著者
井戸坂 幸男
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.467-472, 2023-08-15

小学校で実践した「情報科学」の授業を紹介する.教材には「ビーバーチャレンジ学習カード」を使い,タブレット端末を使った問題の解法の説明とその後の話し合いで,学習指導要領にある「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指した.
著者
楠木 幹也 謝 浩然
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2023
巻号頁・発行日
vol.1B-45, pp.317-321, 2023-03-01

近年,折り紙構造を用いた柔らかいロボットアームの研究が盛んに行われている.本研究では,代表的な円筒折り紙構造による軽量型ロボットアームの制作に着目し,実際の制作コストや体験の評価実験を行う.具体的には,Twisted Tower,吉村パターン,Kreslingパターンの3つの円筒型折り紙構造を手折りしてもらう制作評価実験を実施した.制作評価実験では,それぞれの折り紙構造について,規定時間にわたる制作作業を行ってもらった後,NASA-TLX法を用いたアンケート評価を実施した.実験結果として,Twisted Tower,吉村パターン,Kreslingパターンの順に制作負荷が高いことが明らかになった.
著者
谷口 雄太
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.296-297, 2023-05-15

学習への自動的な介入を実現するためには,まず学習者の状態を機械的に,かつできるだけ正確に把握することが重要である.Knowledge Tracingは学習者の解答の履歴を分析することで,問題が問うているさまざまな概念に対する学習者の理解を定量的に推定することを目的とした技術である.本稿ではこの問題に初めて深層学習の技術を取り入れたDeep Knowledge Tracingについて紹介する.
著者
北條 孝佳 下垣内 太
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.378-382, 2023-07-15

近年,データ復旧に関するトラブル事例が複数発生していたことから,日本のサイバーセキュリティを支える以下の5団体は,「データ被害時のベンダー選定チェックシート」 を作成し,2022年12月16日に各団体のWebサイトにて公開した.また,同日,「NCA Annual Conference 2022」において各団体の代表者が登壇し,パネルディスカッションを行い,周知活動も実施した.(一社)日本データ復旧協会NPOデジタル・フォレンジック研究会NPO日本ネットワークセキュリティ協会(一社)日本コンピュータセキュリティインシデント対応チーム協議会(一社)ソフトウェア協会
著者
吉田 拓也
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.401-405, 2023-07-15

本実践では,「情報I」における「コミュニケーションと情報デザイン」の単元で,デザイン思考に沿った「意匠考案」の授業を開発し,高校1年生39名を対象に授業実践を行った.授業後の生徒の振り返りから,制作プロセスに対して意欲的に取り組めたり,日々感じていた不便なことについて,試行錯誤を重ねて創作できたことがわかった.意匠権についても,改めて身近に感じたり,自己利益のみならず他者との共有,譲渡などの見方も持つことができるようになった.本実践のような制作活動を通して,情報デザインが,人や社会に果たしている役割を学ぶ授業について,1つの実践事例として提案したい.
著者
中野 勝章 渡辺 魁 中沢 実
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.1164-1172, 2023-07-15

近年,カメラ動画像から画像認識技術を用いて道路交通量調査を行う研究が活発になっている.交差点におけるカメラ画像を用いた交通量調査では,単路環境に比べてカメラでとらえるべき範囲が広いため,従来の固定型カメラ(CCTVカメラ)ではなく,可搬性を有する携帯型のカメラを用いることで交差点内の複数位置に設置することができる.複数位置から最適なカメラ設置位置を決めることで計測精度の向上が見込める.しかしながら,実際問題として交差点内に設置した携帯型カメラに対して,現地で最適なカメラ設置位置を評価する基準がなく,人手による経験的または直感的なカメラ配置となっている.そこで,本研究では,短時間のカメラ動画像から交差点における車両の流入口の位置関係に基づき,計測精度に影響を与える指標を算出し,それを利用することで最適なカメラ設置基準の判定を行う手法を提案する.さらに,提案指標とOpenDataCamのカウンターライン機能を用いた計測精度との比較を実地検証を行い,提案した指標の妥当性を評価した.
著者
加納 圭
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.332-336, 2023-06-15

全国学力学習状況調査の悉皆データ等の教育データを利活用するEdTechの開発を行ってきた過程において教育データ利活用EdTechの倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の重要性に気付かされた.米国でのEdTechのELSI顕在化ケースを調査するとともに,EdTechのELSI論点を探索するフレームワークを開発した.開発フレームワークを用いることで101のELSI論点を見いだしてきた.最後に,教育データ利活用EdTechのELSI対応方策案を提示する.
著者
堀口 悟郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.337-340, 2023-06-15

教育データ利活用は,子ども一人ひとりの能力や特性に応じた教育を可能にする施策として期待されている反面,プライバシー権等の憲法上の権利を損なうリスクも指摘されている.しかし,国や地方自治体における法的検討は,個人情報保護法に偏っており,憲法論が希薄である.そこで,本稿では,憲法上のプライバシー権について概説するとともに,教育データ利活用において当該権利との関係で留意すべき事項について若干の検討を行う.
著者
村上 正行
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.331, 2023-06-15

ELSIとは,“倫理的,法的,社会的課題”(Ethical, Legal, and Social Issues)の略称で,新しい科学技術を開発して社会に適用する際に生じ得る,技術的課題以外のあらゆる課題のことである.教育・学習におけるICT活用の普及により,教育・学習データが蓄積され,データ分析に基づく個別最適な教育・学習支援が期待されている.その一方で,個人情報やプライバシーの対応などに関する問題など,課題も多い.そのため,教育・学習データの利活用に関するELSIに取り組んでいく必要がある.今後も,新しい情報技術が開発,普及することが考えられ,その際に教育・学習の現場においてどのように対応していくかについて検討できることが重要となる.
著者
藤井 勝央 吉原 和明 井口 信和
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.1024-1030, 2023-05-15

ネットワークトラフィックの増加にともない,通信品質の低下やネットワークダウンを引き起こす可能性のある輻輳や遅延の発生が問題となる.この問題を解決する方法の1つにQoS制御がある.ネットワーク技術者はQoS制御の仕組みについて学び,活用することが有用である.しかし,QoS制御はネットワーク機器内部で動作するため,直感的に理解することが難しい.このため,QoS制御の動作の検証や効率的な学習のためには,動作の可視化が有効であると考えられる.本論文では,ルータ内部のQoS制御処理をアニメーションを用いて可視化するシステムを実装した.実験の結果,仮想ルータ15台までのネットワークで動作し,QoS制御を可視化できることを確認した.
著者
桑名 杏奈
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.295, 2023-05-15

本稿では,大西可奈子監修『超実践! AI人材になる本 プログラミング知識ゼロでもOK』を紹介する.この書籍では,技術者とビジネス現場の人がコミュニケーションエラーを起こさないことこそが,AIの導入,そして成功のために重要であるということが繰り返し訴えられている.AI技術に詳しくない人を主な対象として書かれているが,技術者がビジネス現場を理解するために読むのにも適している.異なる知識を持つさまざまな立場の人々を繋ぐことのできる書籍だと思う.特に予備知識なしでAIプロジェクトに放り込まれた非エンジニアの方には,ぜひこの書籍を手に取ってほしい.
著者
五十嵐 悠紀 稲見 昌彦
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.266-269, 2023-05-15

五十嵐編集長からの依頼を受けて,「稲見自在化身体プロジェクト」の概要を5本の論文にまとめました.私が前任の会誌編集長だったころには,特定プロジェクトを特集で取り上げることはありませんでしたが,自分自身で大規模プロジェクトを始めるにあたって,やはり参考になったのは先人が残してくれた記録です.我々の経験や成果を1カ所にまとめて報告することで,これからプロジェクトを計画・推進される方々のお役に立てれば幸いです.もちろん個々の研究成果自体も興味深く,人と機械の相互作用に関心のある会員にとって,刺激的な内容になったと自負しておりますのでお楽しみください.
著者
松尾 龍平 山本 雄平 姜 文渊 田中 ちひろ 中村 健二 田中 成典 鳴尾 丈司
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.980-991, 2023-05-15

我が国では,競技力向上を目的としたスポーツ情報科学に関する研究支援が求められている.中でも,フィールドスポーツでは,選手の位置情報を取得することで,選手のStats情報の獲得や戦術分析を補助する活動が実施されている.選手の位置情報の取得方法は,映像に対して深層学習を用いた物体検出手法を適用する方策が採用されている.しかし,物体検出手法では,対象物が未学習の場合や,学習時とかけ離れた特徴を有する場合,検出精度が低下する.これに対して,アノテーションシステムによる自動アノテーション機能を用いて学習データを作成することが考えられるが,精度良く検出することができず作業効率化が望めない課題が残存する.そこで,本研究では,フィールドスポーツにおいて,学習データを簡易に作成することができるアノテーションシステムの開発を目指す.システムの開発にあたり,データ分析にかかわる専門家へのヒアリングを通じ,選手を精度良くまた効率良く検出することが重要であると明らかになった.そして,そのニーズに対して,フィールドスポーツに特化した検出モデルを搭載することで,既存システムと比べ,作業時間を2分程度短縮することに成功した.
著者
隅谷 孝洋
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.284-288, 2023-05-15

教育機関における授業,特にオンライン授業で,他人の著作物を使う場合の注意点について,2020年4月より施行された改正著作権法第35条を踏まえて解説する.他者著作物を利用する際には本来は著作権者の許諾が必要だが,授業においては無許諾で利用できる場合が多いので,許諾の要不要を判断するための判断フローを提示,それに沿って解説を行う.
著者
小西 健太郎 シュエ ジュウシュエン 池田 心
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会 第49回GI研究発表会, 2023-3
巻号頁・発行日
2023-03-17

不完全情報ゲームにおいて,人間プレイヤがナッシュ均衡戦略を計算することは現実的に難しいため,予測される相手の情報や行動に対してアドバンテージを得られる行動を選択する「読み」を用いて意思決定を行う場合がある.人間プレイヤ同士が読みの思考に基づいて意思決定を行う場合や,相手が読んでくることを考慮して意思決定を行う「読み合い」は,一部のゲームでは主流な意思決定方法の1つであり,この特有の駆け引きはゲームを楽しむ上で重要な要素の1つといえる.本研究では,ポケモンバトルを簡略化したゲーム上で,人間のような読み合いを演出するAIプレイヤを提案した.読み合い演出の前提として,人間が自然に感じやすい着手戦略である,δ-ナッシュ均衡戦略というノイズを加えた利得行列を用いる手法の有効性を示した.また,δ-ナッシュ均衡戦略に人間プレイヤのような癖や傾向をバイアスとして付与し,多様な着手戦略が得られることを確認した.さらに,人間の読みを模倣した着手として,相手モデリングによって次の行動を予測し,搾取戦略を生成する手法についてアプローチを示した.
著者
土手 貴裕 近堂 徹 前田 香織 高野 知佐
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.650-658, 2023-03-15

ITシステムの新たなアーキテクチャとしてマイクロサービスが注目されている.マイクロサービスではシステムが持つ各機能を独立したコンポーネントとして分割し,それらをAPIで疎結合させることで,機能単位での頻繁な改修が容易となり,顧客の要望への迅速な対応が可能となる.しかし,マイクロサービスの導入によりシステム構成が複雑化し,システム状態を把握するための時系列データであるメトリック数も増大するため,障害原因であるコンポーネント(障害原因箇所)の特定が困難となる.本論文では,マイクロサービスにはコンポーネント間でAPI呼び出しによる依存関係があることに着目し,メトリックの定常時からの変化量にコンポーネント間の依存関係を組み合わせることで障害原因箇所を特定する手法を提案する.また,提案手法による障害原因箇所特定システムを開発し,ECサイトを模したマイクロサービスのベンチマークを用いた実験を行った.特定精度および特定に要する時間について評価を行い,これらの結果から提案手法の有効性を示す.

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出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, 2023-04-15