著者
久保 健一郎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、日本中世の兵糧に関わる史料を収集して、存在形態、地域的特徴、時期的変遷等を多角的に検討した。その結果、ほぼ日本列島全域において、兵糧には、実際に食糧として消費される「モノとしての兵糧」の側面と、交換手段・利殖手段として用いられる「カネとしての兵糧」の側面があること、兵糧はこれらを示しながら、時代が下るにつれ、いよいよ戦争の中で重みを増していき、戦国社会においては、いわば戦争経済の中心となることを明らかにした。これらは戦争論・社会経済史の発展に寄与する成果と考える。
著者
蒲谷 宏 待遇表現研究室
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語教育研究 (ISSN:13471147)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.55-76, 2003-03-31
被引用文献数
2
著者
渡邉 孝信
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

急速に進む立体構造デバイスの研究開発を基礎から支えるため、ナノスケールの半導体結晶、およびそれを覆う酸化絶縁膜の原子論的界面構造モデルを、ハイスループットで自動生成する技術を開発し、現実的な立体構造モデルを用いた様々な輸送シミュレーションを可能にした。開発した手法を熱伝導シミュレーションに応用し、ナノスケールのシリコン結晶が示す特異な熱的特性の起源の解明に成功した。
著者
桜井 洋
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究の成果として、『社会秩序の起源』と題する書物を準備し、この秋頃には完成する予定である。その章立ては、1.存在と同一性、2.モーフォジェネシス、3.自己の起源、4.心の秩序、5.心のフィジックス、6.社会秩序の起源、7.力と自由、である。社会学ではすでに社会システム論が一般理論として存在するが、本研究は社会システム論に代わる一般理論の構築の試みである。社会システム論がその基盤とするシステム論に対して、本研究は物理学における非線形力学における複雑性あるいは自己組織性の概念を理論の基礎とする。また、システムの概念に対して現代物理学における場の概念を使用する。社会学は西欧起源の学であり、その思考は同一性の概念によって組み立てられている。周知のように20世紀の思想はこの同一性の概念に対する批判を中心として展開した。だが脱構築の思想に見られるように、同一性に対する代替案はいまだ提示されていない。私は自己組織性の概念が主体と同一性の思想に対する代替的な思想となると考える。自己組織性とは形態形成であるから、これをモーフォジェネシスと呼ぶ。本書はまず主体と同一性をめぐる現代の思想的状況を概観したのち、2において自己組織性の理論を定式化する。この応用として、3において生命の概念を検討する。そののちに心と動機付けの概念を、自己組織性の概念を使用して説明する。本研究は心は自己組織的に動機付けられる、という仮説から他の命題を演繹する、仮説・演繹型の理論として構築されている。
著者
碓井 みちこ
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では物語るメディアとしての写し絵の表現の特徴について考察した。まず、写し絵と西洋の幻燈との違いを明確化した。次いで、写し絵の種板を、それが車人形をいかに参照したかという観点から検討した。車人形は、仏教の法談・唱導が芸能化したされる説経節を地語りとする人形芝居である。さらに写し絵と浮世絵との密接な関わりについても検討した。本研究の成果は、論文や口頭発表だけでなく、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館における企画展でも公表された。
著者
深見 奈緒子 マールーフ・ジャメール 真道 洋子 モハメド・ソリマン 辻村 純代
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

モルディブ諸島の珊瑚石モスク26棟の調査と既往のインド洋周域調査および文献から、モルディブのイスラーム建築について以下5点が判明した。それらは、1)モルディブの珊瑚石モスクの独自性、2)1000年以上前スリランカやインドから到達した仏教・ヒンドゥー教文化からの影響、3)12世紀以後、西の乾燥地から到達したイスラーム文化の影響、4)東から到達した熱帯木造文化の影響、5)1000kmにも連なるモルディブ諸島全体の建築文化の一様性である。これらが、連関しながら環礁モルディブ特有の珊瑚石建築文化を創出したことを明らかにした。
著者
伊東 孝之 前田 弘毅 久保 慶一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、セルビアからのコソボ独立問題とグルジアからの南オセチア・アブハジア独立問題という2つの紛争事例を調査し、共通性と差異を浮き彫りにしつつ、両者の間の相互作用にも注目し、今後の国際政治に与える影響を分析することを目的としていた。具体的には、(1)紛争の背景、(2)紛争の推移、(3)国際関係と国際関係主体に対する影響の3点について、現地調査も踏まえて比較分析を進めた。各計画年度に多くの現地調査を実施し、現地から研究者を招聘し、研究会を開催し、研究成果を公表してきた。比較研究の総合化へは道半ばであるが、政治学や国際関係論、歴史学など様々なディシプリンの成果を援用しつつ、紛争を複数の視点から考察することの意義と有用性については、三年間の間で本研究参加者の間で共通の認識を得ることができたと考える。本研究の成果は今後のより地域横断的かつ総合的な研究に活かされていくことが期待される。
著者
大須賀 沙織
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

1.『セラフィタ』に複合的に織り込まれた聖書の引用、暗示、イメージを収集し、テクスト比較を行った。聖書テクストとしては、バルザックがウルガタ版ラテン語聖書を特に使用していることを確認し、思想的には、懐疑の時代への抵抗、聖書の霊的意義の啓示、人間の内的完成への手引きといった意図が込められていることを明らかにした。この内容を「バルザック『セラフィタ』における聖書」(『日本フランス語フランス文学会関東支部論集』)にまとめた。2.バルザックの聖書引用を考察する過程で、カトリックのミサ、祈りの言葉の影響も大きいことに気付き、典礼の研究を行った。バルザックがラテン語で暗記し引用しているものは、多く教会の祈り、グレゴリオ聖歌から来ており、これらを収集、分析した結果、ミサやグレゴリオ聖歌に対するバルザックの愛着、審美的視点が浮かび上がり、さらにバルザックの作品が19世紀まで継承されてきた伝統的典礼の記録として資料的価値を担っていることがわかった。バルザックはカトリック典礼から詩的材料を引き出しており、またカトリック典礼の内包する神秘を描き出しているということを明らかにした。この内容を「バルザックにおけるカトリック典礼」として日本フランス語フランス文学会関東支部大会で発表した。3.スウェーデンボルグの使用聖書調査結果に基づき、海外の図書館、古書店を通して、スウェーデンボルグが所有していた17、18世紀の聖書12点を収集した。今後、日本におけるスウェーデンボルグ研究の重要な基礎資料として、広く役立ててゆきたいと考えている。4.『セラフィタ』の新訳が出版されることとなり、これまで収集してきた『セラフィタ』各版と和訳5点を参照しつつ、翻訳作業に着手した。これは、加藤尚宏氏との共訳で、『神秘の書』三部作(『追放者』、『ルイ・ランベール』、『セラフィタ』)として2012年に水声社より出版予定である。
著者
モラスキー マイク
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究で実施した日米両国の中小都市での現地調査から明らかとなった課題は、以下のように分類できる。(1)日米間におけるジャズ音楽の文化的位置づけの差異、(2)米国内の地域間によるジャズ音楽の文化的重要性の差異、(3)日本のジャズ文化における主要都市(東京・横浜、京都・大阪・神戸)と地方都市との間にみられるジャズの文化的位置づけ及び意義の差異、(4)日本国内の地方都市間(地域間)にみられるジャズ音楽の文化的存在の差異、(5)地方都市の復興事業における音楽の一時的な活用(恒例のイベント等)vs.音楽を提供する個人経営のライブスポットや飲食店など永続的・営利的な空間が生み出す効果の差異。
著者
豊田 唯
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本年度は、平成23~24年度の2年にわたる課題研究期間の後半にあたる。その研究課題は、バロック期スペインの宗教画家ファン・デ・バルデス・レアル作のヴァニタス画《束の間の命》と《この世の栄光の終わり》について、その複雑な図像の解釈を試みることにあった。この大型の対作品は1672年にサンタ・カリダード聖堂(セビーリャ)の内部装飾の一環として描かれ、現在でも当初のままに、入口付近の南北両壁に相対して掛けられている。これらのバルデス・レアル作品の図像解釈は先行研究でも断続的に試みられてきたものの、一部の暗示的モティーフについては、いまだ統一的な見解に至っていない。それに対して報告者は、画中の謎めくモティーフ三つについて、対抗宗教改革期スペインの神学や美術の情勢を手がかりに解読を試みた。そしてそれらの分析をもとに、カリダード聖堂のヴァニタス画が「死」や「審判」の教理を一般論として掲げるに止まらず、観者一人ひとりに対し、自己の死を省察するように促していた可能性を新たに指摘した。一方で報告者の推測によれば、観者を自己省察へと導くための工夫は2点のバルデス・レアル作品のみならず、堂内のバルトロメ・エステバン・ムリーリョ作の聖人画2点、そして最奥の主祭壇衝立へと継承されている。聖堂入口の対作品に端を発した「死の自己省察」は、祭壇衝立内の群像彫刻《キリストの埋葬》や《慈愛》像においていかに帰結したのであろうか。報告者は、最後に2点のヴァニタス画を聖堂装飾プログラムの枠内に戻すことで、バルデス・レアル作品の「死の勝利」から主祭壇衝立の「慈愛の勝利」へと繰り広げられたダイナミックな宗教的メッセージの解読を試みた。なお、以上の研究成果は美術史学会の会誌『美術史』(第174号)への投稿論文「バルデス・レアルの二大ヴァニタス画-死の勝利から慈愛の勝利へ-」として現在、査読を受けている。
著者
橋本 あゆみ
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

前年度を引き継いで、戦後の主要な戦争文学との比較を通じ、大西巨人『神聖喜劇』の文学的特徴を検討した。まず前年に口頭発表した野間宏との比較論を基に、論文「大西巨人『神聖喜劇』における兵士の加害/被害―野間宏『真空地帯』との比較から―」を『文藝と批評』に発表した。小説発表当時の社会情況を踏まえつつ、『神聖喜劇』が早くに応召兵士の加害性を問題化した点や、物語の進行とともに暴力否定のモチーフが深まりを見せた点をテクストの検討から指摘した。また、同じく『真空地帯』を主な比較対象に、両作における「法」や「規定」の捉え方が、軍隊と社会の関係や知識人の描き方の違いに関わることを指摘した論文「軍隊を描く/法をとらえる―大西巨人『神聖喜劇』・野間宏『真空地帯』比較―」を『昭和文学研究』に発表した。第二の軸として研究を進めていた大岡昇平『野火』『俘虜記』等との比較は、所属機関内で構想発表を行ったものの有効な焦点を導き出すに至らず、別の比較対象を立てることも視野に入れて再検討中である。2014年3月12日の大西巨人死去を承けた追悼出版物『大西巨人 抒情と革命』(河出書房新社)には、「「別の長い物語り」のための覚書―『精神の氷点』から『神聖喜劇』へ―」を寄稿し、小説第一作と『神聖喜劇』の間での問題意識の継承と発展の見取り図を示した。夏からは二松學舍大学・山口直孝教授を中心とする大西巨人旧蔵書の整理に研究協力者として参画し、リスト作成やワークショップの開催(第1回は2015年2月)を行っている。9月の日本社会文学会拡大例会では、依頼により集英社『コレクション戦争×文学』の『日中戦争』『9.11 変容する戦争』収録作を論じる口頭発表を行い、内容を機関誌『社会文学』に掲載した。『二松學舍大学人文論叢』には、前年から続いて、大西とも交流のあった編集者・玉井五一氏への聞き書きの最終回を掲載した。
著者
青木 研作
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

信仰学校(faith school)に対する国の政策、設置に関する地方行政の対応、信仰学校の実態等を研究することにより次の3点を明らかにした。第一に、イギリス社会において信仰学校は教育の私事性を拡大する存在として認識されていること。第二に、しかしながら、信仰学校の設置が認められている背景には、教育効果やニーズや社会的一体性(social cohesion)などの複数要因を総合的に判断して公教育制度をよりよいものにしようとする教育行政機関の考えが反映されていること。第三に、今後の信仰学校の課題としては、各宗教団体の利害を超えた教育供給主体としての責任、すなわち教育の公共性への関与が積極的に求められていること。これらを通じて、イギリスにおける教育の公共性議論がどのように展開されているのかの一端を明らかにできた。
著者
原田 宗彦
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究の目的は、地域密着型プロスポーツのトポフィリア(場所愛)を実証的に検証するために、平成23年度から新たに男子プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)に参入する「岩手」「長野」の3チームの観戦者と地域住民を対象として、地域密着型プロチームの出現が、「チームアイデンティフィケーション」(TI)と「地域愛着」(PA)にどのような影響を与えたかを、縦断的研究によって明らかにすることである。その結果、プロスポーツの出現による地域愛着に経年変化は見られなかったが、その一方で、チームアイデンティフィケーションは年々高まっていくことが確認された。
著者
中野 忠
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

16世紀のロンドンはフリーメンが大多数を占め、彼らが地域の自治に役職を通じて参加する都市だった。この制度の枠組みは存続するが、それを支える原理は17世紀以降、しだいに変化した。罰金支払いによる役職忌避が広がり、役職の一部は有給の職員の雇用や請負によって置き換えられた。地域人口の高い流動性も役職制度の機能の障害となった。大火以後の移動の高まりに対して、転入者を役職制度に組み込むための努力も払われた。しかし役職を通じての奉仕よりも地方税の支払いがより重要な住民の貢献になっていった。教区ごとの救貧税により貧民を救済する救貧法の定着が、この傾向を促進した
著者
松吉 大輔
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、質問紙により測定される自閉症傾向 (Autism-Spectrum Quotient, AQ) の個人差と、実験により測定される行動成績との相関を男女別に検討することで、自閉症スペクトラム (ASD) を構成する行動特性の連続性の男女差を明らかにすることを目的とした。視線認知、低次幾何学形態認知、顔の短期的な遅延再認、顔再認記憶の行動成績との関連を検討した結果、視線認知かつ男性のみにおいて自閉傾向を示すAQとの相関が認められた。この結果は、視線認知が必ずしも両性の自閉症中間表現型となっていないことを示すのみならず、自閉傾向と行動を考える上で性差を考慮することの重要性を示したと言える
著者
扇原 淳 山路 学
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,高齢者介護施設における感染対策の実態と感染対策を目的とした研修プログラムの開発とその評価を行った.その結果,集団感染が起こってから研修や感染マニュアルの整備を行っている可能性が否定できなかった.また,感染管理に関するビジュアルマニュアルを含む学習管理システムを開発し,その効果の検証を行った.その結果,開発した研修プログラムについては肯定的な評価を得られたが,画像コンテンツの表示の方法についてはいくつかの改善点が指摘された.今後は,学歴や職歴等の多様な背景を有する介護施設職員の個別性に配慮した感染対策研修プログラムのカスタマイズの方策について検討が必要である.
著者
左近 幸村
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

4月10~13日にアメリカのコロラド州デンバーで開催されたWestern Social Science Association 55^<th> Annual Conferenceに出席して、"Russian Transatlantic Liners after the Russo-Japanese War : Pssport Issues of Jewish Immigrants"と題する報告を行った。また6月1日に東京大学本郷キャンパスで開催された社会経済史学会第82回全国大会において、「ロシア東亜汽船社と義勇艦隊―20世紀初頭のユダヤ人移民問題との関連から」と題する報告を行った。これら国内外での報告を通じて、ユダヤ人移民問題との関連からロシア海運史研究の意義を広くアピールするとともに、多様な専門分野の研究者から今後の研究方針についての具体的なアドバイスを得ることができた。平成25年度は、9月15日と16日に早稲田大学で行われた社会経済史学会の次世代研究者育成ワークショップの開催に、受入教官である矢後和彦教授とともに尽力し、その中で自身も「帝政期ロシア極東における移民と民族問題」と題する報告を行った。本ワークショップを通じて、自身の研究課題の改善点を見出すとともに、組織者としての能力に磨きをかけ、さまざまな先生方や同世代の研究者たちと交流を深めることができた。出版物としては、拙稿「帝政期のロシア極東における『自由港』の意味」が掲載された『東アジア近代史』16号が刊行された。その末尾で示した20世紀初頭の東アジアとバルカンの東西比較の問題は、今後取り組むべき大きな課題である。現地調査は、8月20日~30日にウラジオストクの国立極東歴史文書館で行い、ロシア極東の海運に関する公文書を閲覧した。閲覧した史料は、上記9月のワークショップの報告で用いたほか、今後の研究発表に活かしていく。
著者
可部 明克
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

感性刺激で脳を鍛えることにより認知症の予防などに役立てることを目的として、人間の生活空間の中で使用するロボットシステムを開発した。特にスヌーズレンと呼ばれるヒトの五感を刺激するデバイスを使用したことに加え、そのデバイスと連動しながら、ユーザとのコミュニケーションを行う赤ちゃん型ロボットやパンダ型ロボットを試作開発した。さらに展示会に出展して幅広く公開し(2009国際ロボット展、2011国際ロボット展等)、市場のフィードバックにより機能を評価した。
著者
彼末 一之
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

野球の投手が投じるボールの回転は投球のパフォーマンスに大きく影響すると考えられるが,これを決定する身体動作は明らかになっていない.そこで申請者は高速度ビデオカメラを用いて手,指の動作とボール回転を同時に測定するシステムを開発し,手,指の動きとボール回転との関係,ボールの"ノビ"を表す物理的性質について検討した.その結果,リリース直前に指の動作は,直球の回転速度に強く影響することが分かった.また“ノビ"が良いとされる投手の投じる直球は回転速度が高く,回転軸角度が純粋なバックスピンに近いものであった.
著者
最上 敏樹 吾郷 眞一 山形 英郎 酒井 啓亘 桐山 孝信 中川 淳司 中谷 和弘 児矢野 マリ 兼原 敦子 坂元 茂樹
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

3年+1年にわたって研究会の開催や協議を通じ、この意欲的な分野の先鞭をつけてきた。とりわけ立憲主義の問題は、わが国ではこの共同研究がきっかけになって活性化したと言っても過言ではなく、わが国学界に最先端の論題を導入し、国際水準の議論ができる基盤を作ったと自負している。それと旧来の機能主義の理論枠組みをどう接合するかについても大きな展望が開けた。