著者
石原 正雄
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会近畿支部研究報告集. 計画系 (ISSN:13456652)
巻号頁・発行日
no.17, pp.93-96, 1977-05-02

人類が住居に炉を作り主に採暖のために火を利用したことは、生産性・快適性の上昇でありまた生活圏の拡大を可能にし、さらに生産性を高めることになった。しかしそれは室内空気の汚染という現代まで存在する不利をもたらした。発生する煙に惱まされて、はじめて屋根に排煙口があけられたことは換気技術・空調技術の第一歩だといってよい。給気のための開口は出入口や多くの隙間であった。從って壁に孔をあけて換気を図るということは余り考えられなかったと思われる。窓はむしろ明り取りのためあけられ、雨・風の侵入を防ぐために角、雲母,石の薄片,クロスなどで被われ、はめ殺しであった。窓建具の普及は1700年代であろう.換気のため窓建具を開けたとき生ずるドラフトを防ぐ工夫は18世紀に多く、ホッパー窓の原型は1784年にst.Thomas Hospitalに設計られた.これにつづいて孔あき金属枝,ガラスルーバー,風車型ベンチレーターなどが用いられた.が多くは採光のロスがあり、全く満足できるものはなかった.ヴィクトリア時代,労働者階級の住宅の換気不良は社会の問題となった."室の換気は容易なことであるが大衆の大部分はその必要性を理解しておらず、またそれを彼らに教え、実際に設置する義務をもつ人々さえも分っていなかったのである.われわれの住居は換気不良であるというだけでなく、建築家が彼の芸術や才能を惜しまずつぎ込を建物は多くの部分において換気のたあの処置を全く欠いており、またそのような処置をおこなうことは極めて困難あるいは不可能であるように作られていた."(Tomlinson)その時代の衛生学者、技術者、物理学者によって、多くの関心がこの問題(建物の換気)に一致して向けられ、また政府(イギリス)の査問の対象ともなった.しかしそこでは住居の自然換気については殆んど述べられておらず事態の転換を政府に託すことはできなかった.自然換気の基礎は1850年にWalkerによって与えられた.(i)窓は光を入れるが空気は入れない、換気は別に調達せればならない.(ii)給気口と排気口が共に必要である.(iii)入ってくる空気はドラフトをさけるため温めるべきである.(iv)給気口と排気口はうまく配置されねばならない.(v)換気用開口は恒久的なものでなければならない.一旦閉鎖されると、そのまいになってしまう.これらの原則は今日でも改める余地はないし、また今日でも実行されていないものがある.(例(iii))Walkerは壁の中空部を給気シャットに用い給気を温めることを提案している.後の工夫であるTobin-Tubeは同じ目的のための器具である.孔あき煉瓦がすべてそれに代ったが、それがうまく作用したとはいえない.それはフリーエリアが小さく取入空気量は僅かなものである.当時,Walkerの原則はほとんど知られなかったが、住居換気改善の最近の計画は,恐らく特に意識せずに.彼の原則によっており.又Dr.Neil Arnottの教示によっている.風力だけにたよる換気が実際上うまくゆかないことは昔から知られており、他の方法が種々試みられた.16世紀,Aglicolaは鉱山の換気を,その立坑の底部の焚火によって行った.このアイデアが建築に応用されたのは1723年、Desaguliersが下院議事堂の換気を促進するために試みてからのことである.機械送風は1734年以来用いられたがDr.Reidは1836年に下院議事堂が再建された時,再びこの熱的換気法を用いた,De Chabannesはガスシャンデリアからの熱をCovent Garden劇場の換気に利用した.電動送国機が完成されると,他の換気促進の方式はほとんど消え去った.
著者
大石 さおり 北方 晴子
出版者
文化学園大学
雑誌
文化学園大学紀要. 服装学・造形学研究 (ISSN:13461869)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.63-73, 2013-01

本稿では、現代日本における男性役割観について、次の2点を目的として調査を行った。(1)現代日本社会における男性役割観を測定する尺度の作成、(2)男性役割観についての考えが性別や年代によって異なるのかについての検討、である。予備調査で収集した186の特性が現代男性にとって重要な程度について、関東1都3県在住の男女419名(10〜50代)の回答を対象として分析を行った。(1)尺度の作成については、最終的に55項目からなる尺度を作成した。尺度の因子構造は、5因子とすることが妥当であった。第1因子より"社会的望ましさ"、"見た目のよさ"、"個性"、"豪快さ"、"精神的強さ"と命名し、これらを現代日本における男らしさ測定尺度の下位概念とした。(2)については、現代の男らしさの概念には、性別によって考え方が異なる下位概念と年代によって考え方が異なる下位概念が含まれていることが明らかとなった。具体的には、女性は男性より、男性に対し社会的望ましさや豪快さを求めている傾向がみられた。一方で、10代の男女は男性により外見的なよさや個性を重要視しているということがわかった。
著者
辰己 丈夫 大岩 元 斎藤 俊則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.62, pp.57-62, 2005-06-18

筆者らは、放送大学教養学部の授業科目「情報技術と社会('05)」を2004年度1年間をかけて収録した。この授業は2005年度から4年間放送され、数千人の登録学生が放送講義を視聴して、印刷教材を読んで、単位認定試験に取り組む。本発表では、実際の収録の過程を振り返りながら、このような放送講義では何ができるのか、何ができないのかについて述べる。また、入学試験が存在しない放送大学において単位認定が持つ機能と意味について考察を行なう。We produced a subject "Information and Communication technologies and Society" at The University of The Air school. In this report, we describe the process of the production we experienced. We report what we can do and what we cannot do in this broadcasting lecture. We will talk about the function and the meaning of the unit recognition in The University of the Air which does not have the system of entrance exam.
著者
辰己 丈夫 大岩 元 斎藤 俊則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CE,[コンピュータと教育] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.57-62, 2005-06-18
参考文献数
1

筆者らは、放送大学教養学部の授業科目「情報技術と社会('05)」を2004年度1年間をかけて収録した。この授業は2005年度から4年間放送され、数千人の登録学生が放送講義を視聴して、印刷教材を読んで、単位認定試験に取り組む。本発表では、実際の収録の過程を振り返りながら、このような放送講義では何ができるのか、何ができないのかについて述べる。また、入学試験が存在しない放送大学において単位認定が持つ機能と意味について考察を行なう。
著者
関口 信雄
出版者
上田女子短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:09114238)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.149-156, 1993-03-31
著者
淺羽 隆太郎
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協會會報 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.42, pp.203-224, 1928-03-15

The auther investigated theoretically the relation between the size of the stabilizer and the amplitude of rolling in several cases ; 1. When the ship is forced to roll by the stabilizer, [numerical formula] denoting the couple produced by the stabilizer by W_m⨂ and the maximum attainable amplitude is given by [numerical formula] 2. When the rolling is quenched by the stabilizer in the still water, [numerical formula] 3. Rolling amongst regular waves. In the case of synchronism, the maximum amplitude is reduced by the stabilizer to θ given by the equation [numerical formula] provided ⨂≦φπ/4. If the size of the stabilizer is so chosen as ⨂=φπ/4,the maximum amplitude is only φπ/4. The larger the size, the less the amplitude, but a vibratory rolling occurs in some cases owing to the too large power of the stabilizer. The theory is compared with the model experiment made by Dr. Motora, showing a fair coincidence.
著者
元良 信太郎
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協會會報 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.32, pp.75-84, 1924-09-18
被引用文献数
1

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1937年10月14日, 1937-10-14
著者
滝沢 武信
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.79(2003-GI-010), pp.63-70, 2003-08-04

第13回世界コンピュータ将棋選手権が2003年5月に開かれた.今回は60チームの申し込みがあり,実参加者数は45である.コンピュータ将棋の実力も大いに上がってきており,上位入賞ソフトはアマチュア4段階の強さがある.この報告では第13回世界コンピュータ将棋選手権における将棋ソフトウエアの実力について考察する.
著者
石出 靖雄
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2012-02

制度:新 ; 報告番号:甲3687号 ; 学位の種類:博士(学術) ; 授与年月日:2012/7/24 ; 早大学位記番号:新6055
著者
山住 勝広
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.367-379, 2012-12-30

学校における教師と子どもたちの震災学習は、深い傷痕を残す悲痛の記憶をいかに語り互いに共有することができるのかという根源的な矛盾に直面し、それに挑戦するものになる。本論文では、このような矛盾を乗り越えてゆく教育実践は可能かという問いへアプローチするために、震災体験からの学習と教育の事例分析を、活動理論の枠組みにもとづき行った。分析の結果、子どもたちが、学校における震災学習を通じ、学校外のさまざまな「学びの提供者」と出会い、結びつながることによって、新たな支えあいの文化と生活を創造してゆく可能性が明らかとなった。