著者
志々田 文明
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.129-141, 1994-03-25

Seizaburo Fukushima (1890-1950), a famous judo instructor, became involved in political activity after he met Kanji Ishihara, who was said to be the best strategist in the Japanese army. The author devised five questions to investigate why he changed and researched them using documents and firsthand accounts. Briefly, the results were as follows: 1. Fukushima was born in Kumamoto Prefecture. In 1920, after graduating from the bujutsu instructors' school he became a professor of the college of budo managed by the Dainihon Butokukai. He then became an influential budo instructor in the Kansai area and also a budo adviser at Kenkoku University in Manchukuo. 2. He was a man who practiced judo actively since his youth and was devoted to helping young people. He was impartial with his students, even with a Korean student who practiced karate, despite the racial discrimination of that era. 3. In 1936, Fukushima built a 80-mat judo training hall, the Giho-kai, where he taught students. At that time, he was an active supporter of a political movement known as the East Asia Union, under the guidance of Ishihara, despite the military police and ultra-rightists trying to suppress it. 4. He recommended his student Suguru Manda for the position of chief judo instructor at Kenkoku University and as a result had an indirect influence on the students of the judo club through Manda, because Manda sometimes invited them to his home to give them opportunities to listen to Ishihara's ideas. 5. Budo instructors generally tend to be conservative, because they are influenced by the traditional budo practice system in which great importance is attached to obedience to seniors. However, Fukushima and his friend Tatsukuma Ushijima, one of the strongest judo players of his era, became critical of their own lives and society after meeting Ishihara. Cases such as these tell us that if we attach importance to budo education in modern education, it is necessary that we try to foster a critical spirit in it, because traditionally it tends to lead to a passive acceptance of the status quo.
著者
坂野 雄二
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究の目的は,自律訓練法標準練習の習得に伴って生じる心理生理学的な変化を,自律神経系機能と心理的指標,行動的指標を用いて明らかにすることであった.心身ともに健康な男女大学生を対象として,約3ヶ月の自律訓練法標準練習習得期間の前後において,ストレス負荷としてスピーチ課題が課され,その際の心理生理学的測定,行動評定が行われた.生理学的な指標として,皮膚コンダクタンス水準,収縮期血圧,拡張期血圧,心拍数,および心電図R-R間隔の周波数分析のそれぞれが,また,心理学的指標として主観的不安反応の変化,行動的指標としてスピーチ不安の行動評定のそれぞれが用いられた.また,自律訓練法の練習を行わない統制群,類似した心身の弛緩法である臨床標準瞑想法を実施する統制群が準備された.その結果,自律訓練法標準練習の習得によって,自律神経系交感神経機能と副交感神経機能の両者が賦活されること,特に,交感神経機能の賦活としては血圧値の上昇が,また,副交感神経機能の賦活としては心拍数の減少や皮膚コンダクタンス水準の低下が認められること,心理学的には不安低減効果が見られること,行動的指標で改善が認められること等の諸点が明らかにされた.臨床群を対象とした場合の自律神経機能の変化と,健常者を対象とした自律神経機能の変化の違いが示唆されるとともに,自律訓練法による自律神経系機能の安定化のメカニズムに関する示唆を得ることができた.また,自律訓練法が併用される治療法である行動療法の最近の発展を展望する中で,認知行動療法において自律訓練法がどのような役割を果たすことができるかについて理論的考察を行った.
著者
森 新之介
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は研究成果を論文2本と研究ノート1本、訳註1本、そして学会発表1回として公表した。また、来年刊行予定の事典の項目2つを担当した。研究計画における個別研究c)「慈円『愚管抄』と虞世南『帝王略論』」としては、初年度に学会発表した内容を発展させて論文「虞世南『帝王略論』の聖人窮機論と九条兼実」を刊行した。本稿では、九条兼実が後白河院への申状に記した「聖人之道、察機応時」という文は、その数箇月前に読み合わされた虞世南『帝王略論』の聖人窮機論に由来することを論証した。また、その研究過程で得られた知見を研究ノート「慈円『愚管抄』の冥顕論と道理史観」と訳注「慈円『愚管抄』巻第七今訳浅註稿」として刊行した。前者では、「冥とは目視できない世界のことであり、仏神と権者、怨霊、邪鬼の四つが冥衆だ」という通説を批判し、『愚管抄』に17例ある「冥」は、すべて仏神の意か、道理や作為、作用の冥然として知り難いことの意だと論証した。後者の訳註は、『愚管抄』の先行訳註にあった幾つかの問題を克服し、学界に便を供するために作成した。また、a)「新儒学中心史観の形成過程」として、学会発表「江戸前期における道統論と儒家神道」を行い、初年度の学会発表と合わせて論文「江戸前期における道統と華夷、神儒――神代上古の叙述に着目して――」を刊行した。本稿では神代上古の叙述に着目し、江戸前期における華夷論や神儒論の多くは、自国意識を脅かす外来思想への自衛反応でもあったと見るべきであろうことを指摘した。
著者
大嶋 えり子
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

アルジェリアの植民地支配(1830-1962)と独立戦争(1954-1962)の記憶をフランスの公的機関がどのように扱っているのかを検討した。その結果、移民統合および国民的結合を促進する政策の一環として、これらの記憶を1990年代以降になって公的機関が取り上げるようになったことが明らかになった。一方で、自治体では住民の中での特定の集団を優遇する政策の一環としてアルジェリアに関わる記憶が承認されるようになったことが分かった。
著者
山村 崇
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

東京区部の零細オフィスビル集積地域を抽出し、街区単位で周辺環境特性を分析することで、零細オフィスビル集積地域の5類型を得た。また、零細オフィスビルが持続的に利用され続ける条件として、都心からの距離やビル内部の機能性などの「物理条件」、個人ビルオーナーによる管理の質・テナントの属性・権利関係などの「事業者条件」、コストパフォーマンスを中心とした「市場条件」の3要件が重要であることを明らかにした。またいずれの地域においても、手頃な価格のオフィス供給の存在が新たな都市型サービス業流入の要因となっており、零細オフィスビルが新産業育成の苗床として機能していることを明らかにした。
著者
島 善高
出版者
早稲田大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

近代皇室制度とくに明治皇室典範がどのような過程を経て制定されたのかを研究するため、宮内庁書陵部、国立国会図書館憲政資料室、国立公文書館、早稲田大学図書館それに國學院大学図書館に所蔵されている皇室制度関係史料を収拾し、それらのリストを作成しつつある。この作業はまだ継続中であるが、その間に得た新知見の要点を記すと、1、古くから使用されていると考えられていた「万世一系」の語は、公式文書では、岩倉具視を大使とする遣外使節団持参の国書に見えるのが最初である。2、明治憲法起草者の一人である井上毅は、主としてドイツのブルンチュリの唱える公法学説に依拠して、天皇の個人的意思を国政からできるかぎり排除しようとした。但し、西洋法原理をそのまま導入するといろいろの点でまづいので、国譲神話の「シラス」に注目して、わが国にも太古の昔から公法原理があったのだと主張した。3、しかし、このような井上説を継承した者は穂積八束や上杉慎吉らごく少数の者のみであって、美濃部達吉などの主流派は殆ど「シラス」論を顧慮しなかった。4、明治憲法制定以後の日本には、皇室典範と憲法との両者を共に最高法規とするいわゆる二元体制が続いたが、その淵源が明治十一年末の岩倉具視の奉儀局開設建議にあることを確かめた。5、近代の文書には「天佑を保有し」云々の語が多用されているが、明治初年に西欧のGottesgnadentumに倣って、わが国の国書に用いられるようになったことを明らかにした。6、明治初年の政府が皇族制度をどのような方向で改革しようとしていたのかは、史料の制約もあって不明な点が多いが、明治初年の法典編纂特に民法典編纂の流れの中で、皇族制度も西欧のような親族法や相続法の原理と整合性があるようにしなければならないとの意見が出され、それによって天皇の寝御に侍る女官の制の見直しや親王宣下という天皇の養子制度の改正が目指されたのであった。
著者
佐藤 正明
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

翻訳論、メディア論、精神分析を理論的に結びつけることを目指した本年度の研究では、フリードリヒ・キットラーのテーゼ「文字が保存するものは、ただ文字のみなのであり、それ以上でもそれ以下でもない」(『グラモフォン・フィルム・タイプライター』)に注目し、「翻訳が保存するものは、オリジナルではなく、ただ翻訳のみである」という仮説を立てることから出発した。メディア論の観点に立てば、文字という物質が記録しているのは、その背後に広がるアイディアの世界ではなく表面の文字だけであり、読み手がそこから読み取る意味と厳しく峻別されなければならない。同様に、「翻訳」と呼ばれる文字列が記録しているのは「翻訳されたもの」だけであり、その媒体の中に「翻訳されるべきもの」であったオリジナルは含まれていない。原文と翻訳の「等価性」や「誤訳」の問題は翻訳論で常に焦点を当てられてきたが、そこでは二つのテクストの連続性が前提され、かつ要求されている。これに非連続性、恣意性を対置させることで、翻訳論は精神分析的なダイナミズムへの広がり獲得する。原文の刺激に由来しつつもそこから断絶されて別の言語体系に現れた「翻訳」は、その国語に運動をもたらし、話者を新たな連想の連鎖に置くことができる。このとき翻訳は、原文の代理としての「翻訳されたもの」ではなく、独自の(シニフィアンの)論理に従って振舞う(話者/主体を)「翻訳するもの」となる。フロイトの用語において「翻訳」は「解釈」の意味で使用されることがあるが、彼が「翻訳/解釈」によって目指していたのは真理としての原文の正しい再構成ではなく、翻訳の連鎖としての連想が先に進むことだけである。ラカンが日本語の特徴として名指した「永遠の翻訳」とは、漢字というフェティシズム化された対象のまわりで「翻訳するもの」が循環してしまい、機能不全に陥った状態を指すといえる。
著者
関 一誠 佐藤 健 宮崎 正己
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

本年度は携帯型GPSレシ-バを使用して、携帯電話による補正位置情報サービスによる補正された位置情報を取得した。この取得された位置情報を基にSISという地図情報システム(Geographic Information System)にその位置データを基にした移動軌跡図を描いた。また、同時に生体情報(心拍数、呼吸数、節電図)も携帯型データレコーダによって取得した。位置情報は携帯電話を利用しているため電波を受信できない状況(例えば地下など)も生じてくるが、精度の高い位置データの取得が可能であった。このことにより、二次元的及び三次元的な人の移動距離の実測が可能となった。また、同時に取得した生体情報は人の移動距離の生体の状況を説明できるものとして有用なことが示された。今後は、位置情報のデータ・生体情報をオンライン化することや位置情報の補正サービスを受けた際のデータの補間法などがいくつかの点での問題が残された。
著者
日野 愛郎
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、政党マニフェストを時系列に収集・テキスト化することにより、様々なコーディング方法を用いて政党の政策位置を推定することを試みるものである。政党マニフェストは、政党の政策やイデオロギー的な立ち位置を知る上で重要な資料となる。本研究は、過去の政党マニフェストのテキストをデータベース化することにより、ヒューマン・コーディングとコンピュータ・コーディングの両面から発展的な分析を行うことを目指す。
著者
村田 久美子 矢野 安剛 飯野 公一 寺内 一 土屋 慶子 HOUSE Juliane KUBOTA Ryuko SEIDLHOFER Barbara WIDDOWSON Henry BACKHAUS Peter バックハウス ペート 原田 哲男 澤木 泰代
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究の主な成果は ①共通語としての英語(ELF)概念理解の深化 ②ELF使用実態の解明 ③これに基づいたELFに対する意識変革と教育への示唆の3点である。①に関しては様々なワークショップ開催とこれに基づく Working Papers の発刊によることが大きい。②に関してはデータ収録・分析により、様々な教育・言語・文化背景のELF使用者がいかに協力的にコミュニケーションを行っているかを解明、③この研究結果に基づいた意識改革も着実に進み、学会発表、出版等により研究結果の教育への示唆についても積極的に取り組んでいる。ELF研究者も増加しており、更なる意識変化浸透への布石となっている。
著者
木下 一彦
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

電位依存性イオンチャネルであるBKカリウムチャネルは単一チャネル電流の測定が容易である。また、シェーカーチャネルは開閉が電位だけで制御されるイオンチャネルである。これらを対象に、その電位センサー部に操作用のハンドルタグを遺伝子的に導入し、電気的仕事ではなく力学的操作で開閉させることを試みている。まだ、成功率が極めて低く、タグの導入部位やハンドルの検討を試みている段階である。回転分子モーターF1-ATPaseのATP加水分解機構において、未だに決着がついていない燐酸解離とATP分解のタイミングを決めるため、加水分解しにくいATPアナログや解離が遅くなることが示唆されている燐酸アナログを用いての実験を行った。その結果、我々の仮説がこれまで通り主張できることが分かった。また、リポソームあたりに1個未満再構成したATP合成酵素について、ATP合成の逆反応としてのATP分解駆動によるプロトンポンプ活性が定量できた。これまでは、ATP分解活性のみを測定し、プロトン/ATP比を仮定してポンプ活性を推定するしかなかったが、ATP合成酵素1個あたりのプロトン/ATP比を実験的に初めて見積もることができた。70℃以上の高温で生育する超好熱菌のReverse gyraseは、高温でDNA二重鎖がほどけてしまうのを防ぐために、ATPの加水分解エネルギーを使ってDNAの二重螺旋をきつく巻き上げている。DNAの捻れ力を引っ張り力とは独立して測定することに成功し、この酵素一分子の出すトルクをはじめて見積もることができた。その結果、一回の捻れ反応にATPを2つ以上使うことが示唆され、F1-ATPaseとは違った、割といい加減な酵素であることが分かった。
著者
常田 聡 奥田 修二郎
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

代謝活性を止めている休止細菌は,抗生物質存在下において生存できるため,感染症難治化の原因となる。本研究では,細菌の細胞骨格であるFtsZに着目し,細胞分裂時のZ-ringの形成を蛍光共鳴エネルギー移動で検出する遺伝子組換え大腸菌株の開発を行った。その結果,セルソーターを用いることで休止細菌と分裂細菌の分離に成功し,休止細菌は抗生物質(オフロキサシン)に対して高い抵抗性を持つことがわかった。また,トランスクリプトーム解析の結果,休止細菌は乳酸デヒドロゲナーゼの遺伝子発現を亢進させていることがわかった。さらに,マイクロ流体デバイスを用いたシングルセル観察によっても上記の結果が支持された。
著者
西條 剛央
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、多様なタイプの研究を妥当に評価可能な質的研究の一般評価法の構築を行うことを研究課題とした。この目的を達成するために、以下の3つを柱に研究を行った。まず、質的研究の評価に関する先行研究をレビューすることで従来の方法論の限界や問題点を確認した。次に、多種多様な質的研究を用いた論文を妥当に評価可能な「質的研究論文の一般評価法」を構築した。第三に、質的研究のワークショップなどのアウトリーチ活動や,研究報告書作成,他の研究報告書を吟味する際にこの評価法を適用することで,それらの有効性と限界を明らかにした。
著者
村田 久美子 矢野 安剛 野澤 佑佳子 飯野 公一 寺内 一 小中原 麻友 土屋 慶子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

H29年度は11月10,11日にメルボルン大学マクナマラ教授、ロンドン大学ターナー名誉教授、ストックホルム大学ビョークマン准教授を招聘、第7回早稲田ELF国際ワークショップと第3回EMI-ELFワークショップの合同国際大会を開催した。EMI-ELFワークショップは2日目午前に、EMIでのELF使用に注目、ビョークマン氏の基調講演後、マクナマラ、ターナー両教授の指定討論で議論を深めた。午後は個人発表後ELF評価のパネルで、ELF的視点を入れた試験開発中の京都工芸繊維大学羽藤由美教授、評価の専門家で連携研究者の澤木泰代教授、ELF的視点を入れた評価に関するビョークマン准教授の発表後、マクナマラ、ターナー両教授、会場の参加者も交え、活発な討論と意見交換を行った。業績出版面ではH29年9月に村田と分担研究者小中原でWaseda Working Papers in ELF第6巻を発行、またEMIをELFの視点から考察した村田による編集本がルートリッジ社から2018年7月に刊行予定である。実態調査では、アンケート調査、授業録画も追加、分析結果の一部をH29年6月のヘルシンキでの第10回ELF国際大会で村田・飯野・小中原が発表, また、村田は8月末のJACETサマーセミナーで今までの研究結果を踏まえたELFに関する特別講義を行い、同じく8月下旬のJACET国際大会でも海外共同研究者のウィドウソン、サイドルホファー両氏と共にパネルを組み、ELF研究の教育的意義について討議した。また、11月の国際ワークショップでも小中原・村田・飯野でこれまでの研究成果を発表、これと同時に、ビジネスピープルへの第2次アンケート調査とインタビュー、及びバンコクを拠点に活躍する日系企業等に勤務するビジネスピープルのインタビューをH30年1月末に研究分担者寺内、飯野の協力を得、実施した。
著者
坂野 雄二
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.91-98, 1989-03-25
被引用文献数
30

General Self-Efficacy Scale (GSES) which was developed by Sakano and Tohjoh in 1986 is an instrument to measure the individual's strength of general self-efficacy across a variety of everyday life settings. However, GSES had some psychometric problems because it was standardized only with the data from a population which consists of students. The first purpose of this study was to collect GSES data .from adult population to know the distribution of GSES scores in adults, and to verify the reliability of GSES by psychometric evaluation. The second purpose was to verify the clinical validity of GSES by making it clear how GSES scores are changing successively according to the fluctuation of depressive symptoms. Psychometric evaluation by test-retest method, odd-even method and so forth suggested that GSES has well enough high reliability, and these results were consistent with those of Sakano and Tohjoh (1986). The successive change of GSES scores of depressive patients revealed that while GSES scores of depressive patients were in a very low state, they increased significantly according to the elimination of depressive symptoms. It revealed also that the correlation coefficients between GSES scores and rating scores of depressive symptoms were negatively high. It was suggested that the GSES has high reliability for adult population and considerably high discriminant validity for depressive symptoms and is enough potential for the clinical and research application.
著者
戸川 望
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1997

制度:新 ; 文部省報告番号:甲1172号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:1997-03-15 ; 早大学位記番号:新2409 ; 理工学図書館請求番号:2036