著者
坂野 久
出版者
近畿大学語学教育部
雑誌
近畿大学語学教育部紀要 = Kinki University Department of Language Education bulletin (ISSN:13469134)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.185-211, 2009-12-01

執筆者専攻: ドイツ語学・社会言語学
著者
ヴィアール ブリュノ 永見 文雄 訳
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.201-224, 2015-10-30

心理学者ルソーの豊かな革新の数々を示したい。ルソーは原罪を退け人間の自己愛を正当化したが,自己愛の対極にある自尊心をも重視した。自尊心とは他者の視線に対する気遣いだ。自尊心の危険を示したのはルソーが最初でなく,十七世紀のモラリストがルソーの先駆者である。人間には性的欲求・物質的欲求・承認の欲求の三つの基本的欲求があるが,ルソーには承認の欲求にほかならない自尊心の正方形が見られる。虚栄心が他者への軽蔑を生み,羞恥心が羨望を生む。傷ついた自尊心にはこの四つの顔が認められ,四者は緊密に結びついている。ルソーの自伝作品には虚栄心と軽蔑,羞恥心と羨望の組み合わせがしばしば見られる。ルソーの延長上にヘーゲル,ジラール,アドラー,サルトルを置くことができる。ルソーの作品にはホリスムと個人主義の両極端が同居している。ルソーが提供する精神分析の道具によって,ルソーの敗北がすなわちルソーの勝利であることがよくわかる。
著者
松原仁 浅田稔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.1195-1200, 2010-09-15
著者
高橋 善隆
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF LITERATURE (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.41, pp.A77-A92, 2008-03

2005年にAFL-CIOは分裂し、1955年以来統一されていたアメリカ労働運動のナショナル・センターが大きく分断されることになった。1995年のスウィニー執行部成立以来、ソーシャル・ユニオニズムの復権が評価されていたが、ソーシャル・ユニオニズム内部の対立が鮮明化した構図となっている。本論では(1)ビジネス・ユニオニズムとソーシャル・ユニオニズムの対立というアメリカ労働運動の歴史的背景、(2)戦後期に優位を確立したビジネス・ユニオニズムがアメリカ社会の制度設計に残した負の遺産、(3)ビジネス・ユニオニズムの失墜、ソーシャル・ユニオニズムの復権という状況下で活力の中心となっている「ヒスパニック系移民の動向」について検討する。さらにアメリカ労働運動の変容とナショナル・センターの分裂が、アメリカ政治全体にどのような影響を及ぼすことになるのか考察してみたい。
著者
池田 佳代 沼田 秀穂
出版者
環太平洋大学
雑誌
環太平洋大学研究紀要 = BULLETIN OF INTERNATIONAL PACIFIC UNIVERSITY (ISSN:1882479X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.81-88, 2020-03-31

インターネットが普及し,個人が簡単に情報の受発信を行うソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を活用している割合が上昇している。SNS上には,信頼できる情報はもとより,流言・デマといった情報も発信され,それが拡散されることによって,災害時等の有事には救助や復旧の妨げとなっている。SNSによる情報行動を解明することは,信頼できる情報流通システムの構築に必要な課題と言える。本稿では,メディアに対する信頼や,信頼と情報転送などの行動の関係についてWebアンケートによる質問紙調査を行った。結果として,年齢や性別によっても情報の信頼度が異なることや,情報を信頼していないにも関わらずシェアや情報転送をする人の存在が明らかとなった。
著者
辻本 法子
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学総合研究所紀要 = ST. ANDREW'S UNIVERSITY BULLETIN OF THE RESEARCH INSTITUTE (ISSN:1346048X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.41-55, 2018-07-30

Japan has seen an increase in the number of foreign tourists over the years ; the number stoodat 24 million in 2016. In fiscal 2016, the number of inbound tourists increased by 71.5% on ayear-on-year basis. The travel consumption was valued at JPY3.75 trillion, which is primarilyattributable to tourists from China.This study proposes a new viewpoint on the travel souvenir-related purchasing behavior ofChinese tourists in Japan. The purchase of a travel souvenir is typically a one-time purchase bya tourist during a visit to a location. To increase the sales of travel souvenirs, it is important topromote repeat purchases. To ensure repeat purchases, it is necessary to create brandawareness and increase brand accessibility, so that the tourist can easily recall the brand nameand place a repeat order even from his or her native place. This study focuses on the changes inChinese tourists’ purchasing behavior and brand awareness, and makes a comparison betweenthe periods 2016 and 2013/2014.The study noted the following.(1) Visits by Chinese middle-class tourists increased in 2016.(2) The number of first-time visitors to Japan increased, and these visitors visited less placescompared to those who are visiting again.(3) As for the person with multiple visit-to-Japan experiences, brand awareness may increase.
著者
但馬 康宏
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2020-GI-43, no.25, pp.1-6, 2020-03-06

多人数不完全情報ゲームである「お邪魔者」は複数人で行うカードゲームであるが,プレイヤーのうち数人がお邪魔者となり,人狼のように敵役ではあってもその正体を隠しながら妨害を行うゲームである.このゲームにおいてお邪魔者が妨害を開始するタイミングは勝利条件成立に大きな影響を与える.本研究では,お邪魔者による妨害開始のタイミング,多数派である金鉱堀の反撃や仲間を救う着手を行う確率などを変化させ,勝率の違いを計測した.これにより,強いプレイヤアルゴリズムの基礎となる性質を明らかにする.
著者
近畿大学中央図書館
雑誌
図書館だより = Tosyokan Dayori
巻号頁・発行日
no.180, pp.1-2, 2020-10-08
著者
塙 敏博 中島 研吾 大島 聡史 伊田 明弘 星野 哲也 田浦 健次朗
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2016-HPC-156, no.10, pp.1-10, 2016-09-08

東京大学情報基盤センターでは,データ解析・シミュレーション融合スーパーコンピュータシステム Reedbush を導入し,2017 年 3 月より全系稼働開始予定である.Reedbush システムは,Intel Xeon E5 (Broadwell-EP) プロセッサに加えて NVIDIA Tesla P100 (Pascal) GPU を一部計算ノードに搭載する他,高速ファイルキャッシュシステムや,InfiniBand EDR などを始めとして導入時点で最新の技術を集めたシステムである.本稿では 2016 年 7 月から稼働を開始した汎用 CPU のみからなる Reedbush-U サブシステムの性能について報告する.
著者
青田 直大 河野 健二
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2018-OS-142, no.3, pp.1-7, 2018-02-20

ファイルシステムにおけるテール ・ レイテンシ (tail latency) は,サービス品質を保証する上での障壁となることが知られている.現在のファイルシステムにおける最適化は,アクセス性能を平均的に向上させることを主目的としているため,アクセス状況によってはすべての最適化が無効となり,テール ・ レイテンシが増大する傾向にある.テール ・ レイテンシが増大する状況は,メタデータの管理手法,最適化の手法,アクセスパターンによって異なってくる.本研究では,btrfs,ext4,XFS,F2FS という 4 つのファイルシステムを対象に,テール ・ レイテンシが増大する要因を定量的に分析した結果を示す.
著者
保利 武志 中村 和幸 嵯峨山 茂樹
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.129-130, 2017-03-16

従来ヒューリスティックや感性情報を必要とした手法によって実現されていたジャズセッションシステムに対し、我々はこれまで統計的に学習可能な枠組みによるシステムの実現に向けた数理モデルや演奏の解析を行ってきた。また、その数理モデルの妥当性を実証するために、ピアノの演奏データを入力として、事例データからピアノ演奏にうまく調和するようなベースとドラムスの演奏を、NMFによるクラスタリングやtrigramによる時系列特性、ピアノとの共起関係を考慮して探索し合成して出力する手法を提案した。本研究ではこれをさらに発展させたHMMをベースとしたモデルに基づき、DNNによる楽器間の演奏特徴量の相関関係や時系列特性を考慮した編集合成を行う。