著者
大神 優子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:24326925)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.75-85, 2017-03-31

本研究の目的は、保育実習生の学習段階をはかる簡便な指標を作成するための基礎資料を得ることである。制限時間内にできるだけ多くの単語をあげる語想起課題の手法を用いて、保育環境課題(保育室・園庭)及び統制課題(動物・音韻カテゴリ(か))の計4課題を実施した。大神(2016)で実習前・見学実習後の2時点を比較した保育学生42人を責任実習後まで追跡し、3時点を縦断的に比較した。その結果、特に保育室課題で、実習後の反応数が増加していた。見学実習後と責任実習後では量的には差がなかったが、生成された語を「玩具」「生活用品」等のカテゴリに分けて分類したところ、各実習での特徴が明らかとなった。これらの生成カテゴリの違いは、実習段階の違いを反映したものと解釈された。さらに、実習生だけではなく、保育者までを対象として保育環境知識をはかる場合の課題及び分析手法の改善点について論じた。
著者
篠川 賢
出版者
成城大学大学院文学研究科
雑誌
日本常民文化紀要 (ISSN:02869071)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.37-62, 2016-03
著者
津曲 敏郎 Kanchuga Aleksandr Aleksandrovich
出版者
北海道大学大学院文学研究科北方研究教育センター = Center for Northern Humanities, Graduate School of Letters, Hokkaido University
雑誌
北方人文研究 (ISSN:1882773X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.75-93, 2011-03

ここに紹介するのは、A.カンチュガ氏によるウデヘ語自伝テキスト第2巻に収められた民話(nima ku)の1篇である。原著者自身によるロシア字表記と録音をもとに、ローマ字音韻表記にあらため、文法分析と英訳を加えた。話のあらすじは次のとおり:ソロモという若者が嫁をもらったが、この嫁の正体はキツネで、あるとき夫を槍で刺し殺し、棺に入れて川に流す。棺は途中二度にわたり、下流に住む女の岸に流れ着くが、いずれもかかわりを嫌った女たちによって流れに押し戻されてしまう。三度目にたどり着いた岸で、タウシマという女に引き上げられるが、棺の中には髪の毛と小指しか残っていなかった。彼女はみずからシャーマンの儀式を行って、三日後に若者の身体と命を取り戻す。二人は一緒に暮らし始め、やがて結婚して、ソロモの両親のいる故郷の上流に向かって漕ぎ出す。途中で例の二人の女のもとに寄るが、事情を知って悔んだ女たちはそれぞれ首をくくってしまう。故郷の近くでもとの妻であるキツネに出会い、彼女がソロモの幸せを願いながら両親の面倒を見ていたことを知る。タウシマとともに両親のもとに帰り、四人で暮らし始める。ソロモとタウシマは長生きしてたくさんの子どもに恵まれた。
出版者
川崎製鉄
巻号頁・発行日
vol.24(3), no.91, 1992-09
著者
松本 忠夫
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

野外調査:昭和62年6月15日から6月21にかけて, 沖縄県の西表島・石垣島・沖縄本島に出かけ, クチキゴキブリ及びオオゴキブリの生息状況調査を行った. 調査項目は, コロニー組成, 天敵相, 巣構造, 生息地の環境条件などであった. この調査には研究補助者として大学院生1名を同行させた. クチキゴキブリのコロニーについては約100ユニット, オオゴキブリのコロニーについては約20コロニーを採取し, その組成を詳細に調べることができた.飼育実験: 現地より採取して実験室に持ち帰った昆虫に関して下記のような行動実験を行った.(1)成虫と子虫の間の行動上の関係:クチキゴキブリの初齢幼虫は自分の親の回りに集まるが, オオゴキブリではそのような傾向を持たない事が分った.(2)成虫の防〓行動/捕食者のムカデに対拠させたところ, クチゴキブリの成虫は積極的に子虫をまもる行動に出るが, オオゴキブリにはそのような性質を持たない事が分った.(3)雌雄の配偶行動/クチキゴキブリ類の〓成虫の雌と雄がペアーを作ったところ, 相互に翅を食い合うという大変特異な行動様式が観察された.(4)子虫の成長/両種とも成虫に至るまで7齢を経る事が分った. また, クチキゴキブリの初齢幼虫は親より隔離すると充分成長できない事が分った
著者
Takuya YASUKAWA Makoto HAYASHI Natsuko TANABE Hiromasa TSUDA Yusuke SUZUKI Takayuki KAWATO Naoto SUZUKI Masao MAENO Bunnai OGISO
出版者
日本歯科理工学会
雑誌
Dental Materials Journal (ISSN:02874547)
巻号頁・発行日
pp.2016-313, (Released:2017-02-22)
参考文献数
30
被引用文献数
9

Mineral trioxide aggregate (MTA) has excellent biocompatibility as well as bioactivity, including an ability to induce osteoblast differentiation. We examined the effects of the calcium-sensing receptor (CaSR) on osteogenic gene expression induced by MTA. MC3T3-E1 cells were cultured with or without (control) MTA. The expression levels of Runx2, type I collagen, and CaSR genes were analyzed by real-time polymerase chain reaction and their products were measured using enzyme-linked immunosorbent assays. The levels were increased significantly in cells exposed to MTA compared with control. Next, MC3T3-E1 cells were cultured with MTA and EGTA (a calcium chelator), because calcium ions were released continuously from MTA into the culture. Expression levels were decreased to control levels by MTA plus EGTA. NPS2143 (a CaSR antagonist) also reduced MTA-induced gene expression. These results suggest that MTA induced osteogenic gene expressions of Runx2 and type I collagen via CaSR in MC3T3-E1 cells.
著者
高橋 良当 高山 真一郎 伊藤 威之 井上 幸子 大森 安恵
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.165-170, 1998-03-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
14
被引用文献数
3

高度な痛みやしびれを伴った治療後有痛性神経障害 (PPN) 86例の病態を報告する. 平均年齢46歳 (19~78歳), 男55名, 女31名.糖尿病罹病期間は推定7.7年 (0~27年) であるが, 平均5年の放置期間が含まれる. 糖尿病治療開始時のHbA1cは平均14%で, 治療後平均2カ月 (2週~5カ月) で8.8%に改善するも, この間に不眠や苦痛を伴った疼痛が下肢-腰背部に突然出現した. メキシレチン, 抗うつ剤, フルフェナジンなどの治療により平均1年で疼痛は軽減し, BMIは18.7から20.7に改善したが, 網膜症は67%が悪化し, 30%は不変であった. PPNの発症機序は不明であるが, 臨床的にきわめて特徴ある病態を呈し, 予後は良好であった. 長期間高血糖状態が続き, 神経障害を有する患者の血糖コントロールは慎重に行うべきである.
著者
工藤 充明 柴田 高
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.139-142, 2016

世界の半導体産業の成長とは裏腹に、かつて市場を席巻した日本の半導体企業は衰退を続け、2010年代の初めには日本最後のDRAMメーカであったエルピーダも倒産し、その時の負債額は4500億円弱で最大規模であった。一方、韓国企業は圧倒的な競争優位性を獲得しグローバル企業となっている。また、後発参入企業の三星が世界の頂点に君臨している事実は、戦略によるものであるとされる。この三星とエルピーダの違いを、経営戦略の視点から比較分析し、その背景にあるものを明らかにする。結果として、伝統的日本企業はプレミア化志向が高く、グローバリゼーションとの不適合をもたらすため、競争優位性の構築に困難が伴うことを示す。
著者
北野正雄著
出版者
共立出版
巻号頁・発行日
2010