美術館成立の礎となったコレクションを貫流する美とはどの様なものか、これらについて考察する。
著者
大島 浩英 Hirohide OSHIMA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学社会文化学部論集 = Otemae journal of socio-cultural studies (ISSN:13462113)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.201-214, 2005-03-25

本稿で取り上げた "Das Rollwagenbuchlin“は1555年に出版された滑稽話集(初版)である口この書物に収められているような Schwank と呼ばれる滑稽話は16世紀のドイツで数多く出版されているが、Schwank [<schwingen] とは、「韻文または散文で書かれ、面白おかしい着想やコミカルな出来事を一つの急所に集約するか、やや長くても短編小説的な体裁 をとった、簡潔で逸話風の物語。粗野で卑狼な内容のものもあれば、教訓的傾向をもつも のもある」、と説明される。従って限定された知識階級の言語ではなく一般庶民にも理解される言語で書かれたものであるため、当時の自然な言語状況を知る資料として適したも のであると考えられる。さてここで、この滑稽話集の著者 Georg Wickram について触 れておくと、Wickram は1505年 Elsaβ の Kolmar に生まれ、後に同地の裁判所書記 (Gerichtsschreiber) 、晩年は Burkheim (Freiburg と Kolmar の中間)の市書記 (Stadtschreiber) の職にあった。熱心なプロテスタントであったためカトリックの町 Kolmar を去ったと言わ れている。宗教改革の時代をプロテスタントとして生きた Wickram の生い立ちはこの著作 においても重要な背景となっているように思われる。さてこの Schwank 集の初版本には67 の話が収められており、その中には農民、聖職者、傭兵、商人、職人などの登場人物を 扱った話があるが、それらのうち本稿では傭兵が登場するSchwank 第14話 (S. 30~32) に 絞り、そこに描かれている内容に関して下線を施した部分を中心に語学的側面、意味的および社会史的側面から考察を加えたい。
著者
北川 邦一
出版者
大手前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

1.ノルウェー高校(全日制3年相当)の全生徒必修普通科目「社会科」を日本の関係科目と比べると、前者の教育は政治的影響からの自律性が強く、国定の教科基準事項は限定的で、共通教育内容は明確、教科書は重点事項に記述を絞り内容深く現実性豊かである。2.現行ノルウェー憲法は、福音的ルーテル派キリスト教を国教と定めており、1998年法律第1号「教育法」は、10年制義務制学校のキリスト教、宗教、人生観に関する科目KRLの在り方を定めている。しかし、国教特別扱いに関する国連人権委員会への異議提訴もあって、教育法は2002、05年に改正され、KRLは、2006/07学年度からの教育課程全般改訂より早く05年8月に改訂された。国教とその教育の現代的あり方が課題となっている。3.同国では初、中等学校とも管理運営への生徒・親代表参加制度がある。「校則」は通常、各地方自治体内共通内容と学校独自内容から成る。生徒管理・生活指導一般は寛容であるが、出欠など基本的事項の規定は日本より厳格であり、北欧に特有の規定もある。生活指導では「良い学校は明確なきまりを定め、実行し、積極的品行に報いる」という教育研究省UFDの2003年報告書の方針が学校に一定の普及を見た。4.教育行政では2004年、国の省に教育管理庁UDIRが設置され、初等中等教育の管理・開発・研究権限はこれに大幅委任された。諸国際学力調査結果におけるノルウェーの「成果不振」を背景に、保守・中道右派連立政権下で同年、UFDと主要な全国的教員団体・教育団体の合意で教育における能力開発kompetanseutviking戦略(2005-2008)が開始され、2006/07年度初等中等教育課程改革の大筋が定められた。しかし、2005年9月の国会選挙で政権は右派・中道連立から中道・左派連立に移行し、UFDは教育省KDへと改組された。教育政策の変化が注目される。
著者
岡 佳子 岡村 喜史 岸本 香織 西口 順子 杣田 善雄
出版者
大手前大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本の宗教とジェンダーを考えるうえで重要な尼門跡文書の分析を通じて、近世社会における尼僧と尼寺の役割を明らかにすることを目的に、(1)慈受院門跡所蔵の「総持院触留」の研究、(2)尼僧を中心とした女性ネットワークの研究(3)比丘尼御所、霊鑑寺門跡の工芸品の調査、以上の3点から研究活動を行った。4ヶ年の期間内に33回の尼寺研究会を開催し、元禄11年~享保21年までの「総持院触留」28冊を講読し、6回の霊鑑寺工芸品調査を実施して人形約170件・染織品約70件・陶磁器約100件の調査データを得ることができた。その成果を纏め、2013年3月に、研究論文6、「総持院触留史料集」を収載した研究報告書を刊行した。本研究によって尼寺を背負う立場にある尼僧たちが積極的に社会に関わっていく姿が明確になった。
著者
石畑 匡基
出版者
大手前大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2022-08-31

豊臣政権の研究の進展の背景には、豊臣秀吉など当該期の主要な大名の発給文書の収集とその分析による居所や動向の解明があげられる。その一方で、政権の実務を担当した奉行らの動向は未だに不明な部分が多いといえよう。彼らは政権運営の実務担当者だけでなく、大名として自身の知行地を保有し、その支配を担っていた。ところが、領国支配に関しては、これまであまり注目されてこなかった。よって、いわゆる「五奉行」を務めた石田三成・前田玄以・増田長盛・浅野長政・長束正家に加え、大谷吉継・寺沢広高らを検討対象として、彼らの発給文書を収集するとともに、領国支配の特徴を分析し、豊臣奉行に関する基礎的な研究を進展させる。
著者
石毛 弓 野波 侑里 本田 直也 淺谷 豊 藤森 圭子 ISHIGE Yumi NONAMI Yuri HONDA Naoya ASATANI Yutaka FUJIMORI Keiko
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.149-167, 2022-07-31

大手前大学学修サポートセンターに対する学生の動向を知り、かつ利用学生への学修効果を調べる目的でアンケート調査を実施することとなった。そのために、まず2021年度春学期にパイロット調査を実施した。本論ではその結果について考察する。なお当該調査を実施するに至った大きな要因に、2021年度からいたみ稲野キャンパスが閉鎖され、同キャンパスに通学していた学生がすべてさくら夙川キャンパスに所属したことが挙げられる。両キャンパスの学生がひとつの場所で学修支援を受けるのは大手前大学にとって初めてのことである。この統合を受けて、学修サポートセンターもまた大きく変容することとなった。これをきっかけとして、変化のあった2021年度を起点に継続的なアンケート調査を開始するべきだという機運が高まったのである。本論では、最初に授業外学修へのサポートの必要性を検証したのち、大手前大学における学修サポートセンターの概要を述べ、パイロット調査の結果について分析する。考察として、学生の動向については、利用回数と考え方や行動の変化に関連があること、また学修における自律性が弱いといった特徴がみえたことが挙げられる。またパイロット調査として、設問の妥当性や今後の課題について有用なデータを得ることができた。
著者
田中 紀子 Noriko TANAKA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.123-137, 2011-03-31

Robert De Niroの主演、Martin Scorseseの演出により出来あがった映画『タクシー・ドライバー』(Taxi Driver)は1976年に公開された。兵士としてヴェトナム戦争に赴き、アメリカへ戻ってニューヨークでタクシー運転手の職に就くTravis Bickleを主人公とする作品で、孤独な彼の目を通して当時の都会にはびこるセックス、麻薬、暴力など様々な問題が描き出されている。実際には、Paul Schraderの脚本のセリフや場面設定、色の使用において幾つもの手直しが施されたのであるが、その結果さらにインパクトの強い仕上がりとなり、アメリカ1970年代半ばを代表する作品と称することのできる作品となっている。
著者
貝柄 徹 Toru KAIGARA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.83-99, 2012-03-31

地球温暖化防止のために二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)および一酸化二窒素(N2O)などの温室効果ガスの排出量削減の数値目標が設定されて以来、「地球環境に優しい乗り物」として自転車が再認識され始めた。中・長距離輸送面では鉄道もまた同様である。この両者の相互利用の歴史は古い。本稿では、日常的な鉄道への自転車の持ち込みから、その後のレジャーとしてのサイクリング列車(サイクルトレイン)および自転車を分解し袋に詰めて持ち込む「輪行」に至るまでの歴史的展開をレビューし、2011年に近畿日本鉄道が実施したサイクルトレインの現状と問題点について考察する。
著者
二階堂 達郎 貝柄 徹 吉田 長裕 川島 智生
出版者
大手前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

大阪湾岸臨海工業地帯を,撮影機材を搭載した船舶で航行し,海上・河川・運河等の水上からその現在の景観を写真・映像に記録した.併せて,同地帯の産業・港湾関連の施設や遺産の現況を実地調査した.これらの調査結果と,収集した文献,地図,写真,郷土史料,社史等の資料を照合し,分析することにより,同臨海工業地帯の発展の全体像をとらえることができた.また,景観概念が,臨海工業地帯という広域かつ重化学工業の大規模プラントが立地する領域における工業化を把握する上で有効なことが確認できた.今回の調査・研究は,地域的にも産業分野においても限定的ではあるが,臨海工業地帯の発展にかんする今後の研究の足がかりを得られた.
著者
土屋 知子
出版者
大手前大学
巻号頁・発行日
2012

2011年度