著者
森 靖 小林 浩 上野 洋一郎 森谷 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.355, pp.67-71, 2006-11-09
被引用文献数
1 1

発展途上国などの情報弱者地域への導入が期待されているflying S-CSMA/v-MCA方式は,衝突回避手続きに伴うRTT浪費問題を根本的に解決し,広域化を可能にするものである.方式開発にあたっては,これまで長短パケット数比を固定した静的なトラフィックを印加し,スループット特性や遅延特性などをシミュレーションにより評価してきた.ところで,近年急速に普及が進んでいるVoIPやストリーミングなどのリアルタイム系サービスに対応するには,QoS制御の導入が必須である.これに伴って,印加トラフィックを現在のサービス利用状況を反映したものに見直す必要が出てきた.大学キャンパス内で発生しているトラフィックを計測し,利用されているサービスやその利用頻度およびトラフィックパターンなどのモデル化を行い,トラフィックが動的に変動するシミュレーション環境を整備した.
著者
小林 香 片山 勁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.19, pp.29-32, 2002-04-11

ICMPプロトコルを利用した2端末間のパケットの片道及び往復伝送遅延時間の揺らぎの計測結果に,単一ノードモデルとしてネットワークをとらえた時の通信品質を評価する.またN段のM/G/1待ち行列システムとしてのネットワークの評価を検討し,問題点を明確にする.
著者
ナイジェル オクスブロウ
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.383-387, 2002-07-01

米国の図書館情報学教育の多くが,時代の変化とともに急速で革新的な発展を遂げたのと対照的に,イギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国の教育現場では,どちらかといえば変革は隠微な形でしか進まなかった。それは同時に,実業としての図書館情報学が,時代やビジネスの現場におけるニーズとの乖離を深めていくことを意味していた。その溝を埋めるために産まれ,そして驚くべき成功を遂げたのが,ここで紹介するTFPLというイギリスの会社である。彼らはどのようにして時代の変化を読み取り,インフォプロたちを支援し,かつ養成する一大組織へと転身していったのか。代表・ナイジェル・オクスブロウ氏に,その歴史と活動を語ってもらい,成功の秘訣を探った。
著者
砂山 渡 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.146-154, 2001-02-01
被引用文献数
12

近年, インターネットの普及に伴って文書の電子化が進んでいる.しかし, 我々がそれら文書のすべてに目を通すことは, 肉体的にも時間的にも困難である.それゆえ各文書の内容を端的に表する要約が, 必要な文書の取捨のために有効となる.そこで本論文では独自の方法によって重要文抽出を行う展望台システムを提案する.このシステムは, 文章の全体を見通した上で文章を特徴づけるキーワードを発見する.特徴キーワードは文章の主題と密接にかかわりのある単語として抽出されるため, 有効な重要文抽出に役立てられる.
著者
長谷川 隆明 林 良彦 山崎 毅文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.1745-1754, 2004-07-15
被引用文献数
1

インターネットに接続可能な携帯電話の普及により、携帯電話に電子メールを転送するユーザが増えている。外出先からでも携帯電話に電子メールの着信が通知されるので、日々大量に電子メールを受信するユーザにとって、携帯電話を通して即時に電子メールを読むことは有効である。しかしながら、画面の大きさや送信可能文字数の制約により、転送される電子メールの本文すべてを読むことは難しい。本論文では、この問題を解決するために、電子メールの特徴を利用した重要文抽出手法と携帯電話向け要約システムへの適用を提案する。本手法の特徴は、電子メールに特有な表現とスタイルの特徴を利用したルールにより重要文を抽出することである。本手法により、人手により作成された重要文の正解との比較において、特に複数の評価者間で正解に対するコンセンサスの得られる電子メールに対して、高い精度で正解と一致する重要文を抽出できた。また、携帯電話向け要約システムへの適用を考慮した評価においても、電子メールの取捨選択に十分利用できる高い精度が得られた。With the spread of mobile phones that can access the Internet, most people are forwarding their incoming email to their mobile phones. Mobile phones enable heavy users of emails to access them anywhere. The restricted capacities (display size and message limits) of mobile phones, however, prohibit whole messages from being read as is. We propose a new rulebased method of sentence extraction which takes the features of emails into consideration and describe its application to an email summarizer for mobile phones. Our method uses the expression and style specific to emails. The sentences extracted by the proposed method are virtually the same as those selected manually by majority voting. A task-oriented evaluation of the proposed method reveals its high precision and recall in screening for emails through mobile phones given a practical message size limit.
著者
山本 浩幾
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.567-574, 2007-12-01

早稲田大学演劇博物館に所蔵する資料群「九州地区劇団占領期GHQ検閲台本」は,戦後期の地方演劇文化を知る上で有用な資料である。「ダイザー・コレクション」とも呼ばれるこの資料群は,プランゲ・コレクションと同様,研究資料としてアメリカへ移送されたものである。歴史的背景を確認した上で,関連資料にもとづきコレクション成立の経緯をたどる。再整理作業では目録データと原物資料と突合しつつ,新たな情報の採取を行い,さらに電子撮影を行った。本資料群の資料性を,原物資料の特長や,目録データによる資料構成から考える。配架状況や運用方法についても触れる。
著者
佐々井 啓
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.117-124, 2006-02-15
参考文献数
37

In this essay, I will explain dandyism represented in Oscar Wilde's comedies, examining the lines and photos of dandy characters and comparing three characters in his novel The Picture of Dorian Gray. Wilde says in his letter, 'Basil Hallward is what I think I am: Lord Henry what the world thinks to me: Dorian what I would like to be-in other ages, perhaps.' In his comedies, there are many dandies: they show 'narcissism,' 'revolt against the society and moral,' 'pursuit of modernism,' 'aesthetics of decadence' and 'voluntary spirit' Lord Darington in The Lady Windermere's Fan and Lord Illingworth in A Woman of No Importance are decadents who revolt against society. They resemble Lord Henry. Lord Goring in An Ideal Husband is narcissist but he saves his friend voluntarily. He is the same as Basil who is conscious about real life. Jack and Algernon in The Importance of Being Earnest pursue pleasure in an imaginary life which resembles the fantastic life of eternal beauty in Dorian. As a result, Wilde wants to show his dandyism to describe many types of dandies in his comedies. These dandies, narcissists, create fashion with perfect attire. The most important dandy attire are the necktie and the buttonhole. In those days, the necktie was necessary for any man of society. The buttonhole was made of natural flowers, and was changed two or three times during the evening. Because they are so fragile, they symbolized the dandyism of Wilde.
著者
清野 善兵衛
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.801-808, 1961-01

第3次越冬期間中(1959年2月-1960年1月)に約100回のラジオゾンデ観測を行い,一応各高度気温の年変化を観測することが出来た.夏の状態曲線は300mb附近に極めてシャープなトロポポーズが現れ,成層圏では高度と共に気温は上昇する.トロポポーズの気温は比較的高温で-50℃に達しない時もある.一方冬の状態曲線は一般に地上附近に顕著な気温逆転が現われ,トロポポーズはあまり明瞭でなくなり,成層圏でも高度と共に気温は下降を続ける.気温の年変化は300mb以下では地上のKernlose型の変化と似た変化を示すが(振幅は少ない)300mb以上では単純な年変化となり,振幅も高度が高い程大きくなる.トロポポーズの平均高度は冬に高くなり,夏よりも2000m以上も高い.850〜700mb附近に第2の逆転層が見られ,この層は強固なものでブリザードがあっても却々解消せず,時間と共に次第に高い方に移動して行くことが認められた.
著者
蔵 琢也 蔵 研也
出版者
岐阜聖徳学園大学
雑誌
Review of economics and information studies (ISSN:13453998)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.111-127, 2004-09-30
著者
蔵 研也 蔵 琢也
出版者
岐阜聖徳学園大学
雑誌
Review of economics and information studies (ISSN:13453998)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.470-510, 2001-03-01

現在の物理学は十分に発連しており、基本的な謎は、素粒子や宇宙論に関連する問題を除いてないように宣伝されている。しかしながら、物理学は数学と異なり、公理から作られた体系というよりも、経験的に現実とうまくあった数式の運用規則の集まりという側面が強い。そのため、法則や原理、運用規則が完全に整合がとれて無矛盾であるとは眠らなくなっている。このようなことから、多くの研究者が集中的に研究する流行の問題以外にも、色々な種類の基礎的な問題がある。本論文では、そのようなものの中から幾つかの問題を示す。この中には一見初等的に見えるもの、解決済みに見えるもの、色々な意見がありながら店晒しになっているものなどが含まれている。それは以下の六つである。(1)因果率とトンネル時間(2)観測と保存則(3)重力と制動放射(4)重力と角運動量の転移(5)特殊相対性理論とポテンシャル(6)ホーキング幅射 各問題は理解しやすさと言う目的のため、具体的な思考実験の形式をとっており、十分に抽象化・一般化されているとは眠らない。抽象化や一般化の方向については一部述べた。また、各問題にはわれわれの解説や意見、あるいは暫定的な解答が述べられているが、必ずも同意を求めているわけではないし、重要でもない。むしろ、これらの問題は、読者の各自が自分自身で考えて、答えを出していただきたいと思う。なお、問題の順番は、基本的に我々が考え出した順番に並んでおり、あまり意味がない。また、多くの問題には我々より先に類似した問題を提唱し論じた研究者がいるが、それについても不十分ながら知る限りで論じている。
著者
川俣 純 山口 治 村松 浩幸 高崎 満 中村 雅俊 吉田 吉美
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.23, pp.256-257, 2007-08-20

茨城県南地区の中学校技術・家庭科(技術分野)におけるロボット製作とそのロボットコンテスト大会において,CMSを用いた情報共有システムを構築し共同学習をおこない、その効果を検証した。実践の結果、10校の生徒達から参考資料を明記した120件のアイディアが出願された。さらに出願時に参考資料を明記させたことで,アイディアが学校を越えて連鎖し,新たな技術開発につながったことも確認することができた。これらの成果は情報共有システム上に残され次年度へ継承された。生徒を対象した調査でも、学校を越えたアイディアの交流の効果が確認された。
著者
清水 康敬 山本 朋弘 堀田 龍也 小泉 力一 吉井 亜沙
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.249-257, 2007
参考文献数
3

教育の情報化の推進に関するアンケート調査を全国の5,000校に発送し,3,869名の教員と2,019名の管理職からの回答を得て,推進のための要因と阻害要因等に関する学校種の違い,教員の経験年数,学校に対するコンピュータや電子メールアドレスの支給の有無,教員の性別の違い等について分析した,その結果,小学校から中学校,高等学校になるにしたがって学校に対するコンピュータ等の整備が進んでいるが,利用については逆に減少していること,男性教員の方が女性教員より利用度が高いこと,授業でのコンピュータ等の利用度は小学校の方が高いこと,教員の経験年数が10年以上20年未満の教員の利用度が高いこと,コンピュータが学校等から支給されている教員の利用が有意に高いことなどを明らかにした.