著者
串田 ゆか 本間 利通
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織学会大会論文集 (ISSN:21868530)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.124-129, 2021 (Released:2021-08-21)
参考文献数
7

A pharmacist’s job is currently changing due to the addition of new tasks precipitated by the regional comprehensive care system and the revision of the Act on Securing Quality, Efficacy and Safety of Products Including Pharmaceuticals and Medical Devices. In 2016, with the revision of the medical fee, the “family pharmacist system” was established, enabling pharmacists to calculate a “family pharmacist guidance fee.” In addition, there have been continuous efforts to enhance the interpersonal services provided by pharmacists. With the increasing emphasis on interpersonal services, it is imperative to accurately assess pharmacists’ perceptions from a human resource management perspective. Therefore, this study conducted a questionnaire survey and an interview to clarify pharmacists’ perceptions of the family pharmacist system and contribute to the management of the profession. Factor analysis and interviews revealed that a four-factor structure was appropriate comprised of “ability and confidence” (F1), “job satisfaction” (F2), “professionalism” (F3), and “burden” (F4). These results may have implications for the facilitation of the family pharmacist system.
著者
犬塚 篤
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.75-85, 2020-03-20 (Released:2020-08-13)
参考文献数
34

集団内において非公式リーダー(公式リーダーよりもリーダーシップ行動が顕著な部下)が生じる状況要因を,国内アパレルチェーン410店舗に勤める1719名の店員への質問票調査により明らかにした.その結果,非公式リーダーの登場を促進・阻害する要因が,構造づくり行動に関しては集団サイズや公式リーダーの課題達成力,配慮行動に関しては公式リーダーや部下の成員理解力にあることが示された.
著者
稲水 伸行
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.33-43, 2021-06-20 (Released:2021-07-15)
参考文献数
27

本稿ではまず,理論の精緻化に長けた方法としてシミュレーションがあること,特にエージェント・ベース・シミュレーションはミクロとマクロを行き来する特徴を持つことを指摘する.また,シミュレーションが,事例研究やサーベイ調査,実験等の他の手法と相互補完的であるとし,これらの手法を組み合わせた研究事例を紹介する.最後に,シミュレーションを用いた経営組織研究に踏み出すための一歩として何が考えられるかを述べる.
著者
一小路 武安 勝又 壮太郎
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.33-46, 2016-03-20 (Released:2016-08-29)
参考文献数
60
被引用文献数
3

本研究ではまず,消費者の消費のほかに,(情報)伝達,創造,(創造)支援という3つの活動からなる発信行動に注目し,消費を含めた4つの活動を先行研究から整理する.そのうえで,インターネット上の投稿動画を中心にマンガも対象とした調査から,それぞれの活動の関係性を,分野横断性を確認する活動要因,当該分野における活動要因,より一般的な活動要因の異質性から明らかにした.
著者
鈴木 竜太
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.16-27, 2014 (Released:2015-04-25)
参考文献数
23
被引用文献数
2

本論文は,個人の2つの学習行動をもたらす職場の要因について明らかにすることが目的である.具体的には,職場における情報の開放性と凝集性が自分自身の能力や知識を高める個人学習行動と自分の持っている知識や情報を職場の同僚と共有する組織学習行動への影響と,個人学習行動の組織学習行動への効果への影響について実証研究によって明らかにする. 実証研究の結果からは職場の2 つの要因は直接的に2つの学習行動に影響を与えないが,個人学習行動を行う人がより組織 学習行動を行うようになることを促す効果があることが示された.
著者
塩谷 剛
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.46-59, 2020-09-20 (Released:2020-10-08)
参考文献数
34

本研究では,両利きの経営者の存在が企業パフォーマンスに与える影響について検証する.具体的には,農業法人の経営者を対象とした質問票調査データを用いて企業パフォーマンスに対する経営者の探索姿勢2変数(新商品開発及び新市場開拓)と活用姿勢の交互作用について検討した.分析の結果,企業パフォーマンスを向上させるためには,経営者は両利きであることが望ましいが,それは探索の内容に左右されることが示された.
著者
高尾 義明
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織学会大会論文集 (ISSN:21868530)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.202-208, 2019 (Released:2019-08-23)
参考文献数
16

Research on job crafting has burgeoned lately. However, most previous studies have failed to notice that the concept was originally propounded for focusing on subjective change in experience of a job. Thus, the purpose of this study is to explore the relationship between job crafting and psychological ownership for the job as a concept representing the experience of a job. The results of a three-wave survey revealed that psychological ownership for the job (time 1) had positive impacts on all three dimensions of job crafting (time 2) and that only cognitive job crafting (time 2) was positively related to psychological ownership for the job (time 3) in turn. These findings contribute to the literature by suggesting that job crafting can be considered as a changing process of experience of a job by strengthening psychological ownership for the job.
著者
松本 雄一
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.53-65, 2015-09-20 (Released:2016-06-29)
参考文献数
37
被引用文献数
1

本論文では,実践共同体の構築が個人の学習にどのような影響をもたらすか,特に実践共同体に多重所属することが学習をどのように促進するかという問題について,教育サービス会社の事例をもとにした探索的研究を行った.実践共同体の2タイプの構造によって促進される学習スタイルが異なること,そこから学習によって参加する実践共同体を使い分ける意義,実践共同体の重層的構造が学習とネットワーク構築を促進することが示唆された.
著者
吉岡(小林) 徹
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織学会大会論文集 (ISSN:21868530)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.82-87, 2020 (Released:2020-08-27)
参考文献数
12

Despite growing global diffusions of research managers and administrators (RMAs) in the higher education sector, both scholars and RMAs themselves have not reached a concrete definition and common expertise of RMAs yet. This conceptual mess partly comes from the RMAs development process: Most of RMAs cultivated their careers themselves. This paper introduces a theoretical framework from management innovation theories and attempts to classify RMAs for the identification of their expertise and to explain the diversified adoption process from a unified perspective. We conducted interview surveys for 11 RMAs in two public research universities in the U.K. and the U.S. We found avoidance of conflicts with traditional faculty roles is an essential factor of the adoption of RMAs who play a strategic role or correspond to tasks of research project management. Exceptionally, some information systems provide functions that slightly conflict with faculty roles; however, palpable their outcomes seem to overcome the rejection. Our explanatory analysis confirmed that the management innovation theory framework well explains the adoption process of RMAs, and thus, we can lead a further discussion based on this theoretical framework.
著者
服部 泰宏
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.4-17, 2012-09-20 (Released:2013-10-01)
参考文献数
43
被引用文献数
1

本論文は,「契約とは何か」という点をめぐる哲学や法学,社会学における議論を整理し,それをもとに,組織と個人の雇用契約に関わるこれまでの研究を捉えなおすことを目指す.具体的には,契約をめぐる哲学,法学,社会学の議論をもとに「自由主義的契約」と「関係主義的契約」という契約観の理念型を導出し,そこに雇用契約に関する2つの研究群──契約の経済学と心理的契約──をあてはめることで,こうした研究の特徴と偏りを明らかにする.
著者
堀田 結孝
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.33-42, 2019-12-20 (Released:2020-04-08)
参考文献数
23

社会心理学及びその周辺領域において,実験ゲームを通して人間の協力行動のメカニズムを検討する実証研究が盛んに行われている.本稿では代表的な実験ゲーム研究を概観し,協力行動の重要な基盤として知られている“互恵性”の役割について紹介する.また,人間の大規模な協力社会を支える仕組みとして理解されている制裁制度の機能についても紹介し,組織管理の文脈における応用可能性について議論する.
著者
稲水 伸行 牧島 満
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.29-40, 2016-06-20 (Released:2016-09-05)
参考文献数
28

本研究の質問紙調査により,オープン化・メガフロア化の進展したオフィスでは,既存研究では指摘されてこなかった多様性(画一性)・整然性(雑然性)がオフィス環境の満足要因となることが示された.さらに,コンピューター・シミュレーションを用いた思考実験により,人間の認知的限界がその背景にあることが示唆された.
著者
保城 広至
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.4-13, 2017

<p> 社会科学者と歴史研究者との間には,認識論的あるいは方法論的に埋められない溝が存在し,両者の和解はとうてい不可能である,というのが一般的な理解である.保城(2015)では,そのような溝を埋めるための条件と方法論を提示し,両者の融合可能性を模索した.本稿ではその方法論の概略を改めて述べるとともに,その中で提案した「過程構築(process creating)」の具体例を紹介する.筆者の専門分野に即して外交政策決定過程の分析に特化するが,国家だけではなく企業や国際機関といった,他の組織分析にもその方法は有用であると考える.</p>
著者
鈴木 宏昭 横山 拓
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.4-15, 2016

<p> 本稿では,組織の中に蓄積された暗黙知の明示化,公共化に関わる困難を認知科学的に分析する.その困難は,意識化すら不可能な知識が存在すること,言語が断片的であるがゆえに状況の復元に十分なパワーを持っていないことに由来する.こうした困難を克服するためには,知識を,場の中でマルチモーダルシミュレーションによって生み出され,改変され続けるものとして捉えることが必要とされる.また状況や身体の情報を豊かに伝える象徴的言語の利用も知識の伝達には有効である.</p>
著者
髙瀬 武典
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.4-14, 2015-12-20 (Released:2016-06-29)
参考文献数
48

組織のエコロジカル・パースペクティヴは1970年代の組織研究や社会学理論のなかにニッチを見出し,社会学理論としての有用性に関する批判や新制度派理論との交渉を経てAldrichによる進化アプローチ,あるいはHannanたちによる社会的概念形成過程研究へと進化していった.Hannanたちの流れは,「組織における表象」あるいは「組織化」といった研究課題への応用の可能性を豊かにはらんでいる.
著者
一小路 武安
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.72-89, 2016-03-20 (Released:2016-08-29)
参考文献数
34

本研究は日本のアニメーション産業の確立した既存企業を事例に,3DCG(新技術)と手描き(既存技術)を組み合わせるハイブリッド製品の開発マネジメントに関して,ハイブリッド技術構造構築,技術者間融和という二つの課題をいかに克服するかという観点から分析を行った.結果として,新技術部門マネジャーが主に前者に対して貢献し,既存技術に熟達しながら新技術への積極性ももつ“適応的技術者” が主に後者に対して貢献していることが明らかになった.
著者
石井 晃
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.5-20, 2015

ヒット現象の数理モデル(石井他2012)を社会の中の人間間相互作用の力学として紹介する.このモデルを社会的ニュース,映画興行,ドラマ視聴率,AKB 選抜総選挙に応用した.
著者
池田 浩 森永 雄太
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織学会大会論文集 (ISSN:21868530)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.62-67, 2014-08-25 (Released:2014-08-28)
参考文献数
11

The purpose of this study was to develop a scale measuring multi-faceted as well as multi-dimensional work motivations in Japanese organizations. It also sought to verify the scale’s validity and reliability. In study 1, items of the scale were developed based on Barrick, Stewart, and Piotrowski’s (2002) work on a prior scale, and included additional content on motivational aspects of learning. These items were further elaborated and examined in two preliminary investigations to determine whether each reflected three core dimensions: directivity, persistence, and strength. In study 2, web surveys comprising the items were administered to 600 Japanese employees whose responses were later analyzed. An exploratory factor analysis was performed to ascertain the scale’s validity and reliability, which revealed 4 factors: accomplishment, competition, cooperation, and learning-oriented motivation. This factor structure was confirmed in Study 3 with two samples of 209 nurses and 467 system engineers. This final phase of our research also demonstrated that competition-oriented motivation was associated with decreased negative job performance among employees of Japanese hospitals.
著者
西口 敏宏
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織学会大会論文集 (ISSN:21868530)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.200-205, 2015-07-31 (Released:2015-07-31)
参考文献数
18

This paper examines community-level social capital, or community capital for short. Building on existing literature on social capital and supply chain networks, we specifically look at the community networks that evolved among the natives of China’s Wenzhou, often referred to as the birthplace of spontaneous Chinese capitalism. A key is to understand in depth whether and how individuals interact in local contingencies, to form a coherent pattern that may facilitate or inhibit further collective action. To what extent, moreover, is such pattern generation a product of community norms, values and strategies shared by community members? How does such pattern generation differ from other communities whose collective performance is less impressive? And why? This research directly addresses these issues with original evidence. Drawing on extensive fieldwork, we investigate, at the community level, the emerging networking patterns of Chinese entrepreneurs from Wenzhou, whose striking economic success has been widely noted. In particular, we examine the extent to which Wenzhounese entrepreneurs’ rapid rewiring of their links with various transnational locales and the concomitant efficient network search and information sharing on the basis of community cohesiveness is related to Wenzhou’s success. We find “commensurate trust”shared and enjoyed among its exclusionary community members a key to decode the secrets of their success as well as to limit their evolvability.