著者
郭 艶娜 鈴木 雅久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.690, pp.21-26, 2000-03-14

全土にわたり活断層を50余りを持つ台湾にとって地震は重要な問題である。近年設置された台湾の耐震建築基準は、特別強震区、強震区、中震区、弱震区に分けて地震対策を立ててきたが、1999年9月21日に台湾中央部で発生した地震(通称:「921集集大地震」;マグニチュードMs7.3;深度=1.0km)は中震区で発生したため、甚大な被害をもたらした。また、地震の被害は、震源地から160km以上も離れた台北にも及んでおり、台湾の地震対策の弱点をつかれた結果となった。本論文では、この「921集集大地震」の特徴を再検証するとともに遠隔地における地震伝播のメカニズムについて検証した結果、地震多発地区だけでなく160km以上離れた遠隔地においても表面波や複数断層反射効果ないよい強震が伝わることが判明した。このことより、台湾の行政は、早急な耐震建築基準の見直しが必要とされることがわかった。
著者
関本 信博 西村 拓一 高橋 裕信 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.448, pp.181-188, 1999-11-18
被引用文献数
4

動画像や音声などの膨大な時系列データベースの中から、クエリー系列と類似した時系列区間を検出する新方式、「Rutic法」を提案する.従来、任意区間長クエリーを扱う方式としてRIFCDPやIPMがあったが、これらは比較的計算量を必要とし、検索対象のデータベースが大きくなった場合リアルタイム検索には不向きであった.本方式は逐次入力される時系列クエリーに対してフレーム入力毎に検索出力を可能とすることで、セグメンテーションをすることなくデータベースから検索する.本方式は計算量が非常に少ないため、いわゆるリアルタイム-スポッティング検索を実現する.本報告では、Rutic法のアルゴリズムを示し、映像検索に用いた実験を行い他方式と比較することでその有効性を検証する.
著者
平賀 督基 品川 嘉久
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.421-422, 1997-03-12

物体を認識する手法としては、曲率といった局所的特性の分布などによって物体を認識する方法があるが、そうした手法では測定誤差の影響を受けやすく、良い結果を得ることが困難となることがある。本研究ではそうした手法とは異なリ、物体の構造的特性を表し、また誤差の影響を受けにくい高さ関数のレーブグラフ (以下、レーブグラフと略記) を用いての物体認識を目標としている。本手法は主に2つの段階に分かれている。まず第一段階は、対象となる物体のレーブグラフをあらゆる角度から生成し、その角度に対応する球面上の点にレーブグラフをマッピングして、その物体の球面マップを作る段階である。物体の回転に関してレーブグラフは変化するため、この球面マップが必要となる。第二段階は、生成された複数の球面マップ間の相似性を計算する段階であり、この段階を行なうことによって物体認識が行なわれる。このマップ間の相似性の判定のためには、レーブグラフ間の類似性を計算しなければならない。本論文では、まずレーブグラフを紹介し、次にその類似性に関する定義を与える。最後に球面マッピングの手法を示して、どのように物体認識を行なうかを述べる。
著者
藤本 和則 湯川 高志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.51-52, 1995-03-15

質問を受けたとき、人間は適切な抽象度で回答する。例えば、「ワンワンとほえる動物は?」と聞かれたとき、「コリー」や「肉食動物」ではなく「犬」と答える。このように人間は、複数の抽象度の答から"適切な抽象度"の答を選び出して回答する。本稿では、意味的な階層をもつ確率モデル(以下、階層的確率モデルと呼ぶ)に基づく分類問題において、人間のように適切な抽象度の答を選び出して回答する方法を提案する。
著者
生形 貴男
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.149-160, 2004-01-31
参考文献数
26
被引用文献数
3

イタヤガイ科(二枚貝)の63種について,楕円フーリエ解析を用いて,殻の輪郭を族(tribe)及び生活型の間で比較した。その結果,足糸付着型のものと自由生活型のものとの間でも,また族の間でも,フーリエ係数やその主成分の分布に差異が検出された。祖先的な生活型と考えられる足糸付着型のもの同士で比較すると,イタヤガイ亜科に属するものの方が,カミオニシキ族やヒオウギ族のものよりも,丸くて対称性の高い輪郭成分の割合が大きい傾向にある。一方,自由生活型のものは,キンチャクガイ族の一部を除いて,従来言われていた通り,丸くて対称性の高い輪郭成分が卓越する。以上の結果は,カミオニシキ亜科よりもイタヤガイ亜科の方が,もともと自由生活に適した丸くて対称性の高い形態を獲得しやすかったことを示唆する。このことは,自由生活者がイタヤガイ亜科に多くカミオニシキ亜科に少ないことの理由のひとつであるかもしれない。また,本研究で扱った材料の中でカミオニシキ亜科唯一の自由生活者であるホタテガイ(カミオニシキ族)は,イタヤガイ亜科の自由生活者の多くのものよりも,高さ/長さ比がやや大きくて縦長である。これは,カミオニシキ族に顕著な縦長の輪郭要素が,自由生活型に進化したホタテガイにおいてもなお祖先形質として保存されているからだと考えられる。
著者
ポーンプロム トッサポン 松本 宏 臼井 健二 石塚 皓三
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.180-182, 1994-10-28
被引用文献数
3

The absorption and metabolism of oxyfluorfen were determined in oxyfluorfen-tolerant and non-tolerant (normal) soybean cell lines. The tolerant cells absorbed considerably less of the herbicide than the normal cells. Metabolism of oxyfluorfen did not differ between the two cell lines. These data suggest that lower absorption in the tolerant cells may contribute to the observed tolerance but that the tolerance is not metabolism-based.
著者
白樫 高洋 臼井 英治
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.39, no.464, pp.966-972, 1973-09-05
被引用文献数
32
著者
峰 弘子 増原 加津美 田村 咲江
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.23-29, 1992-01-15
被引用文献数
1

Spinach was stored in the dark at 5,20 or 30℃ with or without polyethylene wrapping in order to investigate the changes in fine structure of chloroplasts of stored spinach leaves. Samples were cut out from the same site of mature leaves, and fixed by glutaraldehyde and osmium tetroxide. The specimens were embedded in Epok 812 and then examined by means of a light microscope and a transmission clectron microscope. Chlorophyll contents of the same samples were also measured. After storage for 3 days, degradation was observed in the fine structure of chloroplasts of both wrapped and un-wrapped spinach. This degradation process took place almost in the same manner, though the speed of degradation varied from sample to sample. During the first stage, starch granules disappeared from the chloroplasts, and during the second stage the chloroplasts were globular in shape, in which grana and thylakoids were deviatorily gathered on the inner side of the cells. During the third stage, grana began to unstac, thylakoids assumed a random arrangement, chloroplasts dropped into a large vacuole after the disruption of the tonoplast, and finally, when the chloroplasts were punctured, the contents dispersed into the vacuole. Degradation of the chloroplasts was enhanced by storing without wrapping at higher temperatures. The residual rate of chlorophyll was higher when stored with wrapping at lower temperatures. The degradation features in the fine structure of chloroplasts closely corresponded to the degradation degrees of freshness of stored spinach.
著者
スワンウォン スィーソム 臼井 健二 石塚 皓造
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.315-321, 1989-12-25
被引用文献数
3

除草剤耐性機構の解明および耐性植物作出の検討を目的として,植物における分岐鎖アミノ酸生合成,芳香族アミノ酸生合成あるいはグルタミン合成酵素のような窒素代謝の掻乱活性が強いベンスルフロンメチル(BSM),グリホサ-ド(GLY),およびグルボシネ-ト(GLU)を用いて各々の耐性細胞をニンジン懸濁細胞より選抜した.ニンジン(Daucus carota L. cv. Harumakigosun)はこれらの除草剤に感受性である. ニンジンの胚軸より誘導した細胞をLS培地で懸濁培養した.この細胞の生育は10^<-8> M BSM,10^<-3> M GLYあるいは10^<-5> M GLU処理で著しく阻害された(Fig.1).それぞれ10^<-9> M,10^<-4> Mあるいは10^<-6> M処理では50%程度の阻害を示したが,これら除草剤を含む培地で数回継代培養すると無処理細胞と同程度の生育となった.その状態の細胞を更に,それぞれ,10^<-8> M,10^<-3> Mあるいは10^<-5> Mを含む培地に移し継代培養を続けることにより,耐畦細胞が選抜された(Fig. 3, 4, 6, 7).選抜された耐性細胞は上記濃度の除草剤を含む培地中で無処理細胞と同程度に生育した.耐性細胞の選抜に要した継代培養回数即ち期間は,GLYはBSMよりやや長いが3〜4ヵ月と比較的短かったが,GLUはほぽその倍の期間であった.このことは除草剤の物理化学性あるいは作用,耐畦機構と関連があると推察された.これら耐畦細胞は,ある期間上記濃度の除草剤中で培養した後,更に高濃度の10^<-7> M BSM,10^<-2> M GLYあるいは10^<-4> M GLU中に移しても生育可能であった(Fig. 2, 5, 8).また,除草剤を含まない培地に移しても耐畦は保持され(Fig.9),耐性適応は少なくとも一年間は安定であることが認められた.
著者
前田 修子 滝内 隆子 小松 妙子
出版者
Japanese Society for Infection Prevention and Control
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.41-47, 2008-03-25
被引用文献数
2 2

我々は,訪問看護師に対する感染管理の学習支援が必要にも関わらず教育プログラムがないことから,12回で構成する"訪問看護師を対象とした感染管理教育プログラム"を作成した.続いて,今回,この教育プログラムのうち,訪問看護師の要望が高かった「手洗い・うがい」を研修会形式により開催した.研修会参加者によるテーマ,開催方法,学習目標・内容・方法に関する評価と参加者の知識・技術の修得状況をもとに,研修会の効果検証を行った.結果,①研修会のテーマ,開催方法,学習目標・内容・方法は,大部分の参加者からよい評価が得られた.②知識・技術の研修会後の修得状況は,全項目において研修会前よりも上昇していたが,手洗い必要物品の選択・準備・持参に関する項目は低い傾向であった.今後は,研修会後の修得度が低かったもの,上昇があまり認められなかった学習項目の学習内容・方法を検討していく必要があると考えられた.<br>