- 著者
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大島 徹
塚 正彦
- 出版者
- 金沢大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2008
熱中症及び熱傷性ショックで死亡したグループ(第1群)と,機械的窒息で死亡したグループ(第2群)に分けて,細胞数の比較検討を行ない,病理組織学的観察を行ったところ,機械的窒息死事例の肺組織においては,高温の悪影響による熱中症や熱傷性ショック死事例と比べて,単球及び多核巨細胞が多数認められた。また,一酸化炭素中毒死のグループ(第3群)にもマクロファージ及び多核巨細胞減少の傾向が認められ,遊走する数はある程度,浸出物の多寡と相関する傾向にあった。法医診断において,単球系細胞の観察によって,以上3群間の鑑別診断の精度が上がるものと考えられた。