著者
織 順一 吉海 拓史 吉村 修一 竹中 佐重美(
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.263-265, 1998-02-25
被引用文献数
2 13

シベリアン・ハスキー犬2頭の3眼が, 検眼鏡検査と超音波断層検査(USG)によって臨床的に第一次硝子体過形成遺残症(PHPV)と診断された。二次性進行性白内障を伴った1眼球においでPHPVの診断的治療のための超音波乳化吸引術を行い, PHPVが確認された。
著者
高木 光博 向井 周平 伏見 康生 松下 幸平 三好 宣彰 安田 宣紘 北島 秀生 高牟礼 千郎 松下 俊彦 北村 延夫 出口 栄三郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.1281-1286, 2007-12-25

慢性鼓脹症状を呈する11か月齢黒毛和種牛の臨床,病理学的な検索を行った.同一飼料給与下の同月齢正常牛と比較して,飼料摂取量,排泄量は同等であったが,本牛の糞中には未消化な長い繊維が多く含まれていた.第1胃,2胃および4胃に肉眼的著変は無く,第3胃葉の重度形成不全と未発達な第2胃溝を認めた.第3胃乳頭部の組織構築に異常はみられなかった.牛の第3胃葉形成不全は鼓脹症の原因となる可能性が示された.
著者
Ables G.P 西堀 正英 印牧 美佐生 渡辺 智正
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.1081-1083, 2002-10
被引用文献数
19

結核菌やサルモネラ菌などの細菌感染抵抗性に関して,マウスには系統差がある.この形質は特定の遺伝子に支配され,ポジショナルクローニングによって,Natumlresistance associated macrophage protein1(KRAMP1)遺伝子と同定された.抵抗性の場合,169番地のアミノ酸がGlyであるのに対して,感受性ではAsnである.そこで,この周辺の領域が重要であると考えて,牛(黒毛和種,ホルスタイン,アンガス,韓牛,アフリカダマ牛)と水牛(フィリピン沼,インドネシア沼,バングラデツシュ沼と河)のNRAMP1遺伝子の,エクソンVとVIを含む781塩基対を決定した.その結果,この領域は非常によく保存されており,牛と水牛間でアミノ酸置換はエクソンVにおけるThrとIleだけであった.マウスの169番地に相当するアミノ酸は全てGIyであった.その他,エクソンVに2箇所(サイレント),イントロン4および5にそれぞれ2箇所と10箇所の塩基置換が検出され,これらを用いて系統樹が作成された.
著者
石原 勝也 北川 均 佐々木 栄英
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.739-745, 1988-06-15

犬糸状虫性血色素尿症(caval syndrome)例の外頸静脈から, フレキシブル・アリゲーター鉗子を用いて, 右心房と三尖弁口部の犬糸状虫を摘出後, さらに肺動脈内の犬糸状虫を摘出した. 23例の外来患畜では, 右心房及び三尖弁口部の犬糸状虫はすべて摘出され, このうち16例(69.6%)では肺動脈から1〜36隻が摘出された. 実験例9例では, 右心房から2〜34隻の犬糸状虫が, また, 6例の肺動脈からは3〜21隻の犬糸状虫が摘出された. 残留糸状虫数は0〜11隻で, 平均摘出率は83.2%であった. 24時間後, 実験例の右心系循環動熊は, 摘出後回復した5例では, 摘出前に比べ右心拍出量, 心指数及び一回拍出量が増加傾向を示したが, 予後不良では4例中3例で減少した. 肺動脈圧と右心室圧は, 摘出前はほぼ正常値から著しい高値まで様々であったが, 摘出後は予後の良否にかかわりなく増減不定に変化し, 関与因子が複雑であることが示唆された.
著者
板倉 智敏 山極 三郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.11-PLATE II, 1971-02-25

著者らは, 鶏骨の Dysplasia とみなすべき症例に, 再び遭遇した. それは, 本研究の第I報におけると同様に, 一養鶏農家に集団的に発生したものであるが, 骨組織所見に注目すべき差異が存在したので報告する. 検索材料は3例よりなる. それらはすべて32日令, 肉用種(White Cornish×White Rock), 殺処分例である. 全症例について, 第I報におけると同様に, ほぼ全身骨の縦断および横断組織片が組織学的に検索された. 今回の例は, 2週令から4週令にわたって発生した. 臨床症状の特徴としては, O字脚 (Genu varum) が共通的であった. 飼料は市販のものが使用されたが, そのほかに, ストレス緩解の目的で抗生物質およびビタミン製剤が与えられた. 発生数は, 同日令群1,200羽中192羽(16%)に達した. 検索した3症例に共通した組織変化として, 骨体性骨組織の完熟遅延と局所性異常増殖が指摘された. このような変化を示す部位として, 管状骨の後面骨, 特にその骨幹中位および骨端よりの骨化点に相当すると思われる部位が, 多く選ばれていた. 他方,骨端性骨組織の異常増殖像には遭遇しなかった. このことは, 第I報において記載した所見とは異なったものとして注目された. 以上の組織変化を基礎として, 本例の症状の特徴であるO字脚の成因を考えてみた. また, 原因発生について, 集団的に発生したこと, 飼料のほかに抗生物質およぴビタミン製剤などが与えられたことは, 看過し得ない事実として, 若干の考察が行なわれた.
著者
広瀬 修 柴田 勲 工藤 博史 鮫ヶ井 靖雄 吉澤 重克 小野 雅章 西村 雅明 廣池 忠夫 影山 潔 阪野 哲也
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.991-995, 1995-12-15
被引用文献数
10

1993年, 雌豚の繁殖障害を主微とする症例および子豚の呼吸器症状を主徴とする症例から採取した豚の肺材料からPRRSウイルス2株を分離した. これらの分離株を用いて5日齢および13日齢プライマリーSPF豚での実験感染を実施した. 接種した豚では感染後2日目ごろから元気消失, 食欲不振, 発熱, 下痢, 犬座姿勢および眼瞼浮腫などが認められた. 憎体率は非接種対照豚と比べ明らかに低下した. 異なるウイルス株を接種した豚群間で, 臨床症状の違いは認められなかった. 感染後28日目に剖検した豚では主に間質性肺炎, 非化膿性心筋炎およびカタール性リンパ節炎などが認められた. ウイルスは感染後7日目および28日目の主要臓器から回収され, さらに, 感染後7日目から試験終了時の28日目までの血清から回収された. 間接蛍光抗体を測定した結果, 抗体は感染後14日目から検出され, 28日目では1,280倍を示した.
著者
松山 聡 久保 喜平 大橋 文人 高森 康彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.201-203, 1997-03-25
被引用文献数
2 8

イヌ,ネコ,ウシ, ウマおよびウサギの正常肝臓組織より, 癌抑制遺伝子の一つと考えられているプロヒビチンcDNAの一部のクローニングをRT-PCR法により行った. その結果, 今回, RT-PCRにより増幅された部分は, 各動物種間でcDNAの塩基配列では約90%, アミノ酸配列では約95%以上の相同性を示した. したがって, これらのRT-PCR産物は, 各動物のプロヒビチンcDNAの一部であることが示唆された.
著者
酒井 宏治 矢田 佳織 坂部 元紀 谷 おりえ 宮地 一樹 中村 政幸 竹原 一明
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.491-494, 2006-05-25
被引用文献数
2

日本のダチョウ血清191検体について,ウイルス中和試験によるNDV抗体及び寒天ゲル内沈降反応によるAIV抗体の検出を実施した.NDワクチン接種歴のない22検体においてNDV抗体が検出された.本研究では,ウイルス中和試験と比べHI試験は鶏赤血球への非特異的凝集のためにNDV抗体検出法として適さないことが示された.AIV抗体は全て陰性であった.102検体のダチョウの気管及び腸管からは,赤血球凝集能を有するウイルスは分離されなかった.
著者
Shin J.-H. Sohn H.-J. Choi K.-S. Kwon B.-J. Choi C.-U. Kim J.-H. Hwang E.-K. Park J.-H. Kim J.-Y. Choi S.-H. Kim O.-K.
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-7, 2003-01-25
被引用文献数
1 15

韓国は1934年以来口蹄疫の発生はなかったが,2000年3月から4月にかけて15箇所でOタイプの口蹄疫発生が生じた.同時期に台湾,中国,日本,ロシア,モンゴルでも,牛または豚にOタイプの口蹄疫発生が報告された.南北朝鮮境界非武装地帯から約5kmに位置する農場において口蹄疫擬似患畜が検出され,緊急調査を行った.病原ウイルスは,3D polymerase 領域,IRES領域,1D/2B領域を対象としたRT-PCR,抗原検出および型別検出用ELISAにより,口蹄疫ウイルスOタイプであることを同定した.発病牛の水疱を材料として1D/2B領域の塩基配列を調べた結果,台湾で分離された口蹄疫OタイプKinmen株と98%の類似性が認められた.原因ウイルスは若齢マウス経代後,黒ヤギ胎児肺細胞接種により分離された.
著者
佐藤 博
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.915-917, 1981-12-25

山羊と緬羊における尿中リン(P)濃度の日内変化を調べた. 毎日午前9時に給飼されている山羊の尿を6時間毎に72時間続けて採取してP濃度をみると, 採食後6時間に最も高濃度となる場合が多かった. 緬羊を午前6時あるいは午後6時の給飼条件にそれぞれ2週間以上慣らして同様に6時間毎に96時間採尿したところ, いずれの場合も給飼後にP濃度の高まる傾向がみられた. 同一個体で朝から夕刻へと給飼条件を変えると, 尿中P濃度の日内変動も逆転した例が多かった. 1日に1回給飼のような飼養条件下では尿中P排泄量は給飼時刻に最も強く影響されることが判明した.
著者
佐伯 和弘 長尾 慶和 岸 昌生 永井 政僖 入谷 明
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.523-526, 1998-04-25
被引用文献数
1

シクロヘキシミド(CHX)で減数分裂再開始を抑制したウシ卵子の核の成熟に要する時間とその後の胚盤胞への発育を調べ, 抑制卵子に適した成熟時間を検討した.抑制卵子は16時間以降で核の成熟率が最高値に達し, 抑制しなかった対照卵子は20時間以降で最高値に達した.16時間成熟培養した抑制卵子は, 正常に受精した胚盤胞への発育率は低く, 20時間成熟培養することにより, 対照卵子と同等の発育率が得られた.以上のことから, CHXで減数分裂再開始を抑制したウシ卵子の核の成熟に要する時間は対照卵子と比べて4時間早まるが, 胚盤胞への発育には, 対照卵子と同程度の成熟培養時間を要することが示された.
著者
長野 秀樹 宝達 勉 土本 まゆみ 井出 誠弥 山上 正 山岸 郭郎 藤崎 優次郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.491-497, 1987-06-15
被引用文献数
1

精製ウイルスをトライトンX-100で可溶化したものを抗原とするELISA法により中和試験でほとんど交差性がみられなかったB42株 (マサチューセッツ型), グレイ株 (デラウェア型) およびA5968株 (コネチカット型) の3株間に強い交差反応がみられた。ELISA法ではB42株は血清学的に相互に異なると思われている上記3株以外の8株と強く反応し, 鶏血清のB42株に対するELISA抗体価は中和抗体価と平行して推移した。
著者
竹内 由則 大西 ゆみ 松永 悟 中山 裕之 上塚 浩司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.529-532, 2008-05-25

11歳8ケ月齢,雄のチワワにおいて,顆粒細胞の増殖を伴う髄膜腫が認められた.大脳右半球のクモ膜下において,微細顆粒状〜泡沫状の好酸性細胞質を有する小型〜大型の多角形細胞が充実性無構造に増殖していた.また,一部の腫瘍細胞の細胞質がPAS陽性を呈した.また,この腫瘍細胞は免疫染色においてVimentinおよびS-100に強陽性であった.電顕観察下では,腫瘍細胞は細胞質に小胞および小型円形の構造物を有していた.我々は,本症例を「顆粒細胞様変化を有する髄膜腫」と診断した.
著者
石原 勝也 菅沼 保治 渡辺 幸男
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.149-157, 1977-04-25

The present studies were undertaken to obtain data on serum lipoprotein analysis which would serve as normal references for studies on serum lipoproteins in diseased dogs, especially those with canine dirofilariasis. Serum samples were collected from 35 normal dogs of various ages proved to be free from Dirofilaria immitis (filaria) by the routine physical checkup and laboratory examination. They were analyzed for lipoproteins by cellulose acetate electrophoresis (electrophoresis). The serum lipoproteins were obtained basically as four distinct fractions, i.e., α-, pre-β-, β-lipoprotein and chylomicron fractions. The last-named fraction was only in trace quantities. It was presumed that the four fractions might have a density of 1.063<1.210, 1.006<1.019, 1.019<1.063 and <1.006, resptctively, as estimated from the electromigration velocities (mobilities) of other samples which had been separated ultracentrifugally. The mobility of the pre-β-lipoprotein fraction, however, varied with the serum sample, possibly due to the difference in the quantity of lipids bound to this fraction of serum lipoproteins. On the basis of analytical data on the 35 normal dogs, the normal percentage composition (relative proportion) of the serum lipoprotein fractions was investigated in dogs. Furthermore, the concentrations of these fractions in the serum were calculated from data on the total serum lipid content, the percentage composition of the serum lipoprotein fractions, and the amounts of lipids bound to the lipoprotein fractions obtained from 25 of the 35 dogs in order to clarify the normal ranges.
著者
廉澤 剛 野崎 一敏 佐々木 伸雄 竹内 啓
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.1167-1169, 1994-12-15
被引用文献数
11

1.5歳の雌雑種犬に自然発生した骨肉腫から直接細胞培養し, 骨肉腫細胞株POS細胞を樹立した. この細胞は, 33時間で倍加し, 形態的にはいくつかのタイプの細胞が観察された. 透過型電子顕微鏡で, 多数の拡張した粗面小胞体が認められ, また高いALP活性を持つことから, 骨芽細胞由来の細胞と考えられた. さらに, この細胞のヌードマウス移植腫瘍を病理組織学的に調べたところ, 原発腫瘍と同様の骨肉腫組織像を示すことが明らかになった.
著者
沢田 拓士 村松 昌武 瀬戸 健次
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.565-570, 1982-08-25

豚丹毒生菌ワクチンを皮下接種した豚29頭の感染防御能と血清の受身マウス感染防御能の関係を調べた. ワクチン接種前(18例), ワクチン接種後攻撃直前まで(115例)および攻撃後(38例)の血清, 合計171例についての受身マウス感染防御試験の結果, マウス生残率(SRM)と生菌発育凝集抗体価(GA価)の間には正の相関関係(P<0.01)が認められた. ワクチン接種後10あるいは15日目の血清のSRMとワクチン接種2, 3, 4力月後の強毒菌による攻撃に対する豚の感染防御能とには関連性が認められた. このことから, ワクチン接種後早期の豚血清のマウス感染防御能は接種豚の免疫の持続性を示唆すると思われた. ワクチン接種後1力月以内に攻撃された豚は, 攻撃前血清でのSRMが低いか, 多くは陰性であったにもかかわらず, 何ら接種部位における限局性皮膚反応(発疹)を示さなかった. 一方, ワクチン接種後3あるいは4力月目で攻撃された豚の多くは, 攻撃前血清でのSRMが陽性であったにもかかわらず, 種々の強さの発疹を呈した. これらの結果から, ワクチン接種豚血清のマウス感染防御能のみからその免疫状態を推測することは困難であると思われた.
著者
大江 正人 Rajamahendran Raja Boediono Arief 鈴木 達行
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.371-376, 1997-05-25
被引用文献数
7

ホルスタイン種経産牛を供試牛としてアロカ製牛経膣穿刺用コンベックス探触子(UST-945-改, SSD-500)を用い超音波誘導により経膣で卵母細胞を採取し, 体外受精卵を作出する技術の有効性を高めるために優勢卵胞除去後のFSH処置法について検討した. 発情周期の異なる時期でのFSH前処置として:実験-1 :発情排卵の翌日にFSH を投与, 3日目に卵母細胞を経膣採取, 実験-2 :発情排卵日から6日目に優勢卵胞を経膣穿刺用コンベックス探触子を用いて穿刺吸引除去し7日目にFSH投与, 9日目に卵母細胞を経膣採取, 実験-3 :妊娠牛において授精後70日から100日までの30日間に5日間隔でFSHを1回投与し, 48時間後に卵母細胞の経膣採取を連続して5回実施した. 対照区として発情排卵日から8日〜14日目の間にFSHを1回投与し, 48時間後に経膣採取した. それぞれの実験区で採取した卵母細胞は体外受精胚の作出に供した. その結果, 優勢卵胞除去牛と妊娠牛では安定して良質の卵母細胞が得られること, 体外受精で高率に移植可能肝の得られることが明らかになった. これは発情排卵後の第1卵胞波, 黄体期6日目の優勢卵胞除去による第2卵胞波へのインヒビン解除がFSHの同調を有効的に誘起したことを示唆している. また妊娠牛において卵母細胞反復吸引後に流, 早産が起こらなかったことから, 不法の活用範囲は更に広げることが可能と思われた.