著者
藤澤 まどか
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、美術館と公共性の関わりについて、美術館建築による開放性の創出に着目し、来館者の観点も取り入れながら考察することを目的とした。そこで、"様々な人々が訪れやすく、人々や社会に開かれた活動(状態)"を開放性として定義し、美術館の公共性の保障にむけて美術館建築の果たす効果や役割を分析した。そのさい、公共性の理論的枠組みの整理等の理論研究を行うとともに、美術館の事例調査を行い、理論と実践を照らし合わせながら考察した。
著者
菅沼 崇
出版者
相模女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究(3ヵ年)を通して、組織事故モデル(菅沼,2002)の妥当性を多角的に検証するとともに、当該モデルを援用した具体的な安全管理施策の提案を行った。平成16年度(最終年度)の成果は、以下のとおりである。1.海外組織問題事例の分析:組織事故モデルを用いて「米国原発事例」と「NASAコロンビア号事例」を分析した。その結果、いずれの事故も、本モデルが示す「リスク事象の発生プロセスと継続プロセス」の2つの連続プロセスにて説明可能であることが示された。なお、新たに「コスト管理」に関わる要因の存在も示唆された。2.国内電力関連組織を対象とした面接調査:国内某電力関連組織において発生した「ルール違反による死亡事故」についての集団面接調査を実施した。その結果、上記と同様、事故発生に至る2つの連続プロセスが確認されたことに加えて、さらにその在り方には4つのパターンが存在するという新たな知見が得られた。3.組織事故モデルの再構築:本研究(3ヵ年)にて得られた一連の妥当性検証結果に基づいて、"組織事故モデル"を再構築した。新たな影響要因として、組織間関係、組織構造、組織風土、標準・基準、組織規範、集団学習、集団風土、集団知識、コスト管理にわたる9つの要因が追加されるとともに、上記2つの連続プロセスに関わる4つのパターンが位置づけられた。4.組織事故モデルを援用した安全管理施策の提案:再構築された組織事故モデル内に含まれる「組織要因(30要因)」「集団要因(9要因)」「個人要因(7要因)」を評価するための"産業事故発生要因評価尺度(12評価カテゴリー:131項目)"を開発するとともに、産業現場の方々が当該尺度を有効に活用することができるよう"産業事故発生要因評価尺度の実施手引き(第1章-第5章および3つの付録を含む、31ページ構成)"を作成した。
著者
研谷 紀夫
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.554-559, 2008-11-01

文書館制度の発達が図書館や博物館と比較して遅れた日本においては,図書館において歴史資料が保存される傾向が強かった。しかし,その情報の付与や秩序構成が図書とは根本的に異なる文書資料は,一般の図書刊行本とは別に扱われ,それら資料の認知や利用の簡便性も必ずしも高いものではなかった。しかし,近年のデジタルアーカイブやデジタルライブラリーの進展によって,図書館における文書資料の電子化が積極的に推進されている。これら電子化された資料は,文書資料の特性やBorn Digital Contentsに対応するメタデータの設計を行い,その他の資料や他の機関との相互連携の枠組みを発展させる必要がある。
著者
福田 裕海 山岡 克式 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.441, pp.47-52, 2004-11-11

IPでの移動性を実現するモバイルIPに関してハンドオフ時の切断時間とそれに伴うパケットロスに関する様々な検討が行われているが,ストリーミングアプリケーション利用時にハンドオフ時の経路変更が引き起こす遅延変動により生じる移動端末の再生品質劣化についてはほとんど検討されていない.そこで本研究ではこの問題を解決する新しいハンドオフ手法を提案する.本提案方式では,ハンドオフごとに複数の経路を設定,保持し,ストリーミングの再生に適した遅延変動の少ない経路を移動端末がハンドオフ時に受信経路として選択することによりハンドオフ時のストリーミング再生品質劣化を減少することが可能となる.これにより再生ストリーミングの初期バッファ量を減少させることができ,再生遅延やバッファ量の減少が可能となる.計算機シミュレーションにより提案方式の有効性を示した.
著者
木本 雅彦 川部 勝也 松田 一郎 大野 浩之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.47, pp.7-12, 2000-05-26
被引用文献数
1

大規模な災害に見舞われた時、家族・知人の安否や、ライフラインの復旧状況といった情報は被災者にとって重要である。災害時でも機能する情報流通機構を作り、被災地内外から状況に応じて適切な情報を提供する体制を確立する必要がある。現在、インターネットを用いた災害情報の流通を支援するシステムの開発は盛んに行われているが、インターネット上の情報を避難所などで多数の人々へ情報を同報する手段が不足していると著者らは考えた。そこで本研究では、インターネット上に蓄積されている災害情報を、多くの被災者に提供するシステムを設計、実装した。このシステムでは、CompactHTMLで記述された情報を取得、解析したのち、1.5m四方程度の大型の情報表示装置に出力する。1999年9月と2000年1月に開催された災害訓練に参加し、このシステムの運用実験を行った。本稿ではシステムの設計実装および、このシステムを動作させるためのプラットフォームとして、HDDをもたないPC-UNIXシステムの実装を述べる。When the large scale disaster occurs, efficient information gathering and privision is neccesary. We considered methodology to provide and represent information to people under the disaster condition. We developed the information display system for disaster information. We use compact HTML as information format, and large display called Flipsign. The flipsign is enough large to provide information to many people. In this paper, we describe the design and implementation of Compact HTML parser and its display system. We also introduce PC-UNIX platform without hard drives.
著者
黒沼 悦郎
出版者
法曹会
雑誌
法曹時報 (ISSN:00239453)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.2901-2931, 2000-10