著者
江田 毅晴 吉川 正俊 山室 雅司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.65, pp.405-410, 2007-07-03

本研究では、Folksonomy データの分析に基づく、新しい分類体系構築方法について提案する。現在のソーシャルブックマークサービスでは、大量のブックマークエントリの中から有用なリソースを探すには、キーワードやタグを指定するか、興味の近いブックマーカを努力して探し出す必要がある。本研究では、タグの共起関係に基づく意味的な繋がりを利用して、タグの集合を分類構造として体系だてる。これにより、利用者にはタグの関連を認識した直観的な探索を通して、有用なリソースを探しだすことが可能となる。In this research, we propose a new classification system based on the analysis folksonomy data. In order to find valuable resources from current social bookmark services, users need to specify search terms or tags, or to discover people with the similar interests. Our proposal utilizes semantic relationships extracted from the cooccurrences folksonomy data and organizes a new classification system from tag sets. Users can find useful resources by navigating tag relationships intuitively.
著者
明治大学刑事博物館
出版者
明治大学
雑誌
明治大学博物館研究報告 (ISSN:13420941)
巻号頁・発行日
no.8, pp.55-58, 2003-03

The reproduction of "Iron Maiden of Nurnberg" is told to be a tool for torture or execution in Germany in the medieval ages and is well-known as only one exhibition material in Japan. A lot of sharp nails are driven inside of capsule like a coffin for mummy. This was a device to make a skewer of human body easily and instantly, whenever the cover was shut down. Recently we were instructed concerning the whereabouts of "Iron Maiden of Nurnberg" in Europe by Ms. Silvia Schlegel, vice director of the Museum Schloss Kyburg in Switzerland. Having immediately made also our own original research regarding the whereabouts of "Iron Maiden" and grasped information mentioned in the attached list, we report it here. Mr. ODA Jun was mainly in-charge-of this research. Taking this opportunity, we would like to express my sincere appreciation for Ms. S. Schlegel.
著者
安岡 孝一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.487-495, 2005 (Released:2005-11-01)
参考文献数
27

日本の漢字情報処理における難題のひとつに,異体字処理の問題がある。当用漢字表およびそれに続く常用漢字表が,固有名詞を埒(らち)外としてしまった結果,人名における漢字と,地名における漢字が,それぞれ異なる字体を持つに至った,という現実が,この問題をさらに複雑なものとしている。この問題を解決するには,Unicodeのような「漢字統合」を主眼とする文字コードでは力不足であり,むしろ日本国内向けに特化された文字コードが望ましい。本稿で紹介するAdobe-Japan1-6は,Adobe Systems社が日本向けに開発した文字コードだが,日本市場でのニーズ,特に異体字処理を,非常に強く意識した文字コードとなっている。
著者
千代原 亮一
出版者
大阪成蹊大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13489208)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.213-223, 2006-03-25

インターネットに代表される情報通信技術の発達は、国民の表現の自由をめぐる状況に劇的な変化をもたらしたが、その反面、重大な社会問題を惹起している。特に近年、インターネット上での悪質な犯罪行為や違法行為が顕在化しており、その原因としてインターネットの匿名性が挙げられる。その為に政府は、「インターネット実名制」の導入を検討し始めているが、拙速な実名制の導入はインターネットの更なる発展を阻害するだけでなく、「自由で開かれた公開討論の場」としてのインターネットの機能を奪いかねない。日本国憲法第21条で保障された表現の自由の制度趣旨の一つとして、いわゆる「思想の自由市場」が論じられるが、仮にインターネットが、思想の自由市場ないし公開市場であるとするならば、インターネット上での言論に匿名性が担保されていることは、表現の自由の保障に大きく寄与することになる。
著者
筒井 末春
出版者
人間総合科学大学
雑誌
人間総合科学 (ISSN:13462598)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.139-150, 2003-10-31

7 0 0 0 OA 大阪地籍地図

著者
吉江集画堂地籍地図編輯部 編
出版者
吉江集画堂
巻号頁・発行日
vol.1 東・南区及接続町村之部, 1911
著者
石塚 晴通 小野 芳彦 池田 証寿 白井 純
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.86-87, 2001-03-31

「日下部表」と称する資料は,JIS漢字第1次規格(JIS C 6226-1978)の原典の一つである「標準コード用漢字表(試案)」(情報処理学会漢字コード委員会,1971年)の土台となった漢字表であり,日下部重太郎の著した『現代国語思潮続編』(中文館書店,1933年)に附録「現代日本の実用漢字と別体漢字との調査及び「常用漢字」の価値の研究」として掲げられている。この研究では,(1)JIS漢字の字種の選定に果たした日下部表の位置,(2)日下部表の「別体漢字」とJIS漢字における異体字の扱いとの関係,(3)日下部表に反映した現代日本語の漢字の使用実態,の3点について日下部表の内容を検証し,次の結論を得た。(1)日下部表掲載の漢字6473字のうち,JIS X 0208:1997で符号化可能なのは約90%,JIS X 0213:2000で符号化可能なのは約97%である。(2)日下部表の「別体漢字」796字のうち,JIS X 0208:1997で符号化可能なのは約68%,JIS X 0213:2000で符号化可能なのは約84%である。日下部表の「別体漢字」の枠組みと,JIS X 0208:1997及びJIS X 0213:2000のそれはおおむね合致している。枠組みの精度は同程度である。(3)JIS X 0208:1997に不採録の漢字667字のうち,461字がJIS X 0213:2000に採録されており,これらは現在でも使用の実績が確認できるものである。また,研究・調査のために文字を符号化し電子化テキストとする際に問題となるのは・JISの包摂規準の適用方法である。特に問題となるのは,「互換規準」に該当する29組の漢字,人名許容字体別表・常用漢字康煕別掲字の漢字104字,及び包摂規準の変更・追加に該当する漢字であり,これらに留意し,適用した包摂規準を明示すれば操作可能なかたちで情報交換が可能である。
著者
山本 政幸
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.27-36, 1999-05-31

本稿は, エドワード・ジョンストンとエリック・ギルのデザインした書体を中心として, 作者の思想や産業との関わりに着目しながら, イギリスにおけるモダン・サンセリフ活字の成立過程を明確にすることを目的としている。ジョンストンとギルの活動の根本に手工芸が据えられていた事実を追い, 並行して二人が近代産業に取り込まれながらサンセリフ体に着手する過程と, 彼らの書体に見出された新しい役割を確認したあと, 幾何学的アプローチと伝統的アプローチという二つの側面から, デザインの特徴についても言及した。彼らのサンセリフ体活字は, 産業との関わりから新しい社会における新しい目的のために作られ, 企業イメージの統一やサインから書籍印刷にいたるまで, 幅広い用途に対応する現代的な役割を備えた。その形態は, 機械的な規則と, ヒューマニスティックな骨格を併せもち, 幾何学的な新しさの中にも, 二人が尊重した伝統的基盤が根付いていた。これはイギリスのモダン・サンセリフ活字が成立する過程で生じた特徴といえる。
著者
戸梶 亜紀彦
出版者
広島大学
雑誌
広島大学マネジメント研究 (ISSN:13464086)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.27-37, 2004-03-19
被引用文献数
3

人間は, さまざまな経験をとおして成長・発達していく。そして, 個々の体験から, 何らかの影響を受け続ける。特に, 強烈な情動を伴った出来事の影響は強いと考えられる。そこで本研究は, 「自分の何かを変えた感動的な出来事」について調査を行い, 感動の効果に関するメカニズムについて詳細な検討を行った。その結果, 感動には大きく分けて, 動機づけに関連した効果, 認知的枠組みの更新に関連した効果, 他者志向・対人受容に関連した効果という3つの効果のあることが示された。また, 感動体験は, 単に個人の何かを変化させる契機となるだけではなく, 出来事に対する総合的な評価を背景とした外的事実の成立の瞬間と, 心身の感覚および認知的作用の相乗効果とが重奏的に作用して, 個人の何かを変化させた出来事をより印象的な事象として記憶の貯蔵庫に精緻化して各効果を増強し, 持続させる役割を果たし, さらに, 個々人の問題意識に関連するような潜在的および顕在的目標行動を始発させる契機となっているという可能性が示唆された。これらの結果に基づいて, 感動的体験の応用可能性について論じられる。