著者
竹井 巖
出版者
北陸大学
雑誌
北陸大学紀要 (ISSN:21863989)
巻号頁・発行日
no.46, pp.1-18, 2019-03-31

In the Edo era, there were the foot soldiers “Teko-Ashigaru” in the Kaga domain.They had been engaged in managing the gardens in Kanazawa castle and carryingofficial cargoes of the domain. They had to have the necessary qualities of big andstrong men; it was known that they“Teko-Ashigaru” had a lot of anecdotes about verystrong men. In addition, they had maintained the snow cellar "Himuro" situated in the“Gyokusenin-Maru” garden of Kanazawa castle, and were probably technical experts attaking care of the snow-ice stored in the domain. Matters of the “Teko-Ashigaru” and"Himuro" were collected and discussed by using historical documents connected withthe Kaga domain.
著者
小野 雄大 森勢 将雅
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2019-SLP-127, no.15, pp.1-6, 2019-06-15

VOCALOID などの歌詞と譜面の情報から歌声を合成する歌声合成ソフトウェアを皮切りに,歌声合成技術は発展し続け,歌声に多様な表現を付与することが可能となった.多様な表現が可能となったからこそ,ユーザが所望する歌声をデザインすることを支援する研究も行われている.本研究では,歌唱表現の中でもビブラートに着目し,そのデザインを支援するインタフェースを検討する.本稿では,歌声を聴きながらビブラートデザインを行う手法を提案し,提案手法をインタフェースとして試作した.本インタフェースを構成する機能として,リアルタイムビブラートデザイン機能やデザイン対象音声のピアノロール表示機能,音声ファイルの読み込み,書き込み機能などについて説明する.最後に,提案手法のビブラートデザインの有効性について考察し,今後の展望について述べる.
著者
大浦 圭一郎 中村 和寛 橋本 佳 南角 吉彦 徳田 恵一
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2019-SLP-127, no.34, pp.1-6, 2019-06-15

本稿では,ニューラルネットワークに基づく音声ボコーダにおいて,周期信号と非周期信号を入力とする音声生成の枠組みを提案する.近年,ニューラルネットワークを用いて音声波形を直接モデル化する手法として WaveNet [1] が提案された.WaveNet は音声波形を高精度にモデル化することができ,自然な音声を直接生成することができるため,特に音声ボコーダ [2] として様々な研究で利用されている [3],[4],[5].しかし,過去の音声サンプル列から次の音声サンプルを生成する自己回帰構造を持ち,合成時に並列演算ができないことから,実時間で合成できない問題があった.また,WaveNet を学習する際のデータベースに無い音高の再現ができない問題や,補助特徴量として指定したピッチ情報の音高を再現しないことがある問題があった.これらの問題に対し,本稿では明示的に周期信号と非周期信号の列を入力として用い,対応する音声サンプルの列を一度に生成する手法を提案する.提案手法を用いることで,実時間より高速に音声を生成できること,および,学習データの範囲外のピッチを持つ音声波形を生成できることを確認した.また,自然性に関する主観評価実験を行い,WaveNet と比較して合成音声品質の向上を確認した.
著者
森嶋 道子 林 有学 上平 悦子
出版者
畿央大学
雑誌
畿央大学紀要 = Bulletin of Kio University (ISSN:13495534)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.35-42, 2019-12-31

本研究の目的は、役職を持たない看護師のワーク・エンゲイジメント(Work Engagement、以下WE)を明らかにすることである。役職を持たない看護師550名を対象に自記式質問紙を用いて調査を行った結果、今の職場・診療科が自分に合っていると感じている者、今後の方向性が明確な者のWEが高いことが明らかとなった。また、臨床経験5年未満の者のWEは、臨床経験20年以上の者のWEと比較して低いことが明らかとなった。このことから、役職を持たない看護師には、職場の適応感を重視した配属を検討することや、今後の方向性を明確にできるような支援が必要であり、経験の浅い役職を持たない看護師には、支援を充実する必要性が示唆された。
著者
堀場 勝広 中村 遼 鈴木 茂哉 関谷 勇司 村井 純
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.923-944, 2018-10-15

Network Function Virtualization(NFV)を利用したサービスチェイニング(NFV-SC)は,ソフトウェアによる動的なネットワークの構成変更を可能とし,通信事業者の機器や運用のコストを低減することが期待されている.しかし,Interop Tokyo 2014 ShowNetにおいてNFV-SCを実装・運用した結果,Virtual Network Function(VNF)の連結によってパケット転送性能の低下が確認され,スケールアウトに課題が残った.そこで本研究では,スケールアウトとその前提となる相互接続性が実現可能なVNF 構成を検討し,その知見に基づき筆者らが提案しているNFV-SCの方式であるFlowFallを設計・実装するとともに,Interop Tokyo 2015 ShowNetにおいて,実際のネットワーク装置を利用してFlowFallを構築・運用し,商用ネットワークサービスとして20の出展者に対して3日間のNFV-SCを提供した.本稿は,これらの実践から得られたNFV-SCにおける相互接続性とスケールアウトの実現に必要な知見を述べる.
著者
朱 捷
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.79-95, 1990-03-10

見立ては、つきつめて言えば、異なる事象たる甲と乙との間に共通した要素を見つけることである。それは、身ぶりしぐさなどの生活の知恵としての見立てから、芸術表現の様式としての見立てまで、幅が広い。美学的価値から言えば、それは大きく二つのレベルに分けることができる。一つは、おもに甲と乙との間の外面的、知的な共通要素を媒介とする見立てである。いま一つは、甲と乙との間の内面的、情趣的な共通要素を媒介とする見立てである。前者は、一般に言う譬喩に近く、比較的素朴で、日常的であるのに対して、後者は、芭蕉の配合に近く、より奥深くて芸術的である。従って、日常生活から芸術表現まで幅広く認められる見立ての究極的な境地は、内面的、情趣的な要素による異質な事象観の配合にあると言える。配合は、内面的、情趣的な要素を媒介にしている上に、素材感に連鎖を与えずに並列させるため、素材間の飛躍が大きくなり、飛躍が大きければ大きいほど、思いがけない新鮮なイメージが躍動してくる。
著者
泉 芳璟
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 = THE OTANI GAKUHO (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.152-208, 1929-06
著者
許琪 藤本 忠博 村岡 一信 千葉 則茂
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.15(2002-CG-110), pp.25-30, 2003-02-14

これまでのCGにおける陶芸の研究には,粘土のシミュレーション,練り込みの表現法,貫入(ひび割れ)の生成法,および釉薬の発色の表現法などがある.本研究では,釉薬の中においても,色彩のみならず,非常に興味深い結晶パターンを呈する結晶釉の表現法を試み,亜鉛結晶釉のビジュアルシミュレーション法を構築するための拡張DLAモデルを提案する.
著者
渡部 章郎 進士 五十八 山部 能宜 Akio WATANABE SHINJI Isoya YAMABE Nobuyoshi
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.20-27,

2004年には景観法が公布・施行され「景観」は法律用語になった。しかしそれ以前から,「景観」は様々な分野で使用された。それら異なった分野では,「景観」の語は導入の経緯や使い方も異なっている。本研究は景観用語と概念の変遷を専門分野別にたどり,明らかにしようとするもので,本報では特に地理学系分野について考察した。本稿で得られた結論は,次の3点にまとめられる。(1) 地理学系の景観概念は,ドイツLandschaft論の影響を強く受け展開されるが,ドイツでも概念規定が不明確で,地理学の本質論に関係する問題でもあるため,日本でも激しい議論がなされてきた。(2) 景観概念は「地域」か「風景」か,という問題で常に議論されてきた。景観概念の不明確さは,ドイツのLandschaftが地域と風景という,別のルーツを持つ2つの意味を持つ言葉であったことに由来する。また,類義語であるLandscapeや風景には地域の意味が存在しない点が大きい。(3) 近年は,自然地理学では,生態学と結びついた「地域」の研究,また人文地理学は,英語圏のLandscapeの解釈から「風景」といった人間を主体としたイメージや認識論からのアプローチによる概念研究がなされている。
著者
渡部 章郎 進士 五十八 山部 能宜 Akio Watanabe Shinji Isoya Yamabe Nobuyoshi
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.299-306,

景観法の公布(2004年)により「景観」は法律用語になったが,明確な定義はなされていない。景観は様々な分野で使用されているが,「景観」の語の導入経緯と用法は異なっている。本報では景観用語と概念の変遷について,造園学および工学分野における場合を辿ってみた。本考で得られた結論は,次の3点にまとめられる。(1) 造園学および工学における景観概念は,「景観」を計画,創出,管理していこうという立場からのものであり,実務的で行政との関係が深い。いずれも景観概念は環境と景観を結びつけた,いわば「環境の総合的なながめ」とされている。(2) 両分野における景観概念や技術は,法制度に組み込まれた風致・美観を実現するための理論からスタートした。景観は,自然景観と文化景観に大別されるが,造園学ではより自然の視点に,一方工学では文化(人工)の視点に比重をおいたアプローチが多い。(3) 両分野での景観概念は,視覚的環境が中心となっており,外観が重要視されている。「環境全体の良好な姿」を構築する方向での景観概念の展開がまたれる。
著者
竹田 大将 近藤 鯛貴 佐藤 裕幸 杉野 栄二
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2019-HPC-172, no.3, pp.1-7, 2019-12-11

我々は低コスト・省電力・省スペース化を目指し Raspberry Pi 上の GPGPU により,高負荷計算実現が可能か研究を行っている.今回はその Raspberry Pi GPGPU の 1 応用として,超解像処理システムを構築することを検討した.超解像技術は様々な手法が提案されているが,中でも Total Variation (TV) 正則化分離を用いた手法は最も有望なもののひとつと考えられる.TV 正則化分離は,入力画像を低周波成分とエッジ成分から構成される骨格成分,高周波成分とノイズから構成されるテクスチャ成分に分離する処理である.本稿では安価でありながら理論性能 24GFLOPS の GPU (VideoCore IV) が搭載されている特徴を持つ Raspberry Pi にて超解像処理の主要計算部のひとつである TV 正則化分離の GPGPU 化について評価を行った.その結果,CPU のみで演算を行う実装に比べて約 12 倍の高速化に成功し,汎用的な PC と比較しても Raspberry Pi GPU の価格性能比は圧倒的に高いことが確認できた.