著者
水野 沙奈 原田 泰
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.136-136, 2011

本研究の目的は動物の動きの視覚化です。動きの図鑑(カタログ)をゴールとし、その為の試作を行った。まず動きをアニメーションで表現するための方法を検討し4つの手法を試した。そのうち複数のドットの位置の変化で動物の動きを表現する方法を摘要した。動物の動きは上野動物園で行った。それによって制作したコンテンツでは、ひとつの動物の動きを見るモードと複数の動物の動きを重ねて表示するモードが用意されている。インタフェースデザインが今後の課題である。
著者
木本 圭子 宮崎 亮一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.P35-P35, 2009

ニュートンの運動方程式によると質点に働く力が決まると質点の運動が決まるが、「変化」とは化学反応なども含めた、より広い概念である。これを記述するのが状態空間という概念であり、より一般の「変化」を考えることができる。本報ではシステムの変動とそれを幾何学的に捉える状態空間を用いて、リズムの生成を考える。<BR> 状態空間は微分方程式または写像により定義される。状態空間と変動する仕組みを表す方程式をあわせて力学系という。<BR>我々はこの変動の仕組みの内包された状態空間を表現のメディア(キャンバス)と見なしていく。このキャンバスは質的に異なる複数の状態を内包しており、システムのパラメータを動かすことで流れを制御できる。透視図法という数理が遠近法という絵画構成の手法となり、双曲幾何が平面充填パターンへと応用されたように、動的表現においては状態空間が動きとリズムの表現手法となると考える。<BR> また、状態空間の座標に変換を施すことで、リズム生成のメディア自体も変換の対象とし、動的表現の可能性を探っていく。<BR>
著者
藤原 惠洋
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.91, pp.61-68, 1992-05-01 (Released:2017-07-25)

創建神社は明治以降の創設になり国家神道思想より祭祀と由緒を創造した神社であったが,基本的な性格は,国家神道体制の教化拠点としての役割,国庫支出による国家的事業としての創建,古式遵奉に則り祭祀に応じた社殿意匠の設定,近世期神仏習合を排除し簡素な神社施設の再構成といった点を共通項として見せた。具体的例として,創建神社の嗜矢である明治5年竣工の別格官幣社湊川神社に見られた本殿の春日造は地域的様式を反映させたものと言え,制限図に則った吉野神宮,独創的な神明造を見せた宮崎神宮,御所施設を移築した橿原神宮の初期創建神社4例を通し,建武中興の時代から神武天皇の再評価へ復古目標を遡行させながら見られた意匠的混乱が,明治中期に効力を発揮した制限図によりいったん回収され本殿流造に統一,明治後半期になると復古主義的発想と創造的発想との対立を生み出したことを究明した。
著者
三谷 悠 渡邉 慎二
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

近年情報技術の発展に伴いオフィスでの働き方が時間や場所に制約されなくなってきている。そのような中、自由席での業務スタイルが生まれ、コストダウンのみならずコミュニケーション活性化が注目されたフリーアドレスオフィスは増加傾向にある。一方こうしたオフィス形態の変化は、個人が対応すべき環境の制約もあり全体的な仕事満足度への影響も報告されている。本研究ではフリーアドレスオフィスという環境のなかで、個人の仕事環境を向上させることを目的とした。調査を踏まえ、「交流」の場で「集中」の場を確保することと、公共空間をパーソナライズすることの2点に着目した。個人所有の机上用品にパーテーションの効果を持たせることを提案の方向性とし、デザイン要件を、①周囲は普段通り話しかけられること(交流の確保)②作業中はパーティションとして機能すること(集中の確保)③自分のものでデスク環境を構築できること(公共空間のパーソナライズ)の3つを抽出した。「交流」の場でのパーテーションのあり方という観点で試作を繰り返し、最終的にはユーザーの所作に合わせて形状が変化し、パーテーションを作るという製品を提案した。
著者
吉田 美穗子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.49-54, 2008-03-31 (Released:2017-07-11)
参考文献数
32

人が美しいと感じる図形にはある一定の法則があるとの確信から、幾何学図形を数式に基づいてコンピュータを用いて描画し、「美」の要素を分析・検討した。従来、手描きでは数学的な幾何学図形の均整美を充分に表現することはできなかった。三角関数のグラフがそうで、それが不等式となると、どのようなグラフになるのか見当もつかない。しかし、コンピュータは幾何学図形を正確に描写できるばかりではなく、思いつくままに書いた複雑な数式のグラフですら、即座に視覚化して美しい形態を提示する。グラフを回転させたり、途中まで計算させて、計算過程を残像で残してみるとまた、違った趣の形となる。2次元グラフを3次元に応用すれば、それは幾何学図形の織り成す空間となる。特に、自然の形態に見る対数螺旋に注目し、美を司るデザインの要素の考察を行った。
著者
Cheng CHUKO Li-Fang CHEN
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.1_57-1_66, 2016-05-31 (Released:2016-08-05)
参考文献数
31

After the society experiences the western feminist movement, its pursuit of gender equality occurs subsequently. This pursuit is also commonly seen in the promotion of gender equality. However, a gender stereotype seems to exist in various types of design thinking, amounting to showing designers' fixed gender values and the influence of the values. This study investigate differences in gender perception of product design, including the analysis of differences in gender consciousness in versatile product designs, the design of binding women's freedom, the design of installing and reduplicating a concept that women should help the husband and teach the children at home, and the design of consolidating the social status of men, shaping male images or professional images. Along the line, this study provides a careful examination of these designs, and considers possible changes in the future of design thinking.
著者
蓮見 孝 松井 彩乃
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.33-33, 2005

QOLを計る新たな尺度を開発するための基礎調査として、人が潜在的に持つと思われる「かくあるべきとする生活の質」が、どのようなイメージによって形成されているのかについて調査を行った。幸福感に満たされている状況にある人を対象に、「こうありたい」というような夢(あるべき生活の質)を表現するフリーコメントを収拾し、分析した。具体的には、2005年3月25日に行われた筑波大学卒業式において、卒業学生を対象に、「願い事プロジェクト」と称する感性的調査を企画・実施した。卒業式を終えた学生200人(男性100、女性100人)を対象に、卒業の時点で思い浮かぶ「願い事」をカードに記入させた(一人一件)。お祭り気分を阻害せず、被験者がリラックスして記入できるようにするために、学生調査員3名には、「縁屋さん」と呼ばれる仮装を施した。分析1:被験者によって記入されたカードを、KJ法的に、内容が似ていると思われるもの同士のグループに分類し「願い事マップ」を作成した。コメントの偏りを是正するため、「願い事マップ」を新入生に閲覧させ、「同感」と思われるグループにマークを付けさせるとともに、「自分の願い事」を落書き的に自由に追記させた。その結果、共感が全く得られないコメントは除外し、追記されたコメントで共感が得られたものについては、新たに「願い事マップ」に追記した。このようにして「願い事マップ」に掲載されたフリーコメントを全数点検し、そこからキーワードと思われるワードを抽出して、「キーワードリスト」を作成した。キーワードリストに掲載された全てのキーワードの相関関係を得るために、クラスター分析を行った。以上の調査研究から、「生活の質」は、「Physical activity(心身の健康度合い)」「Social communication(社会とのつながり度合い)」「Lifespan-management(人生設計における欲求の度合い)の3軸によって計れるものと判断された。
著者
戸崎 幹夫 寺沢 秀雄 水谷 元
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.258-259, 2001

The capability trained by studying information design is considered as follows. A) Evaluating the relation between object and man, B) Arranging and analyzing information, C) Constructing the process, D) Cooperate in a group, appealing to society, E) Representing by applying technology. In order to enhance the above mentioned A) and B), we have conducted a message transmission game in the information design class. In this game, students were experienced the unusual method of communication, thus they could learn how to analyze the game results from various points of cognitive science view. As a result, we have concluded that the message transmission game was an effective method in the information design education.
著者
立部 紀夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.260-261, 1998-10-30

It was during the late Muromachi Era (1392-1573) that hairdresser's saloons first made their appearance on the streets of Kyoto. In the early hairdresser's saloons, hair on the upper front part of men's scalps (the area known as the "sakayaki") was plucked out with tweezers. Later during the Tensho eriod (1573-92), however, the new method of shaving the sakayaki with a razor was adopted. The tool that was used in hairdressing was shown on the signboard of hairdresser's saloons. Above change is remarkable with the fact that general objects illustrated on the signboards-tweezers in early times; replaced with razors at the next stage.
著者
李 健杓
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.95, pp.17-24, 1993-01-10

多様な消費者の欲求充足の重要性は,デザイン分野では,長い間論議されてきた。しかしながら,消費者に対する情報は主としてマーケット専門家によって分析され,提供されてきたので,かならずしもデザイン展開作業に活きるものとはいえない。デザイナーが製品デザインプロセスに直接活用できるより具体的な情報が必要とされる。本研究においては,各消費者が多くのデザイン要素に対して寄せる価値判断,すなわち"デザインスタイル″を測定する方法を研究している。とりわけ,韓国の若者達が腕時計に対してもつデザインスタイルが測定された。
著者
関場 亜利果
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1-10, 2009-09-30
参考文献数
14

本稿の目的は現代キネティック・アートの動向を探る一環として,グルッポTの「ミリオラマ15」を報告する事である。グルッポTはイタリアのキネティック・アートを代表する作家で,彼らの活動「ミリオラマ」は開催順に番号が付けられている。第9回ミリオラマは東京で行われ,我が国に最も早く紹介されたイタリア戦後美術の一つである。今日までグループは正式に解散していないが,事実上1964年の第14回ミリオラマ以降は各メンバー個人の活動が中心となっていた。2008年,グループは長い休止期間を経て通算第15回目のミリオラマを開催した。これは近年の再評価の動向を受け,ヴァルモール美術スタジオが企画・開催したものである。本稿は「ミリオラマ15」について現地調査を行い,作品の特徴や現代におけるキネティック・アートの意義を考察した。その結果,グルッポTの作品と現代美術との共通点を明らかにした。また近年みられる再評価の背景として,インタラクティブ・アートなどのメディア・アートの先駆として注目されている事を確認した。
著者
周 臻 木本 晴夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.89-89, 2008

概要: 本研究は、トンパ文字の象形性、絵画性と西夏文字の論理性、システム性を利用し、新しいピクトグラムデザイン方法を探求することを目的とする。トンパ文字、西夏文字を研究対象として、おのおの造字構成法の特徴を分析した。それらの造字構成法から下記のピクトグラムデザイン手法に転化した:象形的な表現法、抽象的な表現法、組み合わせ表現法。提案したデザイン方法の特徴について述べる。また、この方法よって、漢方薬に関するピクトグラムデザインを作成した。作成したピクトグラムの解読性についてアンケート調査を行った。その結果、トンパ文字、西夏文字に基づくピクトグラムデザイン方法の有効性が明らかになった。
著者
土屋 伸夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.53, pp.338-339, 2006-06-20

In this study I focus on the six hundred temporary exhibitions held for forty years by the Design Gallery 1953 on the 7^<th> floor of Matsuya Department Store in Ginza, Tokyo. In 1964 the Design Gallery was established by Matsuya Department Store and the Japan Design Committee organized in 1953. The aim of this paper is to examine the importance of the exhibition data which is composed of the image of the invitation postcard of each exhibition in order to study the history of modern design in Japan.
著者
Giovanni INNELLA Paul A. RODGERS Takayuki HIGUCHI Andreas Muxel Algirdas PASKEVICIUS
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.4_21-4_28, 2016-11-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
13

This paper chronicles and reflects upon the experiences gathered from a design workshop conducted at Chiba University, with students from Chiba University, Köln International School of Design and with the support of Fujitsu. During the workshop, participants were invited to continuously build and prototype their ideas, rather than following the conventional design process of idea generation, visualization and, only at a later stage, prototyping. Such a hands-on approach proved beneficial in the communication among participants as well as in simplifying the design process. In fact, by working on quick and approximate prototypes, participants could more easily express their ideas overcoming language barriers and visual representation skills. Furthermore, physical prototypes helped participants to identify the key aspects of their proposals and focus on those. Finally, those prototypes also served as useful props to enact the experience of using the proposed artefacts and services.
著者
馬場 泰久 伊原 久裕
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.50, pp.200-201, 2003-05-01

To visualize information is growing important in order to humanize our experience on the internet. For this purpose this study addressed so-called "bookmark" information and tried to design the GUI of it. This GUI "Web Earth" which we named has appearance like sea map image. For visualizing the "Bookmark" information this study used the following three data : 1) category of sites where user accessed; 2) frequency of access per immediate a week; 3) amount of access count. Each sites are represented as points and arranged on polar coordinates according to three data. The center point of this coordinate means user's home page. By using "Web Earth" user can go through internet as if making sea map by themselves.
著者
山田 香織 工口 陽平 田浦 俊春
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.2_49-2_54, 2016-07-31 (Released:2016-11-15)
参考文献数
21

動くロゴマークなどに見られるように,身の回りの様々な場面で動きを伴ったデザインがなされるようになってきている.本研究では,作りたい動きのイメージが曖昧である際に,計算機と対話しながら動きをデザインする方法を提案することを目的としている.これまでに,自然物の動きを誇張しそれを合成することで新しい動きを生成する方法を提案し,システムを構築した.本論文では,曖昧で漠然としている動きのイメージを表現するための方法として擬態語に注目する.また,これまでに存在していない新しいイメージを表現するために,既存の擬態語を超えて,全く新しい擬態語が造られることもある.本論文では,動きのアイデアを表現するために新しく造られた擬態語を創作擬態語と呼び,これに基づいて創造的な動きを生成する方法を提案する.そのために,まず,創作擬態語を計算機が理解する(処理する)手法を構築した.そして,これまでに構築した動作生成システムおよび動きのデータベースに,本論文で構築した手法を組み込み,本方法の有効性を検証した.
著者
李 菁菁 石村 眞一 近藤 加代子 菊澤 育代
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.3_47-3_54, 2016-09-30 (Released:2016-12-21)
参考文献数
24

本論文は、映画シーンにおける電気炊飯器に関する使用実態の分析を通して、製品の機能進化、使用方法、生活との関連性を明らかにすることを目的とする。1945 年から2009 年までに制作された映画で映し出される家庭生活場面の調査より、以下の内容を明らかにした。1)ダイニングキッチン1室に台所・食堂の機能が統合され、またジャー機能付き電気炊飯器が使用されるに従って、炊飯の後に、運んだり保存したりする作業の必要がなくなった。2)電気炊飯器および保存器具の使用方法には、住宅空間、経済状況、家族構成の他、便利さを求めるか、食文化の作法を守るかという文化的な志向性も影響する。3)電気炊飯器およびジャー炊飯器などは、上流階級というよりも、LDK 型の住宅にすむサラリーマンの家庭生活から普及する傾向が見られ、他の電気製品とは違う傾向があった。
著者
頼 瓊〓 趙 英玉 田中 みなみ 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.47, pp.148-149, 2000-10-16

This is one of the results of a series study, color image survey in Asian countries. This paper reports study result of vivid, pale and dark tone color image perceived by Asian country students, including Taiwan, Japan, Korea and five cities in china. Results show that there are basic similar feelings toward different tone colors among subjects, nevertheless the Country, such as vivid color is active, pale color is passive and soft yet subtle differences exist too. The researchers assumes the former is the basic mutual color feeling and the later is the cultural influence imposed on subjects.