著者
川岸 郁朗 入枝 泰樹 坂野 聡美
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.668-684, 2006-02-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
金田 茂裕
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.212-222, 2009 (Released:2012-02-22)
参考文献数
33
被引用文献数
3 2 1

本研究の目的は, 減法の求残・求補・求差の場面理解の認知過程について, 先行研究で使用された文章題に加え, 新たに作問課題を用いて調べ, それらの場面理解の難しさの程度と理由を明らかにすることであった。研究1(N=110)では, 式(6-2)と絵(求残・求補・求差の場面)を併せて提示し, 両方を考慮して適切な話を文章で記述することを小学1年生に求めた。その結果, 求残より求補, 求差の場面で正答率が低いことが示され, これらの場面理解は難しいという従来の研究の知見が確認された。さらに, 誤答内容を分析した結果, 場面間でその傾向が異なることが示され, 求補の場面では絵と対応しない誤答が多く, 一方, 求差の場面ではそれに加え, 式と対応しない誤答も多くみられた。同様の結果は, その4ヶ月後に実施した研究2(N=109)でも得られた。以上の結果から, 求補の場面では絵に表わされた全体集合と部分集合の包含関係を理解することが難しいこと, 求差の場面では式と絵の対応関係を考えることが求められる点が難しいことが示唆された。
著者
鈴木 幹三 岸本 明比古 山本 俊幸 足立 暁 山本 和英 白井 智之
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.1078-1082, 1986-10-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
18

剖検で確認した高齢者肺炎102例を臨床病理学的に検討した. 60歳以上の剖検180例中102例 (57%) に肺炎が認められ, このうち53例 (52%) は肺炎が直接死因となった. 基礎疾患は脳血管障害後遺症, 心疾患が大半を占めた. 病理学的な肺炎病巣の拡がりは肺炎死因率と正の相関を示した. 肺炎は両下葉および右上葉に好発し, 病理学的に炎症病変は巣状分布を示す例が最も多く, これらのなかに沈降性肺炎, 嚥下性肺炎の関与する例がみられた. 大葉性肺炎, 嚥下性肺炎, 肺化膿症は直接死因となる頻度が高く, 肺うっ血水腫は49%にみられた. 病変発現部位では, 肺胞性肺炎が70%を占め, 混合型肺炎は10%であった.
著者
小原 由紀彦 児玉 隆夫 小川 祐人 沼田 友一 中村 俊康 川北 敦夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.CbPI2261, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】橈骨遠位端骨折に対して、近年多くのロッキングプレートが開発され、橈骨遠位端骨折に対しては強固な固定が可能となった。結果、術後に外固定をせずに手関節可動域訓練を早期に施行し、良好な成績を得たとする報告が近年多くされている。しかし、本受傷では橈骨のみが損傷を受けるのではなく、手関節尺側部にも同程度の損傷が及んでいることがある。これらの症例に早期運動療法を施行することは、手関節尺側部損傷の治癒を遅らせ、最終的に悪影響が生じるのではないかと我々は危惧する。当院では橈骨遠位端骨折の手術時に、全例に遠位橈尺関節(以下、DRUJ)鏡で三角線維軟骨複合体(以下、TFCC)の尺骨小窩からの剥離の有無を確認している。手関節尺側部損傷を主にTFCC、尺骨茎状突起骨折として、その合併率、治療成績を比較した。今回、これらの結果からどのような症例に早期運動療法が適応になるか、検討した。【方法】橈骨遠位端骨折に対して手関節鏡、DRUJ関節鏡視と観血的整復固定術を行った133例135手を対象とした。平均61.0歳 AO分類はA2:36手 A3:21手 B1:1手 B2:1手B2:5手 C1:27手 C2:37手 C3:7手であった。尺骨茎状突起骨折型はTip:19例、中央:26例、基部(水平):24例、基部(斜):3例、尺骨小窩剥離損傷:7例であった。尺骨茎状突起骨折(Tip以外)、TFCC尺側小窩剥離損傷がともに無いものは術後の外固定はせずに早期運動療法(術翌日より手関節掌背屈、自動他動可動域訓練、術2週間後より前腕回内外、自動他動可動域訓練)を施行した(A群)。そのほかの症例では3週間の外固定ののち運動療法(術3週後より手関節掌背屈、自動他動可動域訓練、術5週後より前腕回内外、自動他動可動域訓練)を施行した(B群)。術後1年以上経過した症例で、可動域、痛み、握力、Mayo Wrist Scoreを比較検討した。【説明と同意】手術方法を説明する段階で、本治療が関節鏡での所見を基にして適切に選択され、治療成績を集計することで今後の治療指針にしていることを説明し、同意を得ている。【結果】DRUJ鏡視でTFCC尺骨小窩剥離を38手で認めた。TFCC剥離損傷は合併していた例はいずれも50歳以上であった。80歳代の合併率は60%であった。術後1年以上経過した症例はA群37例、B群52例であった。可動域は健側比でA群:90.6%、B群: 91.1。握力はA群:86.0%、B群:85.0%°。Mayo Wrist ScoreはA群:89.2点、B群:90.5点。手関節痛はA群:6例16.2%、B群:2例3.8%であった。【考察】各治療グループで可動域、握力に差はなかった。疼痛はA群で多く認められた。結果的には早期運動療法は術後1年での可動域、握力の増加要素とはならず、むしろ疼痛が多く残存していたことになる。今回、手関節尺側部損傷をTFCC尺骨小窩付着部に重点を置き、その有無でリハビリ開始期間、方法を変えて行なったが、真に早期運動療法の危険性を示すのであれば、損傷の有無にかかわらない無作為前向き研究を計画しなくてはならない。このような研究は実際の治療では計画できず、エビデンスレベルはどうしても低下してしまう。今回の結果では橈骨遠位端骨折の28%にTFCC剥離損傷が合併していた。この率はおそらく我々の予想を大きく超える結果と言えよう。DRUJ鏡はすべての橈骨遠位端骨折に行う必要はなく、橈骨遠位端骨折には手関節尺側部損傷が合併しているものと考え、3週間の術後外固定を行うほうが賢明と考える。早期運動療法を行なうのであれば、回内外時の手関節尺側部痛に注意を払い、認める例では運動療法を遅らせることを推奨する。年齢別での手関節尺側部損傷の差が生じており、既存の変性損傷が含まれていると考えられ、今後は若年者に限った検討が必要と思われる。【理学療法学研究としての意義】上記の如く、今回の結果から橈骨遠位端骨折後の早期運動療法にはPitfallが存在することを認識すべきである。
出版者
大空社
巻号頁・発行日
1986

2 0 0 0 OA 駿河の伝説

著者
小山有言 編
出版者
安川書店
巻号頁・発行日
1943
著者
沖谷 明紘 大根田 弥生 久保 友人 石井 剛志 鈴木 理世子 粟田 隆之 砂田 泰志 山下 幸恵 右田 光史郎 松石 昌典 畑江 敬子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.170-176, 2008-04-15
被引用文献数
2 5 1

(1) スルメイカ外套膜を真空調理したとき,官能による測定では煮えたものの食感をもつ,軟らかい煮イカが得られる加熱時間は,50℃と55℃では4~5時間,60℃では1~4時間であった.この加熱時間で皮(表皮の第3層と第4層の膜で構成)が消失したので筋肉内コラーゲンも可溶化したと推察された.<BR>(2) 60℃で1時間真空調理したイカ肉と80℃で1時間真空加熱したイカ肉の破断強度は,環状筋筋線維に直角および平行に破断したときのいずれの場合も前者のイカ肉の方が小さかったが,両イカ肉間の差は平行に破断したときの方が著しく大きかった.<BR>(3)SDS-PAGE分析の結果,加熱によってイカ肉の筋原線維からアクチンが不可逆的に離脱することが明らかとなった.この反応は60℃で著しく進行し,2時間後でもアクチンは可溶化したままであった.80℃でもこの反応はわずかに認められたが,可溶化アクチンの出現は2分までであった.<BR>(4)(2)と(3)の結果より,60℃で1時間真空調理した煮イカが80℃で1時間加熱した煮イカより軟らかい原因の1つとして,筋肉中で加熱によって起るアクトミオシンからのアクチンの離脱可溶化度合が,前者でより大きいことが推察された.<BR>(5)すべての結果から,真空調理スルメイカ筋肉のソフト化は筋肉内コラーゲンの可溶化と筋原線維からのアクチンの離脱可溶化現象によって惹起されると示唆された.
著者
山下 大輔 間 博人 松井 健人 三木 光範
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2015-HCI-165, no.4, pp.1-8, 2015-11-22

近年,コンピュータの直感的な操作としてジェスタ認識に注目が集まっている.専用のジェスチャ認識デバイスのみでなく,モバイル端末を用いたジェスチャ認識の研究も行われている.しかし,追加デバイスが必要であったり,カメラを用いることで消費電力やプライバシーの問題が発生するなどの課題点がある.本研究では,モバイル端末内臓の照度センサを用いてハンドジェスチャ認識する手法を提案する.端末表面の明暗変化を取得してハンドジェスチャ認識を行う.モバイル端末内臓の照度センサを用いることで,追加のデバイスを必要とせず,消費電力やプライバシーも考慮したハンドジェスチャ認識を実現した.提案手法における認識精度の検証を行い,正確なハンドジェスチャ認識が可能であることを確かめた.また,提案手法を用いたモバイルアプリケーションの実装を行い,ユーザビリティ評価実験を行った.作業効率や視線の動きなどの指標からタッチ操作と比較したハンドジェスチャ操作の有効性を検証した.想定した状況下において,ハンドジェスチャ操作は有効である.
出版者
苫小牧駒澤大学
巻号頁・発行日
2002-11-30

2 0 0 0 罰なき社会

著者
B.F スキナー
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.87-106, 1991-03-31
被引用文献数
2
著者
大浦元三郎 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1909

2 0 0 0 OA 戦争と石油

著者
大協石油株式会社企画課 編
出版者
大協石油
巻号頁・発行日
1942
著者
小馬 徹
出版者
日本アフリカ学会
雑誌
アフリカ研究 (ISSN:00654140)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.27, pp.1-54, 1985-12-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
49

This essay describes and analyzes how the kimanakta-kimanagan, or a custom of lending-out/borrowing of livestock including cattle, among the Kipsigis people of Kenya has changed through the drastic acculturation they have consequtively experienced through out this century after they came into contact with the European settlers in the Kenyan “White Highland”. Moreover, this essay explains how the values of cattle have changed and survived in the Kipsigis society which is among so-called “East African cattle complex” societies, with the special reference to the kimanakta-kimanagan system.The Kipsigis have been generally regarded as a “model” East African people in that this traditionally pastoral people very successfully adapted themselves to the colonial and capitalistic economy by rapidly adopting maize cultivation with plough and by shifting from communal land tenure to private land tenure. As a result, it is claimed, they lessened their pastoral attributes in large and cattle, around which almost all the traditional values of the people had centred, descalated to a simple article of commerse which was even less valuable than maize.It may be true that some characteristics of the traditional Kipsigis culture centred around cattle declined, but it can not be denied that the kimanakta-kimanagan system survives well in the course of the acculturation and that cattle still maintain importance as multiple media through which social relations are structured.Traditionally, the kimanakta-kimanagan contract was made on individual base among age-mates, affines, relatives, clansmen etc., and a cow, she-goat, or ewe was sent out as long-termed loan so that it could supply milk and blood to drink to the debtor's family. This system contributed to reduce inequality in the number of livestock, which were the then primary means of survival, held by individuals as well as possible discontents among the people, and therefore to maintain the unity of the acephalous and non-segmental Kipsigis society.Researchers are apt to underestimate, or even neglect, the significance of the existence of the highly transformed modern kimanakta-kimanagan system, judging form the descalation of the relative economic value of cattle. The system has been flexibly amended and developing new variations of practice in accordance with the needs derived from the modernization. But thus, all the more, it makes for minimizing the inequality not only in cattle holdings but also in their economy as a whole in the modern Kipsigis society. This may be the very reason the system survives the radical changes of their life style. In other words, it achieved its involution in this way.

2 0 0 0 OA 血笑記

著者
アンドレーエフ 作
出版者
籾山書店
巻号頁・発行日
1912
著者
廣瀬 敬治 ヒロセ ケイジ Hirose Keiji
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.62-72, 2013-01-31

化学情報の重要性は今も昔も変わらずに高い。しかしながら,化学文献の取り扱い環境は大きな変貌を遂げているため,化学情報の検索方法は昔とは大きく変わった。化学情報の数の増加や多様性に対応することを考えると,今や情報ツールを使わないで文献調査をすることは不可能である。文献調査法の講義をするに際してReaxys は非常に重要な教育ツールとなる。講義経験に基づいて,化学教育の視点から情報ツールの活用,特に教育ツールとしてのReaxys の意義と具体的な利用例について記す。