- 著者
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野沢 健人
若林 啓
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.2, pp.1-10, 2016-06-29
グラフ構造におけるコミュニティ発見手法は,ソーシャルメディアや共著関係,商品の購買データなどから機能的・構造的にまとまりをもったノード群を抽出し分析することを可能にする重要な技術である.特に近年では,非常に大規模なグラフを解析する機会が多くなってきているため,グラフの規模に対してスケーラブルなコミュニティ発見手法が求められている.本研究では,あるノードからの距離が一定以下のノードの集合を文書と見なしてトピックモデルを学習し,トピックごとのノードの予測分布を用いてコミュニティ発見を行う手法について論じたうえで,トピックモデルの学習に確率的変分ベイズ法を適用することで,データの規模に対して高いスケーラビリティを持つ重複コミュニティ発見手法を提案する.実験により,提案手法は6,000万ノード,18億エッジからなる大規模ネットワークに対しても,既存手法と比較して高速なコミュニティ発見を実現できることを示す.