著者
大井 浩二 Koji Oi
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.21-35, 1984-05-20
著者
土肥 健純 松本 洋一郎 中村 耕三 久田 俊明 佐久間 一郎 波多 伸彦 中島 勧
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

(背景と目的)整形外科手術においては従来,皮膚および筋肉組織を切開した上で骨を切断していた.本研究では収束超音波を用いて皮膚に切開を加えず,非侵襲的に骨を切断するシステムの基礎研究を目的とする.(方法)システム開発の基礎的研究として,実際に豚の骨に収束超音波を照射する実験システムを構築した.脱気水を張った水槽内に豚骨を固定し,PZT素子を用いたトランスデューサから波形,振動周波数,素子印加電圧等の照射条件を変えながら骨表面が焦点になるように垂直に照射し,焦点部分に起こる変化を観察した.Finite Difference Time Domain Methodを用いたシミュレーションソフトウェアを開発した.豚骨表面におけるエネルギについて,シミュレーションで得られた値と開発したシステムによる実験値とを比較した.PZT素子の共振周波数に奇数倍の周波数を持つ正弦波を足し合わせた波である矩形波を入力波形として用い高音圧化を図った.また,トランスデューサを5個とし,各焦点を重ね合わせることでも音圧の上昇を図った.(結果と考察)焦点エネルギのシミュレーション値と実験値に関して約90%の一致率を得た.また,PZT素子に関してはトランスデューサ開口部が同じであれば曲率が大きいほど焦点音圧が高くなるという解析結果を得た.矩形波入力の場合の焦点音圧は正弦波入力の場合の3倍であり,2個のトランスデューサから豚の肩甲骨に照射したところ,直径1mm,深さ0.5mmの切削痕が得られた.5個のトランスデューサへの入力電力を各30W(合計150W)とし,音圧を測定したところ,1個のトランスデューサに30Wの電力を入力した場合に比べて1.65倍の音圧を得た.インピーダンスマッチングの改善により一層の高音圧化が可能であると考えられる.(結論)収束超音波による非侵襲骨切断のための装置を開発し,曲率の大きなPZT素子からなるトランスデューサを複数用い矩形波を入力することにより効果的な骨切断が可能であることが示された.
著者
工藤 力男
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.91-92, 2002-04-01

国語学会は国語研究の進展と会員相互の連絡を図ることを目的とし,広く全国の国語学研究者および国語に関心を持つ人々を会員として運営されている学会です。これは,左開きの現在は目次の裏に掲げられている「国語学会について」の冒頭である(傍点は引用者による)。本誌第153集の「学界展望」の拙文で,この文言の非現実性について発言することがあった。それに対して,すぐに徳川宗賢氏からはがきが寄せられた。紛失してしまったそれには,本学会のある会合で,この文言と学会名が時代遅れであることを言って冷笑された旨が書かれていた。1997年秋の大会で「学会運営についてのアンケート」が実施された。徳川代表理事による報告が第192集に掲載されている。それによると,学会名称の変更を望む意見は少数派だったが,変更を望む人は「日本語学会」を選ぶ傾向があったという。代表理事というたちばから,徳川氏はご自身の見解を示していないが,今ご存命だったら,さらに改革を進めていたかもしれないと思う。その展望には,己れのことを,「これはおちこぼれの隠れKameianたる(いな,もはやたりしとすべきか)わたし」とも書いた。北陸の大学に学んで国語国文学を専攻し,格助詞の歴史に関する論文を書いて卒業したわたしは,いわゆる旧派「国語学」の学生であった。言語学関係で履修した科目は,4科目10単位に過ぎない。二十代の終りに大学院に学び,亀井孝氏の著述に触れて,己れの勉強の挟く偏っていることを知ったが,悲しいことに,貧弱な頭脳は早くも硬化して,言語学を吸収することができなかった。せめて氏の精神だけでも学ぼうという思いがその文言になったのである。学問の姿勢が亀井氏に近いたちばにある小松英雄氏は,新著『日本語の歴史』に書く,「このような妄論が現今の概説書に出てくるのは,国語学が国文学と密着して近世国学の伝統を継承し,鎖国状態を続けたまま,言語学の進歩についてこなかったことの悲惨な結末である」(23頁)と。「悲惨な結末」はわたしの姿そのものである。小松氏はまた,「近年は,旧来の国語史の内容をそのままにして,名称だけを日本語史と改める風潮が顕著に認められる」(19頁)とも言う。もとより覚悟のうえで,新酒のために新しい革袋を用意するつもりでこの名称を用いてきたわたしは,この批判を甘受するものである。崩れた姿勢が正装することで直ることもある。以上,個人史的な回想である。客観的な状況は,先の徳川氏稿,第193集の山口佳紀氏稿,第200集の特集に寄せられた諸氏の稿,そして,205号来の本欄の稿などで具体的になった。現在の学会の態勢が学問にも教育にも時代遅れであることは明らかである。外国人との接触多からずとも,「国語学」の名称がいかに不自然であるかは理解しうるはず。同じ日本語が対象なのに,外国人の研究は「日本語学」,日本人のそれは「国語学」だという奇妙なことを,もうやめようではないか。漢字文化圏では,韓国も自らの言語の学を「国語学」と称するが,他国のことは言わず自分の身辺を清潔にしたい。「日本語」という名称に大日本帝国の匂いを嗅ぎとる人もある。わたし自身,「君が代」が歌えない人間なので気持ちはわかるが,反対に「国語」の方に帝国の匂いを感ずる。人さまざまである。それなら,中国・韓国で用いる「日語」「日語学」でもいい。世界を席捲する「英語」が英国にとらわれないように,いっそ好ましいかもしれない。そもそも,この学会の英訳名には「国語」の含意がない。名詮自性,これが自分のかかわる研究領域での願いである。かく思うゆえに,特に術語は正確・厳密に用いるべきことを,いくつかの文章に書いてきた。言語の研究にたずさわる者として当然のことであろう。「日本語」を研究対象とする学会なら,「日本語学会」が最適である。「日語」を採れば,当然「日語学」「日語学会」。文部行政の申し子たる旧派国語学会から,時代錯誤の言語教育行政に変更を迫る力を備えた学会に再生せねばならない。明春の大会には学会名の変更を決定すべきである。本学会の幹部には,学会の分裂を招きはしないかと,学会名の変更をためらう節があるようだが,ためらう時間が長ければ長いほど,国語学と日本語学の乖離は大きくなるだろう。現に昨冬,日本語文法学会が発足したのは,そのためらいに業を煮やしたからではなかろうか。日本語史に無智なままになされる現代語研究は危ういし,現代語の構造を見透さない日本語史研究は寂しい。双方にまたがる,あるいは諸領域にわたるさまざまな研究がある。それらの要になることこそ,本学会の存在意義であろう。わたしは至らぬまでも,蛸壷から首だけでも出して四方に目配りしつつ余生を過ごしたい。学会誌の名称は,現在用いられていないものに探すなら,『日本語学会雑誌』あるいは『日語学会雑誌』がいい。これなら決して古くなることがないだろうから。
著者
香月 浩之
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

有機半導体薄膜を用いたキャビティポラリトンの作成と、その量子状態を外部から制御することを目標に、状態制御技術の開発を行った。ミラーに有機半導体薄膜を蒸着し、上からミラーをかぶせてキャビティを作成した。角度依存反射・蛍光スペクトルの解析から最大300meV程度の真空ラビ分裂エネルギーが得られ、強結合状態の生成を確認した。また、二次元平面内の量子状態をコヒーレント制御する手法開発のために、空間位相変調素子を利用した振幅位相制御の手法開発を行った。対象として固体パラ水素を選択し、二次元平面内での量子状態分布を制御できることが確認され、更にその状態を画像の強度分布として一括して取り込むことに成功した。
著者
井田静夫 著
出版者
弘文社
巻号頁・発行日
1928
著者
中村 敏和
出版者
東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系社会文化環境学専攻
巻号頁・発行日
2011-03-24

報告番号: ; 学位授与年月日: 2011-03-24 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(環境学) ; 学位記番号: 修創域第4025号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科環境学研究系社会文化環境学専攻
著者
柳 久雄 山下 兼一 冨田 知志
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

DBR 共振器やフォトニック結晶を組み込んだ面発光型有機レーザーを作製し、色素ドープポリマーやπ共役系ポリマー薄膜が示す誘導共鳴ラマン散乱を共振器モードにカップリングさせることにより、光励起下において高利得のラマンレーザー発振を実現した。また、電流励起有機レーザーへの展開を目的として、液晶性π共役ポリマーを用いてアンビポーラ特性を有する電界効果型発光トランジスタを作製し、交流ゲート電圧駆動下において、電界発光を得ることに成功した。
著者
村松 英子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.67-78, 1998-03-25

桃山期の美術作品の中に,南蛮屏風がある。異国の風俗,文化を垣間見ることができるこの美術作品は,特異な服装の異国人の姿が見られる。当時世界的に,圧倒的な力を誇っていた貿易大国ポルトガルは,隣国のスペインがポルトガル王を兼ねていたという史実から,スペインの影響を受けていたということが推察できよう。さらにそのスペインは,イスラムの影響を受けていたのである。ヨーロッパにおいてこの地にだけ,実にエキゾチックな文化が花開いたことと,南蛮人の特異な服装は,イスラムの影響と複雑なイベリア半島情勢によって生まれたものであることが考察された。
著者
荒牧 重雄
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山. 第2集 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.57-72, 1987-04-30
被引用文献数
3

Lake Nyos is a maar-type volcano formed by phreatomagmatic eruption along the fissure. The rock is weakly alkaline olivine basalt very rich in crustal xenoliths and mantle-derived spinel-lehrzolite nodules. Stratiied surge deposits made of scoria and ash drape the pre-Cambrian(?) granitic basement along the lake shore. Lake Nyos is a part of Cameroon Volcanic Line which contains many fields of monogenetic volcanoes. Among them is another maar-type crater lake Monoun, which erupted similar lethal gas(CO_2) in 1984 and killed 37 people. The rocks of these young monogenetic volcanoes range from weakly to strongly alkaline basalts and basanitoids. The older(Tertiary?), plateau-forming basalts which constitute immediate basement are also alkaline basalts and basanitoids.
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1010, pp.66-68, 2013-10-25

住民が自ら設計に関わり、「新しいモデル」とされた災害公営住宅の提案が、仙台市の公募買い取り事業で落選した。審査の評価点から見えてきたのは、「復興住宅は誰のものなのか」という根本的な問題だ。 仙台市の「あすと長町仮設住宅」の集会場には、共用部…
著者
Akihiko SUGIYAMA Sayaka HATA Kengo SUZUKI Eriko YOSHIDA Ryohei NAKANO Sharbanee MITRA Ryo ARASHIDA Yuta ASAYAMA Yukinori YABUTA Takashi TAKEUCHI
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.755-763, 2010 (Released:2010-07-04)
参考文献数
49
被引用文献数
54 89

Paramylon is a β-1,3-D-glucan isolated from Euglena gracilis Z. This study was designed to evaluate the suppressive effects of the oral administration of paramylon on the development of atopic dermatitis (AD)-like skin lesions induced by repeated application of 2,4,6-trinitrochlorobenzene (TNCB) in sensitized NC/Nga mice. The effects of paramylon were assessed by measuring macroscopical and histopathological findings of skin, ear swelling, serum levels of total IgE, interleukin-4 (IL-4) and interferon-γ (IFN-γ) and IL-18 and IL-12 contents in the skin lesions. Oral administration of paramylon inhibited the development of AD-like skin lesions as exemplified by a significant decrease in dermatitis scores for the back, ear swelling and hypertrophy of the skin, infiltration of inflammatory cells in the skin, and serum IgE levels. Oral administration of paramylon reduced serum levels of both IL-4 and IFN-γ and IL-18 and IL-12 contents in the skin lesions. Oral administration of paramylon did not cause weight loss, as was observed with prednisolone. These results suggest that paramylon inhibits the development of AD-like skin lesions in NC/Nga mice by suppressing both the T-helper (Th) 1 and Th 2 cell responses. Our results indicate that paramylon treatment could provide an effective alternative therapy for the management of AD.
著者
入澤 千晶 石郷岡 学 渡辺 博幸 石井 延久 鈴木 騏一 菊地 悦啓
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.1193-1196, 1990-10

We have experienced 2 cases of intracavernous induration after injuries to the external genital parts caused by a motorcycle tank. Case 1. A 28-year-old male was admitted to our department complaining of painless indurations of the penile radix. Cavernosography showed segmental filling defect in left corpus cavernosum. Because erectile disturbance was noted, resection of the induration was carried out. Microscopic section of the excised tissue showed only fibrosis. Case 2. A 20-year-old male visited our clinic with chief complaints of induration of the penile radix and erectile disturbance. Corpus cavernosography demonstrated filling defect in bilateral corpus cavernosum. We recommended the resection of the indurations, but the patient refused. A brief review on etiology and therapy of intracavernous fibrosis was made.
著者
佐々木 弘通
出版者
成城大学
雑誌
成城法学 (ISSN:03865711)
巻号頁・発行日
no.66, pp.1-79, 2001-04