著者
長山 宗美
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.275-280, 1990-03-30
被引用文献数
2 5

冒険遊び場(羽根木プレイパーク)にて聞き取り調査を行ったところ,他の遊び場(よく遊ぶ場所は公園や家の中)との相違点は自然性と独自の手作り遊具であると感じていること,そこでの遊びで好きなことは,めまい感覚を体験できる手作り遊具での遊びであること,距離が近いほど頻繁に訪れやすいこと,自身の意志で頻繁に訪れる人ほど遊具以外のおもしろさに気がつくようになり,特にその傾向は男子,高学年にあること,が明らかになった。
著者
埴生 雅章
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.48-53, 1991-03-30
被引用文献数
1

雪見の対象となる雪景としては,雪のある所とない所の相互関連により生じる『対比』が雪景操作の観点からも重要であり,その視点から,雪の絵で評価の高い『広重』の雪景画を対象とし,雪景における『対比』の効果的な表現手法を分析の上.その特質を考察した。その結果,積雪の大地や物を白く覆い,風景を統一する効果,物を部分的に覆い,風景に変化と統一を与える効果,統一された雪の領域の出現によって,雪に覆われない領域等との明瞭な対比関係が生ずる効果,および降雪の背景との色彩対比等により印象的に見える効果等が多用されている傾向が確認され,雪見対象の構成原則確立のための手掛りが得られた。
著者
丸田 頼一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.33-55, 1974-05-10
被引用文献数
2 5

1961年から1967年にかけて,夏季を中心に,都内の公園緑地を対象として,公園緑地内の気温,湿度および風に関する観測を行い,特に,公園緑地内の植栽の構成法の差異が,そこの各気象要素のそれぞれの分布に及ぼす影響を把え,次の結果を得た。1) 夏季,一般に,高木・亜高木層の材床が低木層または草本層で覆われている比較的植栽密度の高い樹林内では,最も低い低温域や最も高い多湿域が形成される。2) 夏季,午前10時,午後2時および午後6時には,天侯と公園緑地の周縁植栽の構成法とが関連性を保って市街地内空気は周辺公園緑地内へ移動する。3) 夏季,公園緑地内の芝生上に,樹林内と比較してより低湿性を呈する区域が存在している。4) 冬季の日中,常緑樹林で囲まれた南西斜面および常緑樹林で囲まれ,なおかつ陽光を受ける地形の平坦な芝生地に高温域が認められる。5) 冬季,約3m/sec以上の風が吹く時には,天気および観測時刻に関係なく,比較的植栽密度の低い所を通じて,市街地上の空気の公園緑地内への移動が行われる。6) 樹林内の風速は,芝生上のそれと比較して著しく弱いが,樹林内の園路上のそれは比較的強い。7) 公園緑地内の高木亜高木・層の林床が低木層または草本層で覆われている区域,あるいはこのような植栽構成により囲まれている区域の付近に,付の樹林構成地区と比較して,より低い不快指数の値がみられる。8) 風による影響を含めて,公園緑地内の樹林地の体感温度と芝生上の独立木下のそれとを比較すると一日中,前者よりも後者において快適性が認められる。
著者
北村 文雄 野田坂 伸也
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.32-37, 1975-03-20
被引用文献数
2

イ)造園樹木の生長におよぼす土壌硬度の影響を知るために,イチョウおよびオトメツバキを用いて実験を行った。ロ)供試樹木の地上部の生長は,高硬度区は悪く,年代を経るにしたがってその程度がいちじるしくなる。低硬度はむしろ生長がよい。地下部も同様の傾向を示し,高硬度区で生長は悪いが,予想以上に根は伸長し,また,地下部発達度(地下部/全体(花葉を除く))も大きい。低硬度区は根の状態はよいが,地下部発達速度は小さい。低硬度区が生長がよい原因は,土壌が適度に固いために根がよく土壌を把握し,効率よく働いているためであると考えられる。ハ)イチョウにおいては,高硬度区は落葉が早く,低硬度区は逆に遅くなる現象がみられた。また,オトメツバキにおいては,高硬度区は花蕾が年代が新しいうちはよく生じ,また低硬度区では花蕾が非常によく生ずる。これらは植物体内の栄養条件に関係があるとみられる。ニ)土壌水分については,高硬度区は乾燥しやすく,雨後一時間に水分含量が多くなってもその後の乾燥も早い。低硬度区は比較的よく水分を保持している。
著者
庄子 康
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.685-690, 2001-03-30
参考文献数
23
被引用文献数
3 3

近年,自然公園の様々な問題を考える上で,環境の持つ価値を経済的に評価する環境価値評価が利用され始めている。これら手法にはトラベルコスト法(TCM)や仮想評価法(CVM)等があるが,信頼性の点からTCMとCVMの評価額を比較することは有用である。本研究で北海道雨竜沼湿原における野外レクリエーションの価値をゾーントラベルコスト法(ZTCM),個人トラベルコスト法(ITCM), CVMによって評価を行った。ZTCMの評価額は訪問あたりの平均値で1214.9円,ITCMの評価額は1552.6円,同じくCVMの評価額は1687.7円と推定された。これらの推定値を直接比較することはできないが,真の評価額はこれらの値と近い値であると推測できる。
著者
赤坂 信
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.59-65, 2005-08-12
参考文献数
27
被引用文献数
4 5

昭和初期の10年(1930年代)は郷土風景の保存について盛んに議論されていた時代である。当時の造園関連の機関誌,専門誌を中心に議論の流れを整理しつつ考察した。1930年代後半からは郷土風景喪失の危機感を背景に保存の指針や法的な整備に関する論考も現れた。凍結的保存論もあるなかで,郷土風景は人の生活するところであるが故の「進化」のダイナミズムを認め,制御しながらより良いものにしていこうという提言もみられた。一方,こうした高所から,あるいは計画主体からの議論の他に,自らがすむ具体的な東京の「郊外」をとりあげて地元の郷土人による保存論の試みもあった。「都市化」と「昔のまま」の間に宙づりにされた郊外を「郷土風景」としてどのように意味づけ(解釈)するかが保存論の共通の課題であったが,具体策に結実することなく,予想をはるかに超えるスピードで到来した市街化の圧力の前にはほとんど無力であった。社会的な関心がありながら郷土風景が消滅する理由に,第二次世界大戦が後に控えてはいたが,保存論自体が社会的に直接影響を与える(適用が可能な)文化運動になり得なかったことが-因と考える。
著者
本田 裕紀郎 倉本 宣
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.583-588, 2001-03-30
被引用文献数
8 6

絶滅危惧植物力ワラニガナの生育状況を把握するため, 多摩川においてDGPSを用いて局所個体群の分布を記録するとともに, その個体数と個体群間の距離を測定した。その結果, 一つの個体群を除いて他は極めて脆弱な個体群のみであり, 各個体群間の距離は非常に長かった。<BR>また, 休眠・発芽特性を明らかにするため, 3種類の発芽実験を行った。その結果, 変温効果はあるが永続的な埋土種子集団を形成しないこと, 一次休眠は誘導されていないこと, 低温域において若干の相対的休眠が誘導されること, 秋に発芽することが明らかになった。<BR>これらのことから, 個体群の復元が必要であり.それには秋の長雨が訪れる前に種子を散布することが有効であると考えられる。
著者
槇村 久子
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.109-114, 1994-03-31
被引用文献数
2 2

地縁血縁の中で成立,維持されてきた墓地が近代化の中で崩壊してきた。これまでの墓地が固定的な地域共同体により支えられていたなら,その崩壊後にはどのような墓地が出現してくるのか。その墓地は何を要素として成立しているのか。近年新たな形で出現している都市型共同墓所を調査することで,地縁血縁を超える墓地の方向を探る。都市型共同墓所とは家族を単位とせず,地縁血縁によらずに同じ墓所に眠る形をそう呼ぶこととする。分析の結果,共同墓所に共通にあるのは個人単位,共同祭祀,死後の平等の3点。今後の方向として墓所の共同化,有期限化,無形化が導き出された。それは近代化の矛盾の課題に対応し,近代を超える萠芽と見られる。
著者
宮城 俊作
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.13-18, 1989
被引用文献数
2

近世都市に起源をもつわが国の歴史的市街地では, 近代以前の宅地割が限定的な土地経営のもとで大きく変動せず,「にわ」としてのオープンスペースと家屋群がコンポジションを形成する空間構成が維持されてきた。土地の高度利用を目指した明治中期から昭和初期の土地経営は, 土地所有単位の変更を伴わずに街区内部のビルトアップをもたらしたが, 昭和20年以後は宅地の分割譲渡を経て個別の更新がすすみ, 伝統的な空間構成が変質した。
著者
高橋 理喜男
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.2-8, 1975-03-20
被引用文献数
2 5

本邦における公園の発祥の原点となった明治6年の太政官布達によると,公園設置の要件として2つ挙げている。1つは地盤が官有地であること,もう1つは「群集遊観ノ場所」であること,この2つである。前者についていえば,すでに封建的土地所有形態の解体によって,社寺境内地や名勝地や城地を公園の候補地として具申することはきわめて容易であったとみてよい。一方,後者についても,江戸時代以来,庶民的戸外レクリェーション地のゆたかな蓄積が,とくに城下町を中心とする都市型にみられた。したがって,この布達は以上のような社会的歴史的趨勢をふまえたものであることは否定できない。しかし内外ともに多難な局面に立たされていた新政府の側に,こと民衆のレクリェーションにまで思いをめぐらすほどの政治的ゆとりがあったとは到底考えられない。とすれば,布達の背後に,何らかの形で,外国の強い影響の介在を認めざるを得ないと思う。ここに分達の本質を見出すことができる。すなわち,公園という新しい西欧的概念と,伝統的レクリェーション遺産という古い実在との癒着,これが布達の本質的性格であると規定することができる。ところで,外国の影響がどのような経路でこの布達に関与したかは判っていない。通説として,ボードウィンの建白説と,居留地外人の公園要求論があるが,いずれも具体性に乏しく,またいくつかの弱点も指摘できる。したがって,その実証に関しては今後の究明に残された課題である。太政官布達の反響は,当時の混沌とした社会情勢にもかかわらず,意外に早く全国的にあらわれた。西南の役が終結した明治10年までの僅か5年間の間に,開設公園数67ヵ所に達し,そのあとの10年間における開設数を遥かに上回る結果を示した。しかしながら,布達は「群集遊観ノ場所」としている以外に選定の規準を示していなかったため,さまざまの公園が輩出した。それらは立地条件によって,日常生活圏内にある真正の都市公園的タイプと,その圏外に出る郊外公園的タイプに分けることができる。前者は金沢兼六公園などに典型的にみられる如く,庶民の利用度も高く,公園の整備にもそれ相応の努力がみられた。それに反して,交通の便も悪い郊外公園的タイプとなると,人の足も遠く,ただ名称のみにとどまる公園も少なくなかったようである。これらの公園が脚光を浴びるようになるのは,都市化の進展が活発になる明治後期頃からである。このように,実体の伴わない公園が多数出現したのは,布達の本質とする「資源依存性(Resource-based)」に根ざしており,都市公園本来の「利用者指向性(User-oriented)」を明確に打ち出さなかったことによる。そこに太政官布達の歴史的限界があったと思う。それが永年にわたって,わが国の都市公園の在り方を規定しつづけてきたのである。
著者
小野 健吉
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.1-4, 1995-03-31

蘆花淺水荘は、近代京都画壇で活躍した日本画家・山元春擧が、郷里滋賀県大津市の琵琶湖畔に営んだ別荘である。庭園は、大正4〜6年ごろを中心に、春擧の指示のもと京都の庭師・本井政五郎らにより作庭された。築造時の記録、築造後間もない時期の写真・図面・文献、関係者の証言などから、この庭園が建築と並行して築造されたこと、風景画にすぐれていた春擧が絵を描く感覚でこの庭園のデザインに取り組んだこと、琵琶湖を視覚的にも利用の上でも主たる構成要素とする傑出したデザインの写実的風景式庭園であったことなどを確認した。
著者
小野 健吉
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.49-54, 1986-03-31
被引用文献数
1

明冶中期〜昭和初期にかけて京都を中心に多岐にわたる分野で活躍した日本画家・神坂雪佳は、庭園にも関心を示し、設計にかかわった大橋氏松ヶ崎別邸(無盡庵)庭園では雪佳らしい特色も出した庭園意匠を見せている。この時期、雪佳のほかに竹内栖鳳、橋本関雪らの画家も庭園に関心を持ち、自邸の庭園を作っている。そしてこれらの画家の庭園への関心が、この時期の京都の庭園の水準を引き上げる要因の一つであった。
著者
大窪 久美子 前中 久行
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.193-198, 1992-03-31
被引用文献数
2 4

野生草花の保全を目的とする半自然草地の管理を検討するため,クマイザサSosa senanensisの優占程度が異なる二つの群落において,時期を変えた刈取り実験を行った。刈取り区には6,7,8,9月刈り,無処理区を設け,二年続けて同じ処理を行った。その間,無言期に毎月一回追跡調査を行い,群落の動態を解析した。また,地域周辺でみられる主な植物について,フエノロジー調査を行った。マツムシソウ等の草本植物を庇陰してしまうクマイザサは,8,9月刈で再生を著しく抑制された。一方,野生草花の開花期は7月下旬から8月下旬に集中していた。刈取りの競合植物への影響が最大になる時期と野生草花への影響が最小になる時期とで刈取りの適期を議論した。
著者
柳 五郎
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.61-66, 1992-03-31
被引用文献数
2 2

明治初期における公園の特徴は,公園地の主たる撰定基盤が官有地に置かれていた。その為に官林地化された社寺境内地及び城跡地にも公園の基盤が求められたのである。しかし,官林地の取扱が内務省地理局から農商務省山林局に委ねられると,森林法の適用外とされた官林地公園の性格は,森林法で規定する保安林の中に潜在的な基盤を見出すようになる。そして,官林地公園は,公園の公益性から保安林の解除を求めざるを得ない状況となり,保安林との関係が森林法の改正につながって行く中で新たな段階を迎えた。この結果,大正期における官林地公園は,一時的な保存林的性格から森林法が適用される永続的な公園制度の実現に至ったものである。
著者
永松 義博 日高 英二 中野 功二
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.149-152, 1996-03-29

視覚障害者の友人関係について調査した。盲学校での校内友人数は4〜6人の割合が高い。弱視者,寄宿舎生の友人数は多くなる傾向にある。盲女子は友人数が少ないといった男女差がみられた。同学級,同寮であること等,接触の機会が友人関係成立の大きな要因となる。また同性であること,同級生,同程度の視力者によって友人構成がなされている。健常者の友人をもつものは弱視者,準盲者の男子に多くみられた。その数は1人もしくは2人である。成人の健常者を友人|こもつ機会は男女共にサークル活動の場を通じてが最も多いため健常者との交流の機会や場所の提供が今後の重要課題になる。
著者
加我 宏之 岡田 道一 下村 泰彦 増田 昇
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.759-762, 2002-03-30
被引用文献数
2

震災復興住宅を対象に,団地空間分類毎に入居初期段階での居住者による緑化活動状況を把握し,緑化主体に対するアンケート調査を通じて,緑化活動と関連づけた住環境づくりの課題と方向性を探った。その結果,緑化植物は観賞用植物が多く,屋外空間の修景に対する居住者の関心の高さが伺えた。緑化主体は個人による緑化が多いが,入居初期段階でのグループによる緑化も確認でき,ベランダ下は,個人緑化が主体となり,観賞園や菜園としての緑化が多く,遊園や団地出入口は,グループ緑化の活動場所として選択されやすいことが明らかとなった。緑化活性のために屋外空間をハーフメイドに設えることや資金,材料,技術支援の有効性を示唆した。
著者
中江 亮太 包清 博之 中村 久二
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.707-710, 2002-03-30
被引用文献数
3 2

本研究では,海浜緑地を対象に,周辺から訪れる住民と遠方から訪れる人々の来園者行動の特性把握を通じて,各々の来園目的に対応した環境諸要素の整備や管理に関する整備視点についての示唆を得ることを目的とした。博多湾の埋立地に設置された「みなと100年公園」を対象に,両者の来園目的や環境諸要素に対する認知特性などを捉えるため,来園状況調査とアンケート調査を計6回実施した。その結果,両者間で平日休日の来園者数や滞在時間に違いはみられず,海に係わらない来園目的が多く指摘され,海に対する認知では両者に違いがみられることなどを把握し,整備視点について検討した。
著者
細野 哲央 三島 孔明 藤井 英二郎
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.489-494, 2005-03-31
被引用文献数
3 3

This research aims at clarifying proper management of planting demanded from a legal viewpoint. First, Article 2 of State Redress Law and Article 717 of Civil Code are set as keywords, and the judicial precedent is searched, using the Internet database "law information database LEX/DB Internet". And then, the examples in connection with roadside planting were taken up out of the searched examples. The acquired judicial precedent was classified, observing the concrete mode of the accident. And five examples that the accident occurred when the victim collided with planting directly were summarized in the table, observing the regarded fact in the decision. Consequently, the relation between the legal responsibility for manager and the contents of planting management on the judicial precedent for the collision with roadside planting could be clarified and expressed to the figure.