著者
平井 祐理 渡部 俊也 犬塚 篤
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3_4, pp.259-272, 2013-04-25 (Released:2017-10-21)
参考文献数
61

日本では「大学発ベンチャー1000社計画」以降,大学発ベンチャー数は急速に増加したが,その業績は全体として好調であるとは言い難い。そこで本研究は,日本の大学発ベンチャーを対象とし,高い業績を達成するための成功要因を明らかにすることを目的としている。本研究では,Upper echelons perspectiveの視点から,大学発ベンチャーのトップ・マネジメント・チームに注目をし,そのデモグラフィック特性とプロセス要因を取り上げた。質問票調査のデータについて回帰分析を行った結果,大学発ベンチャーの業績には,トップ・マネジメント・チームに大学外出身者の割合が高いこと,チームの異質性が高いこと,戦略的コンセンサスと個人的な親密さの交互作用項がそれぞれ正に有意に影響を及ぼしていた。これによって,大学発ベンチャーが高い業績を達成するためには,そのトップ・マネジメント・チームは異質的であることが重要であり,またビジネス上とプライベート上のどちらか一方の関係性を深めれば良いということではなく,両側面において密なコミュニケーションがとれていることが重要であるということが示唆された。さらに,企業業績に対するトップ・マネジメント・チームの影響に関しては,デモグラフィック特性とプロセス要因は別の要因として検証することができるという可能性が示唆された。
著者
桑原 博道 平井 利明 豊川 琢
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.24-27, 2010-11

今年6月、本誌の好評連載「医療訴訟の『そこが知りたい』」に掲載した判例を中心に、注目の47判例を解説した書籍を発刊した。弁護士7人の執筆陣の中から平井利明氏と桑原博道氏にご登場いただき、医療裁判史上、激動の10年間を振り返ってもらった。(司会は本誌副編集長・豊川琢)──連載「医療訴訟の『そこが知りたい』」が1冊の本になりました。何か感じた点はありますか。

1 0 0 0 OA 告訃使記録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[7],
著者
赤城 ゆかり 山中 昇 林 泰弘 九鬼 清典 寒川 高男 木村 貴昭
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.7-12, 1994-02-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
8

Palmoplantar pustulosis (PPP) has been accepted as one of the secondary diseases caused by tonsillar focal infection ; however, the pathogenesis is still unknown. In this study, the expression of adhesion molecules on the palmar and plantar skin of eight patients with PPP and three healthy volunteers with normal skin were examined immunohistochemically. In normal skin, only CD44 was expressed on the epidermis. In the macroscopically normal region of PPP skin, intercellular adhesion molecule-1 (ICAM-1) was demonstrated on the endothelial cells in the dermis. In the erythema stage and the pustule stage, CD3, CD4, and lymphocyte function-associated antigen-1 (LFA-1) were expressed on the cells infiltrating the dermis. ICAM-1 was detected immunohistochemically on the endothelial cells, keratinocytes and infiltrating cells in PPP skins. Moreover, endothelial cell-leukocyte adhesion molecule-1 (ELAM-1) was expressed on vessels in the dermis in these two stages. These findings suggest that the interaction between LFA-1 and ICAM-1 plays an important role in T cell infiltration into PPP skin and that the continuity of ICAM-1 expression is related to the chronicity of PPP.

2 0 0 0 OA 法令全書

出版者
内閣官報局
巻号頁・発行日
vol.明治27年, 1912
著者
飯田 豊
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.617-621, 2013 (Released:2013-09-25)
参考文献数
16

当科で経験したバセドウ病手術症例124例の手術成績を術式別に検討した.手術適応は,抗甲状腺薬治療に対する抵抗性が52%,抗甲状腺薬の副作用が33%,眼症合併が8%,腫瘤性病変合併が6%,患者の希望が1%であった.術式の内訳は亜全摘(ST)38例(30.6%),超亜全摘(SST)42例(33.9%),全摘(TT)44例(35.5%)であった.ST群,SST群,TT群の甲状腺摘出量(平均値)は,それぞれ109.4g,80.5g,88.9gであった.ST群,SST群,TT群間で手術時間,術後合併症(反回神経麻痺,術後出血,テタニー)の発生率に有意差を認めなかった.再発率はST群が10.5%,SST群4.8%であったが,有意差を認めなかった.TTの手術成績はST,SSTと比較して遜色がなかった.バセドウ病手術の基本術式として,再発の心配が全くないTTが妥当であると思われた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.743, pp.20-23, 2016-08

米Tesla Motors社(以下、Tesla社)の電気自動車(EV)「Model S」のドライバーが自動運転機能(現時点では運転支援システム)「Autopilot」を使って高速道路を走行中に死亡する事故が起きた(図1)。 事故が起きたのは2016年5月7日。米フロリダ州の道路を走行中のMo…
著者
松下 光宏
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.159, pp.30-45, 2014 (Released:2017-03-21)
参考文献数
12

本稿では,終助詞「もの」について,多くの先行研究や日本語教育での導入における意味・用法の記述(主に正当化や言い訳に用い,主に若い女性や子供が用いる)の妥当性を母語話者の使用実態を基に検証し,その本質的意味を考える。また,非母語話者の使用実態を調査し,コミュニケーション上の問題点を考察する。結果は次の4点である。1.「正当化・言い訳」用法は使用が少なく,理解・同意を提示/要求する用法や例などを示し理解を促す用法の使用が多い。2.性別・年齢差による使用の偏り(主に若い女性が使用)は各用法においてない。3.意味は「先行発話/事態の正当性を示す根拠を強い気持ちで提示する」ことを表す。4.非母語話者は上級者であっても使用が少なく,理解・同意を提示する用法の不使用がコミュニケーション上の問題点となりうる。以上の結果から,日本語教育では頻度・有用性ともに高い,理解・同意を提示する用法での導入を提案する。

1 0 0 0 OA 鶯宿雑記

著者
[駒井乗邨] [編]
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻199-200,
著者
浦瀬白雨 訳
出版者
紅玉堂
巻号頁・発行日
1923
著者
矢野峰人 著
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
1935
著者
A. Pusztai S. Bardocz 荒田 洋一郎
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.8, no.41, pp.149-165, 1996-05-02 (Released:2010-01-05)
参考文献数
40
被引用文献数
43 90

食物に含まれるレクチンは、生理活性を持つ成分として重要であり、強力な外来性のシグナルとなる。食物中のレクチンの含量は大きく異なるが、消化管全体に劇的な影響を与え、消化管内の細菌の数、体の代謝、健康にも大きく影響する。レクチンの強い効果は、腸におけるタンパク質分解に対する抵抗性、腸の上皮細胞表面 (高等動物から下等生物に至るまで) に発現している内在性受容体に対する特異的、かつ高い化学反応性に由来する。経口であれ、非経口的であれ、取り込まれたレクチンは強力な免疫原となり、その生理作用が複雑にからみあって免疫機能に干渉することもある。しかし、レクチンの初期効果やバイオシグナルとしての能力は、糖鎖との特異的な化学反応の直接の結果である。こういった反応を想定すれば、レクチンを臨床医学的に、病原体、免疫系刺激物質、ホルモン調節因子、代謝活性化物質の阻害剤として利用したり、トランスジェニック植物における内在性の殺虫剤として利用するといったことが将来的に見込める。
出版者
巻号頁・発行日
vol.[230],
著者
河辺 誠弥 谷口 秀夫 佐藤 将也
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2018-OS-142, no.2, pp.1-8, 2018-02-20

不揮発性メモリを有効利用するソフトウェア技術が研究されている.プログラムの実行を高速化する方式として,揮発性メモリと不揮発性メモリが混載された計算機を対象に,新しい実行プログラムのファイル形式 (OFF2F) が提案されている.OFF2F は,プログラムをメモリ上で実行するときのアクセス形態に着目し,2 つのファイルからなる実行ファイル形式である.本稿では,FreeBSD 11.0-RELEASE の初期化処理における OFF2F の効果予測を示す.
著者
窪田 貴文 鈴木 勇介 河野 健二
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2018-OS-143, no.9, pp.1-7, 2018-05-14

大規模なソフトウェアプロジェクトでは多くの開発者が修正 ・ 機能追加を行っており,膨大なファイルをコンパイルする機会が頻繁に生じている.例えば,オープンソースのブラウザエンジンである WebKit のビルドボットでは 31 日間のうち 26 日で 2000 秒超えるビルドが実行されており,その時のコンパイルしているファイル数は平均 1000 を超える.本研究では,まず,webkit を含むオープンソースの C/C++ プロジェクトのコンパイル時間を分析した結果を示す.その結果,コンパイラのフロントエンドにおいて冗長な処理が多く含まれていることがわかった.そこで本研究では,コンパイル結果を再利用することでコンパイラのフロントエンドの実行を高速化する手法を提案する.