著者
中島 永晶
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.A12-A12, 2007

本報告は2005年度前期に倉敷市立短期大学専攻科服飾美術専攻で開講した、ブランディングワークに関する授業の概要である。その対象は倉敷市児島を本社とするジーンズアパレルメーカー、株式会社ベティスミスによって商標登録されているブランド、「白壁」である。教育プログラムは、「製品ブランドデザイン企画ステップ」と、「製品プロモーションデザイン企画ステップ」の2つのフェイズに分けて構築し、授業を進捗させた。前者のステップでは関連データの分析結果を背景とし、知的財産権上の制約を踏まえて、ブランドロゴ、マーク、キャラクターなどのデザインを企画し、それらをレザーパッチ、フラッシャー、製品タグ、プライスタグ、バックポケットのステッチワーク、ボタン、リベットなどのメディアへと展開した。後者のステップではプロモーションメディアをリアル、ペーパー、電子の3メディア領域に分け、各メディアを通じてより効果が上がるプロモーション展開の可能性を検討していった。最終的にこの授業は地域産品に関するメディアデザインや、ファッションビジネスにおけるメディアデザインを考察するための教育事例の一つとなった。
著者
山下 晋吾 岡本 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.F03-F03, 2007

近年の情報技術の発達により、ユーザを取り巻くウェブコンテンツは急速に変化してきた。ウェブコンテンツを記録するブックマークは、その多くがディレクトリ構造による整理を行なっている。ディレクトリ構造は、非日常的で、論理的な整理を強いられるため、ひとたび編成されたディレクトリ構造は、再編成に手間がかかり、日々変わりゆくユーザの状況や視点に柔軟に対応できない。新たに登場したソーシャルブックマークは共有目的で、私的なブックマークとのシームレスな連携が必要であると考えた。 この問題を解決するために、本研究では「使用頻度による分類」と「位置による特徴付け」という実世界の整理法を用いたソーシャルブックマーク"Drawers"を提案した。日常的に使うものは机の上に、滅多に使わないものは押し入れの中に入れておくような感覚で操作することができる。また、Drawersはユーザの関心を表したデジタルダイアグラム"BookmarkStatus"を生成する。BookmarkStatusは全てのユーザで共通の関心領域の指標であり、これはユーザのソーシャルブックマークとしての用途をサポートすることができる。 評価実験の結果、個人のブックマークは良い評価を受けることができた。しかしBookmarkStatusが不完全であり、各ユーザの関心領域を示すパラメータの解析等、改良の余地が見られた。
著者
岩藤 百香 松本 正富
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

小児医療においては,子どもに対する分かりやすい説明と自発的な賛意を求めるインフォームド・アセント(Informed assent)が必要とされている.本稿は,サンパウロのカマルゴがんセンターが映画配給会社ワーナー・ブラザースとの協力により行っている,小児がん患者の治療に対するやる気を引き出すプロジェクト『Super Formula Project(スーパーヒーローによる処方)』について取り上げる.現地調査,プロジェクト担当医師へのインタビュー調査に基づいて,インフォームド・アセントにおける視覚的要素の重要性に着目しつつ,プロジェクト導入のプロセスについて報告する.<br>インタビュー調査では,①プロジェクト実現までのプロセス,②プロジェクト運営チームについて,③実施後の効果,④プロジェクトの現状の4カテゴリについて,18項目の質問を行った.その結果,ヒーローキャラクターが子どものやる気を引き出すだけでなく,自らのアイデンティティ理解の向上につながること,医療者および家族といった大人とのコミュニケーション円滑化にも役立つといった意見が得られた.
著者
赤井 愛 上野 志歩 佐野 大貴 白髪 誠一 田上 貴久美
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

盲導犬ユーザーと盲導犬との歩行時には綿密な意思疎通が必要不可欠であり、その際に重要なツールがハーネスである。ユーザーはハーネスから盲導犬の様々な挙動を感じ取り、安全な歩行を実現する事が出来る。しかし現行のハーネスはユーザー、盲導犬双方への身体的負担がかかる形態であることが指摘されている。そこで前稿「楕円型ハーネスの形態最適化-盲導犬とユーザーの快適な歩行の実現に関する研究(その1)」では盲導犬と盲導犬ユーザーがより快適な歩行を実現し得るハーネスプロトタイプ(GH2014-OV)の検討を行った。本稿では特にハーネスのグリップ部分に注目し、歩行実験やヒアリング調査からGTA及びKJ法による分析を行い、快適な歩行を実現する為のグリップの課題①握りやすさ②手からの抜けにくさ ③ポジションチェンジのしやすさ ④持ち直しやすさ、を明らかにした。また、これらの課題を実現するため、スタイロフォームによる簡易モックアップ、3Dプリンタによるモックアップを制作、それぞれ階層分析法(AHP)及びヒアリング調査により形状の検討とブラッシュアップを重ね、GH2014-OVのグリップの形状面での機能向上を図った。
著者
寺澤 勉
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.79-86, 1996-05-31
被引用文献数
3

展示会は,現代のマスメディアにおいて参加型のメディアとして重視されている。とはいえ,これまでの展示会計画は,経験をもとにした手法ですすめられ,展示会を構造的にとらえた本格的な計画方法論は存在していない。本報はこうした現状を打開し,実用的な展示会計画法を追求する第一歩として,展示会の基本的構造の解明を,次のようにすすめた。1)マスメディアとしての展示特性を明らかにして,展示(ディスプレイ)と展示会(エキシビション)を定義づけた。2)ライヴコミュニケーションメディアとも言えるくくりの中でディスプレイ,広義のエキジビション,展示会(狭義のエキジビション)を位置づけ,展示メディアを分類した。3)展示会に関する既往研究を調べ,参加型の双方向情報伝達としての展示計画研究の必要性を明らかにした。4)これらの検討をもとに「展示会の基本構造」を設定し,これからの展示会計画システムの構築のためのガイドラインを明らかにした。
著者
宮内 [サトシ]
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1971, no.13, pp.15-24, 1971

The products that people have manufactured, in their original intention, have two elements, One of them, that is, is the physical use value and the other is the semantic of symbolization. In this study of armour, I searched a series of the semantic of symbolization, the structure and the process In the second place, I have tried out the relativity between the use value and the symbolization. The swords, which have acted a host of life and death, have brought people to the supernatural impression on them. At first, people recognized that swords were symbolic of life. And then they regarded them as the symbolization of God who give life. In the fioal stage, swords were God itself, they concluded. From time immemorial, it is why people have substituted the imitations of the practical swords, In the second place, people took swords into consideration in its actionary elements as weapons fighting against harmfed devils, so them people considered them to be sym- bolic of the courage or righteousness. The possibility and credibility of the swords that people were dependent upon their whole life were put in the same line with their individual lives in value. Under the condition of the swords guaranteing their own creditability, the possibility of educing it were open only to the trainning in its skill of the users. This fact led the users to the spiritual intercourse, extremely close and dense. In consequence, many a well-knewn sword-makers came into existence, while the users used it as their own souls, put a deep meaning onit. The people sculptured in sword the constellation or the cloudings that they believed to keep its owner from devils. Swords were considered to give people the happiness and lonevity, without being confined merely to the original function to be a weapon. Sword, enshrined such meaning, often were dedicated to God. In case of Samurais, warriors in the fuedal periods, aii that they prayed were the luck in the war and the security of the country. The weapons necessities of Samurais dependent upon their lives, were loved to be gorgeous, only because Samurais wanted to be with a victory much more glorified, in the bloody scene. To be gorgeous and to be practical were always incompatible. Toward the end of 16 th century, Hideyoshi banned the farmers' possession of weapons Since them, these tools, whicht distinguished the beened from the permitted, became the status symbol, of cast system of men all ranks and classes. The practibility were all the more esteemed because the military tools were cruel. And at that same time, they had been made use with a deep significance. They give us good examples from the stand-point of our understanding the interrelation between human-beings and tools, and the use value of tools and the symbolization.
著者
赤山 仁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.50-53, 2011

本作品「3D文字クイズ」は、NHK教育テレビ番組「シャキーン!」内のコーナーのひとつである。「シャキーン!」は発想や記憶、思考を促す子供向けの知的エンターテイメント番組である。現在、レギュラー番組として月曜日から金曜日の間毎日放送されている。本作品は独立して鑑賞される映像作品とは異なり、テレビ番組内のコーナーとして前後のコンテンツとの関係性を考慮する必要があった。そのため、番組内での放送順や、他のコーナーの内容を踏まえた表現を考えた。又、作品が定期的に放送されることから、継続した視聴を前提とした、飽きさせない魅力ある演出を求めた。そして、これらの演出を可能にする制作手順の検討を行い、効率的な制作体制を整えた。年間を通して映像のクオリティを維持できるプロセスを構築した。
著者
赤山 仁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.59, 2012

「3D文字クイズ」はEテレ(NHK教育テレビ)の番組「シャキーン!」のコーナーのひとつである。「3D文字クイズ」は画面上に現れる数字、ひらがな、カタカナの文字を用いたクイズ映像である。番組を見る子供は画面内にある文字を探すことで、文字を覚えたり、文字に親しみを感じることができる。「3D文字クイズ」は2007年から2012年現在まで放送されている。本稿は2011年度に制作された「3D文字クイズ」の演出手法について述べる。2011年度版の「3D文字クイズ」は、カメラの視線や背景の選択など従来の演出からいくつかの変更を行った。本稿ではそうした変更点に関して2010年度以前の演出手法と比較を行い、視覚的な表現効果や完成に至る制作プロセスの違いについて考察する。
著者
矢野 悠久子 上田 愼治エジウソン 寺内 文雄 青木 弘行
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.59, 2012

牛乳を原料としたプラスチックを家庭でも楽しめる造形材料として、生成方法と造形表現の可能性を検討した。牛乳に含まれるタンパク質であるカゼインを原料としたカゼイン樹脂は一般家庭でも作ることができる。同じく牛乳に含まれるタンパク質であるホエイプロテインからもプラスチックの生成が可能である。2つのプラスチックは食べられるもののみでできることから子供でも安心して扱える。まずこれらのプラスチックについて文献に基づいた生成実験を行い、さらに材料の混合比や加熱方法、膨張剤・食用色素の添加など条件を変えた実験を行った。カゼイン樹脂は皺ができ凸凹した見ためと感触が、ホエイプロテインを使ったプラスチックはツヤがありなめらかな感触が特徴的なものになった。また小学生に制作を体験してもらい、フィードバックを得た。これを基にそれぞれのプラスチックの特徴を活かした造形作品例を制作した。小学生を対象にしたワークショップや上級生が難しい作業をサポートできる縦割り活動などへの取り入れが期待できる。
著者
星野 浩司 井上 友子 佐藤 佳代 青木 幹太 佐藤 慈 荒巻 大樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

本研究では、本学の美術学科と福岡県八女市が取り組む江戸時代より八女市にて伝統的に継承される「八女福島燈籠人形」舞台背景幕の修復・制作事業を準備段階から取材・撮影し、ドキュメンタリー番組として制作する産学連携型のキャリア教育・専門教育を目的とした人材育成教育プログラムの開発を行った。さらに、470年余の歴史と伝統を持つ、家具生産高日本一を誇る木工の産地である大川の家具制作会社と本学のデザイン学科との産学連携を企画段階から取材し、ドキュメンタリー映像と完成製品のプロモーション映像制作を行った。これらの取組みの中で、学生はドキュメンタリー番組の制作やプロモーション映像制作を通して、地域の人々が古来より守り続ける伝統文化と、永きに渡り引き継がれる職人文化を取材することで、地域の人々が持ち続ける精神性と誇りを深く理解する。また、授業で学んだ知識や技術の応用として学外での映像制作過程の中で、問題の解決や渉外交渉を通し、主体性を持った行動力とコミュニケーション能力の育成を促す。
著者
崔 智英 源田 悦夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.G11, 2009

本研究は、カンボジアの伝統舞踊であるアプサラダンスのデジタル記録を目的とする。そこで、アプサラダンスがもつ独特な身体動作の「わざ」をわかりやすく理解できるようにするために身体動作のメカニズム(身体関節運動範囲や重心移動、床反力の作用点)を分析し、三次元コンピュータグラフィックスによる舞踊動作の視覚化を試みる。
著者
崔 智英 源田 悦夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.56, pp.274-275, 2009-06-20

This research attempts to reproduce the Apsara dance, which is depicted in the beautiful Angkor Wat temple relief engravings, by digitally recording an Apsara dancer. In order to better understand the characteristic body movements of Apsara dance, the mechanisms of the body movements (the range of joint movement, the dancer's center of gravity movement, floor reaction force and point of action) were analyzed. Visualization of the dance was conducted with three-dimensional computer graphics (3DCG).
著者
高橋 純平 閔 庚錫 伊藤 孝紀
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.59, 2012

本研究は、今後の開発が予定される名古屋駅周辺地区南エリアと、前稿において「演出装置」として抽出されたナナちゃん人形を対象とし、異なった属性にグループインタビュー調査を行うことにより、地区と演出装置の現状把握と将来の活用方法の抽出を目的とする。<br>基礎調査において名駅南エリアの施設群、ナナちゃん人形を高く評価していた20代の来街者14名を被験者とし、属性の異なる3グループに分類し、各グループ1時間のインタビュー調査を行った。得られた回答を表1に示す空間資源の分類に基づいて集計することで、地区と演出装置の現状把握と将来の活用方法の抽出を行った。<br>異なった属性に対するグループインタビュー調査から、地区と演出装置の現状把握と将来の活用方法の抽出を行った。今後は、本研究の知見を踏まえた提案に対する評価調査を行うなど、名駅地区におけるプレイス&bull;ブランディングの構築へ向け調査を進めていく。<br>
著者
吉村 典子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.48-49, 1998

Tiles were one of the most signifrcant art forms in the Victorian period for middle-class houses. The contemporary tile-makers can be categorized into 5 types (putting A-E on each production). The tiles produced by large manufacturers (A) or William De Morgan Pottery (C) tend to have ornate patterns, and are mainly used in upper-middle-class houses, particularly those of large employers' and big merchants'. They wanted to create their houses like an aristocrat's. Therefore, these tiles could be adopted to enrich their interior decorations. Meanwhile, Dutch tiles companies (E) or Morris & Co. (D) supplied Dutch or Dutch style tiles. They are mainly used in mid-middle-class houses, particularly those of artists'. The feature of these tiles is simple and delicate decorations. Therefore, these tiles could be adopted to visualize their favorite rustic atmosphere in their houses.
著者
大坪 牧人
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.12, 2003

「身につける」という日本語に象徴されるように、人は知識や道具などの使い方を「身体化」する。「身体化」することのできる道具は、とりあえず「使用可能」な道具だといえるだろう。これまでユーザーインターフェイス、ユーザビリティーといったデザインの課題領域において、「わかりやすさ」という基準は盛んに語られてきたが、「身につきやすさ」という基準については明示的に語られることがなかった。この指摘の背景には、「使いやすさ」「わかりやすさ」という基準だけでは「身につきやすさ」という条件を、必ずしもカバーしきれないという前提がある。たとえば、自転車のような道具を取り上げてみるだけでも「わかりやすさ」という基準を適用しにくいことがわかる。しかし、われわれは自転車の乗り方を「身につける」ことができるのだ。本研究では、認知科学の動向が、生命理論と交差するような領域-暗黙知理論、オートポイエーシス論、エナクティビズムなど-の知見を探索しながら「道具身体化現象」の解釈を試み、道具デザイン、ユーザーインターフェイス研究の基礎的研究領域構築を目指す 。
著者
原田 泰 岡崎 章 服部 淳子 森 園子 西原 みゆき 山口 桂子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.17, no.17, pp.76-79, 2012-03-30

本作品は、「しかけ絵本」と名付けた、A6サイズのミニ絵本のシリーズである。「転落」「転倒」「点滴抜去」をテーマに、病院内で起りやすい事故の例示とその予防、対処について、4コマ漫画とインフォグラフィックスを用いて解説している。表現コンセプトとしては、色鉛筆による手描きのイラストを用いることで未完成感を持たせ、描き足しや着彩など、利用者の表現への参加を促すとともに、自分の表現物として繰り返し眺めることによって内容の理解を深めることを狙いとした。親子で制作可能な簡単な構造を模索した結果、シート状態で配布され、利用者が切り込みを入れて折り畳むことでA6サイズの絵本として完成する。塗り絵バージョンと、フルカラーバージョンを用意し、病院ごとのカスタマイズや利用方法の多様化に対応した。デジタルデータとしてダウンロード版も用意しているので、手元のパソコンを使っての加工も可能となっている。
著者
高橋 靖 長谷川 桂介 杉山 和雄 渡辺 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.15-24, 2000
参考文献数
14
被引用文献数
1

本研究は映画における物語の構造を簡潔に表現し, タイトルや内容の検索, ブラウジング, 編集, 要約等に活用するために, 映画における物語の意味的単位であるシーンを複雑化・解決化の尺度で評価するセマンティックスコア法を提案した。5ジャンル15タイトルのセマンティックグラフの解析から重要シーン抽出の手がかりが得られ, またジャンル別にグラフを特徴づける4つの特徴関数, すなわち最高シーン率, 最終複雑度率, 平均シーン秒数, フラクタル次元が導かれた。これよりジャンルのグラフの型が次のように定められた。アクションタイプ「右上がり型」ドラマタイプ「山型」コメディタイプ「台地型」ラブストーリータイプ「右寄り山型」ファンタジータイプ「連峰型」さらに, 4つの特徴関数を用いたジャンルの判別分析によって15タイトルの映画が効果的に判別され, 映画の構造記述におけるセマンティックスコア法の有効性が示された。
著者
高橋 靖 長谷川 桂介 杉山 和雄 渡辺 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.57-66, 2000-03-31
被引用文献数
9

本研究は映画における物語の構造を簡潔に表現し, タイトルや内容の検索, ブラウジング, 編集, 要約等に活用するために, 映画における物語の意味的単位であるシーンを複雑化・解決化の尺度で評価するセマンティックスコア法を提案した。5ジャンル15タイトルのセマンティックグラフの解析から重要シーン抽出の手がかりが得られ, またジャンル別にグラフを特徴づける4つの特徴関数, すなわち最高シーン率, 最終複雑度率, 平均シーン秒数, フラクタル次元が導かれた。これよりジャンルのグラフの型が次のように定められた。アクションタイプ「右上がり型」ドラマタイプ「山型」コメディタイプ「台地型」ラブストーリータイプ「右寄り山型」ファンタジータイプ「連峰型」さらに, 4つの特徴関数を用いたジャンルの判別分析によって15タイトルの映画が効果的に判別され, 映画の構造記述におけるセマンティックスコア法の有効性が示された。
著者
宮島 佐輔 佐藤 弘喜
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

現在「かわいい」という言葉は日本のみならず、世界各国で「kawaii」として使われている。しかし、「kawaii」とは英語で言う「cute」、「beautiful」、あるいは「pritty」とはまた違った意味で使われている。さらに日本での「かわいい」という言葉は元々容姿などに用いられていたのだが、外見だけでなく、行動や雰囲気、物に対して以外にも使われるようになってきている。現代の女子高生やOLが普段使っている「かわいい」というのはどのような感覚なのか、概念なのか、明確な記述もなければ詳細な定義も存在しない。<br> 本研究では、現在日本で使われている「かわいい」とは何なのかをを明らかにすることが目的である。製品やファッション、いろいろなものを「かわいい」という女子高生や、クールジャパンとして、海外に「かわいい」を輸出している現代で、何がかわいいか明らかにすることができれば、プロダクトデザインの分野でかわいいものを作為的に作れるのではないかと考える。また、「かわいい」の中心である原宿、渋谷などがある日本発という「made in japan」ブランドの確立にも役立つのではないかと考えた。<br>