著者
牛島 廣治 西尾 治
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

(1)現在、社会的に問題となっている下痢症ウイルスのノロウイルスGII主要株に対するイムノクロマト法を世界で初めて開発した。さらにノロウイルスの14 genotypeの中空粒子を遺伝子工学的に作製し、抗体を作りイムノクロマト法に応用する準備ができた。サポウイルスに関しても中空粒子の作製に成功し、ELISAによる検査を可能とした。(2)下痢症に関連する複数のウイルスを同時に検出できるmultiplex PCRを開発した。これはA、B、C群ロタウイルスとアデノウイルスを検出するA set、ノロウイルスG、GII、アストロウイルス、サポウイルスを検出するB set、A、E型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、エンテロウイルスを検出するC setで下痢症ウイルスの遺伝子レベルでのスクリーニングおよび遺伝子解析を可能とした。また、全国の食品(貝)、河川水などからリアルタイムPCRを用いて定量的なノロウイルスの検出を可能とした。この方法は検出法精度、感度とも優れており、わが国の食品安全を評価できる。(3)分子疫学的手法による解析の結果ロタウイルス感染のピークは20年前には12月〜1月であったが、その後次第に遅くなり今では3、4月が中心となった。ノロウイルスは急に寒くなる11、12月に流行が始まった。従って小児の主な下痢症に2つのピークが見られた。ロタウイルスでは15年間優勢であったG1型(80〜90%)に代わり、G3、G4型が2〜3年前から優勢(各30%ずつ)になった。G9型は20%を占めた。(4)モノクローナル抗体を用いた抗原抗体反応、遺伝子解析でロタウイルスの各血清型を検査すると、同一血清型内でも特定の部位に変異があった。C群ロタウイルスの小流行が舞鶴で見られた。ノロウイルスやサポウイルスの遺伝子解析から新しいgenotypeや組換え体を報告した。また、genotype間での組換えも見られた。(5)乳児・高齢者施設で下痢症ウイルスの施設内流行があり、食品を介さないヒト-ヒト感染あるいは空気感染が示唆された。イムノクロマト法が迅速診断として有効であった。(6)脳炎・脳症の症例で、PCRでロタウイルス陽性の髄液があった。(7)ロタウイルスのNSP4が下痢症発症の原因として重要とされている。NSP4と脳炎・脳症との関係を調べる目的で新生ラット神経細胞にNSP4の活性部位の合成ペプチド、およびウイルス蛋白を直接作用させたが、アポトーシスを誘導することはなく、脳炎・脳症の発症メカニズムは明らかとならなかった。(8)siRNAを細胞内に導入し、ロタウイルス感染による細胞のアポトーシスを抑制することにより、アポトーシス誘導経路を明らかとした。(9)酸化チタンによる光触媒が抗ウイルス作用を有することがわかった。
著者
山本 冴里
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.47, pp.171-206, 2013-03-29

日本発ポップカルチャー(以下、JPC)に対する評価や位置づけは、親子間から国家レベルまで様々な次元での争点となった。そして、そのような議論には頻繁にJPCは誰のものか/誰のものであるべきかという線引きの要素が入っていた。本研究が目指したのは、そうした境界の一端を明らかにすることだった。
出版者
日本天文学会
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, 1933-03
出版者
日本天文学会
巻号頁・発行日
vol.3, no.8, 1910-11
出版者
日本天文学会
巻号頁・発行日
vol.14, no.10, 1921-10
著者
堀井 清之
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ジョイント・シンポジウム講演論文集 : スポーツ工学シンポジウム : シンポジウム:ヒューマン・ダイナミックス : symposium on sports engineering : symposium on human dynamics
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.1-5, 2003-11-07

A new methodology with liner space analysis for human performances of ingenuity and skill including sports, drawings and literary works has been developed to clarify the implicit knowledge. The implicit knowledge has contained ideas, feelings, thought processes and patterns style and so on without being clearly formulated and defined in the mind. For analysis of novels by Natsume Soseki, spiral styles were visualized. This spiral style was supported as common sense that Natsume wrote novels theoretically and logically by many researches. Miyazawa's novels were observed the wave styles, which mean his novels involve rich sensitivities. The other implicit knowledge has been also disclosed; the sports performance with high skill has been revealed.
著者
新明 正道
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.135-137, 1977-10-30 (Released:2009-10-19)
著者
中山 幸代
出版者
田園調布学園大学
雑誌
田園調布学園大学紀要 (ISSN:18828205)
巻号頁・発行日
no.2, pp.97-112, 2007

介護福祉士の養成教育が始まってから19年が経過した。しかし「介護福祉学」の内容はいまだ定まったとはいえない。本研究では,介護福祉学における「関連領域との共通性と介護福祉の固有性」について,文献研究を通してその内容を検討し考察を加えた。関連領域としては,看護・社会福祉・家政学・ターミナルケア・宗教哲学・性との関係を取り上げた。介護福祉の固有性としては,日常生活障害の理解,生活障害への援助について検討した。また介護実践の基盤となる利用者理解と自己覚知,「聴く」ことのできる力についても考察を加えた。
著者
園田 智子
出版者
群馬大学留学生センター
雑誌
群馬大学留学生センター論集 (ISSN:13461605)
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-9, 2008-03

本稿は、平成18年度から19年度にかけて、群馬大学で行われた留学生相談について、留学生の属性及び相談内容について分析を行い、その傾向を考察したものである。分析の結果、相談には、日本人学生と共通するものと、留学生特有と思われる相談があることがわかった。さらに、時期によって相談内容に変化があることや、キャンパスごとの傾向などから、今後の充実した相談体制、方策について考察した。