著者
久村 因
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.233-263, 1954-09

Punishment by curtailing of personal liberty is said to have developed comparatively early in China. This essay, which investigates the circumstances of banishment applied by the Former Han to the feudal lords, reaches the following conclusions:1. The place of banishment was limited to the provinces of Shu 蜀 and Han-chung漢中. 2. As it was a punishment commuted by amnesty from sentence of death it was not a part of the general penal code of the Former Han dynasty.a. Additional punishments included demotion or fines.b. After judgment was given the person to be banished had the status of a free man, but this seems to have been with effect from the time of his reaching his place of banishment. Moreover, at the place of banishment he usually was prudent enough to keep behind closed doors.c. At the place of banishment, clothes, food and lodging were generally supplied by the district 縣 in which it was situated, while the sharing of the lodging appears usually to have been restricted to the children and their mother.d. After judgment had been given ordinary amnesties were not applicable.3. Thus when the abolished domains of the feudal lords were restored it was common, that the succession went to others than the real sons, which was exceptional to the law of succession under the Former Han.4. This custom ceased with the establishment of the Later Han dynasty.(Concerning the origin of this custom nothing can be said here because of lack of space)
著者
小倉 慈司
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.178, pp.353-404, 2012-03-01

近世前期に諸善本の副本作成事業や古写本収集を行なった後西天皇の収集書について、それが霊元天皇を経て、中御門天皇と有栖川宮職仁親王に引き継がれていく過程を明らかにする。寛文六年に後水尾法皇の命を承けて後西上皇が霊元天皇に諸記録新写本を七〇合進上したが、その中には古写本や文学書は含まれておらず、上皇の手許に残された。それらも含めた後西上皇蔵書は、貞享二年の上皇崩御後に霊元天皇が接収し、さらに再整理を行なって自らの蔵書中に組み込んだ。なお、後西上皇は蔵書の一部を皇子幸仁親王や近衛基煕に賜与している。後西天皇が禁裏本の副本作成作業を行なった理由について、従来は、禁裏の火災に備えるためと考えられていたが、実際には、譲位後も自分の手許に置くことができる蔵書を増やすためであったと考えられ、霊元天皇に進上した以外の書物については、最終的には一部を除いて幸仁親王(もしくは八条宮尚仁親王)に譲るつもりであったと考えられる。霊元天皇は後西上皇旧蔵書を接収した後、史書については分類して寛文六年後西上皇進上本に加える作業を行なったが、完全にその作業が完了しないまま、譲位後五年を経て東山天皇に譲った(未整理部分は手許に残す)。しかしその後も必要に応じて禁裏より箱を戻して書物を取り返すこともあった。一方、文学書は譲位後もそのまま仙洞にて管理していた。霊元法皇崩御後には、中御門天皇へは、後西上皇旧蔵書中より分置された分や霊元天皇新収書も含めてかなりの量の史書・文学書が贈られているが、それらの中には他の皇子女に一旦形見分けされた後に中御門天皇に献上されたものも含まれていた。有栖川宮職仁親王に対しては、享保12~14年頃と崩御後の二度にわたって書籍が賜与されている。これらの書籍の中には霊元法皇が意図的に選別して職仁親王に贈ったものと、崩御後、偶然的要素によって職仁親王の手に渡ることになったものとがあった。
著者
星野 常夫
出版者
文教大学
雑誌
言語と文化 = Language and Culture (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.73-80, 1993-07-01
著者
梅澤 章乃 竹川 佳成 平田 圭二
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2017-EC-44, no.25, pp.1-5, 2017-05-25

対面コミュニケーションにおいて,人は対話者の顔の特徴から対話者の性格を推測するといったように,顔は人の印象を決める重要なパーツである.また,対話者の顔の印象が好ましいほど,対話者に対して親近感が湧く傾向があるということも知られている.自分自身の顔そのものを変えることができれば,他者に与える装着者自身の印象や雰囲気をより柔軟により強力に操作できると考えられる.そこで本研究では,ユーザの顔をアバタの顔に変えられる仮面型ディスプレイ e2 - Mask の提案を目的とする.
著者
南條浩輝 山本 祐司 吉見 毅彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.1644-1653, 2012-06-15

機械翻訳(MT)の品質向上のための翻訳前の書き換え(前編集)について述べる.これまでの前編集は主にルールに基づくものであるため,MTシステムに依存し,かつシステム構築に労力を要した.これに対し,本論文では,MTシステムに依存しない統計的前編集システムの自動構築手法を提案する.具体的には,対象とするMTシステムに適した前編集システムを,当該MTシステムを含む複数のMTシステムおよび対訳コーパスから自動構築する手法を提案する.本手法の最も重要な特徴は,前編集によって翻訳品質の向上が得られる学習データを自動生成できる点にある.ロイター日英記事の対応付けデータを用いて4種類の日英MTシステム用前編集システムを構築したところ,3種類のMTシステムについて,多くの文に対して翻訳品質を向上させる前編集システムが構築できた.提案手法である前編集システムの学習データの自動生成は,3種類のMTシステムの前編集システム構築に効果的であったこと,および他の1種類のMTシステムの前編集システム構築に悪影響がなかったことを示し,提案手法の有効性を示した.
著者
澤岡 藩 サワオカ サカエ Sakae SAWAOKA
雑誌
岐阜藥科大學紀要 = The annual proceedings of Gifu College of Pharmacy
巻号頁・発行日
vol.57, pp.65-73, 2008-06-30

あるジャンルの特性を明らかにしたいという試みは、ことばはある時代に共通した精神的指向性を持って有力なジャンルを生成させるという認識に由来する。「小説」ということばは現在のところ明確な概念を与えられてはいない。ナラトロジー物語論は、形式的テクスト分析として、ジェラール・ジュネットの分析をはじめとして個別的に成果を上げた。 しかし「小説」と言う概念を「物語」という構造に収まらないものとして仮定するとき、理論と批評との軋轢が生じ、その方法そのものが矛盾を来すものとなる。一つの可能性としてミハイル・バフチンの理論が有効に小説の形式的特性を提示している。そこでの作者と作品内部の人格を相互に他者として扱う対話的思考形態に基づく考えかたは、言語論的には疑いを生じさせるが、示唆に富む。
著者
村田 龍 徳田 祥子 平山 雅之
雑誌
組込みシステムシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.119-120, 2015-10-14

我々は教育現場で発生する答案並び替え作業などを支援するシステムの開発を目指している.本報告では答案の学生番号を読み取り,答案を物理的に並び替えるシステムの基本アイデアとシステムを構成するデバイス類の選定について紹介する.
著者
中森眞理雄 金子敬一 並木美太郎 中條拓伯 品野勇治 小谷善行 辰己丈夫
雑誌
情報教育シンポジウム2004論文集
巻号頁・発行日
vol.2004, no.9, pp.175-176, 2004-08-28

東京農工大学工学部情報コミュニケーションエ学科では,平成18年度入学試験における個別学力検査(前期日程)に教科「情報」を出題する.そのための試行試験(第1回目)を7月31日に実施する.本報告では,「情報」出題と試行試験の目的,出題内容の方向性,広報活動と社会の反応について述べる.