著者
藤木 卓 市村 幸子 寺嶋 浩介 小清水 貴子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.73-76, 2012

本研究では,両眼立体視により空間歩行可能なVRコンテンツの制作に必要な精度の変化が,現実感とVR酔いに及ぼす影響に関する知見を得ることを目的とした.そのために,大学生を対象とした主観評価実験を行った結果,次のことが明らかとなった.コンテンツの精度の変化に対して現実感とVR酔いは直線的な関係を示し,現実感が高くなるほどVR酔いの評価は低下する.また,コンテンツの精度に関しては,オブジェクトの形状の複雑さよりも貼付ける表面画像の質感の効果が高い.
著者
打浪(古賀) 文子
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.85-97, 2014-09-30

情報化社会が発展するにつれ,障害者の情報アクセスをいかに保障するかが課題となりつつある.特に知的障害者は直接アクセスできる情報源がほとんどないため,情報格差の最下層に取り残されている.本稿では,これまで国内にごくわずかしか研究蓄積のない知的障害者への「わかりやすい」情報提供について,学術的課題の検討を行った.また,国内での「わかりやすい」情報提供の先駆的な実践である,知的障害者向けの定期刊行物「みんながわかる新聞『ステージ』」の編集担当職員への聞き取りによる実態調査,及び「ステージ」編集会議の録音調査から,知的障害者への「わかりやすい」情報提供の普及のための実践的課題の考察を行った.学術的課題の整理から,先行研究における当事者的視点の不足が指摘された.また「ステージ」編集担当職員への聞き取り調査から,「ステージ」の詳細及び意義と課題が明らかとなった.さらに「ステージ」編集会議への録音調査から,「わかりやすさ」「わかりにくさ」に関する当事者視点からの示唆が得られた.今後,当事者視点からの検証に基づいた研究蓄積を一層増やしていく必要がある.また,「ステージ」のような試みが既存の領域や障害枠を超えて共有されるような展開を検討すること,他分野との連携を模索することが課題である.
著者
布引 敏雄
出版者
山口県
雑誌
山口県史研究 (ISSN:09191712)
巻号頁・発行日
no.20, pp.1-17, 2012-03
著者
山口 真美
出版者
福岡女子大学
雑誌
香椎潟 (ISSN:02874113)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.45-58, 1973-03-31
著者
伊佐 迪子
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 = The Bukkyo University Graduate School review. 佛教大学学術委員会, 文学部編集委員会 編 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.41, pp.71-88, 2013-03

本稿では二条院讃岐の四十二歳から四十四歳までの実人生を検証した。平家の都落ちは平家滅亡へと進展し、雅な平安貴族社会から関東武士社会へと世相は大きく変化した。この激変の時代の中で兼実長男良通は大納言に、次男良經は三位の中将へと昇進した兼 。実は二人に平安貴族文化の継承を託し、寿永二年は年間十一回、寿永三年にも年間十一回、元暦元年は年間二十一回の勉強会を設け、主に漢詩の勉強をさせている。催馬楽、名律例、笛、左伝などをも併せて修習させているが、俊成との間で和歌の交流と発展は見えていない。兼実は脚力がなく体調不良に悩み続ける日々である。自分の傍に居る讃岐に頼り切っており、本妻讃岐は兼実と同居である。本稿の検証結果は讃岐研究にとって大きな成果である良通良經平家滅亡貴族文化本妻讃岐