著者
岩崎 雄介 織田 ももこ 佃 優里 永森 裕季 中澤 裕之 伊藤 里恵 斉藤 貢一
出版者
[日本食品衛生学会]
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.167-176, 2014 (Released:2014-10-29)

食品添加物は,保存料,甘味料,着色料,香料など,食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されている。個別では安全とうたわれていた食品中の化学物質でも生体内で相互的な複合反応を引き起こし,想定外な影響を与える可能性がある。本研究では食品添加物の安全性を評価するために,酸化防止剤と金属の複合反応に着目し,ラジカルを選択的に検出可能な電子スピン共鳴装置(ESR)を用いた活性酸素種(ROS)生成の評価を行った。酸化防止剤と各種金属を反応させたところ,鉄と銅以外のミネラルや微量金属はROSの産生に寄与しなかった。しかし,特定の酸化防止剤は銅と反応することで,ROSが産生されDNAの酸化と切断を引き起こし,酸化ストレスを惹起させていることが示唆された。
著者
井上 洋士 村上 未知子 有馬 美奈 市橋 恵子 大野 稔子 山元 泰之 岩本 愛吉 木原 正博
出版者
日本エイズ学会
雑誌
日本エイズ学会誌 (ISSN:13449478)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.174-183, 2004

目的: HIV感染者のセクシュアルヘルスへの医療従事者による支援の実態とその関連因子の一端を明らかにすること。対象および方法: HIV感染者のセクシュアルヘルスへの直接的支援に関わる医療従事者19人を対象としたフォーカス・グループ・ディスカッション4回, 半構造的面接調査2回を実施, データ収集を行い分析した。<BR>結果: HIV感染者のセクシュアルヘルスへの支援の重要性を認識しながらも, 一方では不十分な支援に留まっているという認識があることがうかがわれた。その要因として, 1) セクシュアルヘルス支援に対する自信の無さや戸惑い, 2) 医療従事者としての立場と一人の人間としての立場の揺れ, 3) 広範多岐にわたるセクシュアルヘルス関連の相談内容, 4) 相談相手として患者から選ばれる医療従事者, 5) セクシュアルヘルスへの支援におけるチーム医療体制の不備の5点がカテゴライズされた。<BR>結論: セクシュアルヘルスへの支援をHIV診療において医療従事者が担うべきであるとする意思統一が院内・院外の関係者間でほとんどなされていない, また患者に対しても, セクシュアルヘルスに関連した相談を受ける場であるとの意思表明を明確にしている医療機関はあまり存在していないという状況が基盤にあると考えられ, こうした状況の改善が急務といえる。
著者
林 采震 栗原 嘉一郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
vol.421, pp.63-73, 1991
被引用文献数
1 4

This study is aimed at clarifying recent exhibition activity in art museum planning in Japan, by analyzing the composition of various exhibition types in term of quantity and quality. The exhibition types are categorized into 3types depending upon the manner in which space is managed. The characteristics of these types are influenced by the factors such as period of holding, the frequency of exhibitions and the organizational setup demanded by each type of exhibition. Other aspects, not entirely architectural in nature, affect the above factors depending upon various circumstances wherein the museum is situated and the kind of materials to be exhibited.
著者
東村 玲子
出版者
地域漁業学会
雑誌
地域漁業研究 (ISSN:13427857)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.33-56, 2015

<p>越前がには,他の水産物より先駆けて1990年代初頭には,既にブランドが確立していた。そのブランド評価を,177件の消費者アンケートを基に行った。消費者は味覚に関しては非常に高く評価し,産地が分かることやタグに関する安心感もあり,また他の産地のものより品質も高く感じている。価格については高すぎると感じる人は多いものの,むしろ価格が高いことが越前がにをブランド品として消費する行動につながっているとも考えられる。またリピータへの可能性も高い。これらの結果に基づき,越前がにが消費者の主要な価値,すなわち①美味しいもの,②旬,③地域の名産品,④最高級品・ブランド,⑤たまの贅沢,を満たして高い満足感を与えていることを明らかにした。①から③については,他の多くの水産物にも多くあてはまり,ブランド化にあたって参考となるが,④と⑤はブランド化対象の水産物によって異なる。消費者が越前がにを消費するための情報探索コストは,インターネットの普及により低くなり,さらに宅配便の普及によって利便性も増したものの,最終的には店頭や電話での消費者とのコミュニケーションが重要であることが指摘出来る。現在では個別の直売店や旅館のリピータも多いが,それは従来の個別経営体が越前がにを大切に扱って来た努力の結果であり,今後とも共存・共栄に向けて,越前町全体が産地としてリピータの獲得・維持に努めることが望ましい。</p>
著者
太田 深秀
出版者
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

水分子の拡散現象を利用して生体組織の性質を画像化する拡散強調画像は、超急性期脳梗塞を敏感に描出できることから1990年代後半に急速に臨床応用が進んだ。また、近年開発された拡散尖度画像は従来の指標と比較して微細構造変化を鋭敏に捉えることが可能であると考えられている。我々は健常被験者や大うつ病制障害患者、双極性障害患者を対象にこの拡散尖度画像を用いて精神疾患に特徴的な局所脳形態変化を明らかにした。また精神疾患モデルマウスを用いた研究として大うつ病性障害モデルラットを対象に [11C]PK11195を用いた検査を行い、うつ病モデル化前後での脳内炎症の差異をPETにより明らかにした。
著者
望月 智也
出版者
一般社団法人 日本リスク学会
雑誌
リスク学研究 (ISSN:24358428)
巻号頁・発行日
pp.SRA-0380, (Released:2021-08-10)
参考文献数
20

In the event of earthquake damage to production facilities, there are a variety of possible effects, such as the impact on nearby residents due to secondary disasters such as fires, explosions, and leaks, and the impoverishment of people’s lives due to stagnation of economic activities and bankruptcy of companies. Although the government and local governments have made progress in earthquake-resistant buildings designed according to the old earthquake resistance standards, the progress of production facilities has been slow. This paper examines and shows the problems of production facilities in order to provide incentives for their seismic retrofitting.

1 0 0 0 丸山薫

著者
藤本寿彦編
出版者
紀伊國屋書店 (発売)
巻号頁・発行日
1985