著者
喜多 一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.5, pp.1, 2021-07-02

現在の組織にとって情報環境の整備が重要であることは言うまでもないが,限られたリソースの中で,組織の能力構築,技術動向の把握と実務への展開などが求められる.本講演では京都大学を例に近年の情報環境の整備として,事務業務系のクラウド移行,認証基盤の見直し,大学 Web の更新,研究用の情報環境の整備,などを紹介するとともに,授業の全面オンライン実施やテレワークなど,情報環境の利活用状況が大きく変わった COVID-19 対応の経験について報告し,さらに今後の課題についても考えたい.
著者
久保 進
出版者
松山大学総合研究所
雑誌
松山大学論集 = MATSUYAMA UNIVERSITY REVIEW
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.1-32, 2016-12-01
著者
国里 愛彦
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.21-33, 2020-03-15

本論文では,心理学における再現性の危機について概観した上で,再現可能性とは何かその定義について論じた。Claerbout-Donoho-Pengによるreproducibility(再解析による再生可能性)とreplicability(追試による再現可能性)の区別から始まって,Goodman et al.(2016)の3つの再現可能性(方法・結果・推論の再現可能性)について紹介した。再現可能性を高める取り組みは,近年始まったものも多く,個々の取り組みが再現可能性におけるどういう位置づけになるのかわかりにくい。そこで,Goodman et al.(2016)の3つの再現可能性ごとに,再現可能性を低める要因と高めるための方策について整理することで,再現可能性の全体像を捉えられるように解説した。最後に,方法の再現可能性(再解析による再生可能性)を高める取り組みとして,共有に向けたデータ管理,解析のパッケージ化,解析環境のコンテナ化について具体的に解説した。再現可能性を高めるための方策の中には心理学教育のなかで扱われてこなかった内容もあり,本論文が再現可能な心理学研究実践の一助となることを期待する。
著者
坂下 秀
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.3, pp.1-8, 2021-07-02

著者が代表取締役を務めるソフトウェア開発を主な業務とする会社では,コロナ禍に対応して,2021 年始めにすべての従業員の勤務を在宅にすることを決定した.在宅勤務実施の経緯やその過程で発生したさまざまな事象について報告する.
著者
森村 吉貴 渥美 紀寿 古村 隆明
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.2, pp.1-6, 2021-07-02

2020 年の新型コロナウイルス対策において,京都大学は同期双方向型オンライン授業を安定的に実施するためにオンラインミーティングサービス Zoom の全学導入を決定した.Zoom は学内に既存の利用者が多いことは利用上のメリットである一方,全学的な導入においては既存のユーザーアカウントとの衝突を避けながら速やかに全学ライセンスの取得を促進することが課題であった.本論文では,大学本部の運用する全学認証システムと Zoom 側の WebAPI を組み合わせることで,各ユーザが任意のタイミングで自己完結的にライセンス取得が可能になるライセンス申請・登録システムを提供することで,前述の課題を解決し,配下組織への希望調査や登録申請などを経ることなく迅速に全学サービスとして Zoom を導入した事例について紹介する.
著者
山之上 卓 成瀬 悠朔 尾関 孝史
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.1, pp.1-7, 2021-07-02

福山大学では新型コロナウィルス感染拡大防止のための健康調査が毎日行われているが,その入力のために多くの学生教職員が煩わしさを感じており,その煩わしさは健康調査入力率の低下にもつながっている.この煩わしさを低下させるため,入力の手間の大部分を省略するためのシステムを開発している.このシステムの試作について述べる.
著者
坪倉 誠
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.64-66, 2021-01-15

スパコン「富岳」によるウイルス飛沫・エアロゾルの飛散シミュレーションについて紹介する.コロナ禍の中,プロジェクトを開始するに至ったいきさつのほか,シミュレーション手法の概要と富岳への対応状況,プロジェクトのこれまでの成果と今後の予定について概説する.
著者
平川 南
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.133, pp.317-350, 2006-12-20

道祖神は、日本の民間信仰の神々のうちで、古くかつ広く信じられてきた神の代表格である。筆者は古代朝鮮の百済の王都から出土した一点の木簡に注目してみた。王宮の四方を羅城(城壁)が取り囲んでおり、木簡は羅城の東門から平野部に通ずる唯一の道付近にある陵山里寺跡の前面から出土した。木簡は陽物(男性性器を表現したもの)の形状を呈し、下端に穿孔もあり、しかも「道縁立立立」という文字が墨書されていた。おそらく六世紀前半の百済では、王京を囲む羅城の東門入り口付近に設置された柱に陽物形木簡を架けていたのであろう。日本列島では、旧石器時代から陽物形製品は、活力または威嚇の機能をもち、邪悪なものを防ぐ呪術の道具として用いられていたとされている。現在各地の道祖神祭においても、陽物が重要な役割を果している。古代においても、七世紀半ばの前期難波宮跡および東北地方の多賀城跡から出土した陽物形木製品は、宮域や城柵の入り口・四隅で行われた古代の道の祭祀の際に使用されたと考えられる。七世紀から一〇世紀頃まで「道祖」は、クナト(フナト)ノカミ・サエノカミという邪悪なものの侵入を防ぐカミと、タムケノカミという旅人の安全を守る道のカミという二要素を包括する概念であった。陽物形木製品を用いた道の祭祀は都の宮域や地方の城柵の方形の四隅で行われてきたが、一〇世紀以降、政治と儀礼の場の多様化とともに実施されなくなったと推測される。そして、平安京の大小路や各地の辻(チマタ)などに木製の男女二体の神像が立てられ、その像の下半身に陽物・陰部を刻んで表現し、その木製の神像が道祖神と呼ばれるようになったのである。近年の陽物形木製品の発見とその出土地点に着目するならば、道祖神の源流を古代朝鮮・日本における都城で行われた道の祭祀に求めることができるであろう。
著者
梶 兼太郎 中田 託郎 青木 基樹 大岩 孝子 望月 健太朗 大鐘 崇志
出版者
静岡赤十字病院
雑誌
静岡赤十字病院研究報 = Journal of Japanese Red Cross Shizuoka Hospital (ISSN:09119833)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.28-31, 2014-12

アルコール性肝障害による極度の低血糖が原因と思われる心肺停止蘇生後,葉酸欠乏性貧血,痛風発作の既往がある60歳代男性.入院1週間前に腰痛が出現しほぼ寝たきりとなり,全身の振戦が出現したため当院に救急搬送され,腎盂腎炎に伴う敗血症性ショックが疑われ当科入院となった.血液・尿培養ともにKlebsiella pneumoniae(K. pneumoniae)が検出され,感受性のあるセフメタゾール投与にて治療を開始したが,発熱が遷延し,腰椎化膿性脊椎炎,腸腰筋膿瘍,肺膿瘍を併発したため,メロペネムを第18から44病日まで投与し,computedtomography(CT)で膿瘍の改善を認めた.本症例はK. pneumoniaeに感受性のあるセフメタゾールを投与したにもかかわらず,化膿性脊椎炎,腸腰筋膿瘍,肺膿瘍を合併し,治療に難渋した.糖尿病やアルコール中毒などの基礎疾患を伴うK. pneumoniaeの敗血症では,全身の多発膿瘍出現を考慮して治療方針を選択する必要がある.
著者
高倉 良一
出版者
香川大学生涯学習教育研究センター
雑誌
香川大学生涯学習教育研究センター研究報告 = Research review of Education and Research Center for Lifelong Learning, Kagawa University (ISSN:13420534)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.91-103, 2009-03-31

本稿は、2009年度の香川大学生涯教育研究センターで、筆者が担当する講座「裁判員制度の本質を考える」で資料として活用する予定である。