著者
中村 真 松田 英子
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
vol.25, 2015-03-15

中村・松田(2013,2014)は,大学生の中途退学率が増加する背景に心理的要因としての大学生の適応力の低下があると考え,首都圏の4 年制大学の学生を対象に質問紙調査を実施した。その結果,大学不適応に直接影響する要因は「授業理解の困難さ」「大学への帰属意識(大学への愛着)」であったが,「友人関係」は「大学への帰属意識(大学への愛着)」を媒介して大学不適応に影響しており,間接的な影響をもつことが示唆された。ここで言う不適応とは,「大学生活が辛いと感じる」といった,いわゆる主観的な不適応感を指しており,成績不振や怠学を示唆するものではあるが,それらを直接反映するものではなかった。そこで,本研究では,一連の研究で用いた諸変数に大学不適応を客観的に示す指標であると思われる授業の出席率とGPA を加えたうえで,これらの各変数が大学不適応にどのように影響するのかを検討した。その結果,先行研究と同様に,授業理解が困難であるほど,大学への愛着が低いほど大学不適応感が大きくなること,また,友人関係の良好さは大学への愛着を介して間接的に大学不適応感の低さに影響することが示された。一方,大学不適応感は,出席率およびGPA に負の影響を与えていることが示され,怠学や成績不振,牽いては,留年や退学を予測する有効な指標である可能性が示唆された。
著者
山本 毅雄
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, 1978-06-15
著者
金子 雄介 長田 繁幸 安土 茂亨 岡田 仁志 山崎 重一郎
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21888655)
巻号頁・発行日
vol.2018-CSEC-82, no.24, pp.1-6, 2018-07-18

ブロックチェーン技術による分散台帳を利用する仮想通貨は,二重使用を防止するために,すべての取引で入金額の和と出金額の和が一致すること,すなわち,通貨価値の総量保存則が成り立つことを監査している.仮想通貨を金融業務で用いるには,利息による負債額の時間的増加や返済による負債額の減少を表現できる必要があるが,仮想通貨の安全な運用とは両立しない.本稿は,通貨価値の総量保存則を維持しつつ,利息や返済などの処理を合理的に記述する方法を提案する.提案法では,利息を考慮した融資額を意味する正の仮想通貨と,対となる同量の負債額を意味する負の仮想通貨を同時に発行し,これら 2 種類の仮想通貨の発行者のみが正負の仮想通貨を相殺する.
著者
関 千代
雑誌
美術研究 = The bijutsu kenkiu : the journal of art studies
巻号頁・発行日
no.311, pp.29-34, 1979-10-30

A letter of Hōgai KANO (1828–1888) addressed to Toshisada TAWARA, his father-in-law who was a doctor, is owned by Hōgai's great-grandson, Mr. Hiroshi KANO. The letter has the date of November 6 and, judging from the content, it is recognized as being of the fourth year of Ansei Era (1857). It has an illustration drawn by Hōgai himself representing Townsend HARRIS, the first American Consul General to Japan who arrived at his post in 1856, a Japanese escort and a translator in the audience of the Shōgun. At the head of the letter, Hōgai states that Teppei, a son of Toshisada and a brother of Hōgai's wife Yoshi, should study medicine for continuity in the family occupation. A large part of the letter is on the visit of HARRIS to the Edo Castle which was big news to the people of the time. HARRIS, who sailed into the port of Shimoda in July 1856 and opened a consulate there, proceeded to Edo by land and visited the Shōgun in the Edo Castle to present the letter from the President. The letter was presented on October 21, 1857. Hōgai wrote for the people in his home town the news of HARRIS's overland trip and the audience in the castle to which he added an illustration. The illustration is vividly drawn and has a note saying “The sketchy drawing of the teacher is like this”, suggesting that the illustration was based on a sketchy drawing of Shōsen-in Tadanobu KANŌ who was his teacher. This leeter thus clarified that Hōgai was in Edo in this fall, but not in his home town Chōfu as is presumed by some people. At the same time, it indicates that he was already married then because his wife's name is mentioned without an honorific word in the letter.
著者
藤野 良孝 梶山 俊仁 中本 光彦 庄司 直人 井上 元輝
雑誌
情報学研究 = Studies in Information Science (ISSN:24322172)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.45-51, 2018-03-31

本研究では、ラグビー指導の「楽しさ」の要素を明らかにするために、女子学生が「楽しさ」で表現される句要素の関係性を調査し、テキストマニング分析を行った。結果、次のことが明らかになった。(1)名詞と形容詞、動詞の係り受け関係は、スクラムや試合など実技から生まれる楽しさが主たる要素になることが示された。(2)楽しいが含まれる内容表現には、「成功する」「集う」「動く」「解る」「分かる」「知る」「挑戦する」「ゲームする」「上達する」の9要素含まれることが分かった。(3)樹形図による分析では、実際にプレーしスクラムなどの専門的な動きを経験することが、ワクワクと結びつき、結果、楽しさに集約されることが示された。
著者
安藤 聡
出版者
愛知大学名古屋語学教育研究室
雑誌
語研ニュース
巻号頁・発行日
no.20, pp.23-24, 2008-12
著者
大岩 元 Hajime Ohiwa 豊橋技術科学大学情報工学系
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.218-227, 1988-07-15

ソフトウェアの生産性が問題となっているが,必ず実効の上がる改善策としてキーボード教育がある.まず英文タイプのブラインド技術はわずか2~3時間の初期訓練によって獲得できるものであることを示し,続いてタイピング作業の認知モデルを,タイピングCAIプログラムと関連させて述べる.ソフトウェア作成には文書化作業が大きな比重をしめるが,この作業効率を上げるには,下書きせずに技術者が直接ワークステーションで文書作成を実行することが望ましい.これには日本語入力の方法とそれをどのように教育するかが問題となる.そこでまず日本語入力の基本となる,各種カナ入力法について論評を加える.さらに漢字の直接入力法について論じた後,入力法の評価に関する研究をいくつか紹介し,それが非常に困難な問題であることを示す.最後にキーボードと計算機本体の接続を標準化すべきことを指摘する.
著者
鷲谷 浩輔
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.143-151, 2018-03