著者
石坂 信一郎
出版者
札幌学院大学総合研究所
雑誌
札幌学院大学経営論集 : Sapporo Gakuin University Review of Business Administration (ISSN:18841589)
巻号頁・発行日
no.6, pp.19-29, 2014-03-05

本稿では明治期から1950年までの非営利法人税制について,その発展の経緯を追い,わが国の非営利法人税制の起源を検討した。非営利法人に対する課税上の措置の始まりは地租におけるものであり,非営利法人に対する法人課税上の措置は1899年の改正所得税法までさかのぼることができる。1950年改正法人税法では,すべての内国法人の所得について法人税を課した上で,公益法人等の所得のうち収益事業以外の所得については法人税を課さないという構成になる。それまでの法人税法では,公共団体,神社等,および公益法人は非課税であった。ここに1950年の税制改正前後の法人税における課税方法の断絶がある。1950年の税制改正以前から継承したものとしては,特別法により一部の法人で行われていた収益事業課税,および旧営業税における課税業種の範囲とその提示方法が挙げられる。この検討が現税制へ示唆するものは,シャウプ勧告が提言した内容の再検討の必要性である。勧告で提言された個別審査方式での免税制は,1950年当時の混乱した社会・経済の状況では導入するべくもなかったが,現代では検討の余地が十分にある。
著者
谷口 歩 今村 亮一 阿部 豊文 山中 和明 玉井 克人 新保 敬史
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

腎不全は腎の線維化を中心とした不可逆な臓器不全である。間葉系幹細胞移植が腎に対して保護的に作用することが注目されているが、その臨床応用においては幹細胞移植に伴う取り扱いの煩雑さが問題である。我々は骨髄間葉系幹細胞を血中さらに障害部位に動員させる物質を特定し、これを利用した再生誘導医薬を開発した。化学合成された薬剤を静脈へ注射するのみで骨髄間葉系幹細胞を障害された腎臓に集められることが予測されるため、煩雑な幹細胞移植を伴わずに腎再生医療を臨床に応用できる可能性がある。本研究では腎障害動物モデルに対する再生誘導医薬の効果に関して、病理学的評価、分子生物学的評価および次世代シーケンス解析を行う。
著者
川又 啓子
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.107-132, 2005-06

はじめにⅠ.音楽Ⅱ.ゲームⅢ.映画Ⅳ.アニメーションⅤ.出版(書籍・雑誌・コミック) 1.書籍 2.雑誌 3.コミック(漫画)むすびにかえて
著者
赤星 亮一 大熊 広一
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.357-365, 1984 (Released:2008-11-21)
参考文献数
21
被引用文献数
9 9

(1) 34°Cにおける水,エタノール,エタノール水溶液および蒸留酒のNMRスペクトルの化学シフトについて測定を行った.純エタノールは4.075ppm,純水は3.528ppmであり,エタノール水溶液および熟成蒸留酒のOH基プロトンのNMRスペクトルは,いずれも水の化学シフト位置の近傍に出現する.これは,エタノール水溶液や蒸留酒は,その水素結合の状態がきわめて水に類似した液体構造を持つものと考え,られる. (2)エタノール水溶液や蒸留酒中に微量の酸が存在すると, OH基プロトンのNMRスペクトルは,酸を含まないものに比べて約0.01~0.05ppm低磁場にシフトする. 0.01~0.18%の濃度範囲では酢酸の濃度が変っても,シフトの位置は変らず固定されている. (3)熟成蒸留酒には必ず微量の酸が存在するので,貯蔵年数の異なる試料のNMRスペクトルは,酸の存在によって決まる一定のシフト位置に出現し,熟成に伴う差異をみることができなかった. (4)蒸留酒のOH基プロトンスペクトルの半値幅は貯蔵年数とともに増大し, 10年当り約0.5 Hz増大する.半値幅の増大はプロトン交換速度の減少および単量体の減少を示すもので,熟成に伴う誘電率や気相エタノール濃度減少の事実とよい一致を示している.これは,長い年月貯蔵熟成された蒸留酒中ではエタノール分子が強く束縛されていることを示すもので,その香味円熟と深く関連している. (5)蒸留酒中に存在する酸,エステル,アルデヒド,フーゼル油,樽材浸出物等の微量成分がOH基プロトンのNMRスペクトルの半値幅に与える影響について検討を行った.エステル,アルデヒド,フーゼル油の場合,存在する濃度範囲においては,ほとんど影響がなく無視することができる.酸が存在すると水素交換のためNMRスペクトルはシャープとなり半値幅を著しく減少させる.樽材浸出物は若干半値幅を増大させるが,熟成に伴う半値幅の増大に比べればわずかである.

1 0 0 0 OA 福井県方言

著者
加藤 和夫 Kato Kazuo
出版者
明治書院
雑誌
現代日本語方言大辞典 [編集: 平山輝男]
巻号頁・発行日
vol.1, no.あ~う, pp.159-163, 1992-03-03

1 0 0 0 屋根の歴史

著者
平井聖著
出版者
東洋経済新報社
巻号頁・発行日
1973
著者
武市 紀人 柏村 正明 中丸 裕爾 津布久 崇 福田 諭 鈴木 美華 宇佐美 真一
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.214-219, 2009 (Released:2009-09-18)
参考文献数
11

難聴遺伝子診断が有用であった1例を経験した。本例は成人両側感音難聴症例であるにもかかわらず, 現病歴, 家族歴が不明であり, 合併症である転換性障害による機能性難聴の可能性も否定できず, 診断と治療に苦慮した。難聴遺伝子診断によりGJB2遺伝子異常による遺伝性難聴の確定診断となり人工内耳埋め込み術を施行した。本例はGJB2遺伝子による難聴としては緩徐に進行した非典型例であったが, 人工内耳の装用効果は十分であり, 術前は困難であったテレビ視聴や単独での外出も可能となった。遺伝子診断は倫理的な課題も多く, 通常の検査と異なり専門医による十分な配慮, 準備が必要である。当院では遺伝子診療部が中心となり遺伝子に関する業務を行っており良好な検査の施行が行えた。難聴遺伝子診断は難聴患者の診断法として非常に有用と考えられるので今後のさらなる普及が望まれる。
著者
白鳥 敏正 松平 晏明 小西 奎二 桜井 忠一
出版者
社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集(B編) (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.58, no.546, pp.182-187, 1992-02-25

Scale model experiments were made to investigate the steady and unsteady airflow characteristics in an underground railway station. The experimental apparatus consists of a scale model of a two-layer underground railway station and train wind generators that simulate the steady and unsteady airflow caused by trains. The steady and unsteady airflows were measured with hotwire anemometers at several points of the station for several cases. The unsteady airflow patterns were almost identical to the estimated airflow patterns obtained from steady values. The method of reducing the train wind effect in a station by means of tunnel ventilation dynamic control was considered and its effectiveness was confirmed through experimentation.

1 0 0 0 松戸市史

著者
松戸市誌編さん委員会 編
出版者
松戸市
巻号頁・発行日
vol.中巻 (近世編), 1978
著者
国際政経学会[編]
出版者
国際政経学会
巻号頁・発行日
1936
著者
宮澤 正典 Masanori Miyazawa
出版者
同志社大学一神教学際研究センター
雑誌
一神教学際研究 = Journal of the interdisciplinary study of monotheistic religions : JISMOR (ISSN:18801080)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.7-24, 2015-03-31

昭和戦時下のひとつの転換点は1937年の日独伊防共協定、40年の三国軍事同盟であった。各新聞はそれに先立ってヒトラー総統に対して厳しく批判してきた。しかし、1935年にまず『朝日新聞』がヒトラー讃美に転じ、他紙も競って三国同盟を「人類の福祉に貢献すべき世界史の新時代」とうたい、ドイツのユダヤ人弾圧にも共鳴化した。それを批判する自由主義者たちの一人清沢洌はナチスの運動は論理の解剖にたえない宗教運動であり、ヒトラーの一人芝居になっており、恐ろしく独断的、狭量であることを批判している。ユダヤ避難民の満州入国に尽力した樋口季一郎中将、ユダヤ避難民に外務省の意向をこえて日本通過ビザを発給した外交官杉原千畝などがいた。そのビザで敦賀に到来したユダヤ人に対する市民と新聞報道との落差についても考察した。
著者
安谷量衡著
出版者
富士書房
巻号頁・発行日
1943