著者
蓮見 孝 榊原 瑞穂
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.72-73, 1999-10-15

This study is for introducing a town-mobility system to put a strong personality to down town in Mito Shimoichi in Ibaraki prefecture. Town-mobility system was originally introduced in England and now has been spread all over the country. This study project is not only for seeking the way of introducing a system, but also for trying to develop a methodology of collaborating for town planning. This paper is for reporting contents and process of studies that have been done by the University of Tsukuba in 1998〜1999.
著者
都甲 康至 栗原 隆
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

日本食の世界的なブームに伴い日本の安全・安心な生鮮食品の海外への需要が急速に高まってる。政府もTPP対策や農林水産業の活性化を図るために生鮮食品の輸出に関する公的支援が活発化しているが、地方都市に目を向けるとそこには様々な問題がある。そこで農林水産物等の国内生産から輸出相手国の消費に至るまでの一連のプロセスを社会システムととらえ、地方都市における既存の地域産品の輸出に係る諸問題を解決し、新たな社会システムを構築するために必要なデザイン要件と方法論の研究が必要と考えた。本論文はその基礎研究として、まず既往研究から現在の社会システムに係るステークホルダーとその役割を導出し、次に彼らが抱える諸問題を明らかにするために、北部九州で現在、農林水産物等の輸出に取り組んでいる関係機関に対して聞き取り調査を行い、その調査結果から得られた関係機関が抱えている諸問題を明らかにした。そして「地域産品グローカル・バリューチェーン構想」の概念図を仮説として提示し、最後に結論として地方都市において地域産品輸出促進プラットホームのような社会システムをデザインするにあたって参考となるような基本的考え方について述べた。
著者
樋口 孝之 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.35-44, 2008-01-31
被引用文献数
1

本稿では,明治中期において,「意匠」が重要な概念として用いられた各種の文化に関わる言説の語用を確認し,当時に「意匠」が示した意味内容について考察を行った。明治思想において重要な言説でありその影響が極めて大きかった『美術真説』のなかで,フェノロサが説く'power of subject'が大森惟中によって「意匠ノカ」と訳出された。『美術真説』に啓発された近代文学論において,西洋概念アイデア(idea)に対置される日本語として「意」あるいは「意匠」が用いられた。また,修辞学におけるinventionに「意匠」の語を用いて説明した例がみられる。さらに,目的論の論旨におけるdesign(adaptation of means to ends)を説くために「意匠」が用いられた。「意匠」は,各種の制作活動等において主体が客体をどのようなものとするか案出する思考行為を示しており,また,主体が案出した意図として客体に内在し他者が感受する概念として認知されるものを示すこともあることが確認された。「意匠」は、制作した主体の存在をよく認識させることばとして選択され使用されていたと推測される。
著者
関場 亜利果
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.141-141, 2005

本研究はキネティック・アートの芸術家グループとして知られているグルッポT(グループT)の活動に関する研究の一部である。本稿は最初の展覧会「ミリオラマ1」で提示された,グルッポTおよび彼らの先駆者による宣言・作品について考察し,1960年代イタリアにおけるキネティック・アートの一面を明らかにすることを目的としている。本研究では先行研究・および現存する史資料のみからでは分からない点を,グルッポTメンバーへのインタビューなどから明らかにした。グルッポTの公式グループ展は14回開催されたが,本稿でとりあげた初回展覧会「ミリオラマ1」は,歴史的前衛美術との関わりが最も具体的に示され,彼らの活動の根底にある造形思想が表されている。この展覧会で展示されたグルッポTの作品をみると,動きということが,視覚的にではなくさらに広い身体表現を伴った知覚に関わるものだと最初から理解されていたことが分かる。
著者
松田 龍人 青山 英樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.43-48, 2003-05-31
被引用文献数
5

本研究は,消費者の形状に対する嗜好を予測し,消費者が求める形状を提示するシステムを開発することを目的としている.本報は,その基礎研究と位置づけられ,対象を自動車とした場合の形状の嗜好を予測する方法について提案している.アンケートより,自動車形状に対する感性を表現する8つの形状イメージ用語として,"かわいらしさ","あきのこない","カジュアル性","フオーマル性","安定感","シャープさ","スポーティさ","空間性"を抽出している.15年間の販売台数と自動車形状に対する形状イメージ用語の5段階評点データから重回帰分析を行い,各年の形状イメージ用語に対する標準偏回帰係数の近似式を導出している.この標準偏回帰係数を各年の形状嗜好を表す重みと仮定し,近似式から標準偏回帰係数を導出することにより,形状嗜好を予測している.車種別販売台数予測と実販売数の比較,および形状イメージ用語の標準値回帰係数の予測とアンケート結果との比較を行い,提案した形状嗜好の予測方法について評価している.
著者
佐々布 裕季 工藤 芳彰 古屋 繁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.P03-P03, 2007

本研究は、理系を指向する女子の人数を増加させることを目的に、「理系女子」のイメージの向上に寄与する製品をデザインした。その手順は次のとおりである。まず、文献調査をもとに、憧れの対象としての「理系女子」キャラクタに必要な構成要素とその属性を設定した。次に、フィールドサーベイをおこない、現在の「理系女子」のファッションを分析した。以上の結果をもとに、3人の「理系女子」キャラクタを決定した。そして、それぞれが使用する携帯電話、携帯オーディオ機器、鞄をデザインした。
著者
李 艶 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.37-46, 2010-01-31
被引用文献数
1

本稿は、約千年の歴史を有する景徳鎮磁器産業を支えてきた磁器手づくり工房の様態を、文献ならびに現地調査採集資料に基づいて明らかにしたものである。その結果、次のことを明らかにした。(1)景徳鎮では、工房ごとに定められ制作工程を担う精緻な分業体制が布かれながらも、それらの工房が相互的・全体的に結びつき、巨大な磁器生産組織が構築されていた。(2)細分化された分業に基づく工房における磁器づくりのなかで個々の制作工程にかかわる技術・技法の構築、合理的施設の創出が促進された。(3)職人たち自らによる同業者組合が組織され、景徳鎮に居住するおよそすべての人びとが伝統的磁器生産にかかわる都市が構築された。(4)磁器生産を介しての世界との交流・交易を通して500〜600年間ほど世界の磁器市場を独占した景徳鎮の核をなしていたのが伝統的磁器手づくり工房であった。
著者
井上 正太 若林 尚樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.116-116, 2005

本研究では、mp3プレイヤーの曲の検索という操作に着目し、この操作を短期間で習熟することが可能なデザインの提案を目的としている。その手法として、経験・体験で既に行ったことのあるふるまいを利用し操作することのできるユーザーインターフェースを用意し、そこからユーザーが操作方法を推測することにより、新たに操作を覚える必要のない道具を提供する。ここで曲の検索ということから、音に関わるものを探す場面を5つ想定した。CD屋でCDを探す場面/レコード屋でレコードを探す場面/レコード内のひとつの音を探す場面/ギターのチューニングで調律のあった音を探す場面/聴診器で体の中の音を探す場面といったものである。この場面において、音を探している最中に行うナゾル・ズラス・マワスといったふるまいに着目した。それらのふるまいにより実際に操作できるように、タッチパネルなどユーザーの動きに依存した操作を取り入れたモデルを構想し、研究の効果を期待する。モデル実験の結果、本研究の手法は、ユーザーの経験・体験によって斑が生じてしまうため、より多くのユーザーへの対応を考えるためには、新たな工夫が必要だと考えられた。
著者
永見 豊 本橋 直也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.108-108, 2008

道路を走行する運転手にとって目前に広がる景色の変化を眺めることは、ドライブの楽しみの一つである。しかし、単調な景色が続いたり、道路脇に遮音壁や目隠し板などで景色が遮られている空間(図1)では、集中力の低下や眠気の発生により、事故へとつながる可能性がある。道路は延長の長い構造物であるため、部材要素の繰り返しが多くなるのが特徴である。一般的にある要素が同一の調子でくり返されるとリズムが感じられ、逆に変化が小さくわずかに感じる程度であれば単調になる1)。道路の内部景観では、道路要素が視覚的に流れていくため、運転手はこのリズムをより強く感じることになる。そこで、本研究では「動的視点で見た場合のパターンと印象の関係」の傾向を探り、その応用として、「単調さを改善する遮音壁のデザイン提案」を行った。
著者
横溝 賢 赤澤 智津子 澤 孝治 吉田 和裕
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.18, no.18, pp.44-49, 2013-03-30

千葉市のバス事業会社・ビィー・トランセホールディングス株式会社の依頼で千葉工業大学のデザイン専攻の学生と、神田外語大学の語学専攻の学生らが共同してバスのラッピングデザインをするワークショップ(以下、WS) が実施された。WSはデザインの非専門家を含むチームでデザインを進めることから、専門知識を必要とせず、参加者全員が同じ立場でデザインを思考するためのフレームワークが必要であると考え、「円集知マップ」を考案し、本WSで実践的活用を試みた。円集知とは「円環に集約された個々人の知識」を意味する造語である。この円集知マップを活用した結果、各チームは個々人のバスの経験と知識(以下、経験知)を統合したマップをチームのビジョンとして共有し、独自のデザイン解を導き出すことができた。本稿では、円集知マップ考案の経緯を呈示し、実践的活用を通してその有効性について考察する。
著者
水本 徹 山岡 俊樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.6_103-6_108, 2014-03-31 (Released:2014-06-10)
参考文献数
13

BtoB (Business to Business)製品とBtoC(Business to Consumer)製品の間には多くの相違点が存在する.例えば,BtoC 製品は,操作者と購入決定者が同じ人物である,初心者を含めた幅が広いユーザーが使用する,様々な場所や時間に利用されるといったケースが多い.一方,BtoB 製品は,操作者と購入決定者が異なる,専門的な知識を持ったユーザーが使用する,業務で使用されるため利用状況が限定的であるといったケースが多い.このような違いがあるBtoB 製品に対して,BtoC 製品のユーザビリティ評価で用いられる「見やすさ・判断しやすさ・操作しやすさ」などといった一般的なチェックリストによる評価を実施しても,ユーザビリティ上の問題点をうまく抽出することができるかは疑問である.そこで,BtoB 製品である医療機器のユーザビリティ評価を通じて,BtoB 製品に適したユーザビリティ評価手法を考察した.
著者
坂本 久子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.5-5, 2005

フィラデルフィア万国博覧会(1876年)の会場には二棟の日本の建物が建てられた。これらは日本から建築資材を運び、日本の職人が現地に赴き建てたものであり、アメリカで多くの人々が見た本格的な日本建築であった。一棟は「日本家屋」で、もう一棟は「日本賣物店ノ建築」である。そしてこれらは万国博覧会の日本の出品物であった。これらの建物については、「日本的なもの」や「日本」の演出について考察した研究は見られるが、アメリカの人々がどのような目を向けつつこれらの建物を受留めたかの論考はなされていない。 本報告は、当時の絵入新聞三誌の記事と挿絵を中心にして、この建物を扱ったアメリカの著書と写真を参照しながら、報道を通して日本の建築に対するアメリカ人の受留め方と共にその建設過程についても考察するものである。
著者
水田 圭 高瀬 竜一郎 木村 健太郎
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.16, no.16, pp.104-109, 2011-03-30

企業による環境活動や広報活動に対してグリーンウォッシングと呼ぶことがあるように、経済活動と環境問題の間には相反関係がある。また、環境的視点の重要性が社会で広く認識される一方で「エコ疲れ」という言葉があるように、人々の生活に於いてもエコロジー活動をストレス無く、楽しみながら続けるための仕組みや魅力が必要とされている。本作品では、このような条件の中で企業広報におけるエコロジー活動がどのようにデザインされるべきか考察し、様々な面からデザインを検討した。銀座ソニービルディングに懸架されている最大18m×10mの広告幕をジーンズとして生まれ変わらせた。このジーンズを履く行為が、企業イメージを発信する新たなメディアとなることを期待したものである。
著者
平松 早苗 山田 弘和 上綱 久美子 長谷 高史 加藤 三喜
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.6-9, 2003-03-30

国営ひたち海浜公園「砂丘ガーデン」のサイン整備は、サイン単体のデザインだけでなく、多様な情報を適切に伝達するための総合的な視点を持ったインフォメーションデザインの観点から、計画・設計を行ったものである。計画当初から、学識者や地元研究者の協力のもと、グラフィックやイラストレーターを交えた各専門デザイナーの共同作業としてデザイン検討を行った。また、運営側の協調を得ることで、パンフレット等の運営ツールまで反映するデザインとした。
著者
市原 増夫 久保 雅義
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.H12-H12, 2010

近年、地方鉄道は経営環境の悪化から存続・廃線の危機に瀕しており、各社とも生き残りを賭けて様々な取組みを行っている。特に観光面では独自性のある一芸を打ち出し、集客を図ろうとしている。その中でもネコの駅長というキャラクターや特徴的な車両デザインによるユニークな取組みと、官民一体の積極的な活動で地方鉄道活性化の成功例とされているのが、和歌山電鐵貴志川線である。本研究では、同線の観光目的の利用者の増加の要因を探ることを目的とした。
著者
田村 直樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.52, pp.248-249, 2005-05-30

Design is one of the most important issue in a marketing practice these days. We can find a lot of designed products in our market. To understand such marketing environment we need a new approach to the field. Now we make a discussion about "Design Sociology" that connects Marketing and Design fields. In this approach, we use Affordance concept and Ethnomethodology. These concept and methodology are new scientific approach against a traditional scientific thought. In our discussion, we are focusing on Product Design, and we are trying to see a Social Code and Object. These code and object make interaction each other, then, an information is afford to people's action. In this mechanism, the social code becomes an interface to sec the object. On the other hand, the object becomes a media to transfer the social code. This concept we call "reflexivity" is the most important issue in our discussion.
著者
金箱 淳一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.19, no.19, pp.10-15, 2014-03-31

本作品は、楽器を叩いた時の振動をお互いに伝え合う打楽器「Vibracion Cajon」に、LEDによる視覚表現のシステムを付加することにより、音楽を耳以外の感覚器(視覚・触覚)で楽しむものである。本研究は「共用品」の概念を楽器にも応用すべく、ユニバーサルデザインの視点で聴覚障害者にも配慮し、ハンディを持った人も含めてできるだけ多くの人々が音楽への参加を可能にする楽器の開発を目標としている。音楽の楽しみ方の一つとして、他人と一緒に演奏行為に参加している感覚「一体感」が挙げられるが、この一体感を向上させるためのアプローチとして(1)互いの発した音を直接振動として伝え合う「Vibracion Cajon」(2)音を視覚情報(光)に変換して伝え合う機能を持つ打楽器「Vibracion Cajon2.5」のデザイン、開発を行った。
著者
濱崎 雅弘
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.14-21, 2011-03-01

本稿では集合知を創発する場、特にウェブ上における場のデザインに関して議論する。ウェブ上に生まれた創造活動の場は、膨大な参加者と、デジタル空間であるため場(プラットフォーム)を自由にデザインできるという特徴を持つ。これは大きな可能性を秘めている一方、そのデザインには多くの知見が新たに必要となると考えられる。本稿ではウェブ上に生まれた創造活動の中でも多数の人々の参加による創造活動、つまりは集合知に着目する。本稿ではまずウェブに限定しない、集合知一般に関するこれまでの議論を振り返り、集合知が創発されるための要件と、そのための場のデザインはどうあるべきかについて述べる。次にウェブ上で展開される様々な試みをもとに、ウェブ上での場のデザインの可能性について述べる。最後に知識や道具などとは異なる個人的主観性の高いコンテンツを生み出す集合知の場のデザインについて実データの分析を交えながらその可能性を議論する。