著者
川久保 友紀 鮫島 達夫 笠井 清登 川久保 友紀
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

これまでわれわれは脳機能イメージング(近赤外線スペクトロスコピー:NIRS)によって精神疾患における前頭葉機能障害を捉えてきた。特に統合失調症におけるNIRS信号の前頭葉異常は、全般的な生活機能評価と有意な関連があることを見出した(Takizawa, et. al., 2008)。NIRSは光を用いた安全で非侵襲的な技術であり、自然な姿勢・環境で被検者に負担が少ない検査を実現しているため、将来、精神疾患の臨床場面において、補助診断、薬効予測や症状評価への応用が期待されている。本研究ではさらに一歩進めて、こうしたNIRS信号の意義を明らかにするため、これまでに統合失調症の認知機能障害との関連についての先行研究があるcatechol 0-methyltransferase (COMT) (val^<108/158>met)遺伝子多型に着目し、完全に非侵襲性な脳機能計測技術(NIRS)と分子遺伝学的分析を双方向に組み合わせ、統合失調症の前頭葉機能異常を明らかにすることを目的とした。平成18年度から成19年度にかけて、計画通りにさらに被検者数を増やすことができた。サンプル数を増加させても結果に変化はなく、各群で語流暢性課題遂行成績に有意差はないにも関わらず、COMT遺伝子多型のMet carrier群では、Val/Val群に比べて、課題遂行中の[oxy-Hb]増加が大きく、有意差のあるチャンネルを前頭前野に認めた。本研究でも統合失調症の前頭葉機能への神経伝達物質関連遺伝子との関連が示唆された。こうした結果を、平成19年度に第62回アメリカ生物学的精神医学会(San Diego, USA)等、国内外の学会や雑誌で発表してきた。現在、英文雑誌へ投稿中である。そして今後も、薬効予測・薬効評価につながるNIRSの精神疾患への臨床応用を裏付ける研究を続けていく方針である。
著者
大森 房吉
出版者
東京大学
雑誌
震災豫防調査會報告
巻号頁・発行日
vol.98, pp.23-31, 1922-08-31
著者
堀越 三郎
出版者
東京大学
雑誌
震災豫防調査會報告
巻号頁・発行日
vol.94, pp.13-15, 1921-03-31
著者
入谷 亜希子
出版者
東京大学
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-9, 2006-03-10

This paper tries to demonstrate how and why the working class got high literacy before the formation of public educational system, and also to clarify the significant meaning of execution as educational place. For example, chapbooks or reading matters which educated people and raised their literacy came not from school but from the place of execution that played a role of amusement. This explains how reading matters had helped the working class to get reading ability before 1870 (Elementary Education Act).
著者
田辺 国昭 北岡 伸一 田中 愛治 飯尾 潤 加藤 淳子 田辺 國昭
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2000

本研究は、日本及び国際比較において、世代間の利害対立をいかに調整できるかという問題を政治学的にアプローチしてきた。その中でも年金制度をめぐる世代間対立をどのように解消できるかを探るべく、多角的に今日の日本の年金制度が直面している問題を探ってきた。特に本年度は、平成12年度から平成16年まで5年間の研究期間の集大成に当たる年であり、かつ本年度(平成16年度)には参議院選挙の前後に全国世論調査を実施したうえで、本年度の後半は5年間の成果をまとめるべく、『年金改革の政治経済学』を執筆し、年度内の刊行が可能になった。まず、年金改革問題が平成16年7月の参議院議員選挙の争点になっていたため、総選挙の前後にパネル調査として全国世論調査を実施した(選挙前の調査費用は本研究班が負担し、早稲田大学21世紀COE「開かれた政治経済制度の構築」が選挙後の調査実施に協力をした)。この全国世論調査の回答者は、平成16年11月の衆議院議員総選挙の前後に実施した全国世論調査の回答者と同一であり、パネル調査として実施した。本年度に、各自がそれぞれ本研究テーマに関連して研究成果の発表を、研究会等で行っているが、刊行されたものは、飯尾潤と田中愛治(共著)の論文がある(研究発表の欄、参照)。本年度は過去5年間の研究成果のまとめをする年であったので、本年度の後半は研究成果の公表のために、各メンバーが分担して報告書となる著作をまとめた。その成果は、北岡伸一・田中愛治編『年金改革の政治経済学』東洋経済新報社より、本年度末に刊行される予定である(平成17年3月31日刊行予定)。その中で、加藤は年金制度を支える財源としての消費税の導入の時期によって、各国の財政状況が規定されていることを示し、田辺は財政投融資の年金制度の財源としての意味を分析し、田中は国民が年金制度改革をどのように見ていたのかを分析し、飯尾は政治的指導者(衆議院議員)がどのように年金問題を見ているのかを分析した。
著者
佐々木 崇
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、胆汁酸が骨格筋機能に及ぼす影響を分子レベルで解析した。その結果、骨格筋に発現する胆汁酸受容体TGR5は骨格筋の肥大化や筋細胞分化を亢進することを明らかにした。TGR5を欠損するマウスにおいては、骨格筋の萎縮が確認された。したがって、骨格筋TGR5は加齢に伴う筋萎縮(サルコペニア)等の予防に向けた有力なターゲットになると考えられる。我々はすでにTGR5活性化能を持つ食品成分として、柑橘成分であるノミリンやオバクノンなど複数見出しており、TGR5との結合様式の解明に成功している。こういった機能性食品成分を活用することで、活力のある高齢社会の実現が期待される。
著者
上田 和夫 紺谷 浩
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

現在までに知られている磁性体の中でもっとも複雑な相図を示すことで良く知られているのはCeSbである。磁場-温度平面での階段状の複雑な相図はデビルズ・ステアケース(悪魔の階段)と呼ばれている。CeSbに限らず一般のCeX(X=P,As,Bi,Sb)で程度の差はあれ、複雑な磁気相図が見られることは、この現象の背後に一般的なメカニズムが存在することを示唆している。CeXがその他のセリウム化合物とことなる特徴は、この系におけるキャリアーの数が大変少ないことで、CeXは小数キャリアー系と呼ばれている。CeXのキャリアーはΓ点のホールとX点の電子からなり立っている。このような、半金属ではそれぞれのキャリアーに対する近藤結合に加えて、電子からホールへ遷移する際にf電子とのスピン交換を伴うプロセスが可能になる。この非対角的交換相互作用にともなう運動量変化は反強磁性波数ベクトルに対応するから、この非対角相互作用は反強磁性的に働くことになる。対角(バンド内),非対角(バンド間)交換相互作用にもとづく二種類のRKKY相互作用の間のフラストレーションがCeXで見られるデビルズ・ステアケースを理解する鍵と考えられる。当研究課題での研究によりこの考えが正しいことが、簡単な一次元モデルを用いて検証された。このRKKY相互作用は、局在スピンによって誘起される磁気的フリーデル振動がその起源である。その詳細を調べるため、近藤格子モデルに対する密度行列繰り込み群のプログラムを開発し、常磁性における電荷およびスピンのフリーデル振動を観測することが出来た。。その周期から、近藤格子の常磁性相では、フェルミ波数が伝導電子の密度に局在スピンの数を加えたもので決まっている、すなわちフェルミ面が大きいことが明らかになった。
著者
兵藤 裕己
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2001

博士論文

1 0 0 0 OA 大日本史料

著者
東京大学史料編纂所 編
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
vol.第6編之6,

1 0 0 0 OA 大日本史料

著者
東京大学史料編纂所 編
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
vol.第6編之2,
著者
佐藤 あゆ子
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2002

我々の身体は筒状の構造物あるいはその集合体に例えることができる。その外側面は皮膚に、その内側面は粘膜によって覆われており、粘膜の表面積は皮膚の約200倍に達する。この粘膜は呼吸、食餌、排泄、生殖などの重要な生命維持活動において、多様でおびただしい異物をその表面から体内に取り込んでいる。腸管粘膜は食物などの生命維持に必要なもののみならず、生体にとって不都合な病原微生物なども多量に取り込んでいる。それらを識別し、必要なものは取り込み、生体にとって害となるものは排除するという腸管粘膜組織の免疫組織としての特性が明らかになるとともに、全身免疫系とは異なる独特な免疫機構を有しているということが明確となった。// 腸管粘膜の免疫機構の中で重要な役割を果たしているのが免疫グロブリンA(IgA)であり、腸管粘膜に侵入する細菌に対して感染阻止に働く。IgA産生応答を始めとする腸管特異的免疫応答の誘導には小腸に存在するリンパ組織であるパイエル板がその役割の一端を担っていると考えられており、パイエル板に存在する免疫担当細胞の解析はその機構を解明する上で非常に重要である。パイエル板の表層に存在するM細胞を介してパイエル板内に抗原が積極的に取り込まれると、樹状細胞などの抗原提示細胞によってCD4+T細胞に提示され、免疫応答の誘導が開始される。パイエル板のドーム領域にはCD4+T細胞を活性化するのに必要なMHC class IIを発現する樹状細胞、マクロファージ、B細胞などの抗原提示細胞が存在している。また、胚中心には高い割合でIgA産生前駆B細胞が認められ、その周辺にはCD4+T細胞の多く存在するT細胞領域がある。このようにパイエル板にはIgA抗体産生に必要な免疫担当細胞が含まれており、腸管におけるIgA抗体誘導において重要な役割を担っていることが示唆されている。// 一方、樹状細胞は、未感作CD4+T細胞を活性化しうる唯一の抗原提示細胞であると言われている。したがってパイエル板樹状細胞の機能を調べることは、IgA産生応答をはじめとする腸管特異的免疫応答の誘導機構の解明において重要である。実際、パイエル板樹状細胞は脾臓樹状細胞と比較してIgA産生誘導能が高いことが、in vitroの実験により示されている。また、IgAなど抗体の産生にはサイトカインの介助が重要である。IgA産生は、まず、B細胞が形質転換成長因子(TGF)-βおよびCD40からの刺激を受け、その後、インターロイキン(IL)-5あるいはIL-6の効果によりIgA産生細胞に分化することにより誘導される。しかしながら、これらのサイトカイン分泌誘導機構を始めとするパイエル板樹状細胞による免疫応答誘導機構についてほとんど明らかとなっておらず、どのような機構でパイエル板樹状細胞がIgA産生応答など腸管特異的な免疫応答の誘導に関与しているのか不明であった。// 本研究では、パイエル板樹状細胞に焦点を当て、その独自性を調べるために、パイエル板樹状細胞の細胞表面分子の発現、T細胞応答誘導能について代表的な末梢リンパ組織である脾臓と比較した。また、パイエル板樹状細胞のサイトカイン産生能、特にIgA産生細胞の成熟に重要なサイトカインであるIL-6について解析を行った。//第一章 樹状細胞分離方法確立および細胞表面分子発現解析// 組織の免疫細胞における樹状細胞の頻度は1%前後と非常に低いため、最近まで組織特有の樹状細胞は分離することが困難であることから詳細な機能の解析は進んでいなかった。しかし、本研究において従来用いられてきた分離方法を再検討した結果、MACS分離カラムおよびセルソーターを用いて分離することにより、樹状細胞を97-100%の高純度で分離することに成功した。また、樹状細胞には骨髄系樹状細胞であるCD11b+樹状細胞とリンパ球系樹状細胞であるCD8α+樹状細胞というそれぞれ異なる分化経路を持つ樹状細胞群が知られているが、同様の方法でそれぞれについても分離することができた。// 続いて、パイエル板樹状細胞と脾臓樹状細胞の細胞表面分子の発現をフローサイトメトリーを用いて解析した。その結果、パイエル板樹状細胞は脾臓樹状細胞と比較してMHC class II, CD86, CD40分子の発現が高いこと、また、樹状細胞の成熟マーカーであるDEC-205を高発現している細胞の割合が高いことが明らかとなった。この結果から、パイエル板樹状細胞が脾臓樹状細胞より成熟の度合いが高いことが示唆された。//第二章 パイエル板樹状細胞の誘導するT細胞応答// まず、パイエル板樹状細胞により誘導される抗原特異的CD4+T細胞の増殖応答を脾臓樹状細胞と比較した。CD4+T細胞はオバルブミン(OVA)特異的T細胞のT細胞抗原レセプター(TCR)を導入したトランスジェニック(tg)マウス(7-3-7 TCR tgマウス)の脾臓細胞から調製した。このtgマウスはOVA323-339残基特異的なTCRを発現しているT細胞の頻度が高いため、このマウスを用いることによりOVA特異的な未感作T細胞の調製が容易となる。このCD4+T細胞をパイエル板および脾臓樹状細胞を抗原提示細胞としてOVAで刺激した。その結果、パイエル板樹状細胞の場合は、脾臓樹状細胞より強いT細胞増殖応答を示し、第一章で示されたようにMHC class IIの発現が高く抗原提示能が高いためにこのような結果になったと考えられた。// ある種の細菌感染によって、パイエル板においてインターフェロン(IFN)-γの産生が誘導され、病原細菌の排除機構の誘導に働くことが知られている。そこで次に、パイエル板樹状細胞によるtgマウス由来の脾臓未感作CD4+T細胞のサイトカイン産生誘導能を解析した結果、脾臓樹状細胞と比較して、高いIFN-γ, IL-2, IL-6産生誘導が認められ、IL-4産生誘導は認められなかった。さらに脾臓のCD11b+樹状細胞およびCD8α+樹状細胞を分離し同様な実験を行った結果、両細胞群の間でIFN-γおよびIL-4の産生誘導能に差は認められなかった。一方、パイエル板CD11b+樹状細胞を抗原提示細胞とした場合は脾臓樹状細胞とは異なり、高いIL-2, IL-6, IFN-γ産生誘導が認められ、IL-4の産生は認められなかったのに対して、パイエル板CD8α+樹状細胞を用いた場合にはIFN-γ産生は誘導されず、IL-4の産生が誘導された。ここでさらに、パイエル板および脾臓の各樹状細胞群を抗CD40抗体を用いて刺激して培養し、IFN-γ産生誘導に関与するサイトカインであるIL-12 p40の産生量を調べたところ、パイエル板各樹状細胞群による産生量に差は認められなかった。また、第一章においてパイエル板樹状細胞は脾臓樹状細胞よりIL-4産生誘導を増強すると言われているCD86の発現が高いことが示されたが、パイエル板樹状細胞はIL-4の産生を誘導せず、IFN-γ産生を誘導した。// したがって、パイエル板CD11b+樹状細胞を抗原提示細胞とした場合、IFN-γ産生応答、パイエル板CD8α+樹状細胞を用いた場合にはIL-4の産生応答の誘導がそれぞれ認められ、パイエル板樹状細胞には細胞群により明確なT細胞応答誘導能の違いがあることが明らかになった。そして、パイエル板CD11b+樹状細胞を抗原提示細胞とした場合にIFN-γ産生が誘導され、その誘導にはIL-12以外のサイトカインまたはCD86以外の副刺激因子が関与していることが示唆された。//第三章 パイエル板樹状細胞のIL-6産生// 一方、第二章でパイエル板樹状細胞と7-3-7 TCRtgマウス由来の脾臓未感作CD4+T細胞をOVA存在下で培養すると高いIL-6の産生が認められたが、そのIL-6がパイエル板樹状細胞の作用によりT細胞が分泌しているものなのか、それとも樹状細胞自体が分泌しているものなのかを調べるため、樹状細胞のみを抗CD40抗体を用いて刺激して培養し、IL-6産生量を調べたところ、パイエル板樹状細胞は脾臓樹状細胞と比較してIL-6を高産生していることが明らかとなった。このことはmRNAの発現レベルでも確認されており、IL-6遺伝子発現に関与する転写因子がパイエル板樹状細胞の方がより強く活性化されていることが推察された。// 次に、パイエル板樹状細胞のIgA産生誘導能の解析を行った。脾臓由来のIgD+B細胞と未感作CD4+T細胞をそれぞれ精製し、樹状細胞存在下または非存在下でOVAを添加して培養した。その結果、樹状細胞非存在下ではIgAの産生が他のクラスの抗体と比較して著しく低く、樹状細胞存在下ではIgAの産生が見られたことから、IgAの産生誘導には樹状細胞が重要であることが、高純度に精製された樹状細胞を用いた実験系では初めて示された。さらに、パイエル板樹状細胞を用いた場合は脾臓樹状細胞を用いた場合と比較してIgA産生量が高いことが示された。そして、B細胞がIgA産生前駆細胞にクラススイッチするのに必要なサイトカインであるTGF-βを添加するとIgA産生量は増加し、さらに抗IL-6抗体を添加した場合は著しく減少した。この結果から、パイエル板樹状細胞はIL-6産生することにより、IgA産生応答に重要な役割を担っていることが示された。// 続いてパイエル板からCD11b+樹状細胞およびCD8α+樹状細胞を分離し、抗CD40抗体を用いて刺激して培養した結果、パイエル板CD11b+樹状細胞がCD8α+樹状細胞と比較してIL-6を高産生していることが示され、CD11b+樹状細胞がIgA産生応答に重要であることが示唆された。// 以上より、パイエル板樹状細胞は脾臓樹状細胞と比較して高いT細胞活性化能を有し、全身免疫系の主要な器官である脾臓の樹状細胞とは異なるサイトカイン産生応答を誘導することが示された。また、パイエル板樹状細胞はIgA産生細胞の分化・成熟において重要なサイトカインであるIL-6の産生能が高いことが本研究により初めて示され、IL-6を介してIgA産生応答において重要な役割を有していることが示された。得られた結果は、パイエル板特有のサイトカイン分泌応答機構および腸管特異的免疫応答の一つであるIgA産生応答誘導機構の解明における重要な知見である。
著者
長谷川 敦士
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2002

博士論文
著者
福武 直
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1962

博士論文
著者
古賀 憲司 富岡 清
出版者
東京大学
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1990

ポドフィロトキシン系抗癌剤エトポシド2__ーはその糖部分の変換誘導体による活性強度増強、毒性の軽減が検討されている。本研究ではこうした手法に加えて、ポドフィロトキシン1__ー自体の骨格の注目し、新規含窒素骨格3__ーを設計し、その合成法の開発及び生物活性を検討した。3__ーは短工程、高収率、高立体選択的に合成できた。すなわち、d1ーあるいは光学活性なアミノ酸を還元、環化、ベンジル位の酸化、次いでトリメトキシベンツアルデヒドと縮合するとトランス体4__ーが得られた。シスートランス異性化及びベンジル位置換反応を経由して4__ーから3__ーおよびその誘導体の合成は容易であった。3__ーは期待通りin vivoさらにはin vitroで強い制癌活性を発現することが判明した。また、天然ポドフィロトキシン1__ーと同じ絶対配置を有する3__ーにより強い活性が認められた。これらの結果は含窒素骨格3__ーが新たなリ-ド化合物として多大な可能性を有していることを示すものである。