著者
風間 秀彦 下辺 悟
出版者
社団法人地盤工学会
雑誌
地盤工学会論文報告集 = Journal of the Japanese Geotechnical Society : soils and foundation (ISSN:13417452)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.145-153, 1997

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著者
鍾 清漢
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 = The journal of Kawamura Gakuen Woman's University (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.83-104, 2002

本稿は, 道徳教育研究を儒家思想に求め, その関わりを論ずるものである。孔子, 孟子, 荀子の儒学は2600年来, 東アジアの漢字文化圏の道徳理念の形成に大きく影響を及ぼしてきた。戦前, 日本の教育勅語には儒家思想が多く盛られている。ただ, 「忠」の解釈には違いもあったが, おおよそ日本国民の血となり, 肉となって, その精神文化を支えてきた。戦後はその「忠」の行き過ぎを正してきた。そして近年にみる道徳の頽廃をどう考えるかが, 道徳教育研究の大きな課題でもある。儒学では, 孔子の仁・忠恕と孟子の仁義・性善説が主として語られるが, 荀子の礼から発展した法規則は, 孔孟思想の偏りを正して, さらに一歩進めたものである。本論はこれを検証する紙数がなかったので, 後日の研鑽に委ねたい。なお, 四書の中の『大学』一書の「格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下」の八徳目は, 世界のどの哲学にもみられない最高の智恵である。
著者
遠藤 徹
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.183, pp.245-261, 2014-03-31

現代日本の音楽学は欧米の音楽学の輸入の系譜をひく研究が支配的であるため、今日注目する者は必ずしも多くはないが、西洋音楽が導入される以前の近世日本でも旺盛な楽律研究の営みがあった。儒学が官学化し浸透した近世には、儒学者を中心にして、儒教的な意味における「楽」の「律」を探求する学が盛んになり独自の展開を見せるようになっていたのである。それは今日一般に謂う音楽理論の研究と重なる部分もあるが、異なる問題意識の上に展開していたため大分色合いを異にしている。本稿は、近世日本で開花していた楽律研究の営みを掘り起こす手始めとして、京都の儒学者、中村惕斎(1629~1702)の楽律研究に注目し、惕斎が切り拓いた楽律学の要点と意義を試論として提示したものである。筆者の考える惕斎の楽律学の意義は次の六点に要約される。①『律呂新書』に基づき楽律の基準音、度量衡の本源としての「黄鐘」の概念を示した、②『律呂新書』を基本にすることで近世日本の楽律学を貫く、数理的な音律理解の基礎をつくった、③『律呂新書』の説く「候気」の説は受け入れず、楽律の基は人声とする考え方を提示した、④古の楽律を探求するにあたって、実証、実験を重んじた、⑤古の楽律の探求にあたって、日本の優位性を説いた、⑥古の楽の復興を希求した。
著者
広田 康生
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.141-154, 2012-03-15

本論で筆者は、「日本人のグラスルーツ・トランスナショナリズムと場所」研究が、移動にかかわるさまざまな「生の物語」が展開する「都市的世界」の認識と、都市社会学的研究領域の一つとして、「閉塞的なナショナリズム」とは一線を画する「多様性と統合」「アイデンティティと場所」を探求するテーマ領域であることを確認し、研究の指針と構成を示す。上記の課題を実現するため本稿では、都市コミュニティ論特に奥田都市コミュニティ論が都市社会学に提起した課題としての秩序研究から「下からの都市論」構想―「民族・エスニシティ、階級・階層、ライフスタイル、宗教・文化その他の系統の差異性を伴い相互に複雑にばらつき」ながら、「意味創造的側面」を発揮する都市の研究―に至る研究道程を追いながら、筆者らの都市エスニシティ論はそれをどのように受け止め、トランスナショナリズム論とどのように接合したかを振り返り、その課題を展開する一つの試みとしての「日本人のグラスルーツ・トランスナショナリズムと場所」研究の意味を明らかにする。
著者
小松 佑人 浜田 宏一 磯田 貴宏 上田 貴郎 羽生 博之
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.9-10, 2016-03-10

日本のリビングでのエアコン使用時、暖房時に部屋のどこにいても「足もとから暖めたい」、冷房時は「風があたって不快」など快適性に関する声が聞かれた。屋内で靴を脱ぐという日本の生活習慣と床の表面温度が同じでも床の種類によって「接触温冷感」が異なることに着目し、「フローリングでも素足で過ごせる暖房」を、また冷房時は輻射熱など室内の潜在的な課題と「冷房の風が直接当たって不快」という不満にも配慮し、室内環境を踏まえた「気流を感じさせないやさしい冷房」をめざした。新たに床の種類を判別することで快適な空調を実現する。
著者
BRU Ricard
出版者
International Research Center for Japanese Studies
雑誌
Japan review : Journal of the International Research Center for Japanese Studies (ISSN:09150986)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.121-143, 2017-03-17

This article analyzes the shunga collection owned by the Mito Tokugawa family. It presents the discovery of six pieces from the Mito Tokugawa, one of the three branches of the Tokugawa. This collection helps us understand the uses and the spread of erotic art among the ruling classes in Edo period Japan. The collection, formed of different types of works (scrolls, books, prints, and sex toys) is important in documenting the high degree of acceptance of erotic art within the Tokugawa family. In particular, the manuscript notes written by the daimyo, Tokugawa Nariaki, show that the works were acquired as part of a regular family practice over the seventeenth, eighteenth, and nineteenth centuries. This suggests that it was common for all daimyo families to collect shunga.
著者
平井 由季乃
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2016

東京海洋大学修士学位論文 平成28年度(2016) 海洋システム工学 第2611号
著者
山田 博仁 山本 昭夫 笠原 悦男
出版者
松本歯科大学学会
雑誌
松本歯学 (ISSN:03851613)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.129-142, 2004-08-31

It is a universal hope to retain clean teeth and dentition as long as possible. The number of patients with chief complaints of tooth discoloration and staining, and inquiries about esthetics and whitening of the teeth, are increasing. Dental treatment is shifting from the previous age of tooth pain relief and removal to the age of emphasis on esthetic recovery of natural tooth color and morphology in addition to the recovery of functionality. Therefore, it is necessary for clinicians to try to meet these various requests by patients. Although bleaching, veneer restoration, and prosthetic treatment are used for tooth discoloration and staining, we reported the following items focusing on a bleaching method, and describe clinical cases in this paper: I. Causes of tooth discoloration and staining II. Indications and contraindications for bleaching III. Technical procedures for intra-oral examination IV. Bleaching of the vital teeth 1. Office bleaching method 2. Home bleaching method V. Bleaching of the pulpless tooth 1. Walking bleach technique 2. Bleaching of the pulpless tooth using Highlight^[○!R]
著者
五十嵐 響 内田 君子 奥田 隆史
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.503-504, 2019-02-28

クラスの雰囲気は,クラスが編成され活動が続けられるうちに,構成員である児童・生徒の相互作用により,自然に生み出されていく風土のことである.クラスの雰囲気を良くすれば,いじめ・校内暴力・不登校など学校での問題が解決できることが知られている.クラスの雰囲気は,クラスに外部から適切なアクションを加えると良くなるが,どのようなアクションが有効であるかは明らかにされていない.本研究では,まず外部からのアクションとしてムードチェンジャー(特殊エージェント)をクラスに加入させることを提案する.次にクラスの雰囲気を良くする特殊エージェントの行動特性をマルチエージェントシミュレーションにより明らかにする.
著者
吉松 純 Jun Yoshimatsu
出版者
金城学院大学キリスト教文化研究所
雑誌
金城学院大学キリスト教文化研究所紀要 = Bulletin of Christian culture studies Kinjo Gakuin University
巻号頁・発行日
vol.23, pp.1-31, 2020-03-31

フィンセント・ファン・ゴッホもマルク・シャガールも世代を超えて愛されている画家。バーネット・ニューマンは戦後のニューヨークの抽象芸術の一線で活躍した画家です。しかし,この3人の表現法はとても違います。何か共通することはあるのでしょうか。それは彼らの信仰にあります。ゴッホはオランダ改革派教会に生まれ育ち,聖書や教会などを作品の中に描いています。ユダヤ教はシャガールやニューマンに影響を及ぼしました。何世紀にもわたり十戒,とりわけ偶像礼拝につながる創作活動を禁じた第二戒はユダヤ人が芸術家を志す夢を打ち砕いてきました。シャガールもニューマンもそれと対峙して自分の絵を完成しました。この講演では,聴衆者に3人の芸術への思い,信仰をご紹介し,作品をより深く堪能する切っ掛けとなければと願っております。
著者
野原 潤

2015年度卒業論文要旨, 情報科学部情報科学科
著者
矢野 正
出版者
奈良学園大学人間教育学部
雑誌
人間教育 = Online Journal of Humanistic Education (ISSN:2433779X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.105-109, 2020-05

本書は,同志社女子大学大学院生活科学研究科生活デザイン専攻に在籍した,古性摩里乃さんが提出した修士論文を,加筆・改稿したものである。古性摩里乃さんは,同志社女子大学現代社会学部社会システム学科に学び,天野太郎教授の歴史地理学ゼミで「姉妹都市」に関する卒業論文に,熱心に取り組んだ。その際,「姉妹都市」の観点から,姫路市立動物園も取り上げた。この学部時代の動物園に対する着眼点をさらに深化させるために,特別推薦入学生として同大学院生活科学研究科生活デザイン専攻に進学され,彼女は,動物園の魅力高揚の諸問題について,諸井克英教授のもとで社会心理学的観点から格闘・奮闘し,この度,素晴らしい修士論文として世に送り出すことになった。本書は,大学院での2年間の勉学の取り組みを細切れの論文のままではなく,加筆・改稿し「ひとまとまりのかたち」にされたものである。