著者
岸 宣夫
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.48-56, 1963-08-10
著者
中村 哲
出版者
法政大学
雑誌
沖縄文化研究
巻号頁・発行日
vol.3, pp.209-228, 1976-07-28
著者
山本 健兒
出版者
法政大学
雑誌
経済志林 (ISSN:00229741)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.87-180, 2005-03-07

The purpose of this paper is to compare Munich and Berlin within the framework of Manuel Castell's theoretical thinking on space of flows and space of places. It is said that intermetropolitan competition for international business location has become severer and polarization as its byproduct is more and more apparent within the urban space under the globalization. These phenomena correspond to the concepts of space of flows and space of places. The most important spatial unit in the globalized space of flows is a metropolis as a node of information flows, capital flows, material flows, and flows of human beings. It is decision-making of corporations and governments that determines the quantity and characteristics of these flows. In the space of flows, metropolises gradually become to lose their own specificity, and they become to be stratified. Nevertheless, each metropolis continues to have differenciated and diversified places within itself, so that we can consider it a space of places, all of which show their own specificity respectively. Therefore, a metropolis can show its own specific feature even under the pressure of power of space of flows. As well as a number of European metropolises, both Munich and Berlin are the second important metropolises following London and Paris within the space of flows in the European scale. This is illustrated in the internet connections, media industry, innovative capability, flight passengers, location of international trade fairs, location of headquarters of big corporations, and evaluation as business location by big multinational corporations. Especially Munich is remarkable as a node of flows in the European scale and it exceeds Berlin in this sense, although it is not the capital of the nation state. The present author does not deal with all places in the both metropolises, but focuses on a problem district respectively. These problem districts are characterized with poverty and its related phenomena such as concentrations of unemployment, households of one parent and his/her children, migrant minorities and so on. That means that a new problem under globalization appears as some form of exclusion in the problem districts. Their locations and characteristics are, however, not the same between Berlin and Munich. Even within a same metroplis, there are various problem districts. In Berlin, most of them appear in the inner city, which were constructed in the late 19th century as a mixed district of dwellings, factories and commercial functions. The typical case is Kreuzberg, especially the so-called SO 36 district and the quarter around Kottbusser Tor. On the other hand, the phenomena in Munich are more apparent at the outer districts than at the inner city. A large number of the so-called social dwellings were developed on a large scale after World War II in the Munich outskirts. But there is also a problem district in the inner city of Munich, Schwanthalerhöhe, the construction history of which resembles Kreuzberg, and Berlin also has a problem district in the outskirts, where a large estate of high-rising apartment buildings were constructed in the 1970s and the 1980s under the regime of socialist government of German Democratic Republic. All the problem districts have their own characteristics respectively. Therefore, we can find variety of places within each metropolis, even if we focus only on the problem districts. The city authority, various non-profit organizations and people in the problem districts have tried to renovate the physical conditions and revitalize the social atmosphere in the problem districts both in Munich and Berlin. It is worthy of mention that citizens' participation including migrant minorities without full citizenship are considered important and practiced in the both metropolises. In the 1980s and the 1990s, careful renovation was promoted in Kreuzberg. And in 1999, the so-called quarter management was launched in 15 quarters in Berlin in the framework of the cooperative task between the federal government and the Land government. This project is supported by EU. The quarter around Kottbusser Tor in Kreuzberg is one of them. On the other hand, the so-called careful renovation has been continued in Schwanthalerhöhe of Munich since the 1970s. In the both cases, maintenance of intra-district variety in some senses and participation of the local people in the project is taken into account as key factors for the regeneration and revitalization of the problem districts and quarters. In this point, we can see important characteristics of European urban society. Nevertheless, Munich seems to be more successful also in the revitalization of the problem district than Berlin. The present author does not clarify the reason for it in this paper. He does not also discuss results and problems of the quarter management in Berlin. In order to conduct the research further, it should be important to shed light on the place identity of the local people. We should ask if it is possible for different groups in a locale to feel common identity or sense of belonging to a place. We cannot be optimistic, if we face the situation of the quarter around Kottbusser Tor.

2 0 0 0 IR <随想>破門

著者
岩間 雄志
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
no.49, pp.92-93, 1994-03-15
著者
高橋 彦博
出版者
法政大学
雑誌
社會勞働研究 (ISSN:02874210)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.一八一-二〇七, 1983-03-20
著者
水野 稔
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.103-104, 1980-02-10
著者
表 章 落合 博志 表 きよし 山中 玲子 木下 文隆 竹本 幹夫
出版者
法政大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

1.本研究は、法政大学能楽研究所が調査・蒐集した全国各地の演能記録を基盤に、新たに探索した記録をも加え、催し単位の番組を所定の形式に調理してパソコンかワープロのフロッピーに収納し、それを国文学研究資料館が「連歌資料のコンピュータ処理の研究」で開発したシステムを利用して、データベース化することを目標としており、いわば能楽研究所と国文研究資料館が提携した共同研究である。初年度と2年目に基盤データの集積に力を注ぎ、20000番に近い番組のフロッピーへの収納を完了し、国文学研究資料館の大型コンピュータへの転移も終了した。2.資料数が予想以上に多く、当初意図した明治初年までの記録をすべて集成することを無理であることが明らかになったので、2年目の途中から江戸中期の享保5年(1720)までの分を優先することに方針を変更し、3年目にあたる本年度は、集めた資料の整理・分析に重点を移した。コンピュータによる曲名索引や演者名索引がその作業にすこぶる役立ったが、それを手掛かりに分析した結果、原資料に年月の誤りや人名の誤記がすこぶる多いことが判明し、それの修正に多大の労力を要した。3.その結果、3年目には、補助者に頼ったデータ集積は順調に進行して、番組集の種類では40余種、催し単位では3000回、曲単位では30000番にも及んでいるが、その整理は寛文年間までの分(1670年まで)をほぼ終了した段階である。その内の、主たる資料七種の整理結果を本研究の中間発表の形で公表することにし、グループ名義の別記の報告にまとめた。文字を7ポ大に縮小しても第一回分だけで90ページを越え、3回に分載する全体では200ページを越えるであろう。4.本研究は、科学研究費補助金の交付終了後も同じグループによって継続する。法政大学能楽研究所と国文学研究資料館と本研究参加者がその責任を負っている。最終成果の発表は数年先になるが、活字による公表は量的に無理なので、圧縮ファイル、またはCD-ROMによる頒布を考えている。
著者
村上 健一郎 菅原 俊治
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

平成18年度は、主にIPv4++方式を実現するための多方面からの機能検証を行い、平成19年度は、実装上の問題点の明確化と設計へのフィードバック、そして実装を進めた。(1)レルムという概念を導入し、これで再帰的にネットワークが構成されるというパラダイムでIPv4++ネットワークが明確に説明できることを明らかにした。これを情報処理学会OS研究会にて発表した。(2)ミッションクリティカルな利用に対応するため、バックアップ機能の追加を行った。この切り替え時間を二桁程度向上させるための経路制御アルゴリズムTPV(Temporal Path Vector)について論文をソフトウェア科学会第8回インターネットテクノロジー研究会にて発表した。また、経路制御管理を容易にするための方式について、研究分担者が論文を発表した。(3)英文論文ドラフトを執筆し、研究協力者であるコーネル大学のポール・フランシス教授と議論を行った。論文が複雑になりすぎた事を指摘され、装置中心に書き直すとともに、実験結果を入れることとした。また、米国BBN研究所のクレイグ・パートリッジ博士と議論を行い、標準化トラックに載せるよりも、事実上の標準にすることを急ぐようアドバイスを受け、設計と実装を加速することとした。(4)機能設計および詳細設計の検討中に、VPN(Virtual Private Network)のパスを通すことができないことがわかり、VPNでは固定的に割り当てることで、本問題を回避することとした。(5)Linux上で本方式の実装を進めたが、進捗率は全体の70%程度となった。現在、実装を加速させている。
著者
高 友希子
出版者
法政大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

『法典調査会民法議事速記録』を見ると、参考文献として英判例の記載があるにもかかわらず、英法の日本民法典への影響に関する研究は極めて少ない状況である。そこで本研究では、民法716条が立法されるきっかけとなった英国における独立契約者概念の形成・発展のプロセスを、判例の検討を通じて解明することにより、英法の日本民法典への影響について検討を加えた。
著者
表 章
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.47-58, 1987-03-03
著者
渡邊 嘉二郎 吉永 洋一 正嶋 博
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

1.目的本研究は介護の現場で実用に供しえる無拘束健康モニタシステムの構築を基本目的とし、エアマットレス型センサセンサシステムを提案し、(1)フィールドテスト(試作回路の評価、モニタシステムのフィールドテスト、総合評価)、(2)任意のマットレスへの適用可能性の調査、(3)新たな可能性への展開について実施検討する。2.方法(1)フィールドテストの方法センサ信号処理のための回路をディスクリート部品で構築し、回路の最適運用条件を明らかにする。この回路のもとで、30夜(一晩の平均テスト時間は8時間)のフィールドテストを実施しモニタシステムを総合評価する。(2)任意のマットレスへの適用可能性の調査市販の汎用クッション、床ずれ防止用マットレス、病院用エアマットレス、試作の薄型マットレスなど8種類を越えるマットレスでの本方式の適応可能性を試験する。(3)新たな可能性への展開本在宅介護のための無拘束健康モニタシステムを用いて、睡眠段階の推定のための基本的なデータを収集する。具体的にはR-K法で得られるデータと本モニタシステムで得られるデータの関連をしらべる。3.結果(1)フィールドテスト結果30夜を越えるフィールド試験で本システム(センサ、信号処理回路、エアマットレス、コンピュータ)の物理的な耐久性、信頼性は十分に実用に耐えうる。残される問題はこれらの量産化の検討である。また、このシステムが心理的に受け入れられる条件を明らかにすることである。(2)任意のマットレスヘの適用可能性の調査結果本エアマットレス方式はマットレスの種類によらず安定に動作することが判明した。このことは被験者に違和感を与えず優れた無拘束性を可能にする。またマットレスを安価に実現できる。(3)新たな可能性への展開本システムで得られる生体情報から睡眠段階を推定できる可能性が明らかになった。
著者
今井 猛嘉
出版者
法政大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

1.今年度もEUに見られる刑事実体法・手続法の統合への動きをフォローし、その理論的意義を検討した。2.手続法の分野では、EU加盟国相互での手続の統一化を目指す動きが加速されており、重要な進展が見られた。具体的には、EUROJUSTが設置されるとともに、ヨーロッパ共通逮捕状の新設も合意された。後者はEU域内でのテロ対策として、特に、2001年9月11日のアメリカにおける同時多発テロを受けて議論され、提案されたものである。ヨーロッパ共通逮捕状の実施条件に関する最低限の情報は集めたので、今後は、この具体化をフォローしたい。合わせて、ヨーロッパ検察設立の動きについても、理論的な検討を開始した。3.実体法の分野でもEU統一刑法にむけた動きに進展が見られ、個別の重要な犯罪に即して統一を図っていくという現実的なアプローチが特徴的であった。2001年度に確認された、EU実体刑法に関する重要な点は、次のとおりである。(1)EUの財政的利益保護を図るため、EUに対する詐欺罪(fraud)の処罰が、各国レベルで要請されている。それを受けて、例えば、ドイツでは、刑法264条(補助金詐欺罪)が新設され、既にその運用が始まっている。(2)賄賂罪(corruption)に対する各国の政策を統一する動きも進んでいる。これは、EUがOECDの勧告を尊重する形で、EU加盟各国に相当の対処を要求しているものである。賄賂罪の実体的要件を各国で統一するには至っていないが、賄賂罪の実行に付随して犯されやすいマネー・ロンダリングの防止については、つい最近、EUが、統一的な犯罪構成要件の提示を行った。今後の動向が注目される。(3)(1)、(2)を包括する形で、統一したEU刑法典を作ろうという動きも数年前から生じており、刑法学者のグループにより、Corpus Jurisが発表されている。これは、各国の伝統的な理解を超える提案も含んでおり、注目される。例えば、その13条は、法人処罰を規定するが、ドイツでは法人は処罰されず、OwiG[一種の行政刑法]によって課徴金が科せられるに止まる。しかし多国籍企業の違法活動には各国レベル、少なくともEUレベルでは統一した処理が望ましいから、ドイツにおいても法人処罰に踏み切るべきではないかが議論されている。近時、政府の諮問機関は、法人処罰に反対する旨を表明したが、今後の政策変更もありうるようであり、引き続いた検討が必要である。(4)以上のように、EU全般にわたる実体刑法の領域では、fraud, corruption, money-launderingが主たるtopicsとなり、可能な限りで加盟各国の犯罪構成要件を統一しようとする動きが具体化していることが確認された。我国も、この三つの犯罪につき、国際標準に合致した条文を作ることが要請されているので、本研究で得た知見を立法論的提言にまとめたいと考えている。4.以上から理解されるように、EU刑事法は、この二年間でかなりの進展が見られたが、昨年の米国多発テロ後に急進展した分野も多く、今まさに、関連情報が入手可能となりつつある。そのため、研究年度中に一定の結論を見出すことは困難であった。2002年度においても、鋭意、研究を継続していく所存である。
著者
大澤 彩
出版者
法政大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究においては、民法学において現下の課題となっている民法と消費者法の関係につき、消費者契約法による不当条項規制の問題点をその民法による規制との関係をも視野に入れて検討することで、1つの見方を提示した。具体的には、近時の日本の裁判例の分析から、日本同様、消費者保護立法によって不当条項規制が行われているフランス法の制度史研究、さらに不当条項規制の具体的なツールとして期待されている不当条項のリスト化に関するフランスの最新の法改正の動向など、多様な観点からの研究を行った。その成果は、5に掲げる論文や学会報告によって発表した。
著者
小川 孔輔 阿部 周造 西尾 チヅル 青木 道代 竹内 淑恵 酒井 理
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

(1)消費者調査2004年、東京都内の青果店店頭において、東京地場産野菜・有機野菜・特栽野菜についての消費者調査を行った(アンケート用紙配布、回答郵送方式、有効票数686票、有効回答率34.3%)。データから、回答者の76%は有機や減農薬・減化学肥料栽培野菜に関心を持っている一方、「東京」の地場野菜についての認知や評価は低く、43%が地場産野菜へのプレミアム価格の支払い意志をもたなか、った(小川・酒井)。調査の自由回答部分は、テキスト・マイニングの手法で解析したところ、消費者は有機と減農薬野菜の違いをはっきり認識しておらず、知覚している消費者は有機への不信感が大きいことがわかった(西尾・竹内)。また、これらの野菜購入動機の背景にある知覚されたベネフィットは、個人間で異なっていた。消費者の態度を分析すると、「有機」は独立したカテゴリーというより、「一般野菜」との関係で、相対的な評価により購買されている(阿部)。(2)視察・専門家による講義国内外の有機農産物の生産・流通・認証の実情を調べるため、筑波や中国・山東省、.オランダ、合衆国の小売り「ホールフーズ」(小川2005)などの視察を行った。また、エクスパートによるレクチャーも企画した。講師はイオン(「グリーンアイ」)、イトーヨーカドー(「顔が見える野菜。」)、ワタミファーム、イーアグリ、首都圏コープGPS、認証機関SEQの各社の野菜生産・流通の最前線の専門家で、講義は講義録にまとめられた(小川・青木2006)。(3)その他2004年、アジア消費者調査学会(ACR>で、研究メンバー全員が韓国で学会発表を行った。その他、研究の基礎となる資料の収集整理を行い、有機農産物と食の安全性に関する文献レビューを発表した(小川、2004,2005)。関連文献数百点に要約をつけた文献データベースが作成された。
著者
川口 由彦
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

この研究は、近代日本の地主的土地所有に変容が生じる1920年代に焦点を当て、これが日本の土地所有権構造にどのような変動をもたらしたかを追究するものである。具体的には、中央の立法資料でなく、地方で生じた変動を県庁文書や村役場文書をもとに検証していくという方法をとる。そのような考察対象として、群馬県山田郡毛里田村という村に焦点を絞り、ここでの地主小作関係と小作争議の収拾のあり方を分析してきた。この研究には、群馬県内での毛里田村の位置を問題とせねばならないため、毛里田村だけでなく、近隣の新田郡強戸村、同郡生品村、同郡木崎町等の地域も視野におさめる必要があり、現地調査を含め、資料調査を行った。毛里田村、強戸村は、現在は群馬県太田市域にありこ生品村、木崎町は、現在は新田町地域にある。毛里田村の資料に限っていうと、群馬県立文書館に小作調停・小作争議関係の県庁資料が膨大に所蔵されている。小作争議や小作調停が、県小作官を介して県にあがっていった場合は、これらの資料により、その概要を把握出来る。さらに、毛里田村役場資料にあたることで、毛里田村での微細な動きも把握出来ると考えた。この毛里田村役場資料は、第2次大戦後、毛里田村等の太田町周辺町村が「太田市」として合併されたとき市立図書館に保存され、現在は、太田市教育委員会が所蔵している。また、強戸村役場資料も同様の過程をたどっている。そこで、太田市教育委員会に資料閲覧と撮影を申請し、毛里田村と強戸村について膨大な役場資料を収集した。また、毛里田村の特徴をさらに鮮明にするため、群馬県以外の地方での小作調停資料を見る必要があり、秋田県、京都府、香川県、山口県の資料を検討した。これら4府県については、以前比較分析をして論文として発表したこともあり、調査は補充的なものとなった。毛里田村は、全村的に小作争議が起こり、この収拾方法として、村内すべての小作地に「査定小作料額」を農会主導で決定するという、全国的にもきわめて珍しいことを行った村である。このことを調べていくうちに、小作争議の収拾にあたって、当初村役場は、各区ごとの農事実行組合によって「査定」をするとしていたところ、小作側がこれを拒否し、各区ごとでなく、全村的に農会の手で査定すべきだと主張していったという興味深い事実が出てきた。小作調停もこれを前提とした独特の内容をもつ。そのことを比較・分析し、この3年間の研究をまとめた次第である。