著者
相賀 洋
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.93-96, 2015

<p>振替休日制度やハッピーマンデー制度により3連休以上となるような連休が、冷房・暖房ピーク発生時期と重なる可能性が高くなりつつある。たとえば冷房ピーク発生時期と重なる場合、連休中の透過日射や待機電力による発熱により室温が上昇し構造体に蓄熱され、連休明け以降に蓄熱負荷となって冷房最大熱負荷に影響を及ぼす。本報では実在年の気象データによる12年間の長期間熱負荷計算を行い、その最大熱負荷における連休・待機電力の影響を求めたので報告する。</p>
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.468, pp.171-173, 1999-04-26

「確率的には,宝くじに当たったようなもの」—。3月23日火曜日に発生した,名古屋市の住民基本台帳を管理する「住民記録システムオンライン」の障害について,名古屋市総務局総合調整部情報システム課の宮崎研二 開発係長はこう振り返る。折しも年度末,そのうえ土曜日を含めると3連休明けということで,多くの市民が各区役所の窓口に訪れていた。
著者
中山 泰一 Yasuichi NAKAYAMA
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.393, 2021-07-15

情報教育に関する2つの取り組みについて述べる.本年(2021年)3月に,中高生に情報学の探究活動をすすめてもらうことを目指し,第3回中高生情報学研究コンテストを開催した.全国から87チームの参加があり,中高生研究賞の最優秀賞1チーム,優秀賞2チームなど,45チームを表彰した.また,大学入学共通テストへの情報の出題について大きな動きがあった.大学入試センターは本年3月24日付で,2025年から情報を出題科目とし1つの試験時間帯として実施することを公表した.これを受けて,本会は3月29日付で「大学入試センターから出された大学入学共通テストの実施方式に対する,当会の賛同表明」を公表した.
著者
東原 孝典
出版者
Japanese Society of Prosthetics and Orthotics
雑誌
日本義肢装具学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Prosthetic and Orthotic Education, Research and Development (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.6-7, 2009-01-01

このたび,日本義肢装具学会において栄えある飯田賞奨励賞を賜り心よりお礼申し上げます.受賞にあたり,ご推薦いただいた広島県立保健福祉大学理学療法学科の大塚 彰先生ならびに数多くの先生方,義肢装具学会役員の皆様,患者様のお力添えに心から感謝いたしております.<BR>東京電機大学の斎藤之男教授のもとで,マイクロコンピュータで制御された全腕電動義手の研究開発を中心に,1980年代の終わり頃から約10年にわたり,全腕,上腕,前腕電動義手の研究開発に取り組ませていただきました.その後,義肢装具士の資格を取り,高松義肢製作所において,実用化を目指した電動義手の開発研究を継続しております.上肢を切断された方に対し,電動義手を装着する機会を提供し,日常生活において電動義手を体験していただいて,少しでも多くの方に電動義手を使ってもらいたいと願っております.<BR>私が初めて電動義手を知ったのは中学生の時で,当時徳島大学の教授であられた野島元雄先生から,2冊の動力義手に関する本を頂いたことが今の道に進むきっかけになりました.1冊は,徳島大学工学部で開発された動力義手の報告書,もう1冊は,野島先生がドイツに留学され,ドイツにおけるサリドマイド児のために開発された空圧動力義手の視察に関する報告書でした.2冊とも何度も何度も読み返しました.1980年代の初め,東京大学の舟久保先生のグループが両肩離断の障害者のための全腕式電動義手を開発され,愛媛大学医学部にて装着訓練を行うことになりました.どうしても見学したくて,首藤 貴先生と大塚 彰先生にお願いして立ち会うことができました.また,被験者である吉森こずえさんと知り合いになることができました.この義手は,サリドマイドによって両手を失った人たちが大学に進学あるいは就職する時期にあたり,厚生省の科研費によって開発が進められたマイクロコンピュータ制御の11自由度をもつ電動義手でした.義手の操作はハミングのような音声信号により,あらかじめプログラムされた数十パターンの動作軌道を呼び出すものでした.しかし,故障が多く,まだ実用に耐えうるものではありませんでした.訓練終了後,義手なしの生活でほとんどのADLが自立している吉森さんが電動義手をはずして,ほっとしている姿が印象的でした.その後,この義手の開発グループの1人であった斎藤之男先生がおられる東京電機大学に進学しました.そして,斎藤研究室で,機械工学,電子工学,マイクロコンピュータのハードとソフト等を学び,研究者,エンジニアの立場として多くの切断者に会うことができました.大学院時代,斎藤先生の電動義手をテレビで知ったカナダ(モントリオール)の両肩離断の切断者のお姉さんからの連絡を受け,ジャンさんとジルさんのための全腕電動義手の開発を行いました.その義手は,肩(3自由度),肘,前腕の回内外,ターミナルデバイスの独立した関節モジュールから構成され,手先具は,ハンド型とフック型を取り替えることができました.当時のLSIの技術革新により,マイコンの制御回路の小型化が進みました.カナダでの試装着の時,床に落ちた小箱を拾ったり,コップをつかんで口元までもっていったり,タバコをくわえたり,食事をしたりと,電動義手で何ができるか,いろいろな日常生活動作を試行しました.吉森さんと違い,食事や着替えなど自分1人ではできないことがたくさんある2人にとって,電動義手は必要なものだったのです.これらの貴重な経験をもとに,モジュール化された肘,リスト,ハンドのユニットを組み合わせ,上腕切断,前腕切断者のためのコンピュータで制御されたハイブリッド電動義手を数多く製作しました.また,大学院に在籍しながら,田澤英二先生,大石暁一先生のお力添えで,平成2年,国立身体障害者リハビリテーションセンター学院義肢装具学科において聴講生として講義を受け,義肢装具士の資格を取得しました.学院では,年下の同級生と一緒に義肢装具学全般の講義を受け,実習をさせていただきました.当時指導教官であった,野坂先生,栗山先生,また製作部の高橋先生,東江先生,山崎先生ら,大勢の先生方に大変お世話になりました.<BR>高松義肢製作所に就職してからも,斎藤先生と一緒に電動義手を製作し,切断者の採型,ソケット製作,装着評価を行ってきました.それらについては,日本義肢装具学会学術大会において報告をしてきました.また,日本義肢装具学会研修委員に任命され,第19回日本義肢装具学会研修セミナー「筋電義手の処方・製作・訓練システム」では,講師として「筋電義手の原理と種類」について講演いたしました.第22回日本義肢装具学会研修セミナー「各地域における下肢装具処方の実際」では,日本聴能言語福祉学院義肢装具学科の中川先生らの協力により代表幹事をさせていただきました.また,2007年から開催されている「義手を語る会」では,世話人の1人にさせていただいております.<BR>近年,障害者自立支援法が施行され,筋電義手が特例補装具として認可されました.また,労災法においても筋電義手の試験給付が始まりました.しかし,高価で重い筋電義手は支給しても使用されない可能性があり,労働基準監督署または更生相談所での判定がきびしくなるのは当然です.多くの切断者に電動義手を使ってもらうためには,低価格で軽く,装飾性にすぐれた電動義手が必要です.そこで,私も切断者が装着したいと思う電動義手の開発をこれからも続けていきたいと思います.<BR>最後に,これまでの臨床と研究に携わらせていただくにあたり,東京電機大学の斎藤之男先生,愛媛十全医療学院 名誉学院長の野島元雄先生,済生会松山病院の首藤 貴先生,広島県立保健福祉大学の大塚 彰先生,愛媛大学運動器学教授の山本晴康先生,そして多くの知識と経験を与えてくださった切断者の方々に深く感謝しております.これからも義肢装具の研究・開発・発展のために寄与していきたいと考えております.義肢装具学会会員の方々のご指導,ご鞭撻を賜りますよう今後ともよろしくお願いします.
著者
吾郷 晋浩
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.93-101, 2008
参考文献数
20

まず,わが国にはじめての精神身体医学研究施設(心療内科の前身)を九州大学に開設された故池見酉次郎先生が,その開設に当たって,また日本心身医学会の設立に当たってどのような役割を演じられ,その後,理想的な教室づくりを目指してどのような活躍をされたのか,そしてその後を継がれた中川先生と久保先生の教室の運営と業績について紹介した.ついで,日本心身医学会の分科会的な役割を演じていた循環器,消化器,呼吸器の各心身症研究会を中心にして,心身医学の臨床に重点を置いた学術団体としての日本心療内科学会が設立された経緯について述べた.最後に,現代医学の細分化・専門化によって引き起こされている諸問題を解決するために必要とされて生まれてきた心身医学がいかに必要であり重要であるかについて述べ,今後とも本学会が諸学会に働きかけ,心身医学的な疾病モデルに基づく診療・研究・教育が標準化・一般化されるようになることへの期待を述べた.
著者
宮脇 長人
出版者
石川県立大学
雑誌
石川県立大学研究紀要 = Bulletin of Ishikawa Prefectural University (ISSN:24347167)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-9, 2018-03

液状食品の濃縮法として、凍結濃縮法は蒸発法や膜濃縮法と比較して最も高品質が得られるものの、これまでにあまり実用化されていない。凍結濃縮法の一つである界面前進凍結濃縮法について、そのいくつかの技術的課題を克服することによって、その実用化への可能性を見出すことができた。本方法の最大の特長は濃縮前後において成分分布プロフィールがほとんど変化しないことである。本方法をいくつかの石川県特産品に適用した。その結果、加賀棒茶高品質濃縮品、高濃度濃縮日本酒(アルコール濃度 27.1 vol%)、補糖不要のブルーベリーワイン、ルビーロマンワインなど、これまでにない高品質濃縮食品新素材を提案することができた。

1 0 0 0 OA 快人快馬

著者
釈宗演 著
出版者
日新閣
巻号頁・発行日
1919
著者
野田 敦子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = NIHON KENKYŪ (ISSN:24343110)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.119-140, 2020-03-31

従軍作家であった林芙美子の作品は、戦争協力時における葛藤に注目して考察される傾向がある。しかし往時は、多くの新聞や雑誌が日中戦争を支持し、太平洋戦争までのレールを敷いた。このため、戦争が支持されていた情勢を鑑みて、国策に沿う表現も考察する必要がある。また先行論では、初出後の書籍収録時における異同や伏せ字により、文脈の意味がどう変わったのかという考察はほとんどなされていない。だがそれを分析することは、女性と戦争との関わりを追うことに繫がり、戦時下の議論を深める一助になると考える。
著者
江種 満子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.44-55, 1981-06-10 (Released:2017-08-01)

Horoki (The Diary of Wandering) was Fumiko's first and best work. However, at the same time winning of this fame was seemed great fetters for her afterwards work. She had to expose herself to danger of destroying her life and pride, because her method of a first person novel dealt with shameful past of her poverty and lost loves in her youth. Therefore, after Horoki, she intended to write by a defferent method from Horoki. At the first stage of this, static style of Onna no Nikki in contract to active one of Inazuma was studied, compered with Horoki. Moreover, the position of two works among the ones after the War was considered from the view of changed style.
著者
宮川 朗子
出版者
広島大学大学院文学研究科
雑誌
広島大学大学院文学研究科論集 (ISSN:13477013)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.61-77, 2009-12

パンフレは、詩や小説よりも文学的ジャンルとは見做されにくいものの、フランス文学における雄弁術の伝統に位置づけられうるものであり、いつの時代にも愛読者を獲得してきた。また、近年の研究では、その作者のイデオロギーがいかなるものであれ、パンフレには、共通する攻撃の戦略や発表方法などがあることが明らかにされてきた。この点は、十九世紀後半で最も知られたパンフレといって過言でないゾラの«J'accuse...!(私は告発する...!)»と、ゾラが文壇に登場したころからの敵であり、このパンフレに反応し、以前よりもさらに強力なゾラに対する誹謗中傷をJe m'accuse...(『私は自分の罪を告発する...』)というタイトルの下にまとめたレオン・ブロワのパンフレについても確認できる。つまり、彼らの立ち位置の違いにもかかわらず、その攻撃は、ゾラが軍法会議ではなく軍人の人格攻撃をしたことや、ブロワが、«J'accuse...!»よりも、むしろゾラの小説『多産』を誹謗しながら、やがてゾラに限らず、政治家や文学者、新聞など四方八方にその攻撃の矛先をむけたことに認められる。つまり、どちらも敵の論に正面から対立する論をぶつけるというやり方ではなく、いわば、対立する敵の争点とは関係ない点を攻める方法を取り、その攻撃も次第に脱線してゆくのである。ところで、その一種卑怯な戦法は、逆説的ながら、ゾラがその後に発表する『四福音書』の小説の文体を準備し、理想社会を描くためのエクリチュールに転化させたように、あるいは、ブロワがひたすら下品な言葉で罵りながらも自らの信仰の真実に到達しようとしたように、理想世界観の記述へと容易に転化しうるのである。彼らの攻撃のエクリチュールは、理想への接近を探求し、果てしなく続けられる文体練習なのである。
著者
中沢 志保
出版者
文化学園大学
雑誌
文化学園大学紀要. 人文・社会科学研究 (ISSN:09197796)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.35-55, 2012-01-31

本稿は,20世紀前半期のアメリカにおいて主要な対外政策の立案と決定に関与したヘンリー・スティムソン(Henry L. Stimson)を引き続き考察するものである。本稿では,ファシズムの台頭を背景にアメリカが第二次世界大戦に参戦していく過程と,ローズヴェルト(Franklin D.Roosevelt)政権下の陸軍長官に就任し,戦争計画において中心的な役割を果たしたスティムソンの思想と行動に焦点を合わせる。具体的には,1930年代から明確に示された枢軸国への警告,連合国側への軍事援助を参戦前から可能にした武器貸与法(the Lend-Lease Act)の成立と運用,対独戦における主要な戦略と評価される第二戦線の形成などの内容を振り返り,それぞれにおいてスティムソンが果たした役割を検証する。第二次世界大戦の後半期から重要課題として浮上してくる原爆の開発と投下決定,核の国際管理,戦後処理,対ソ連外交などの問題に関しては次の研究課題としたい。
著者
宮下 精二
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.748-754, 2008
参考文献数
102

昨年は,久保理論<sup>1)</sup>の発表50周年であり,それを記念していくつかのシンポジウムなどが開かれた.久保理論の成立過程やその発展に関しては,久保先生の還暦記念事業として発行された「統計力学の進歩」<sup>2)</sup>や,日本物理学会誌1995年11月号の久保先生の追悼特集<sup>3)</sup>で詳しく論じられている.今回の特別企画で,私に与えられたこのようなタイトルは,全くの私の力の及ぶ物ではなく,これまでの名解説の不完全な模倣になることは否めない.この問題に取り組んでいる多くの専門家に対して誠に恐縮の至りではあるが「感想」に近い記述をご容赦願いたい.